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ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

リアリティのダンス

2014-07-11 22:55:36 | ら行

この金髪の子ね、男の子なんですよ(笑)


「リアリティのダンス」55点★★★


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1920年代、軍事政権下のチリ。

幼いアレハンドロ・ホドロフスキー(イェレミアス・ハースコヴィッツ)は
権威的な父(ブロンティス・ホドロフスキー)と、
元オペラ歌手の母と暮らしていた。

ロシア系ユダヤ人である彼は
学校でいじめられているが

父親は少年の苦しみに向き合ってくれない。

そんな少年に
現在のホドロフスキー(アレハンドロ・ホドロフスキー)が寄り添い、
彼の家族の物語を紡いでいく――。


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「エル・トポ」(70年)「ホーリー・マウンテン」(73年)などで知られる
アレハンドロ・ホドロフスキー監督、23年ぶりの新作。

先に公開されたドキュメンタリー
「ホドロフスキーのDUNE」がきっかけで
本作を撮ることになったそう。

自身の自伝をもとにしており、
主役である彼の父親役を、監督の長男が演じています。


その内容はというと・・・
変わらず、トンでます!(笑)

御年85歳!やるう!(笑)


母親はオペラで会話してくるし、
障害者を虐めるわ、放尿するわ(笑)

しかし自身の父への想い、
故郷への愛、独裁政治への批判など
さまざまなメッセージや、暗喩を含んでいることはわかります。

特に、チリの独裁者を暗殺しようとする父親が
なかなか目的を果たせず、

関わった人々を無駄に死なせ
その贖罪なのか、帰りたいのになかなか家に帰れない・・・というくだりは
ちょっと複雑なものが。


今回、監督は少年時代に離れたきりの故郷の街に戻って、
撮影をしたそうで、

父親の姿は、
監督自身をも表しているのかなと、想像してみたりして。


鮮やかな色使い、豊かなイメージと
心にズキュンと入り、留まるシーンが多いのですが

映画としてはわかりよい作品ではなく
実際のところ、本人のドキュメンタリー「DUNE」のほうが
おもしろくはありました(笑)

★7/12(土)から新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷アップリンクほか全国順次公開。

「リアリティのダンス」公式サイト
コメント (2)
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