ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

GODZILLA ゴジラ

2014-07-23 23:58:55 | か行

けっこう見応えありました。


「GODZILLA ゴジラ」3D版 68点★★★☆


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1999年、日本。
原子力発電所で重大な事故が発生する。

原発に務めていたジョー博士(ブライアン・クランストン)は事故原因を探ろうとするが
国と企業に隠蔽されてしまう。

同じころ、フィリピンで
芹沢博士(渡辺謙)はある重大な発見をしていた。

そして15年後。

米軍の爆弾処理班で働く
ジョー博士の息子(アーロン・テイラー=ジョンソン)は
父が日本であの事故の調査を続けていると知り――?!

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怪獣とはいえ生き物が戦うのは気の毒で
ワシ、怪獣映画は子どものころから苦手(苦笑)。

なので正直、門外漢なのですが

この映画は
ハリウッド流「SF(ディザスターもモンスターも含む)を現実っぽく見せるにはこうするんだ」という手法が
本当に詰まっているなあと勉強になりました。


冒頭から過去のニュース映像や新聞記事で
「過去にあったくさい」演出をガンガンして下地作り。

現実味のある原因や起因を提示し、
地震や原発、核、放射能……など、現実問題に絡めていく。

特に、かつて原発事故が起き
立入り禁止地区になった場所の設定など
いやでも福島を想起させるしね。

ゴジラ登場シーンも、バトルシーンも
うまく全部を見せずに、リアルを演出したり。

まあ、
「15年で無人地区はあんなに荒廃しないよう」とか、
「侵入者をわざわざ自ら秘密施設に連れてくか?」とか、
ツッコミどころは満載なんですけど、

映像はすごいし、
ジュリエット・ビノシュや
エリザベス・オルセンも出てる。

それに
門外漢から見ても、
たいていは「異形の怪物(エイリアン)VS人間」という図式になるものが
ああ「怪獣映画とは、そうならないんだな」と。

そのへんに元ネタのスピリットも
生かされていているのだろうな、と想像できました。

ただ
渡辺謙さん演じる倫理的な学者には、
もうちょっと具体的に活躍してほしかったなー。


★7/25(金)から全国で公開。


「GODZILLA ゴジラ」公式サイト
コメント
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