脱・宮崎駿、で作られた作品だそう。
それは、いいことなんじゃないかと思う。
「思い出のマーニー」68点★★★☆
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心を閉ざした12歳の少女・杏奈(声=高月彩良)は
親戚が暮らす北海道の海辺の村に
ぜんそくの療養に行くことになる。
そこで杏奈は、入江の向こうに建つ、
古い屋敷を見つける。
もう長いこと、誰も住んでいないというその屋敷に、
灯りがついたのを見た杏奈は
夕暮れ、一人で屋敷を訪ねるが――?
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北海道の湿地帯に建つ古いお屋敷・・・という
舞台設定と絵の美しさが、とにかく魅力的です。
ふてくされ度ハンパない少女主人公が
(『千と千尋』よりも上手だ・・・笑)
不肖不肖行かされた北海道の田舎で、
不思議なお屋敷と
そこに暮らす美少女マーニーと出会う話。
夢か幻か? 幽霊話か異次元系か? それとも…?
というミステリー要素もあり、
普段イメージするジブリ年齢層より、やや高めだと思います。
なにより
マーニーが少女というには美しく
なんか色っぽいというか、生々しいので
少女同士とはいえ抱擁シーンに
ちょっとドギマギするんですよね(笑)。
夢か幻か?ってな展開が
ラストに全て明らかになるのもスッキリするので
いいところも多いのですが
ただ、やはり脚本が弱いのが残念なところ。
そもそも主人公の少女・杏奈のキャラが微妙っていうか
出生の事情など、小さい心に
いろいろ傷を抱えていそうなのはわかるんですが
自分が世界に感じる疎外感を
「みんなは輪の中(=フツーの人間)
自分は輪の外側にいる人間(=特別な人間)」という体で
モノローグしちゃったりすると
思春期特有の自意識とはいえ、直裁にすぎて
どうしても、主人公に寄り添いにくいんですよ。
国からの手当て云々も、
少女の傷つく要因としては自然でないし。
まあだんだんといい子になってはくるし
本当に舞台の絵の力が壮大で
その自意識をもっていた、10代のころの感覚を呼び覚ますところはあり、
美術監督・種田陽平さんは
アニメーションの美術監督は初めてだそうですが
かの、男鹿和雄さんにすごく近い感じで
その存在はデカい!
★7/19(土)から全国で公開。
「思い出のマーニー」公式サイト