ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ワレサ 連帯の男

2014-04-04 21:57:16 | わ行

周囲のちょい下世代に
「ワレサ書記長って知ってる?」と聞いたら
「知らない」が100%。


ワシ、一応名前くらいは知ってたけど・・・(世代間ギャップ、ガーン)


「ワレサ 連帯の男」63点★★★


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1970年12月。

ポーランドでは物価高騰のなか、労働者が激しい抗議行動をし、
政府が武力鎮圧に乗り出していた。

造船所の、ごく普通の電気工だった
レフ・ワレサ(ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ)は、
持ち前の責任感で、次第に労働者の代表となっていく。

そして1980年、
リーダーとしての使命を自覚したワレサは
独立自主管理労組「連帯」初代委員長に就任し
反体制のカリスマとなるのだが――?!

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「灰とダイヤモンド」(58年)、そして
「カティンの森」(07年)と、最近ますます元気な
アンジェイ・ワイダ監督作。

実在人物を描くこの作品を、
「本当は作りたくない。しかし作る義務がある」と監督は語っており、
監督の決然たる思いを感じ取りました。


余計な心理描写などはさほど描かれないので、
「勉強」っぽくはありますが
これは「必須項目、最低限の知識を学ぶ」映画だと思います。


ワレサ氏の
「弱者を放っておけない、責任感」はよくわかるし、
第一、ノーベル平和賞のワレサ氏が
本当にいち労働者、電気工だったなんて知らなかったんで

そういう人が
「弱者の、労働者の声を伝えるため」
前に出ざるを得なかった時代の状況が

いま、この時代に
すごく重要な意味を持って迫ってくる気がしました。

ロックミュージックで時代の声を代弁するなど
演出も若々しく

ワレサ氏の妻役、アグニェシカ・グロホフスカがすごくいい。
「ソハの地下水道」(10年)に出てた女優さんです。


★4/5(土)から岩波ホールほか全国順次公開。

「ワレサ 連帯の男」公式サイト
コメント
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