179分!
しかしホントに退屈なしで驚愕。
「アデル、ブルーは熱い色」73点★★★★
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高校生のアデル(アデル・エグザルコプロス)は、
ある日、道でブルーの髪の女性に目を奪われる。
アデルはボーイフレンドとデートしても
彼女のことが忘れられない。
そんなとき、偶然入ったバーで
アデルは彼女と再会する。
彼女の名はエマ(レア・セドゥ)。
美学生だというエマと、アデルは親しくなっていくが――。
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最初はね、びびりましたよ179分。
しかしホントにあっという間というか
時間が飛んだ(笑)。
しかも内容は
女と女が出会って恋し、その後……?という
極めて“フツー”のラブストーリー。
なのに、この時間の飛び方は何なんだろう。
アデル役のアデル・エグザルコプロスの
その息づかいや、感情の揺れすべてを共有しているように
親密に撮られた映像のせいでしょうか
ドキドキするんですよね、リアルに。
また
運命の女性と一番最初に出会う瞬間も
見せ場だろうに、これがまたさり気なかったり!(笑)
ホント、女性同士の愛とか、そういうのはどーでもいい話で、
(ラブシーンは少々刺激的かもしれないけど)
人と人が出会って、惹かれ合う
その熱い感情に「触っている」感じがする。
そこにみんなハマるんだと思います。
ラブラブ期間を経て、お互いの家族も紹介し合う二人。
しかしアデルの家と、エマの家はちょっと違う。
アデルの家は労働者階級で、
両親ともにごく一般的。
アデルも安定した職業である教師を目指している。
エマの家は美術品に囲まれ、
ワインとオイスターでまず乾杯、みたいな家庭。
エマ自身もアーティストとして成功したいと思ってる。
この環境の違いが
実はけっこうキモ。
エマはアデルに、もっと思考も仕事も、
自分の側に来て欲しいと願うんだけど、
アデルはエマに影響されそうでいて、
実は影響されないんだよね。
そしてすれ違ってしまう、その過程の子細さもすごい。
打ちのめされる、ではないんだけど
喉に何かがひっかかったように、
なんともいえない感情が、思い出しても続く作品でした。
あと、スパゲティボロネーゼが
めちゃくちゃ食べたくなった(笑)
★4/5(土)から全国で公開。
「アデル、ブルーは熱い色」公式サイト