ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

フォンターナ広場 イタリアの陰謀

2013-12-21 19:11:44 | は行

すっごくマニアックな映画と思ってたけど
前売り、売れてるらしいすよ☆


「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」62点★★★


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1969年、ミラノ。

労働者たちのデモ隊が警察と衝突し
若い警官が命を落とす。

カラブレージ警視(ヴァレリオ・マスタンドレア)は
デモに関わるアナキストたちのリーダー、ピネッリ(ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ)に近づき、
情報を得ようとする。

が、12月12日。

フォンターナ広場にある銀行で
大規模な爆発事件が起こり――?!

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「輝ける青春」のジョルダーナ監督の最新作。

1969年、イタリアで実際に起こった
死者17人、負傷者88人という
大規模惨事となった銀行爆破事件を描いたもの。

事件を知らなかったので
予備知識なし、サスペンスのように見ました。

あまり凝った作りではなく、
とつとつと無骨に語られる感じ。

なので
前半はかなり睡魔との戦いでしたが
取り調べ中のある人物が自殺?――という中盤から話が動き出し、

その後の犯人探しには
ミステリーの楽しさがありました。


この事件、一時はアナキストの犯行とされたものの
「実は――?!」となってゆき、
実際、いまも犯人不在のまま終結しているそう。

そこのところが興味深く、
恐ろしい反面、
スッキリ解決!ではないのがどうにも辛い(苦笑)


完全なる正義のヒーローがいないのも
リアルな反面、
映画としては面白みを欠いてしまうんですよねえ。

すごく誠実に作られていると思うし
そういうたぐいの作品ではないと
わかっているんですけどねえ。


1969年当時
「我々はまだ民主主義の経験が浅い(慣れていない)」と話す外相に
イタリアの現代史を思い、なるほど、と思いました。

まあワシの浅いイタリア現代史は
すべて映画で学んだことなんだけど(笑)

詳しい背景を知っていたほうが
お得なタイプの作品だと思います。

★12/21(土)からシネマート新宿ほか全国順次公開。

「フォンターナ広場 イタリアの陰謀」公式サイト
コメント
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