ソフィア・コッポラ監督の最新作。
「ブリングリング」66点★★★
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カリフォルニア州の高校に
転校してきたマーク(イズラエル・ブルーサル)。
父親は映画業界にいて、暮らしぶりも悪くないが
本人はいまいち冴えず、学校では無視されている。
そんな彼に
レベッカ(ケイティ・チャン)が声をかけてきた。
ファッションやブランド好きの二人は意気投合。
そしてある日、レベッカはマークを
「留守中の家に忍び込んじゃおう」と誘う。
さらにレベッカの友人、
ニッキー(エマ・ワトソン)らも加わって――?!
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ティーン窃盗団が
Googleマップでセレブ宅を特定し
彼らの留守中に忍び込み、やりたい放題に盗みを働いた――という
実話に基づくお話。
自身がまごう事なき“セレブ”であるソフィア・コッポラ監督が
この問題を提起する、そのシニカルさがシュール(笑)。
ブログなどでセレブ自身が
「今日は〇〇のパーティーに行くわ」とか
はい、ただいま留守にしてまっせ、とばかりに
自身の情報をだだ漏らししている状況の危うさ
そしてSNSなどで
セレブを「知り合い」と錯覚したり、
罪悪感もなく盗みに入り盗んだものを
SNSにアップしてしまったり――
昔では考えられなかった現代っ子の
不可思議な“世界のとらえ方”を捉えようという、
意図があったのかなと思います。
もちろんファッショナブルな楽しさや
フレッシュな役者ケイティ・チャンなど
魅力はあるのですが
思っていたよりも
単純に実際の事件をなぞったような感じで表面的だった。
彼女らが“浪費”する青春の時間が、
彼女ら好む服や宝飾品のごとく、
たとえ高価な物だとしても、キラキラしていても
薄っぺらく、安っぽいイミテーションにしか見えないのが
不思議な感覚でしたねえ。
実名のセレブたちが登場し、
そこに
エマ・ワトソンら“セレブ”が役者として絡む、という
ミックス加減も、また不思議な感覚でした。
★12/14(土)から全国で公開。
「ブリングリング」公式サイト