この作品公開後、
渋谷のBunkamura ル・シネマは
改修工事で年末までお休みだそうです。ほえ~。
「ゲンスブールと女たち」64点★★★
1991年、62歳で亡くなった
セルジュ・ゲンスブール。
酒とタバコがトレードマークで
ブリジット・バルドーや
ジョニデ妻=ヴァネッサ・パラディらに曲を提供し
かつ浮き名も流しまくったモテ男。
ジェーン・バーキンの元夫にして
シャルロット・ゲンスブールのパパである
氏の人生をドラマ化した作品です。
1941年、パリ。
12歳のゲンスブール少年は
ピアニストの父から音楽を学び、
タバコもすぱすぱ、大人と互角にやりあう
ませガキだった。
やがて成長した彼は
画家になる夢を捨て
半ばしぶしぶ音楽の道へ進むことになる。
そんな彼のもとに
エディット・ピアフやフランス・ギャルらが
「曲を作って欲しい」とやってきて――?!
ゲンスブールの分身である怪物(超・かぶりモノっぽい。笑)が
現実世界に登場して
彼をダークサイドに誘う場面が衝撃!(笑)
そうやってコンプレックスや自意識まで
滑稽めかして笑いにしちゃう
カリカチュアのような描写が
実にフランスらしいと感じました。
特に
ませガキだった少年時代が楽しく、
(この部分、もっと尺長くてもよかった!)
ゲンスブールを演じる
エリック・エルモスニーノも
30代~40代のころの本人の雰囲気に
相当に似せていて驚いた。
ただ映画全体としては
いまいちピントこないし、退屈。
B・バルドーやらJ・バーキンやら
実在の人物がわんさか実名で登場するってのに
なんか盛り上がらないんですよ。
ってか、そもそも
もっとドロドロで
エッチかと思ってたら
けっこう軽めの味つけだったんだよなー(笑)
これが監督のゲンスブール解釈なんでしょうが、
単に実在の人物ゆえの
遠慮や配慮が働いちゃっている気もする。
伝記モノにありがちな
「史実に縛られちゃった」的
退屈かもしれません。
実際、J・バーキンやシャルロットは
本作に一切ノータッチらしいし。
別に実物に似てる、似てないを見たかったわけじゃないけど
J・バーキンが全然似てないと
やっぱりガッカリしちゃうしね。
逆に幼いシャルロット役の子は
そっくりでうれしかったですが。
ただ
昨今、こうしたカルチャー人物伝は
ドキュメンタリーになることが多いので
あえてストーリー映画にした
監督の意欲は評価すべきですね。
★5/21からBukamura ル・シネマ、新宿バルト9で公開。
「ゲンスブールと女たち」公式サイト
いま発売中の『週刊朝日』(5/27号)ツウの一見で
ゲンスブールに詳しい
批評家で音楽家の大谷能生さんに
この映画の読み解きかた、を伺ってます。
彼のコンプレックスの素は
“ユダヤ人で醜男”なんだと思ってましたが
また違う理由もある…というお話。
へえ~そうだったのか!が満載です。
ぜひご一読を
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