いよいよアカデミー賞ですねえ。
作品賞、監督賞はこれと
「アーティスト」(4/7公開)の勝負でしょうね。
「ヒューゴの不思議な発明」69点★★★☆
マーティン・スコセッシ監督が
初3Dに挑んだ作品です。
1930年代のパリ。
駅の壁の中に隠れ住み、
時計を修理して暮らす少年ヒューゴ(エイサ・バターフィールド)。
彼はひとりぼっちで
父親(ジュード・ロウ)の形見である
オートマタ=機械人形を修理しようとしていた。
あるときヒューゴは
少女イザベラ(クロエ・グレース・モレッツ)に出会い、
彼女の助けを借りて、
ついに人形を動かすのだが――?!
3Dは実に美しく、
濃紺や金の深みある色合いの映像を堪能しました。
プレス資料の絵のほうが
この映画を表してる。
ただ、
なぜ監督がこの映画を3Dで描かねばならなかったのか、
理由があるのですが、
それがわかるまでに、ちょっと時間を要するんですよね。
つまり、いまから110年ほど前。
映画を初めて目にした人々は
走ってくる列車の映像を見て
「ギャーッ」と逃げ出した。
その驚きをいま再現するには、
映画の新しい魔法=3Dが一番ということなのですね。
その意図はよくわかるし
「月世界旅行」(1902年)は学生時代、感動して見たもんです。
しかし、ワシは勝手に
少年の冒険にもっと焦点があるのかと思ってたんですよ。
父親の形見であるオートマタを通じて、
なんかもっと
父親の死には陰謀が絡んでいた……?!とか、
もっと膨らむのかと思ってワクワクしたんですが
全然別の方向に話が行き、かなり肩すかし(苦笑)。
結局、この映画は
映画黄金期を回顧しつつ
“映画愛”を描いているので
そういうものとして見ないといけません。
少年役の子が
あまり好みでなかったのも
もひとつ熱中要素に欠けたのかもしれない。
クロエは、さすがに勘所いいけどね。
★3/1(木)から全国で公開。
「ヒューゴの不思議な発明」公式サイト