自伝的な話って
微妙に難しかったりするね。
「汽車はふたたび故郷へ」64点★★★
「月曜日に乾杯!」「ここに幸あり」の
オタール・イオセリアーニ監督が
自身の映画人生を振り返るように描いた作品です。
旧ソ連の共和国だったころのグルジア。
少年ニコは女の子バルバラとルカと
わんぱくっぷりを発揮していた。
やがて成長したニコ(ダト・タリエラシュヴィリ)は
映画監督になり、
幼なじみのバルバラやルカの協力で映画作りをしている。
しかし検閲の厳しいグルジアでは
なかなか思うような映画が作れない。
ニコはグルジアを離れ、
フランスに行くことにするが――。
セリフを少なくしたサイレント映画のような間合い、
ちょっとしたシュール、
ユーモアが味わい深いのは、監督ならでは。
特にニコの少年時代のわんぱくぶりが
楽しく、ワクワクさせられます。
ただ自伝的要素が強いせいなのか
全体のつながりなどにはあまり気を使っていなく
かなり散文的。
唐突な展開もあり、シーンのリズムなどがバラバラで、
普通に見ていると、つまづいてしまう。
「映画愛」という観点を第一に、
グルジアという国の歴史や背景を知りつつ
見るのが正しいかもしれません。
写真の引き延ばし器や、編集に使うスプライサーなど
小道具もまた「映画愛」に溢れていました。
★2/18から岩波ホールで公開。ほか全国順次公開。
「汽車はふたたび故郷へ」公式サイト