誰ですか
「岳にガクッ」なんて言ってたの(笑)。
映画「岳-ガク-」69点★★★☆
日本アルプスを舞台に
山での生や死のドラマを描いた
人気コミックの映画化です。
北アルプス山系の安全を守る
長野県警の山岳救助隊に
新人の久美(長澤まさみ)が配属された。
挨拶がてら隊に向かうと
隊員たちがまさに
雪中のクレバスに落ちた遭難者を救助に向かうところだった。
だがヘリが出払っており、
このままでは遭難者の体力がもたない……
隊に絶望が漂うなか
隊長の野田(佐々木蔵之介)が
ひらめいた。
「そうだ、三歩がいる!」
三歩(小栗旬)とは
北アルプスを庭に生まれ育ち、
ボランティアで山岳救助をしている青年だった。
その特異なキャラクターと破天荒に見える行動に
久美は反発を憶えるが―――。
主人公が「山バカ」という設定なので、
まあ唐突にバンザイしたり、
セリフがすっとんきょうだったり、
ずっこけなところも多々あります。
しかし、山のシーンは総じてよく、
魅せる内容でした。
なんたって山登りは
生と死という究極のドラマチックが詰まった
題材ですからね。
雄大な尾根をひょいひょいと走ってく三歩を
俯瞰して映すシーンなど
映像ならではの気持ちよさがある。
それに長澤まさみが
ガチ真剣な芝居で、迫力あってよかったです。
三歩に観客が持つ違和感を
そのままにスクリーンで表現してくれるので
非常に助かる。
大げさなくらいの芝居の佐々木蔵之介も、
山だから、合ってました。
まあ
この人たちこんな救助してたら、すぐ死ぬよ?とは
素人でも思いましたが(苦笑)
そこは映画ですから。
登山のエキスパートのかたに聞いても
「予想よりもずっといい感じに仕上がっていた」とのことでした。
山ガールなど
ちょい浮かれたムードもある登山ブームですが
資料によると
日本の登山人口1230万人。
遭難事故者はおよそ2000人。
うち死者・行方不明者は317人だそう。(2009年長野県警調べ)
こういう映画、必要なのでしょうね。
かなりの部分が現地ロケで
役者たちも相当にハードだったそうですし。
ただ、凍り付く寒さのなかで
吐く息があまり
白くない気がしたんですが……これはわざとなのでしょうか?
★5/7から全国で公開。
「岳-ガク-」公式サイト