ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

黒く濁る村

2010-11-17 20:45:34 | か行
謎や秘密を持ちかけられると
人はなんでこう「知りたい!」って
なっちゃうんでしょうねえ。。

「黒く濁る村」70点★★★


舞台は現代。

青年ユ・ヘグクは20年も疎遠だった
父親の訃報を聞き
ソウルから遠く離れた
ある山奥の村にやってくる。

その村で父は人々に慕われ
教祖まがいのことをしていたらしい。

だが村長をはじめ、
村人はどこか挙動不審で
ヘグクを村から遠ざけようとする。


父はなぜ死んだのか?
そして村に隠された秘密とは――?


原作は韓国でウェブ連載され
大ヒットとなったマンガ。

それをもとに
「シルミド/SILMIDO」のカン・ウソク監督が映画化した
サスペンスです。

166分もあるんですが
これが意外と惹きつけられちゃいました。


閉鎖された村というモチーフや
狭い世界でのドロドロ人間関係など

ウェブマンガという媒体にしては
素材はオーソドックスでクラシック。

でもやっぱり
怪しさの尻尾をチラチラ見させられたり
意味ありげな「謎」を持ちかけられると
どうしても
体が反応してしまうんですねえ。


父の秘密を探る息子
無意識のうちに
父の“ある素因”が微妙に継承されていたりするあたりに

韓国らしい“血脈”感覚が
現れているなあと感じました。

シビアななかに
これまた韓国的な
息抜き笑いもちゃんとあります。


ただ
ミステリーなので
あまり言うとヤボなんですが
見終わってみると
「え?こんなに華奢な骨格に、こんなに肉を盛ってたのか!」
という感じも。


ちょっと評価は分かれそうですが
謎に翻弄された後味は
悪くなかったです。


あと
「物を盗むのはただの悪党。
本物の悪魔は“心”を盗むものだ」が
印象的なセリフでした。

でもどこかで聞いたことあるよなあ。
・・・まさか、カリオストロの城?!

★11/20から全国で公開。

「黒く濁る村」公式サイト
コメント (2)
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