ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

リミット

2010-11-05 17:32:23 | ら行

棺桶のなかだけで
95分の映画を作るって
すごいよ?

「リミット」74点★★★


ある男(ライアン・レイノルズ)が暗闇で目覚めると
そこは土に埋められた木の棺桶のなか。

寝返りも打てない狭い空間に
あるのはジッポライターと
見知らぬ携帯ひとつ。

酸素もだんだん少なくなっていく……。

さあ、どうする?!


いままで見た中でもっとも狭小な
究極のシチュエーション・パニック・スリラーです。

とにかく狭苦しく、身動き取れず
できることは
ホント携帯かけるくらい。

しかも自分の携帯じゃないよ~(涙)

番長だったら、ひとつの電話番号も思い出せずに
窒息間違いなし、ですわ。


ワンシチュエーションで
撮れる絵も限られるし
作り手にとって相当な挑戦です。

なのにまあ
よくここまで画に出来たなあと
本当に感心しました。


むやみに回想シーンとかで逃げないし
とにかく箱詰めのままで

男が何者なのか
なぜ、そこにいるのかを明かしていく
展開もうまい。

スペイン出身の
ロドリゴ・コルテス監督、
1973年生まれらしいですが
才能恐るべし、です。

それにしても「地下」「生き埋め」のキーワードで
どうしても思い浮かべてしまう
チリの作業員救出劇。

こんな状況にならなくて
ホントよかったですねえ。


★11/6からシネセゾン渋谷ほか全国で公開。

「リミット」公式サイト
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする