ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ねこタクシー

2010-04-17 05:07:27 | な行
おっさんとブサカワ猫のコンビにぐっとくる

「ねこタクシー」66点★★☆


客との会話が苦手な
冴えないタクシー運転手(カンニング竹山)が

三毛猫の“御子神(みこがみ)さん”に出会う。


タクシーに御子神さんを乗せて
走ってみたところこれが大人気。
「ねこタクシー」として有名になり・・・というお話。


まずお断りしておくと
番長、子どものころから
動物がらみの映画は
よっぽど覚悟しないと見られません。

なぜなら
あきらかに限度を超えた動物好きゆえ
どんな話にも
必ずもの悲しさのカケラを
過剰に感じ取ってしまうから。

「南極物語」も「名犬ラッシー」も
「HACHI 約束の犬」も当然スルー。


でもこの映画のタイトルと
ビジュアルの魅力には逆らえず、見に行った次第です。


で、映画はどうだったかというと
爆笑、というわけではなく
ちょいプッ、くらいの
終始、穏やかなトーンの人間ドラマでした。


話は別段悲しくないし、
軽く吹き出すセリフも多いんですが

やっぱり全体的にどことな~く
もの悲しさが
漂ってるんですねえ。


カンニング竹山さん演じる主人公が
とにかく暗い!(失笑)

照明も
わざと暗めに撮ってあるし

テーマ曲のように全編に流れるのは
けだるく哀愁漂うハワイアン歌謡。


三毛猫の御子神さんは
さすが超然とした演技というか
ものすごい役者っぷりで
確かにカワイイです。


でもやっぱり動物好きって
「カワイイ~」だけではすまない
シビアな裏メッセージを
感じ取ってしまうんですねえ。


例えば
大勢の野良猫たちを飼ってあげてて
近所から通報されてしまう
室井滋さん演じるネコババアとか。
・・・切ない。


内藤剛志さん演じる
保健所の職員の存在とか。

しかし一見、敵に見える彼が
一番正しいことを言っているのが
実に印象的でした。

真の動物好きは
常にこうしたジレンマを抱えているのです。

監督もそこをちゃんとわかって
作ってくれているな、とは感じました。

って、なんか暗くなっちゃいましたが

しっかり
特製「ねこタクシー」クリアファイル
使ってますから!(前売り券特典らしいですよ)
カワイイ!




★6/12からシネマスクエアとうきゅうほか、全国で公開。

「ねこタクシー」公式サイト
コメント (2)
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