布施弁天界隈の自然と歴史情報

関東三弁天の一つである柏市布施弁天界隈の城跡、神社、仏閣等の歴史的遺産の紹介とあけぼの山近辺の花情報の提供

文化財の旧吉田邸と並ぶ現在の住まい

2007-10-15 | 歴史
広報かしわの平成19年10月1日号に市内花野井の旧吉田家住宅が市の有形文化財に指定されたと報じられていた。平成16年5月に逝去した故吉田富士子氏の遺言に基づき柏市へ寄与された茅葺きの古民家のうち、その後、母屋と書院は、文化庁の文化審議会を経て、登録有形文化財に登録されていた。登録有形文化財は全国で5807件登録されているらしい。今回は、残りの新座敷、長屋門、向蔵、新蔵、味噌蔵、道具蔵、西門の7つの建物が柏市の有形文化財に指定されたということだと思います。これで9つの建物、全てが、国と市の文化財となったということですが、文化財は2重登録できないから、国が2つで、市が7つということになりますね。
では、どの位の敷地の中に、どのくらいの規模の建物なのでしょうか?ところが、まだ、一般公開されていないためか、詳しい資料がない。言われていることは、敷地が1.8ヘクタール、母屋の床面積は585㎡くらいですか。
実際、西門の奥の方は、写真のように、まだ、43代当主一家が住んでいるせいかもしれない。この吉田家は、現在で43代続く名家で、吉田家の家伝によれば、一族の祖は平安時代の当地域の領主であった相馬氏一門に連なるものであったと言われています。
では、いくつかの建物を柏市のHPから紹介しますが、現在は、一般公開にむけて整備を行っている最中で、敷地内に入って、屋敷の見学は、残念ながら出来ませんでした。2008年度の4月には公開してもらえるのかなー。まず、国の指定を受けている、主屋と書院について。
< 主屋 >
敷地中央奥に建てられている大規模な茅葺き農家の主屋で、1853年築。主屋は木造平屋建で、屋根は寄棟造で茅葺きです。土間には、広大で重厚な梁組を見ることができる。
座敷には3間四方の居間や5畳の仏間など広い部屋が配されていて、仏間の正面には式台が構えられている。主屋の東面には書院が、背面には座敷棟が接続している。
< 書院 >
書院は1862年築で、主屋の東に渡廊下を介して接続しており、南には庭園が配されている。木造平屋建で、屋根は寄棟造の桟瓦葺き。
座敷2室を東西に並べ、四周に縁を廻らす間取りで、東室には1間半の床の間、左右に違い棚、書院を備えている。欄間格子や床周りなどには良質な材料が用いられており 、施工も入念で見ごたえがある。
次に、ここでは、柏市の文化財に指定された建物のうち、年代がはっきりしているものだけを以下に、簡単に紹介します。
新座敷は、屋根は全て桟瓦葺きで座敷部分は一間を6尺(約1820mm)とした柱割りの設計とされている。 間取りは、8畳間と6畳間の2室を一組とする座敷二組が納戸を挟んで配置されているのが特徴。古文書の資料より慶応元年(1865年) に築造されたらしい。
長屋門は、敷地正面に位置する桁行15間、梁間3間、全長25mに及ぶ長大な平屋建ての東西棟。総けやき造で、 用人部屋を備えている。古文書資料により天保2年(1831年)2月に築造されたことが判かり、敷地内で最も古い建造物となる。
西門は、旧吉田家住宅の西端に位置し、西隣りにあった醤油醸造場の正門です。門の形式は、一間の薬医門で、木造建で屋根は切妻造、桟瓦葺。 古文書資料に西門の記載は見当たりませんが、資料中にある安政3年(1856)築造の中門の可能性が考えられている。
ということで、旧吉田家住宅は大体築200年であり、そんなに驚くほど古いものではなかったんですね。これは、調べてみてわかったことですが、意外な結果でした。
コメント
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