今日は、父の誕生日84歳になった。
21年前 90%助からないと言われた父だった。
胆石の手術予定の1週間前 その石が動いてすい臓の入り口をふさいだのだ。
連絡をうけて せっかちな娘は、喪服をもって駆けつけた。
(喪服を持っていくことはないだろうって夫がぼそっと言っていたような気がする)
そういえば夫は、もう その頃 酒の海を泳ぐ毎日だった。
人って やはり 生まれ持った命のカードがあるのかもしれない。
まず 助からない父も 肝硬変の夫もいまだ 笑って楽しく生きているもんね!
父は、ストイックなまでに歩いて 夫は、もうやめたら?って思うぐらいに女のコレクションにせいだして 二人に共通なのは・・・?
ない!
瀕死の状態で父がいた病室は、まるで教会の空き部屋があったらこんな感じかな?って思われる中途半端に広い薄暗い部屋
オルガンを置いたら似合いそうな場所に加湿器があって・・
母が「おとうさんが死んだら困る」と繰り返しつぶやいていた。
夜、なぜか実家に弟と二人
コタツに入っていた。
「お姉ちゃん お父さんだいじょうぶかな?」
「なんだか死ぬ気がしないから大丈夫でしょ」
まったく なんの根拠もなく勘だけで話している姉
「そうだよね!」
父は、生きた。
少し動けるようになって点滴のスタンドをふたつ
腹には、4っつの管をつけて立ち上がり 1m 2m・・・毎日すこしづつ病院内を歩いた。
「お父さん誕生日おめでとう!」
「ありがとう!死の淵から21年目だ!」
どこへ行き着くのか・・
私も父の後ろを歩いて歩いて
木製パレット屋のつぶやき