とりあえず一所懸命

鉄道の旅や季節の花、古い街並みなどを紹介するブログに変更しました。今までの映画や障害児教育にも触れられたらと思います。

映画「レッドクリフ」を観ました。

2008-11-09 23:50:54 | 映画
映画「レッドクリフ」を観ました。

三国志を土台にした超大作という触れ込みでしたが、まさに制作費100億円の超大作にふさわしい映画でした。
出てくる人物の数が半端ではありません。
CG処理をしているだろうと思いますが、エキストラだけでとんでもない数だと思います。
その人たちに衣装代もきっととんでもない額になるのだと思います。

戦闘シーンもこれでもかというくらい出てきます。
ゲームで三国志をしている若者にはたまらないくらい楽しいものかもしれません。
しかし、三国志を文字文化で読んできたおじさんにとってこの映画は超つまらない駄作にしか映りませんでした。

そもそも荒唐無稽な三国志をテーマにすることから無理があります。
超大作の映画を作るというのは、北京オリンピックを頂点としたナショナリズムの高揚をベースにした映画作りなのだと思います。

お金を湯水のごとくつぎこんで、ハリウッドを意識したようなど派手な演出を見せるための三国志のような気がします。
ある意味スターウォーズの三国志バージョンのような気までします。
孫権の妹である尚香という男勝りの女性を登場させるあたりも、世界市場を意識した作り方なんだろうなと思いました。

戦闘シーンに一部には黒沢明へのオマージュというあたりも感じます。ここらへんは心地よい時もあります。

おじさんにとって極めつけは、周瑜と孔明の信頼を確かめ合うシーンです。
互いに琴を演奏し合い、音を重ねることによって信頼を確かめ合うのです。
これは「知音」という故事からくるものだと思うけど、何かしっくりこない気持ちの悪いシーンでもあります。
ここらへんんが妙に鼻につくのだけど、どうなんだろう?
欧米人にわかりやすい三国志解釈とでもいうのでしょうか?
まさに営業優先という感じです。

印象的なシーンもないわけではないのです。
蜀・呉連合軍が亀の甲羅のような八卦陣に曹操の陸上部隊をおびき寄せ、名将たちが一人ずつ登場する場面は、晴れがましい見せ場になっていて、観客も楽しめる場面だと思います。
全体的な動きもオリンピックで見たマスゲームのようにすばらしく統制のとれたものです。

映画は2部作になっているので、長江の対岸で両陣営がにらみ合うというところで第一部は終わるのですが、「第2部は来年の○月です。」という予告が流れたとたん、「そんな先だったらストーリー忘れちゃうね。」という声があちこちから聞こえてきました。
三国志そのものは変わるわけないのに、その程度の客層に見せるための映画だということも事実なのだと思います。

私は第2部はおそらく観ないと思います。

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