パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

意地悪な私

2008-05-24 18:31:52 | Weblog
 琴欧州優勝。いやはや、気を持たせる人だが、亡くなった貴乃花に似てるように思うのは私だけか。

 土曜日、ということで、昼近くまで布団の中でテレビを見ていたのだが、「鬱病」のことを放送していて、鬱病とはウィルスだかなんだか知らないが、ともかく、誰でも、ある朝起きたら突然かかっていたということのあり得る明らかな脳疾患であり、他人の目には無気力に映っても、サボリ病だとか、怠け癖のような偏見を持ってみてはならないというのだが、じゃあ、どんな理由で鬱病にかかるのだろう? 実は、この答えをまだ聞いたことがない。

 今日の番組にも、最近鬱病といえば、必ず出てくる、脚本家の一色伸幸が出てきて、最近はダイビングなどで、ストレスをためないようにしているそうで、ダイビング中の一色氏が紹介されていたが、無重力状態で美しい、非現実的な眺めに取り囲まれていたら、ストレスがなくなると思っているとしたら、大間違いだぞと、意地悪くも思ってしまった。竜宮城のように美しい水中風景を堪能しすぎるな、海から出たら「玉手箱」が待ってるぞ、と。

 そういえば、脚本家としての一色氏のモットーは、「楽しませること」だったな。でも、一色氏の映画の価値は必ずしも「楽しませる」ところにあったわけじゃないようにおもうが、どうだろう。『病院に行こう』にしても、かなり「鬱」な映画で、そこが面白かったんじゃないのか?

 それはともかく、番組解説によると、「薬で治る」というのだが、一色氏は、「薬ではなく、妻の介護がすべてでした」と言っていた。どっちなのだ!

 「ある朝起きたら…」というと、レッドベターのブルースを思い出す。「朝、目を覚ましたら、悲しくて起き上がれない,その時、あなたはブルースにとらわれたのだ」。あるいは、朝起きたら虫になっていたザムザを思い出す。いっそのこと、鬱病じゃなくて、カフカ病、あるいはブルース病にしたらどうなんだろう。ちょっとカッコいいのではないか。

 石井の『茶の味』を少しだけ見た。「こんな映画を作る僕って素敵でしょ、こんな映画を楽しめる私たちって素敵でしょ」、みたいな…なんていうか…ナルシスティックな感情が作品を包んでいる感じがして、見る気がしなくなったのだが、今日の私って少し意地悪かも。