案の定、加古川市の幼女殺害事件は迷宮入りになりそうだ。気が早いかもしれないが、これまでの警察の無能ぶりからして、そう考えざるを得ない。
話が少し飛ぶけれど、酒鬼薔薇事件の関連本を古本屋で買って読んでみた。正直言って、あまり面白くなかったが、ちょっと驚いたのは、警察が、少年Aが犯人であることを相当早い時期から知っていたということだ。いや、警察ばかりではない。周囲の同級生など、ほとんどの人が、Aが犯人で間違いないと断言していたらしい。それくらい、あれやこれやで、事件直近におけるAの挙動不審ぶりは際立っていたわけだが、だったら、あのマスコミの迷走ぶりはなんだったのだろう。今でも覚えているが、「黒いゴミ袋を持った男」とか。あれは、「カモフラージュ」記事だったのだとか? まさか。
それはともかく、Aが犯人だと多くの人が信じていた中で、Aが捕まったということは、換言するなら、警察は、犯人がAであることがわかっていたから捕まえることができたので、わかっていなかったらこれまた迷宮入りだったかもしれない。
何か、変なことを言っているみたいだが……要するに、犯人像が不明のまま、地道な捜査、鋭敏な論理で犯人を割り出し、捕まえるということは、今の警察にはほとんど望めないのではないか、ということだ。今裁判中の、自動連続殺害犯の畠山被告だって、近所の人もマスコミも皆、彼女が怪しいと言っていたのだ。もちろん、「犯人として捕まえる」ということは、「犯人であることを確認する」という作業でもあって、それはそんなに容易い仕事ではないだろうが。
それとも、乏しい証拠から「頭と足」を駆使して、見えぬ犯人を割り出すなんてことは、そもそも探偵小説の世界でしかあり得ないのだろうか? なんか、そんな感じもしてしまう今日この頃だ。
赤福餅が発売中止になって、代わりに人気を集めていた御福餅とやらが偽装表示で摘発された。被害者も出てないのに、という声が、さすがに、少しずつだが出てきた感じがする。しかし、それを言うと、「モラルが問題なのだ」なんて言い出すわけだが、ともかく、モラルがどうの品格がどうのという奴が多すぎる。そもそも、モラルや品格の欠如を指摘するからには、本人は、モラル、品格について、他の人からとやかく言われるようなことはないと自信を持っているのだろうが、そんな奴に、「品格」を語る資格があるのか。
もう10年近く前のことだが、「清貧のすすめ」とかいう本がはやったことがあったが、その頃、町田康が「文学界」に「くっすん大黒」を執筆し、そのサイン会があって、それにたまたま出くわした。「アラン」のグラビアページで美少年時代の(とてつもない美少年だった)氏を載せたことがあったので、挨拶したら、幸いにも覚えていてくれて、ちょっと立ち話をしたのだが、その中で、いきなり、「清貧のすすめ」に触れ、「あんな下劣な本が売れるようでは」と慨嘆していたが、そうなんだよなあ。世間は、みんな、深沢七郎の爪のあかでも煎じて飲めと言いたい。
話が少し飛ぶけれど、酒鬼薔薇事件の関連本を古本屋で買って読んでみた。正直言って、あまり面白くなかったが、ちょっと驚いたのは、警察が、少年Aが犯人であることを相当早い時期から知っていたということだ。いや、警察ばかりではない。周囲の同級生など、ほとんどの人が、Aが犯人で間違いないと断言していたらしい。それくらい、あれやこれやで、事件直近におけるAの挙動不審ぶりは際立っていたわけだが、だったら、あのマスコミの迷走ぶりはなんだったのだろう。今でも覚えているが、「黒いゴミ袋を持った男」とか。あれは、「カモフラージュ」記事だったのだとか? まさか。
それはともかく、Aが犯人だと多くの人が信じていた中で、Aが捕まったということは、換言するなら、警察は、犯人がAであることがわかっていたから捕まえることができたので、わかっていなかったらこれまた迷宮入りだったかもしれない。
何か、変なことを言っているみたいだが……要するに、犯人像が不明のまま、地道な捜査、鋭敏な論理で犯人を割り出し、捕まえるということは、今の警察にはほとんど望めないのではないか、ということだ。今裁判中の、自動連続殺害犯の畠山被告だって、近所の人もマスコミも皆、彼女が怪しいと言っていたのだ。もちろん、「犯人として捕まえる」ということは、「犯人であることを確認する」という作業でもあって、それはそんなに容易い仕事ではないだろうが。
それとも、乏しい証拠から「頭と足」を駆使して、見えぬ犯人を割り出すなんてことは、そもそも探偵小説の世界でしかあり得ないのだろうか? なんか、そんな感じもしてしまう今日この頃だ。
赤福餅が発売中止になって、代わりに人気を集めていた御福餅とやらが偽装表示で摘発された。被害者も出てないのに、という声が、さすがに、少しずつだが出てきた感じがする。しかし、それを言うと、「モラルが問題なのだ」なんて言い出すわけだが、ともかく、モラルがどうの品格がどうのという奴が多すぎる。そもそも、モラルや品格の欠如を指摘するからには、本人は、モラル、品格について、他の人からとやかく言われるようなことはないと自信を持っているのだろうが、そんな奴に、「品格」を語る資格があるのか。
もう10年近く前のことだが、「清貧のすすめ」とかいう本がはやったことがあったが、その頃、町田康が「文学界」に「くっすん大黒」を執筆し、そのサイン会があって、それにたまたま出くわした。「アラン」のグラビアページで美少年時代の(とてつもない美少年だった)氏を載せたことがあったので、挨拶したら、幸いにも覚えていてくれて、ちょっと立ち話をしたのだが、その中で、いきなり、「清貧のすすめ」に触れ、「あんな下劣な本が売れるようでは」と慨嘆していたが、そうなんだよなあ。世間は、みんな、深沢七郎の爪のあかでも煎じて飲めと言いたい。