二、三日前、NHKの「ためしてガッテン」で、何故振り込め詐欺にひっかかってしまうのか、wその心理分析をやっていたが、結論としては、「いったんひっかかったら、途中で詐欺と気づくのはほぼ無理」というものだった。
たとえば、あるケースでは、「怪しい」と思った銀行員が必死に振り込みを止めようとしたが(警官もいたかもしれない)、「息子が危ない」と信じ込んだお婆さんは、最後には、「詐欺でもいい、なんでもいいから振り込ませてくれ!」と切れてしまい、結局60万円くらいだったと思うが、だまし取られてしまったという。
なんで、こうなっちゃうのか、というのを例によって、小劇場の貧乏団員の生活援助のためとしか思えない、「理性くん」とやらの「着ぐるみ」で説明していたが、まあ、失業対策のためならしょうがないのだが、こんな「着ぐるみ」の説明なんか無駄というかなんというか……。
その騙されたお婆さんの立場になってみればわかる。
銀行員は、99%、詐欺だという。99%じゃないかもしれない。90%くらいと思っていたかも知れないが、ともかく、100%詐欺だと決まった訳ではないのだ。説得している時点では。
なぜって、100%、「詐欺」とわかったのなら、そのお婆さんだって、納得するはずだ。
「そりゃね、あたしだって怪しいとは思いますよ。でもね、もし本当だったらどうすんです? 息子の人生、破滅してしまうんですよ。あなたがた、責任とってもらえます?」(故浦辺くめこの口調で読んでいただきたい)という心境だろう。
もちろん、電話の男が本当に自分の息子かどうか、金を渡す前に調べなければならないことくらい、このお婆さんだって百も承知のはずだ。
じゃあ、なんで、そうしないのか?
時間がないのだ。
そのように、犯人の方で決めてしまったのだが、お婆さんの方はそれを知らないから、どんなに、「もうちょっと時間ちょうだいよ」と頼んだって無駄なのだ。
というわけで、このお婆さんは、要するに、「詐欺でもいいから!」、ともかくお金を振り込んで当座の問題を解決し、ほっとしたいのだ。
この「ほっとしたい」という気持ちは心理的というより、生理的なものだ。ものすごい焦燥の中で30分がまんせよ、ったって無理だ。
お金を振り込むまでは、この「生理的次元」にまで進んでしまった焦燥感を除くことはできない。
何故なら、犯人の方でそう仕向けているからだ。犯人の方で「やめよう」と思うまで、続く。
もちろん、こうなる前に気づく人だっているだろう。実際には、きっとそっちのほうが多いと思うが、問題は罠に「はまってしまった人」をどうするかなのだ。
そして、番組の結論は、「いったんはまってしまったら、どうしようもない」だった。
これは、正直でよろしいといえばいえるのだけれど、でも対策はある。
それは、ずっと以前から言い続けているのだけれど、振り込んだ金を現金化するのに、半日でいいから、時間をおけばいいのだ。
いったん振り込めば、それで気持ちが落ち着くのだから、その落ち着いた状態でもう一度検証し、「あ、やっぱり詐欺だった」とわかったら、現金化をストップするように銀行に申し込めばいいのだ。
……と思うのだが。
それにしても、振り込め詐欺犯人たちのシナリオは用意周到で完璧だ。ハリウッドで脚本家としてやっていけるぞと思っちゃうくらいだ。
今、この振り込め詐欺が外国でも流行りだしているらしいが、案外、日本人が技術指導料をとってたりして。
たとえば、あるケースでは、「怪しい」と思った銀行員が必死に振り込みを止めようとしたが(警官もいたかもしれない)、「息子が危ない」と信じ込んだお婆さんは、最後には、「詐欺でもいい、なんでもいいから振り込ませてくれ!」と切れてしまい、結局60万円くらいだったと思うが、だまし取られてしまったという。
なんで、こうなっちゃうのか、というのを例によって、小劇場の貧乏団員の生活援助のためとしか思えない、「理性くん」とやらの「着ぐるみ」で説明していたが、まあ、失業対策のためならしょうがないのだが、こんな「着ぐるみ」の説明なんか無駄というかなんというか……。
その騙されたお婆さんの立場になってみればわかる。
銀行員は、99%、詐欺だという。99%じゃないかもしれない。90%くらいと思っていたかも知れないが、ともかく、100%詐欺だと決まった訳ではないのだ。説得している時点では。
なぜって、100%、「詐欺」とわかったのなら、そのお婆さんだって、納得するはずだ。
「そりゃね、あたしだって怪しいとは思いますよ。でもね、もし本当だったらどうすんです? 息子の人生、破滅してしまうんですよ。あなたがた、責任とってもらえます?」(故浦辺くめこの口調で読んでいただきたい)という心境だろう。
もちろん、電話の男が本当に自分の息子かどうか、金を渡す前に調べなければならないことくらい、このお婆さんだって百も承知のはずだ。
じゃあ、なんで、そうしないのか?
時間がないのだ。
そのように、犯人の方で決めてしまったのだが、お婆さんの方はそれを知らないから、どんなに、「もうちょっと時間ちょうだいよ」と頼んだって無駄なのだ。
というわけで、このお婆さんは、要するに、「詐欺でもいいから!」、ともかくお金を振り込んで当座の問題を解決し、ほっとしたいのだ。
この「ほっとしたい」という気持ちは心理的というより、生理的なものだ。ものすごい焦燥の中で30分がまんせよ、ったって無理だ。
お金を振り込むまでは、この「生理的次元」にまで進んでしまった焦燥感を除くことはできない。
何故なら、犯人の方でそう仕向けているからだ。犯人の方で「やめよう」と思うまで、続く。
もちろん、こうなる前に気づく人だっているだろう。実際には、きっとそっちのほうが多いと思うが、問題は罠に「はまってしまった人」をどうするかなのだ。
そして、番組の結論は、「いったんはまってしまったら、どうしようもない」だった。
これは、正直でよろしいといえばいえるのだけれど、でも対策はある。
それは、ずっと以前から言い続けているのだけれど、振り込んだ金を現金化するのに、半日でいいから、時間をおけばいいのだ。
いったん振り込めば、それで気持ちが落ち着くのだから、その落ち着いた状態でもう一度検証し、「あ、やっぱり詐欺だった」とわかったら、現金化をストップするように銀行に申し込めばいいのだ。
……と思うのだが。
それにしても、振り込め詐欺犯人たちのシナリオは用意周到で完璧だ。ハリウッドで脚本家としてやっていけるぞと思っちゃうくらいだ。
今、この振り込め詐欺が外国でも流行りだしているらしいが、案外、日本人が技術指導料をとってたりして。