パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

少々お待ちください

2008-02-26 17:27:05 | Weblog
 わくわくして待ったなでしこ日本対中国戦だったが、あまりにも中国が弱いのに唖然。中国女子サッカーは世界一というイメージでいたせいもあるけれど、無気力,怠惰、自暴自棄と中国人の悪い面をそのまま出してしまったような試合だった。これでよく北朝鮮に勝ったものだ。(相当無茶苦茶やった、とは聞いていたが)
 しかし、本当に、中国ほど団体競技に向いていない国民はいない…と思ったがそれだけだろうか? オリンピックまで、あと半年の段階で、メジャースポーツの現場がここまで寂しいようでは本番が心配。IOCも心配しているのではないだろうか。

 数日前、サンドイッチの「サブウェイ」にて。

 すぐ前のお客さんが、インド系らしき小柄な青年で、外の仲間と声を掛け合いながらまとめて注文していたが、サブウェイの店員が、「調味料は何にしますか?」と聞いたところ、仲間が何か言った。その青年、いったんその方を向き、振り返って、店員に向かって言った。

 「少々お待ちください」。

 笑った。途中で、どこかおかしいことに本人が気がついていたのが、さらにおかしかった、たぶん、サブウェイの店員のようなアルバイトをしていて、そこで教わったのだろうが、「売る立場」と「買う立場」で使う言葉が違うことまでは教えていなかったのだろう。まあ、日本人なら普通にこなしているわけだが、よく考えるとめんどくさいよなあ。

 三浦和義逮捕にびっくり。しかし、「正義」の遂行をアメリカにやってもらうというのは、残念。でも、日本政府がやらないのであれば(殺人の時効制度の撤廃)、アメリカ政府にやってもらうしかない。

大丈夫?

2008-02-23 19:02:55 | Weblog
 今朝、眠気まなこでテレビを聞いていたら、塩川老が、イージス艦「あたご」事件について、「まあ、どっちも不注意があったんじゃないの。あたごも、漁船も」と言っていた。はじめて、漁船の不注意の可能性を指摘する意見を聞いたが、司会者も他のコメンテーターも黙ったままだった。実際、一緒に行動していた漁船はみな回避していたわけだし、件の漁船だけぶつかったというのは、その漁船にも不注意か判断ミスかがあったのだろう。(それにしても、「あたご」はちゃんと、「愛宕」としてほしいなあ。「あたご」は、つい「たなご」と読んでしまう。「みょうこう」は「妙高」、「ちょうかい」は「鳥海」。私が特に好きなのは、巨大なブリッジが特徴的だった「鳥海」だ。日本帝国海軍巡洋艦艦隊のかっこよさは、世界無類なのだ。語らせたら、かなりいけるぞ。)

 今度は新幹線のお弁当で偽装判明。しかし、五時間オーバーだそうで……五時間くらいオーバーしたってどってことないだろうに。その証拠に、昨日、近所の弁当屋で昼前に買った幕の内弁当を、夜7時過ぎに食べたが(ダイエットの為、昼食抜きなので)、全然、平気だぞ。当たり前だ。

 マクドナルドで百円Mac+の軽い昼食をとりながら、写真集の写真の入れ替えをしていると、となりに若い母親と、三、四歳くらいの娘の二人連れが座った。娘は、でっかい海老バーガーを食べている。

 「○○ちゃん、おいしい?」
 「うん」
 「あのね、私のお友だちが今度結婚するの。それで結婚式に、○○ちゃんに花束を渡して欲しいんだけど、できる?」
 「うん……」(食べるのに夢中)
 「恥ずかしがったりしちゃだめなのよ。大丈夫?」
 「うん。で、いつ? 明日?」
 「明日じゃないわよ。三月。」

 なんか、笑った。「明日」でもやるつもりだったのか、○○ちゃんは。図太いなあ。きっと、大丈夫でしょう。
 しかし、それよりあんなにでっかい海老バーガーを昼飯に食べるなんて、そっちのほうが「大丈夫?」だ。

フェデラーって何する人ですか?

2008-02-22 22:23:35 | Weblog
 小麦価格に続いて、わからないこと、その2。
 イージス艦が事故を起こし、一斉に自衛隊バッシング。私は高校時代に一時ボート部に入っていたので、水上交通にルールがあることくらいは知っているので、イージス艦がルール違反を犯したから非難されているのだろうと思っていたが、どんなルール違反なんだかわからない。そのうち、数日たち、昨日の新聞各紙に「イージス艦がルール違反をした可能性が出てきた」と一斉に報道された。んんん? じゃあ、いったい、糞マスコミは今まで何をもって自衛隊を非難してきたのだ?

 わからないこと、その3。
 わからないことというか、マスコミの呆れた無知体質についてだ。テニスに待望の王子様誕生ということで、ニシコリ選手が大活躍だが、それで、テニス専門誌の編集部にテレビだか新聞だか知らないが、情報を求めて一斉に電話がかかってきたそうで、その中に現世界チャンピオンのフェデラーを知らない記者がいて、「誰ですか、フェデラーって」というので、唖然としつつ、「史上最強のチャンピオンです」と教えてやったそうだ。おいおい。
 いくらなんでも、スポーツ記者がフェデラーを知らないはずはないので、聞いてきたのは非スポーツ部門の記者なのだろうが、だったら、なんで、自分のところのスポーツ部門にきかないのだろう。縦型のたこつぼ型組織になっていて、聞ける雰囲気ではないのかもしれない。だとしたら、知識不足より、むしろ、こっちの方が深刻だろう。

 また、ゴルフと言えば、はにかみ王子ばかりで、ひと月くらい前にアメリカのツアーでタイガー・ウッズについで2位に入った日本人選手がいるのだが、まったく報道されず、おかげで名前を忘れてしまったが、なんてことだと思う。

 明日、なでしこジャパン対チャイナ女子のサッカー試合がある。
 男子の日中戦では、チャイニーズのあまりと言えばあまりの狼藉。後半、スタンドがざわついてきた時、アナウンサーが、「スタンドが監督批判を叫んでいるようです」と解説していたが、実はそうではなく、「犬を殺せ」(殺狗)、つまり日本人選手を殺せと大合唱していたそうで、「監督批判」は、通訳の「意訳」らしい。
 それはともかく、サッカーに関しては、成績さっぱりの中国男子チームに比べ、女子はちょっと前まで世界でナンバーワンを争っていた実力チームだから、中国人たちの期待も大だろう。ということは、スタンドの雰囲気は男子チームの場合とは桁違いに凄そうだ。中国女性は中国男性がひたすら恐れるくらいに気が強くて、いざとなったら無茶苦茶やるそうだし、どんな試合になるか、オラ、わくわくしてきたぞ~って、思わずくれよんしんちゃんになってしまったが、本当にわくわくだぞ~。ま、無事に試合が終わることを望む。

日本はアメリカの植民地か?

2008-02-21 20:53:10 | Weblog
 小麦粉は去年の段階ですでに数%値上げされているわけだが、農水相の役人の記者会見の口ぶりでは、その頃は、まだ「逆ざや」にはなっていなかったみたいだ。ということは、国による外国産小麦の買い上げ価格は、値上がりしたとはいえ国内農家の価格よりまだ安かったはず。だとしたら、業者への売却価格を値上げする理由はどこにあったのだろう。上乗せする金額が以前より減るというだけなのに……。

 よくわからないので、次。

 沖縄の米兵少女暴行事件で、毎日新聞の欧州支局長というえらい人が、「この話題を欧州の知人に話したら、驚いているので、欧州の米軍にはこのような事件はないのかと聞いたら、ないという返事で、こちらが驚いた云々」というコラム記事を書いたところ、それにたいして、欧州の米軍もかなり事件を起こしているし、中には殺人事件も少なくないぞ、新聞記者はこんなことも知らないのかと、2ch(ククク)で反論があって、そのニュースを伝えるメディアのアドレス紹介されていたので、それを見たら、30件以上、確かに、あった。

 それで、毎日新聞のHPに「御意見をおよせ下さい」と目安箱風のメールアドレスが載っていたので、2ch経由とは書かなかったが、ヨーロッパでは米軍は事件を起こしていないというのはまちがいではないか、と書いて送ったところ、びっくりしたことに、その欧州支局長氏から(本人かどうかわからないが)、「私の調査不足でした。気をつけます」という返信が届いた。

 返事が来るとはまったく思っていなかったので、びっくりしつつ、「わざわざありがとう」という返信と、それにこのブログのアドレスを貼っておいたので、もしかしたら、M支局長が見てるかもしれないので、返信に書き忘れたことを書いておきたい。

 私が思うに、問題は、その支局長の知り合いの欧州人が、ウェブニュースに載っているのだから報道されていないわけではないはずの「自国における米軍兵士の不祥事」を何故知らなかったかということだが、簡単に言えば、「ニュースバリュー」がないからということだろう。つまり、米軍兵士だろうが、街のチンピラの起こした事件と同じだから、そんなのいちいち「知らない」のだ。米軍兵士が起こしたから、重大事件になるわけではないのだ。
 もちろん、米軍兵士が公務中に起こしたら重大事件になる。数年前、イタリアで訓練中の米軍機がロープウェイのロープを引っ掛けて切断し、大惨事になったことがあったが、あれは大問題になった。しかし、プライベート中に米軍兵士が何をしようが、たとえ殺人を犯したとしても、それは米軍の問題ではない、犯罪を犯した個人の問題である、という考え方だろう。

 では日本ではどうか。

 今回の事件がどんな事件かと言うと、米兵が街で女の子をナンパし、強引に迫ったが失敗し、その後、女の子か、女の子の友だちか誰かが警察に通報した、という話だ。正直言って、「事件性」があるのかどうかも怪しいのではないかと思う。実際、その数日後に泥酔して民家に入り込んで寝ていたという事件や、酔っぱらい運転で捕まったとか、そんな些細な事件も、「決してあるまじき重大事件」として報道されている。そして、それに対し、日本政府と米政府双方の対応は奇異に見えるほど低姿勢だ。なんでか?

 もちろん答は簡単。沖縄県民の感情を害しては今後の基地行政がおぼつかなくなるからだが、その有り様を見ていると、沖縄は完全にアメリカの植民地であり、植民地行政の一環として、「住民懐柔」に必死に勤めているといった印象だ。要するに、昔だったら「無視」あるいは、「弾圧」で解決してきたが、今どきそれはできないので、ひたすら謝っている、そんな感じだ。

 しかし、私は、「米軍は沖縄、ひいては日本を植民地扱いにするのをやめろ!」と言っているのではない。まったく逆だ。沖縄県民、あるいは沖縄県民を含む少なからぬ日本人の、ぼやだろうがなんだろうが、なんでも大火(=反米)の火種にしようと待ち構えているような振るまいこそ、「植民地的」なのだ。

 こんなレトリックを言うやつは、私ぐらいのものだから、理解されなくて当然かもしれないが、「植民地扱いにするな!」と言うやつこそ、実は植民地的感性の持ち主なのだ。ガンジーが偉大だったのはそこだ。「植民地扱いするな」なんて一言も言わなかった。植民地の人間も、宗主国の人間と同等であることを知っていたからだ。これは、「平等精神」というのとは、ちょっと違う。むしろ「相対性理論」みたいなものだ。宗主国の特権を許さないのなら、植民地にも特権があるわけではない。宗主国が理不尽なことをしたから、被害者である植民地住民は理不尽なことをしかえしてよい、というわけではない。

 ということで、昨日のサッカー試合なんかに続くかも。

小麦粉30パーセント値上げなんだそうだが…

2008-02-17 22:13:21 | Weblog
 フリマの店先に並べられていた体重計に乗っかってみた。靴、ジーパン、カバン、それに重いピーコートも着たままだったが、目盛りはほぼ72キロ。2年前は、素っ裸で72キロだった。やったね。

 その後、調べものを探すために近所の公立図書館に行ったら、日曜日なのに閉まっていた。扉を蹴飛ばそうかと思った。なんでこう公立図書館とは縁がないのか。縁があるのはMさんだけか? 半分近く、というのはオーバーでも、多分、三回に一回くらいは閉まっている。日曜日くらいは開いているだろうと思ったのになあ。

 小麦粉が30パーセントも値上がりするんだそうだが、そもそも、国内農家を助けるために政府が買い上げ、だいぶ上乗せして業者に買わせているわけで、それが今回、「逆ざや」になったとか。ということは、国内の小麦粉より外国の小麦粉のほうが値段が高くなったということなのだろうか? 記者会見の農水省次官の口ぶりだと、このままだと逆ざやになるかも、といったニュアンスで、よくわからなかったのだが、いずれにせよ、例えば、国内農家の小麦粉が1万5000円で、外国の小麦粉の値段が1トン1万円とすると、政府は国内農家と同額の1万5000円で業者に売っていたわけだ。つまり1トン当たり5000円の儲けだったわけだ。商行為ではないのだから、儲けというのは語弊があるかもしれないが、要するにそういうことだろう。
 ところが、その外国産小麦が高騰し、国内農家を上回る2万円になってしまった。だから、従来1万5000円だったのを2万円で売ります、つまり、30パーセント値上げです…という話らしい。

 なんだかよくわからない。これまでは、国内の小麦生産農家を保護するために、安い小麦粉に課徴金みたいなものを課して、高くして市場に出していた。まあこれはこれでしょうがないと思うが、ところが、外国産小麦粉が高騰して、国内産より高くなってしまった(そうなのかな? これがまずよくわからないが)。
 だったら、政府のやることは、高い外国産を買って、それを安く業者に売るようにしなければならないのではないのか? 以前は、生産農家を守るためだった。それはそれでわからないでもない。しかし、今回、それが逆転したのだったら、今度は「消費者を守るため」に、政府は動かなければならないのではないか? 

 生産者は守るが、消費者は守らないというのか? なんと時代錯誤な、なんと不公平な、そして経済学を無視する行為なんだろう。ましてや、今、不景気に陥る直前と言われているじゃないか。水野真紀のダンナ、後藤田議員は、強制的にでも物価を上げれば景気は回復する、なんて言ったらしいが…アホかね。

 …と思うのだが、不思議なことに、ダーレも、本当にダーレもこのことを指摘していない。私は何か勘違いをしているのだろうか? 勘違いをしているのだったら、誰か指摘してほしい。マジで。

神様!

2008-02-09 21:11:41 | Weblog
 昨日のこと、寄るところがいくつかあったので、事務所についたのはもう午後4時過ぎであった。すでに万歩計は1万歩を越えている。やれやれと机に座るや否や、電話がかかって来た。出ると、平成の借金王、Mさんであった。私は、思わず、外国人がよくやるように、両手を開いて天を仰ぎ、溜息をついた。オー、神様、神様は私に、彼に金を貸すようにと仰せなのですか?

 しかし、なんで、こうタイミングがあっちゃうのだ? 「あうこと」を欲している人ならいいけど、「あいたくない」人の、はっきり言って筆頭なのだ。もちろん、借金話なんかしないのなら、落語の話とか、駄洒落の話とかいろいろ楽しいかもしれないのだが、借金がからんでいなかったことはない。

 私は、Mさんの声が聞こえて来た瞬間、あきらめていた。「早ッ」である。いいですいいです。貸しますよ。貸すように神様が仰っているようですから、と神様の話はしなかったけれど、答えた。Mさんは喜び勇んで数分後にやってきた。(御徒町の駅で電話をして来たのだ)

 もちろん、利息はとる。前々回からそうしてるのだ。そのほうがMさんのためでもある(利息をとられるなら、とられないように、少しは頑張るだろうと……でも、この老婆心はまったくMさんには通じていない。借金をすることが「日常」になっているのだ)。去年の8月の2万円(ま、この程度の話なのだが)がまだだから、うーん、トイチだったら、かなりの額になるんだが、もちろん、そういうわけにはいかない。ただ、少し色をつけてくださいよ、と言っただけなのだ。もう……この次からは、ホントにトイチにしちゃおうかな。

 ともかく、Mさんには借金の確認書を書いてもらい、書名捺印してもらったわけだが、そもそもそんなMさんになんで貸したかというと、三月に確定申告でかなりの額が戻って来ることを確認したのだ。今回は、32万円もどってくるんだそうだ! ということは、去年の収入は320万円! たしか、一昨年は27万円だった(貸す前に、実際に書類を見せてもらった)。てことは、去年は、一昨年よりもアップしてたってことじゃないか! い、今どき収入が増えるなんて、え、Mさん、あなたこそ「勝ち組」では!とまでは言わないが(いや、言ってもいいかも)、ツ、ツゴイと、思わず青年探偵団。

 とりあえず、今日は、雪だし、ここまで。

オレが括約筋だった時……イエイ

2008-02-05 19:26:28 | Weblog
 先週の金曜日、満員の京浜東北線に無理矢理乗り込んだ。金曜日遅くはいつも超満員なのだが、その日はいつもにまして凄かった。東京で一番混む電車は御徒町上野間だとの新聞記事を思い起こしながら、もうじきここともおさらばだ、チクショーと舌打ちしているうちに、電車は鴬谷に着いたが、ここでは乗る人も降りる人もなく、出口近くに貼り付いて吐き出されそうになるのを頑張って耐えていたところ、背中に微妙な蠕動を感じた。そして、それが少しずつ大きくなる。「ん?」と思っていると、遠くからかすかに「おりま~す」という女性の声が聞こえて来た。そして、先ほどから感じていた「蠕動」運動はますます大きくなり、やがて女性の姿が少し見えて来たので、私は、全身を踏ん張ってその女性のために空間をあけると、その女性は私の前を通り抜け、本当に「スポン」という感じで外に出ることが出来た。
 その時、私は考えた。なるほど、これが、「うんこ」の出るメカニズムだな、と。私を「括約筋」にたとえれば、女性は(若い小柄な、女性だった)「うんこ」だったのだ。

 ところで、世間を騒がせている中国製餃子問題だが、過剰反応ではないかという人がいるが、ちょっと待てよ、と言いたい。いったい、今回の汚染製品の輸出は初犯じゃない。前科何犯になるかわからないが、相当数の「前科」を重ねているじゃないか。また、ある新聞記事には、中国の食品が摘発される率が大きいように感じるが、実際の数字では他の国とそんなに違わないと書いてあったが、たとえば、その「率」を1%とすると、他の国、たとえばタイ産食品の輸入総数を100とすれば、そのうち1個が不適切とみなされるが、中国からの輸入総数は優に10000くらいはあるだろう。だとしたら、中国製品中の不適切な数は100ということになり、したがってわれわれが「やばい」と感じる確率は、中国製品はタイ製品の百倍ということになる。「感じる確率」というのも変な言い方かもしれないが、要するに、「実感」のことだ。仮に、摘発率そのものは同じでも、中国製食品と他国産の食品の絶対量が桁違いなんだから、「実感」は異なるし、それは無視していいことではないだろう。

 それに、たしか中南米のどこかの国だったか、去年、中国の原材料を使った風邪薬で100人以上の死者が出た。ところが、中国は、「まちがった使い方をした方が悪い」で押し切ってしまった。あるいは、幼児向けのおもちゃに不適切な鉛入りの塗料が使われていたとか、これらの事件は、「食品」ではないから、前述の統計には入らないのだろうが、消費者の「感覚」としては、すべて「中国製品はヤバい」という印象となって現れる。これでは、オリンピックは大丈夫なのだろうかという疑念が再び大きくなるのもやむを得ない。オリンピック会場のプールの水は、「飲んでも平気」であると中国の役人が言ったみたいだが、そもそもこんなことが問題になるってことが……。「ある意味、とても楽しみ」とか言っているやつがいたが、正直言って、同感だ。同感しちゃいけないのかもしれないが。

 それにしても朝日新聞言ってくれますねえ。「これを機に雨振って地固まるの精神で」と言わんばかりなのはなんとまあ、呑気というか、お人好しというか……(社説の話)。しかし、これは朝日だけじゃない、産経だって似たようなものだ。曰く、日中両政府がしっかり協力して真相解明に当たれと言っている点では、全マスコミが同一なのだが……まあ、対外的にはこんな風に「お茶を濁す」しかないのはわかるけれど、もう少し、「含みのある文章」というものをかけないものかね、マスコミは。

 今回の毒餃子事件は、要するに中国の「公害」の輸出ということだと思うのだが、一体、中国の公害に対する非難が、全世界共通であまり強くないのはなぜなのかというと、要するに、「日本で解決できたのだから、中国に出来ないはずはない」ということらしい。公害だけでなく、経済全般にそういう見方らしい。つまり、「中国の前途にはむずかしい問題が山積しているが、日本が乗り越えられたのだから、中国ができないはずはない」と。

 外国人から見たら、日本と中国の区別がつかない人が大部分だから、こういう見方になるのだが、中国が公害を解決できないと決めつける積もりはないけれど、少なくとも、「日本式」のやり方で解決できるとは思わない。百%ない。断言する。
 実際、中国にしても「日本式」でことにあたるつもりはないだろう。いや、その前に、「日本式」がどんなものか知らないだろうが……とかいって、実は、私もよくわからない。なんとなく、みんなで一丸となって、国難=公害に対処した、という感じなのだろうが、だとしたら、これは中国人には絶対に金輪際不可能だ。

 そもそも日本人と中国人の区別がつかない最大の理由は、両国とも「儒教社会」だという思い込みがある。しかし、実際には両国の儒教の在り方は全然ちがう。中国の場合は、社会の実体が反儒教的なので、儒教的倫理で縛ろうというものだ。ぶっちゃけて言うと、まず中国は「大家族社会」である。これは親戚一同が集まって暮らすのだが、その目的は「他家に負けないこと」であるため、どうしても徹底した実力主義になる。しかし、実力主義というと聞こえはいいが、家長の交代の際に非常な混乱を伴う。そこでそれを抑えるために孔子が「長幼の序」を厳しく唱えた。これが儒教だ。ところがこの儒教原則は、何故かわからないが、「制度化」されることがなく、ただ「社会の実体が反儒教的なので儒教が必要だ」という発足当初の在り方のまま、現在にいたっている。

 その証拠を、ちょっと前にNHKのドキュメンタリー番組で見つけた。

 ある老夫婦がいる。インテリ風で、財産もそこそこあるようで、息子は既に妻をもち、自立している。その息子から電話がかかり、お茶を送れという。老父は、息子に「お前はちゃんと収入があるではないか。お茶ぐらい自分で買えないのか」と言うと、息子は、「あんたんところにお茶があるんだったら、なんでオレが買う必要があるんだ。」
 これを聞いてびっくり仰天。中国では、父母を敬うこと神のごとしと言うけれど、これは上辺だけ、実際はその正反対なのだ、と言う話はよく読んだり、聞いたりするのだけれど、テレビとはいえ目の当たりにして、「いや、あの話は本当だったんだ」と感激(?)したものだった。

 まあ、日本だって「立っているものは親でも使え」とか言うけれど、まさか、面と向かって(番組では電話だったが)「おまえ、立っているんだから○○しろよ」とは言わないだろう。いや、儒教社会ではない国だって、「父母」が特別な存在であることに変わりはないのだから、「立っているものは親でも使え」を地で行くようなことはしないだろう。というか、絶対に「しない」。

 ともかく、これが中国の儒教社会の「実体」なのだが、日本の「儒教社会」は、この儒教の「上辺」を「制度」として取り入れたものなので、外から見た「上辺」は中国とあまり変わりないように見えるかもしれないが、根本的にちがっているわけだ。

 「公害」の話からそれてしまったが、要するに、「立っているものは親でも使え」を親に向かって直に平気で要求するほどまでに「利己的」な中国人に、そもそも「公害」を解決しなければならないとするモチベーションというか、インセンティブというか、そういう心理的規制があり得るのかどうか甚だ疑問であり、結局、いつもの通り、最後まで突き進んで自壊するしかないのではないかとか思ってしまうのだ。


 「括約筋とう○こ」の話でお茶を濁す積もりが思わぬ長話に。でも、ホントにネタが尽きないなあ、中国って。

 ちなみに、息子にお茶を要求された父親は、反論せず黙ってしたがっていた。これは、自分も若い頃は同じだったから、ということなのだろうか?