パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

村崎百郎死す

2010-07-30 20:52:54 | Weblog
 村崎百郎が刺殺された。

 なんか既視感があると思ったら、麻薬で死んだ青山氏とイメージが重なっていたのだった。

 村崎氏とは一度だけ、川崎のクラブチッタの入り口でばったり出くわして、「あ、こんにちわ」と会釈したことをなぜか鮮明に覚えている。

 ハイキングウォーキングの長髪の男性とちょっと似ていたような…ちがうか。

 結構体格は良かった。

 ともかくびっくり…というわけでも、正直言って、ないのは、やっぱり「有名人のゴミ箱レポート」なんてイメージがあるから。

 もちろん、本人は全然そういう人ではないだろう。

 チッタで会ったとき、そう思った。意外だったので、今でもはっきり覚えているのだ。

 しかし、逆に言うと、イメージのまんまだったら怪しすぎるわけで、やっぱり、あぶない橋を渡っていたのか。

 たぶん、そういう自覚はあったと思う。結構知的なのだ。

 同類のフリーライターは多いと思うが、村崎氏はその点では一線を画す存在だったかもしれない。

ゾウリムシでも生きていたい

2010-07-29 23:21:48 | Weblog
 最近、また親による「子供虐待死」事件が多発しているようだが、対応している児童相談所の職員などの応対を見ていると、以前とはちょっとちがっているように見える。

 率直に、やってることはやってますよ、という感じ。

 実際、虐待件数が増えているのは、それまで隠れていたものが、近所の通報とか、担当者の努力等で見えてきたということかもしれない。

 もちろん、こういうことは、以前から言われていたことだ。

 要するに、児童虐待は古今東西いつも必ずあるものなので(反撃できない弱いものについ欲求不満等のはけ口を見いだしてしまう)、「増えている」のは、ただ以前は隠れていたものが、今は隠せなくなったという側面もあると説く人が必ずいたし、そういう人の意見が紹介されていた。

 ところが、さいきんはそれがなくなった。

 それとも、「虐待死」そのものをゼロにするのが最終的に目指すべきところなのだから、「以前は見えなかっただけ」という意見は、「もはや無効である」とでも言いたいのだろうか?

 そんなわけはない。

 バカのマスコミ人がそんな「言い訳」を思いつくわけがない。

 昨日は、NHKの教育で、自殺問題をやっていたが、それに専門家らしき人物が、「生きているだけでいいんだ」と言ってあげると「そうか」と納得してくれるとか言っていたが、まさか!である。

 「まさか」の第一は、それじゃあ、人間はゾウリムシと同じだ。

 「まさか」の第二は、そんな台詞で自殺志願者が本当に救えるのかということだ。

 人間は他の生物と違って、ただ生きているだけではだめな生物なのであって、自殺志願者に言うべきことがあるとしたら、その事実をしっかり告げるしかない。

 
 そういう「生」を生きることができるのが人間の特権なんだと。

 もちろん、経済的理由による自殺は別だ。

 経済的理由による自殺(ほとんど中年以上だが)の場合、「死ぬこと」は確かに「解決策」になるので、「ためらい傷」のような損傷が遺体に残らないのだそうだ。

 それに対し、若者の自殺は、最後に「助かろう」としてあがくので、傷だらけになる。

 死体を見ただけでわかる。

 というようなことを自殺の権威、大原(健士郎といったかな)の著書で読んだことがあるが、その大原先生も去年だったか、亡くなってしまった。


 それはさておき、ひと月ほど前、100歳で現役医師という、日野原氏が小学校で講演をした。

 どんなことを話していたかというと、テレビニュースなんでほんの10数秒でしかないけれど、「人間、ただ長生きしているのでは意味がない。人間の寿命は何かをなすべきこととして私たちに与えられているので、小学生の諸君にはまだまだ先の話だが、それをしっかり覚えていて、準備してください」みたいなことを言っていた。

 「ほー、」なかなかいいことを言うでないか、ぼけてないな」と思っていたら、ニュースの最後に、小学生が二人、テレビカメラの前で、「命の大切さがよくわかりました」と言わされていた。

 おいおいである。

 日野原氏はそんなこと一言も言っていなかったではないか。

 寝たきり老人になってベッドの中で長生きしてもそんなのは長生きとは言わないよ、とはっきり言ってたじゃないか。

 終電に間に合わないので、じゃあ、これで。

暑くて頭が…

2010-07-27 21:36:26 | Weblog
 自民党の元幹事長、中川秀直が、日本の人口減少に対応するには移民導入しかないということで、移民促進議員連盟のようなものを自民党内に立ち上げたのだそうだ。

 この人は、去年にも、公務員にスト権を与える代わりに身分保障を外すという政策を打ち上げていて、なんだか、私と考えていることが似ている。

 なんて、僭越かもしれないが、顔つきを見ると、すごい利権政治家という印象があるのに意外だ。

 もちろん、「移民促進」も、利権が絡んでいるのかもしれないが、本来だったら、「外国人参政権」を打ち上げた民主党が主張すべきことだと思う。

 それにしても本当に酷いことになっているようだ、民主党は。

 高速道路の無料化なんか、すぐにでもできるのだからやればいいのに、中途半端な地方の交通量の少ないところを選んで無料化して、でも、漏れ聞こえるところでは、無料化の効果はてきめんで、交通量は確実に増えているらしい。

 だったら、それを少しは宣伝すればいいのに、それもしない。

 八場ダム問題も、どうなったのか、決着ついたのかつかないのか、全然わからない。

 あげくの果ては、「政策コンテスト」だと。

 菅は、鳩山よりもはるかに打たれ弱そうだから、記者会見で思いっきり突っ込めば、半べそかいて首相を辞めそう。

 しょっちゅう顔が変わるのはよくないという意見が強いそうだが、今の菅首相はもう政策以前の問題だからなあ。

 鳩山の後がまに立つという判断そのものが、変だった。

 あのような状態では、それこそ樽床とかいう男にやらせておけばよかった。

 だって一応、民主党の看板でしょ? 菅氏は。

 それを、こんなめちゃくちゃな状態でエースを登板させるなんて。

 そうかー、ずべては参院選挙だったんだ。

 参院で勝てば、すべてオーケーなので、エースを登板させたんだったんだ。

 今にして思うと、仮に勝ったとしても何にもできないんじゃないかと思うけど。

 う~ん、暑くてもどうもろくな書き込みができない。 

余裕

2010-07-23 22:46:34 | Weblog
 菅首相の支持率急降下が下げ止まらない。

 野党の代表として権力を追求するときはすごい迫力だったのに、これほど「総理大臣」が似合わないとはさすがの私も思わなかった。

 「となりのトトロ」をやってるみたいだが、興味ないなあ。

 宮崎監督も、自分の作品があるべき社会の模範のように扱われていることには違和感があるだろう。

 なぜって、宮崎監督自身、「自分が神様で、神様のように世の中をさばきたいという気持ちがあるので、それはやばいと思っている」って、10年くらい前にどこかの雑誌のインタビューで言っていた。

 このばあいの「やばい」は、本当に「ヤバい」の意味。

 そして、実際、宮崎監督は「神様」になってしまった。

 小津監督は、「オレは豆腐屋」と言ったんだが…。

 その小津とか、溝口とか、豊田とか…を地上波で見てみたいと思う。

 といったような書き込みが2chの映画版で見かけたが、それに、「BSでしょちゅうやってるよ」という返答。

 それに、「オレは、地上波で見たいの。ゴールデンタイムでなくていいから、そういうのを地上波で見れるような、余裕のある国の一員でありたいの、オレは」と再返答。

 そうなんだよな、と、つぶやく、私。

 見るものがないので、しょうがないので、「プリズンブレーク」なんかを見た。

 もちろん、世界的人気シリーズだから、「…なんか」という形容はそぐわないが、ストーリーは全然見えてないのに、それなりに面白いのはさすが。

 ずっと後の回で、「あ、こいつらは兄弟だったのか」と気づく始末だが、それもパズルを解いているみたいで。

 これが、金を払ってBSとか、劇場で見ていたら、こんな「余裕」をこいてはいられないわけだ。

ヤバい

2010-07-22 22:26:26 | Weblog
 暑すぎます。

 何しろクーラーがないから、扇風機を回しても熱風が吹きかかってくる。

 西川口の根城の方は、いつでも外よりかなり涼しい。

 なぜなら、昼間ほとんど日が当たらないので、クーラーがなくても大丈夫なくらい。

 実際、夜は1時間もつけていると寒くて止めてしまう。

 アメリカの砂漠地帯に住むプレーリードッグの地下の巣は、外が50度を超える熱暑でも常に16度くらいに保たれているとNHKの自然番組でやっていた。

 もちろん、乾燥しているからだろうが、50度と16度では、外から入ったらまさに冷凍庫なみの寒さに感じるだろう。

 ともかくそういうわけで、西川口で昼過ぎ2時くらいまでみっちりと原稿の最後の書き直しの構想を練り、マクドナルドでそれを整理し、熱風渦巻く上池袋で夕方過ぎからパソコン入力という手順でやっているが、夏になる前までに本を出すつもりでいたのだ。

 赤羽で途中下車して山田電器、ヨドバシ等の家電販売店を探したが、駅前の案内板をみても一つも見当たらない。

 交番で念のために聞いたら、「赤羽には一軒もありません」ときっぱり断言されてしまった。

 ちょっと意外だった。

 ただファーストフードのチェーン店はやたらにある。

 こっちは別に意外ではなかったが。

 外人が日本に来てもっとも戸惑う習慣って何か?

 わかりますか?

 まったく意外だったのだが、これが、夜寝る前に風呂に入る習慣だそうだ。

 「日本人て、寝ている時、汗をかかないそうだよ」と皆でくすくす笑っているんだと。

 私は1年以上前から、ユニットバスでどうやって体を洗うのか、いまだによくわからない等の理由で、ユニットバスにお湯をはるのはやめて、朝、起きた後に、シャワー、それも最後には必ず冷水シャワーでしめるという習慣に変え、「お湯につかる」と疲れがとれるとかそんなことはまったくの迷信、というか、習慣でそう思っているだけなことをわかっていたので、すんなり、彼らの言っていることがわかったが、以前だったら「日本人は寝ているときに汗をかかない」というジョーク(?)をすぐにはわからなかっただろう。

 日本人が、入浴を娯楽ととらえているのは、明治の初めから、日本にやってきた外人たちには非常に不思議だったそうだが、日本人自身は入浴を娯楽と思っているわけではない。

 あくまでも、一日の終わりに汗を流し、ビールをいっぱいやることはストレス解消によい。

 つまり、肉体、精神両方の健康のために良いと思ってやっているのだが、入浴中に脳溢血で死ぬバカが極めて多いことは周知の通り。

 また、私は下戸なので、風呂の後のビールの醍醐味を味わいたくても味わえないのだが、風呂に入った後に、「一日の疲れが取れた!」と実感したことは一度もない。

 私は、「入浴を娯楽と思うべきではない」と言っているのではない。

 まったく逆である。

 「入浴の目的は娯楽」という自覚を持って風呂に入るべきなのだ。

 そうすれば、「健康のために良いお風呂の入り方」というのを、別に自覚するようになる。

 「娯楽なんだ」という自覚がないと、どんなにテレビのワイドショーで「健康のためによい入浴方法」を宣伝しても、全部「娯楽」に集約されてしまう。

 面倒くさいなあ。

 日本人の自己中心主義って。

 156人を殺したテロ実行犯をVIP待遇で大歓迎するのも同じかも。

 皆揃って下にも置かぬ大歓迎をすれば、自分たちにとっていい情報を教えてくれるのではないかと思ってるのじゃないかと思うくらい珍妙な光景だが、実際、そうなんじゃないか。

 つまり、あれだ。

「自己中心的」

 日本人は江戸時代に戻ってしまったようだ。

タコの奇跡

2010-07-12 19:49:14 | Weblog
 …って、イニエスタでもパウル君でもどっちでもいいんだけど、8回連続的中というのはすごい。

 1回の的中率が、勝ちか負けの50パーセントだから、連続して2回目も当たる確率は50パーセント×50パーセントで25パーセント。

 3回目も当たる確率はその半分…ということで、12パーセント、4回目はその半分で6パーセント、5回目はその半分で3パーセント、6回目は1.5パーセントで、7回目は0,8パーセント…

 とすれば、8回連続的中が現実に起きる確率は0,4パーセント。

 つまり、99.6パーセントは起きないであろうことを、世界中が見たわけだが、正直言って、奇跡とまでは言えない。

 0.4パーセントの確率というのは、実感的に想像できる範囲内だからだ。

 これが、10回連続だと、相当「奇跡」に近くなる…かもしれない。

 それにしてもスペインはスポーツがなんでもすごい。

 テニスでもナダルが優勝したし。

 外見はどう見ても「ジプシー」で、そのナダルが、拳骨を相手につきつけ、「これで今からお前を殴るぞ」と言って殴るような、あからさまなフォアハンドへの回り込みスマッシュを金髪碧眼相手にびしびし決めるものだから、どうしても「嵐が丘」のヒースクリフを連想しちゃうのだ。

 しかし、ナダルは実際は、すごい金持ちのお坊ちゃんだそうだ。

 これはこれで、ファンにはたまらない事実だろう。


 しかし、相撲は、どうなっちゃうのか。

 わからないのが、暴力団員は相撲を見てはいけないのか?

 だったら、野球も見てはいけないし、映画も見てはいけないのか?

 警察官が見はっているみたいだが、別に、捕まえるわけではないだろう。

 「今いろいろ世間がうるさいから、遠慮してよ」と言うくらいが関の山。

 普通の人がそんなこと言っても「なんだ、ごらあ」ってことにしかならないが、警察官だったら、やはり渋々帰ることになるだろう。

 でも…ってことは、ほとぼりが冷めたら、また…ということになる。

 しかし、暴力団員は相撲も野球も映画も見てはいけないなんて、法律はそもそもないし、あり得ないんだが…。

 いったい、日本のお偉い方々は、日本の現状のなにをどうしたいのか。

 犯罪が皆無のスーパークリーン社会をつくりたいのか?

 みんなの党が躍進したが、渡辺党首が、「役人にスト権を与えて、その代わり、リストラできるようにする」と言っていたが、これは、いわゆる「スト権スト」として、今から40年近く前に国鉄が自分たちを含む、全公務員のスト権確立を求めて、連続八日間のストライキを行ったことで有名だ。

 あのとき、自民党政府は、役人すべてにスト権を与える代わりに、「身分保障」を外す決断を下すべきだったのだが、それができなかった。

 例えば、警察官や消防がストをしたらどうなる、というのだが、別にいいじゃん、である。

 ずっと一年中ストをしているわけじゃなし、日本国中一斉ストってこともない。

 もちろんないことはないが、そういうのはゼネストといって、歴史上滅多に起きることではないし、起きたとしたら、それはまさに革命に等しいことが起きているわけで、それはそれで、「けしからん」で済む話ではないところに事態が進んでいるわけだ。

 ところが一方、スト権を求める公務員の方も、「身分保障は絶対に外させない」というんだから、世論の支持を得るわけがない。

 というわけで、八日間のストはなんとなく終了し、70年安保をめぐる社会の混乱も、これを機になんとなく収束していったわけだが、渡辺党首の「スト権を認める」発言を聞いても、その昔、八日間ストをシビアに経験したはずの私と同年輩と思われるマスコミのお偉いさんは、痴呆症老人のように顔色一つ変えずに聞き流している。

 実は、スト権を与える代わりに身分保障を外すという案は、酒飲みではないほうの中川が去年だったか、頻繁に言っていたのだが、これもマスコミは全く無視した。

 今回の渡辺党首の発言は「みんなの党」躍進を背景にしているので、かなり現実化を期待できそうなのだが、バカマスコミのバカどもは、「連立の有無」ばかりを聞く。

 正確に言うと、「連立」の二文字を見出しに入れても誤報と思われない、最小範囲での証拠のようなものを渡辺党首から引き出そうとしているわけだ。

 それはそれで職業意識としてあってもいいと思うが、「スト権」という言葉、それをめぐるけんけんがくがくの論議は、あんたらの青春の最大のキーワートの一つだったはずなのだ。

 …許せないのは、彼らの健忘症だ。

 

 タコ君のことを書くだけのつもりだったのに…。

ワンダーでワンダー(なんのこっちゃ)

2010-07-06 23:10:10 | Weblog
 すっかり間が空いてしまったが…日本相撲協会…完全に世論対策の失敗の結果だと思うね、私は。

 朝青龍の問題にしたって、全然たいした問題じゃない。

 話が飛ぶけれど、被害者が一人もいない「姉歯物件」騒動と同じ。

 女性宇宙飛行士の山崎さんだと思うが、テレビで、何かに対してお礼を言ったのだが、それがまあ、気を使っていることったらない。

 そこまで丁寧にしなくてもいいでしょうに、と思うくらいに深々とお辞儀をしていて、もともと日本人だから、そのことに違和感はないのだが、多分、外から見ていて、「今の日本にはこれくらいしないとまずい」という判断があったのではないか。

 昨日、「ワンダーワンダー」の再放送で、京都の知られざる豪華別荘群を見た。

 証券の野村家とか、主に明治時代に成功した実業家たちが競って東山のふもとに別荘を建て、豪華な庭を造った、それを紹介いているのだが、半分くらい見て、嫌になって消してしまった。

 なぜなら、そこにあるのは、ただ感覚を楽しませるものだけ。

 精神性のかけらもない。

 当人たちは、そうは思っていないだろうけど。

 我こそは、日本の伝統精神を継承しているのだと気張っているのだろうが、例えば、龍安寺の石庭にあるものは、「日本精神」なんかじゃないだろう。

 それは、誰が見ても明らかだ。

 龍安寺の石庭にあるものは、精神そのものだ。

 龍安寺を引き合いに、叩いているわけじゃない。

 逆だ。

 東山の豪華な庭を見ているうち、龍安寺を思い出し、ずいぶんちがうなあ、どこがちがうのだ、ああ、龍安寺にはある「精神」が、ここにはないんだ、と思ったのだ。

 じゃあ、何がある?

 感覚だ。感覚を楽しませる仕掛けだけだ。

 多分、「当主」たちは、自信満々でNHKの取材陣を迎え入れたんだろうが、豈図らんや、成金の馬脚(素顔)を現してしまったというわけだ。