パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

あるフリーメーソンとの会話

2010-01-29 17:53:04 | Weblog
 一週間ほど前から、諸般の事情により、深夜、工事現場のガードマンのアルバイトをしている。
 
 これまで外から見ていて、彼らはいつ腰を下ろすのだろうと思っていたが、実は、3時間まったく腰を下ろさないこと、下ろすことを許されていないことを知った。

 3時間たちっぱなしで食事休憩、もしくはトイレ休憩が入る。

 食事の場合は1時間だが、トイレ休憩は本当にトイレのみ。

 そういうわけでばかばかしいほどきつい仕事なのだが、それについてはおいおい語ることにして、今回は詰め所における某氏の話を。

 あんた、前はどこに勤めてたの? 自由業? ふ~ん。景気悪いからな。

 石の職人だよ。ビルの床や壁に石を貼ることあるだろ。あれさ。

 仕事は東洋一というその手の会社があってさ、そこから仕事をもらっていたんだけど、不景気でぜんぜん仕事が入ってこなくなったので、ハローワークに行ったら、ビルの清掃とか警備員しかなくてね。最初の会社は、研修をやった後、一回も仕事がないんだ。それで、もう一度はローワークに行って、ここを選んだんだ。前の会社も一応登録はそのままなんで、仕事があれば連絡があるはずだけど、半年以上前になるけど、連絡ない。つぶれたかな。

 石屋時代は世界中あちこち行ったよ。会社から行かされたってことだけどね、イラン・イラク戦争の真っ最中にイラクで仕事したこともあるよ。

 戦争中で戦意昂揚のためかもわからないけど、軍事博物館というのをつくってね、その床張りをしたんだ。

 職人は500人くらいいたけど、ほとんど韓国人で俺はその技術指導とか監督をした。フセインの肝いりで作ったわけだから、フセイン本人が視察に来たりしたよ。ヘリコプターで上からやってきて、俺たちが働いている中を歩き回ってた。

 フセインには影武者が何人もいるんだけど、あのフセインは本物だったと思う。現地の人もそう言っていた。あと、2,3回、フセインを見たけど、影武者だったみたいだ。スーダンの黒人兵を100人くらい引き連れていたけど、ああいうことは本物のフセインはしないって現地の人が言っていた。

 イタリアにも行ったな。ピサの斜塔のピサ市のすぐ近くに山ひとつ全部大理石でできているところがあるんだけど、そこに石屋の仲間を3人、見学に行った。俺は片言だけど、英語ができるんで、俺が通訳格でね、珍道中だよ、珍道中。

 でも、一番よかったのは、ヨルダンだな。対日感情もいいしね。ヨルダンは王国だからね。日本も天皇制だから、王様のいる国とは仲がいいんだね。

 天皇って言えば、皇居の新宮殿の仕事もしたよ。天皇陛下がお正月に一般参賀の人に向かって手を振るだろ、あのお立ち台の床も俺が貼ったんだよ。へへへ。職人になりたての若い頃だったけどね。

 ところで、おたく、自由業っていうけど、何? 雑誌? 雑誌って言えば、「ムー」ってのがあるだろ。あれが好きでね。政治とか科学とか、いろんな話が読めるのがいいね。フリーメーソンとか。

 フリーメーソンって、石屋の組合のことなんだよね。あ、知ってる? さすがだね。

 景気が良くなったら、また石の仕事を始めるか、って?

 無理無理。重い石や、セメントの袋を担いで階段を登らなきゃならないんだよ。俺、もう61だし、無理だよ。

 あちゃー、年下でした。

それを言っちゃおしまいでしょ

2010-01-26 13:44:16 | Weblog
 タイに活路を求めた青年の面接がどうなったか、番組を最後まで見なかったのでわからないのだが、同青年は、面接者である社長に、弊社を希望した動機を聞かれ、「今まで私を馬鹿にしてきた世間を見返したいので」と答えていた。

 あちゃー。

 それを言ってはおしまいでしょ。

 結果、断られる→世間を見返したい思いが募って、また口にしてしまう→断られる。

 この繰り返しになる。

 この悪循環は取材スタッフがアドバイスするか(そしてその場面をカメラに収めるとか)、採用者側が、「気持ちはわかるが、そんなことを言っちゃだめ」と諭した上で採用するかしかないだろう。

 実際、「世間を見返す」なんて動機は、就職できればそれで消えてしまう。

 あ、いや、この青年はすでに食品会社を首になったんだったっけ。

 う~ん。

 ところで、鳩山は何を考えてんだ。

 去年、鳩山は、来年一月の名護市市長選挙の結果を待つみたいなことを言ったが、名護市市長選挙で民主党は、移設反対派の候補を推薦しているのだから、「結果を待つ」は、反対派市長の勝利を期待して待つという意味で、だったら、「ゼロベースで議論する」、「選挙結果に完全に縛られるものではない」なんて台詞は出てこないはずなのに‥。

終身刑を考える

2010-01-24 17:06:48 | Weblog
 日本でなかなか職が見つからず、タイに渡った青年のドキュメント風、密着取材ものを少し見る。(日本テレビ)

 今回のタイ行きは2度目で、最初の時にはホームレス状態になってしまったが、今回はワンルームのマンションを日本円で9000円で借りて、ここを拠点に対にやってくる日本人向けの仕事を探している。

 一応ブログももっていてバンコク市内の格安インターネットカフェで毎日更新し、アクセス数で広告料をもらっているが、いいときで1万円くらいらしい。

 青年は、外見はごく普通だが、小さい頃からやや発達障害気味で、日本にいたときには食品会社でサラリーマンをしていたが結局その職を失ってしまった。

 それで、対人と日本人の混血の青年がやっている日本人向けのタイ語教室のホームページー作成の求人広告を見つけ、そこで、大体何分くらいで更新できるかテストされる。

 決まりでは、15分くらいで更新しなければならないが、青年は5分くらいでやってしまう。

 なるほど、ブログの更新って通常、そんな時間なのかな。

 私は、1,2時間は優にかかってしまうが。(もちろん、打ち込みに手間取っているのじゃない。文章を考えるのに時間がかかる。今日どこそこのラーメンを食べたくらいの内容なら、10分あれば十分だろうが、私の場合はそうじゃないので‥)

 それで、今回は就職できるのではないかと番組のスタッフが声をかけるが、青年は、ビルを出た瞬間、今回もきっとだめだと肩を落とす。

 と、ここで、こっちも部屋を出たので、この青年の求職活動の結果は知らないのだが、落とされ続けたというのは、やっぱり番組のカメラではわからないような、何かがあって、それで「不適格」と判断されるのだろう。

 それは、結局、「対人関係がうまく行かない」という雰囲気を出しちゃうのだろう。

 というか、実際にそうなんだろう。

 しかし、青年が南国のタイに向かったというのが面白い。

 「面白い」というと御幣があるが、多分、最初から、「ホームレス生活」を予想しているのだろう。

 映画、「ミッドナイト・カウボーイ」と同じだ。

 ラット(ダスティン・ホフマン)は、暖かいフロリダへ行くのが夢で、そこへ向かう長距離バスの中で小便をたらしながら死んでしまう。

 話は変わるが、刑務所を出所後、仕事がないので強盗を繰り返しながらサウナで寝泊りし、最後に女子大生を殺したことを白状した48歳がいたが、はっきり言って、彼のような男性が仕事を得ることは今のようなご時世でなくても、無理だろう。

 だとしたら、生きるためには盗みでも強盗でもしなければならないし、だったら、事のついでに性欲も満たしておこう、それで捕まれば、刑務所で暮らす。

 件の男は、強盗容疑で逮捕され、その取調べ中に強姦殺人を「あれは俺がやった」と自白したんだそうだが、もう、これからの人生は刑務所で過ごそうと決心したということなのではないか。

 決して男をかばうのではないが、「だったら、思い切り残虐な犯罪を犯して刑務所で暮らそう」という男の非情な結論は合理的だ。

 もちろん、かく結論を出すことと、実際に強盗強姦殺人を犯すということはちがう。

 男には、本来、そういうことをやってしまえる異常人格者だったということなのだと思うが、だとしたら、司法はどう対応すべきなのか?

 簡単だ。

 終身刑にして、社会との接触を断つ以外ないだろう。

 日本には「終身刑」そのものがないので(なんでだろう?)、その本質が語られることもないが、「終身刑」は、「死刑の代わり」にという理屈で主張されることが多いが、むしろ、社会との接触を断つ」ことに本質あるのじゃないか。

 
 いずれにせよ、司法の判断としては、過去を悔い改め、まともな社会人として生きてゆくことを期待して、刑務所から出したという建前なのだろうが、はっきり言って、このような対応は非現実的だ。

 刑期を終えた人間がまた戻ってくることについて、「しょうがない」と、司法が考えているとしたら、それはとんでもなく迷惑な話だ。

病いで得とれ

2010-01-21 14:25:15 | Weblog
 小林繁がなくなったと思ったら、今度は淺川マキが急死。

 黒ずくめで、日本のジュリエット・グレコとか言われていたんじゃなかったか。

 そのジュリエット・グレコは、82歳で現役バリバリ。

 シャア・アズナブルと名前が似てると話題になったシャルル・アズナブルはグレコ以上の年齢で、フランス政府から、どこかの大使に任命された。

 浅川マキは67歳だそうで、思っていたより年取っていたが(団塊の世代の真っ只中という印象だった)、でも若い。

 その記事の隣にはミッキー安川の訃報が。

 ミッキーは78歳くらいなので、まあ、驚くことはないけれど、体がでかくて傍若無人というイメージだったので、残念。

 やっぱり日本人は食生活がおかしいんだと思う。

 志ん朝の兄、馬生なんか、毎日、酒と刺身しか食べてなかったらしいが、刺身は糖尿病にもっともなりやすいとかきいた。

 あまりよく覚えてなくて、正確な情報ではないが、毎日寿司ばかり食べていたら、変になりそうな感じはする。

 糖尿になって透析を受ける羽目になっても経済的負担はわずかなので(父親が最後、数年間透析を受けたが、その請求書が安いので母親がびっくりしていた。もっとも、それ以外に金がかかったのだが)

 日本の場合は、健康保険証をもっていれば、高度な医療を安く受けることができる。

 それで、鳥越俊太郎なんか、自分がガン治療を受けたということもあるせいか、アメリカのオバマ大統領が公的保険導入に苦戦していることを評して、「日本に生まれ良かった。日本の健康保険制度は世界一」と言っていたが、アメリカが国民の医療にまったく金を出していないかというとまったくそうではない。

 ネットで知ったことだが、アメリカの予算、250兆円はほぼ医療費、社会保障、そして軍事予算の3等分でできている。

 つまり、アメリカ政府は日本の国家予算並みの医療費を負担している。

 対する日本の予算に占める医療費負担は、ほんの数兆円。

 そりゃそうだ。

 日本の健康保険制度は実質的に一種の頼母子講で、頼母子講のの講員が積み立てた金を、病気になったものが使うという仕組みで、政府支出はその支援に過ぎない。

 だから、数兆円ですんでいる。

 要するにアメリカの場合は、高度な治療を受けようと思ったら、私的保険に入っていなければ受けることができないが、簡単な治療ならただで受けることができる。

 ‥という仕組みではないのかな。

 よく、盲腸を手術しただけで数百万円かかったとかいう話を聞くので、実態はよくわからないのだが、少なくとも、インフルエンザのワクチンはアメリカでは無料、日本では一回5000円で2回の接種が必要だった。

 多分、アメリカで公的医療保険の導入に反対者が多いのは、高度な医療は金持ちのため、低収入のものはメディケアがあればよい、公的保険制度なんかは役人を太らせるだけだという理屈なのだろう。

 どっちを選ぶか、だ。

 はっきり言ってアメリカのほうが合理的だと思う。

 なぜなら、日本の健康保険制度が頼母子講から発展したということは、病気をしないと損という考えを内包している。

 食と健康に関しては、たしかに世界一といってもいい、中国人は、日本のサラリーマンが昼食に脂っこいラーメンを食べているのを見て、わざわざ病気になろうとしているようなものだと冷笑したという話を聞いたことがある。

 まさか、健康保険があるから、不健康な食生活をしても大丈夫と思っているとは思わないが、「食」は「娯楽」じゃないのだ、ということは肝に銘じるべきではないのか。

 病気をして「得」なことなんか何もないのだ‥‥。

ナルシストシス

2010-01-18 20:44:21 | Weblog
 小林繁が亡くなったと聞いてびっくり‥‥しなかった。実は。

 ちょっと前にCMで江川と競演したとき、生気がないというか、ぱさぱさな印象で、糖尿病か何かではないかと思ったことがあったので、今回の「心不全」はきっと、糖尿の結果ではないかと思ったのだが,だったら、ニュースでなんか言うだろう。

 ニュースでまったく死因に触れていないということは、やっぱり、あれか。

 自殺。

 江本も、小林繁のことを「究極のナルシスト」と言っていたし。

 こういうかんぐりを行うことは、嫌いなのだが、フォーククルセイダースの加藤和彦の自殺とちょっとイメージがかぶってしまう。

 それにしても、江川が54とは知らなかった。

 47,8のイメージだったので。

 年をとるわけだよ。

 誰がって、私だけどね。

また病気の話題

2010-01-14 13:04:39 | Weblog
 寒いっすね~。

 これも地球温暖化の影響だろうか、なんちゃって。

 篠沢教授の病気は、例のホーキング博士の筋萎縮症らしい。

 多分ホーキング博士くらいの症状に達する前に寿命が来てしまう可能性が大きいと思うが、面倒を見る奥さんが大変だ。

 と、日本の報道は、介護の側面を重要視しがちだが、理想論かもしれないが、愛する人が自分に全面的に頼っているとなれば、世話をするのは幸福というか、もう快感に近いのではないか。

 昔、若い恋人を独占するために毒を飲ませて全盲にしてしまうという、フランス映画あったが、ああいう感じ。

 実際、介護の果ての殺人というのは、大半が、介護に疲れてというより、病人自身が絶望して「殺してくれ」と切願している。

 
 今の制度では、こういう難病患者は相当な援助が国から得られるはずだし、後は、患者自身の問題ではないか。

 と、思う。

 間寛平が、検査の結果として、ガン告白したが、世界一周マラソン中に検査なんかするのか?

 そこらへんがちょっとわからないが、ともかく、運動はそのまま続けてかまわない、というか、そのほうがいいらしい。

 自転車のアームストロングもそういうことなのだろうか。

 普通の病気だったら、発症=ベッド生活に直行となるが、ガンというのはやはり、一種独特の病気なんだろう。

ソーセージにしちゃうぞ

2010-01-12 22:06:18 | Weblog
 これで、公共料金が下がると、デフレを加速させるとか、マスコミは言いそうで怖いです。

 それはさておき、ぜんぜん顔を見ないのでどうしたのかと思っていた、篠沢秀雄教授が、すごい状態で現れた。

 途中で見たので病名はわからないのだが、半身不随で、声が出ないので筆談。

 一見誰だかわからず、篠沢教授っぽいなあと思っていたら、本人だった。

 奥さんが隣にいたのだが、彼女は、めちゃくちゃ元気で、教授に何か発破をかけていたが、教授は、こんな自分のことを考えるのはつらいから考えないよ、と筆談で伝えていた。

 しかし、教授は日本一のインテリだし、頭はぼけてないみたいだから、頭を振り絞って何か考えていれば、悲惨な自分の状態もその間は忘れられるだろうし、どんどん執筆してほしいと思うのだが‥。

 
 ストッキングを頭にかぶるというお遊びはよくやるが、昨日の深夜番組で、人間焼き豚」と称して、お笑いタレントの顔を細い針金でぎりぎりと縛っていた。

 酷すぎる。

 子供なんか引付を起こすだろうがそれよりなにより、それを見て、はやし立てるのは、人権問題じゃないかと思った。

 だって、重い火傷なんかだとすぐにああなっちゃうと思う。

 焼き豚といえば、グリム童話集をパラパラとめくったら、豚の腸詰、つまり、ソーセージを作っているところをそばで見ていた子供が、ソーセージつくりごっこをしようということで、「豚」役の子供ののどを切って、殺してしまうという話が載っていた。

 実話だろう。

 2,3年前、テレビのドキュメンタリーで、ドイツの田舎で自家製ソーセージを作る場面を見たことがあるが、豚を殺し、肉をその豚の血でどろどろに煮込んでいるところを、 そばで子供がジーっとみていた。

デフレというが、日本の物価は今だって高いのだということについて

2010-01-08 20:16:43 | Weblog
 ウォルフレンの本で、いまさらながら、「ほお」と思ったのが、日本の物価が高いという指摘。

 一口に物価といってもいろいろなレベルの話がありうるが、ウォルフレンは、喫茶店などでのソフトドリンクが高いと怒っていた。

 普通どこの国でも、ビンを一本、グラスの脇に置くのが普通だが、日本では氷をいっぱいに詰めたグラスに、ほんの少したらしただけだと怒っていたが、まあ、これは店によりけりだ。

 ウォルフレンはインテリで書いていることもすごく高度なんだが、時々、こんな子供っぽい理由で怒ったりしているのが散見される。

 それはともかく、日本の物価の高いことは日本人自身がよくわかっていることなのだが、昨今のデフレ経済で、「安すぎる!」なんてやつが出てくる。

 総じて言えば、日本の物価はまだまだ高い。

 たとえば高速道路料金とか。

 まあ、もともと道路というのは無料が原則なのだが、本四海峡端なんか、往復で1万円もかかるらしい。

 それで、無料にするはずだったのが、フェリーの営業を考慮して無料はなしということになったらしいが、渡し舟の営業を残したいのなら橋なんか作るなって話だ。

 後、電気、ガス、水道などの公共料金も高いままだ。

 ‥というか、基本料金てのがわからない。

 ウォルフレンは言及していないようだが、まったく使わなくても使用料金を取られるというのはどういうことなのだ。

 むしろ、必要最小限までは「無料」というのが、「基本料金」という言葉にふさわしいやり方ではないのか。

 フリマで買ったスニーカーが細身過ぎて、右足が腫れてしまった。

 以前から、右足が腫れやすくて、困っていたのだが、ちょっと今回は激しいので皮膚科に行った。

 そうしたら、医者から助手から、全部女だらけの病院。

 テレビドラマで見るような、「いかにも」感じの女医に足を見せたら、ほとんど見ただけでおしまい。

 炎症を起こしているので、それをおさめる飲み薬と普通の軟膏を処方された。

 「抜本的に直したい」とか言ったら、くすくすと笑われた。

 なんのこっちゃ、であるが、まあ、「抜本的」とかそんな大掛かりなことを必要とするものじゃあないのだろうということで、いいように理解して納得することにした。

取り越し苦労

2010-01-07 19:59:03 | Weblog
 ウォルフレンの「人間を幸福にしない日本というシステム」を古本屋で購入。

 これから読むところだが、パラパラと目を通したかぎり、かなり面白そう。

 しかし、「人間を幸福にしない日本というシステム」というタイトルはあまりよくない。

 ここは、原題に近く、「日本、偽りの社会」とでもしたほうがいいのではないかと思う。

 ウォルフレンが本書のキー概念としているのが、「偽りのリアリティ」という概念だが、これは要するに、旧ソ連とか、北朝鮮の国民が自分たちの住んでいる社会のシステムを最高だと、支配者たちから思わされているように、日本人も、官僚が
提出する「偽りのリアリティ」に篭絡されているというのだ。

 要するに、「偽りのリアリティ」のもとでは人間は決して本当の幸福を得ることはできない、というのが「人間を幸福にしない日本というシステム」というタイトルの真意なわけだが、誰だって、タイトルを見ただけでは、「嫌味なことを言うなあ」と思うだけだろう。

 この「偽りのリアリティ」を、最も大きくくくれば、「文化」ということになっり、日本人ばかりでなく、世界中のほとんどの人が、自分が属する文化を信じ、それにしたがっているわけだが、もちろんそれは絶対的なものではない。

 他の社会に行けば、他の文化がある。

 ところが、最近の日本人は、それを知った上で、あえて自国文化にこだわろうとしているように見える。

 結果、非常に独善的になってはいないか。

 このことに関係あるかないかわからないが、韓国の少年少女たちが、酷寒の中で訓練を受けているニュースを見た。

 多分、日本以上に厳しいと言われる受験競争に備えてなのだろうが、質問に答える彼ら彼女らの言葉が、「とても貴重な経験だった」とか、「何にでも耐えられる自信がついた」とか、型通りに答えているのだが、型通りのことを型通りに答えること、それ自体がひとつのメッセージたり得ている。

 もちろん、日本人も彼らのように、如才なく振舞えというわけではないのだが、数年前まで、日本人が海外旅行先で事件化何かにあって、インタビューを受けている映像なんかを見ると、非常に独特の、なんというか、「物静かなたたずまい」のようなものがあって、なるほどなあ、と思ったことが何度もあったのだが、最近の「自国文化称揚主義」というか、そんな風潮がかつての美徳を失わせてはいまいか、なんて取り越し苦労をしたりする新年早々なのであった。

トラトラトラ

2010-01-06 14:34:14 | Weblog
 Eモバイルを川口に持って帰って、そこで書き込みをしようとしたら(当然とっくに試みてしかるべきことなのだが)「圏外」になった。

 おいおいである。

 川口って、赤羽から荒川を渡ってすぐ。

 荒川なんて、中国あたりに持っていったらほんの小川だ。

 多分、赤羽でも「圏外」になるのだろう。

 小沢が普天間移籍問題で、下地島はどうだと言ったのは、社民党の幹部に、「どうしても県内ではだめなのか?」と聞いて、幹部がごにょごにょと口を濁したかららしい。

 福島が機先を制してかどうかはわからないが、記者に聞かれる前に「ジュゴンの海を埋め立てるのはよくない」と言ったので、それでなんとなく納得しちゃったのだろう。

 さんご礁の海を埋めることがよいことか悪いことかと言われれば、そりゃーいいことではない。

 それで、海上に巨大なドックを浮かべる案が出たのだが、技術的に、造船業の仕事で沖縄の企業にはできない仕事なので、沖縄に仕事が落ちる「埋め立て」にしたと当時聞いた記憶があるが。

 藤井辞任だそうだが、そもそもあの爺さん、何か実績があるかというと、何もない。

 もっともらしいことを言うだけ。

 ここ10年で、業績の上がった人といえば、境屋太一じゃないだろうか。

 強く慰留されたが、なぜか途中でやめてしまったが。

 小泉もそうだが、なぜ途中でやめちゃうのか?

 途中でバトンタッチすることで、民主主義をしっかりと根付かせたいとか‥そんなことは、少なくとも小泉に限ってはないだろう。

 小泉と聞いて「え?」と思う人もいるだろうが、「米百俵精神」とか言っていた前半はともかく、後半、りそな銀行への資金投入をきっかけに政策を転換してからは景気は確かに上向いていたのだ。

 それが、ホリエモン騒動あたりかぁ風向きが変わって反小泉色が色濃くなった。

 私は、小泉のことだから、辞任を撤回して、この反小泉の風に立ち向かうのではないかと思っていたのだが、何故か放置したまま、やめてしまった。

 民主党は、小泉改革の尻拭いをしているのだとか言っているが、小泉の後、安倍、福田、麻生と3人も権力者が入れ替わっている。

 そして安倍はともかく、福田、麻生の二人ははっきり反小泉だった。

 ということは結局、反小泉路線が成果を上げられないでいるというのが、事実ではないのか?

 もともと民主党は親小泉的な性格をもっている。

 特に、巷間反小沢を噂されている連中は親小泉色が強い。

 ということは、どうしても政界再編は必至ということで、枡添あたりの動きが注目される。

 渡辺みっちーが「みんなの党」を立ち上げたときも自民党の連中は冷笑していたが、さみだれ的にうまれた小党が固まってひとつの軸になるという形で再編は実現するのだろう。というか、実現して欲しい。

 最後に、韓国の虎の絵をアップしておきます。