パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

驚愕の世論

2010-09-28 14:23:25 | Weblog
 日露戦争終結に怒った大衆が日比谷交番を焼き打ちした「日比谷交番事件」も斯くやと思わせる、尖閣諸島事件。

 私は,いったいどうこの問題を処理するのだろうと思っていたが、前原がクリントン長官から、尖閣諸島は安保条約適用範囲内という言質を取りつけた後、即座に船長を釈放したことを知って、いや、これはうまいことやりやがったな、もしこれが民主党政権のシナリオだったとしたら、ものすごい策士だと思うが、まあ、そんなことはありえない。

 これまでの自民党政府だったら、追い返していたところを、不慣れで捕まえてしまったミスを逆手に取っただけなのだが、こういうとっさの判断は、評価していいなと思ったところが,肝心の菅首相以下、「検察の判断を了とする」の一点張り。

 田原なんか、せっかくクリントン長官が尖閣諸島は日本の領土と実質的に言ってくれたのに、その直後に船長を釈放するなんて,長官も呆れているだろうと言い、その長官が、今回の日本政府の行動を高く評価していると聞くと、「アメリカは二枚舌だ」という始末。

 頭の悪い人には何を言っても通じないことの好例で、こんなのはほっとけばいいのだけれど、問題は、正しいことをしたとちゃんと言わなければ,正しいことも正しくなくなってしまうということ。

 バカ世論なんかは気にせず、敢然と、胸を張って、戦略の失敗にほぞを噛んでいるのは、実は中国政府と言えばいいのだ。

君のいた永遠

2010-09-21 23:24:32 | Weblog
 …という金城武主演の映画を見た。

 もちろん、例によって中途からなのだけれど、最初にちらりと見たとき、結構雰囲気があっていいなと思ったのだが、恋愛ドラマのようで,面倒くさいので、NHKの台湾リスの映像なんかを見ていたのだが、それも終わり、映画にもどったら、男がギターを弾きながら、男の噂をしているらしい二人の女性の方をちらりとみて笑った。

 かっこいい!

 それでそのまま見ることにしたのだが、もう終盤近くで、15分程度で映画は終わってしまった。

 最後は、旅客機の中で男から渡された箱を女が開けると、中にいろいろな思い出の写真が入っていて,それをじっと見ながらエンドマーク。

 それで,後で調べたら、映画は「君のいた永遠」という、香港映画か、台湾映画で男は金城武だった。

 これが金城か、と思ったが,監督が、出演していた女優の一人らしい。

 これにも驚いた。

 ネットで、評判をチェックしてみたが,日本のトレンディドラマのようなものという書き込みが多かった。

 私は日本のトレンディドラマというのを一つも見たことないのだが、ここまで抑えた演技、演出をしてくれれば,見たいと思うが、どうなんだろう。

 「13人の刺客」とかも評判いいようだけれど、ぎゃーぎゃーうるさそうで見る気がしない。

 小林正樹の名作「切腹」もリメイクされるようだけれど、小林の「切腹」がよかったのは、なぜかわからないが、演出、演技が、エキセントリックな内容に比べて極めて落ち着いていたことだ。

 「なぜかわからないが」というのは、ああいう、本来、主流となるべき演出、演技が、あの一作のみに奇跡的に実現していただけで,その後はまた、ぎゃーぎゃーうるさいだけの映画になってしまった。

 黒沢映画だって,「うるさい」点では同じだ。

 ジョナスメカスが、「映画日記」で、日本映画は怒鳴り声がうるさいので、見る気がしないと言っていたが、「静かな」となると、「あの夏一番静かな海」みたいに押し黙ってしまうし。

 「プリズンブレーク」がいよいよ佳境だ。

 しかし、これもよく見るとシナリオはかなりいい加減。

 マンガチックというか、実際、日本の漫画を参考にしているのでは、とも思うストーリー展開なのだが、でも、演技、演出がいい。

 デーブスペクターが、日本のドラマはまず俳優の演技が問題だと発言して,2chで、話題になったことがあった。

 論点は,ドラマの出来はシナリオか,演技(演出)かという問題だったが、8割方、シナリオが大事、スペクターは何を言っているのか、という意見が多かった。

 こういうのが、素人のなんとかなのだ。

 ハムレットを素人が演じて感動させることが出来るか?

 これだけで、ドラマの基礎は、まず演技、ということがわかる。

 演技、あるいは演出はシナリオの欠点をカバーすることが出来るが、演技の欠陥をシナリオでカバーは出来ない。

 ところで、金城は大根ということになっているらしいが、演技が下手なら演技を一切しなければいいのだ。

 ギターを弾きながら見せたあの笑顔は、演技じゃ出来ない。

 いや、すてきでした。

どんだけー!?

2010-09-20 23:07:44 | Weblog
 誰かさんのギャグだか忘れたが,「どんだけー!」って、叫びたくなる小沢の嫌われぶり。

 しかし、「文芸春秋」の「悪魔が来りて云々」という中吊り広告には驚いた。

 異常というしかない。

 ところで、昔,「信じようと信じまいと」という本があった。

 まさかこんなことが?と思うようないろいろな話を集めたアメリカでは大変に有名な本だが、その中に、「世界一悪口で埋まった手紙」というのがあった。

 それはあるイスラム国のサルタンが、隣国の王様に向けて出した手紙で,犬とか豚とか、悪魔とか、延々と悪口が書き連ねられている。

 で,いったい誰が書いたかというと、サルタンが使用人たちを集め、たっぷりお酒を飲ませて、「お前ら、悪口を言え」と命令し、それを手紙にしたというのだが、「文芸春秋」も、編集長以下、わいわいお酒を飲みながら書いたのではないか。

 まじめに論じられるべき問題が,実は極めて不真面目に扱われている。

 ところで、実はこれ,全共闘世代の最大の欠点なんだな。

 私はそのことを、中学の卒業文集で担任の教師に指摘され、「先生ってよく見てる!」と感心し,かつ、深刻に反省したのでよく覚えているのだが、今、マスコミのトップは全共闘世代、団塊の世代だと思うので斯く想像してみた。


カニさん総理

2010-09-14 18:09:42 | Weblog
 菅、圧倒的勝利、とニュースで言っているので、そんなに?と思ったら、「圧倒的」なのは、いわゆる党員サポーター票。

 だいたい、「党員」というのはわかるが、「サポーター」って何なのだろう。

 まあ、どうでもいいが、ちょっと面白かったのが,毎日新聞で事前に「識者アンケート」というのをやったそうで、そこで、いわゆる右と左がぐちゃぐちゃになっている。

 例えば,桜田なんとかという、以前よく産經新聞で名前を見た「右」の論客は、菅支持。

 理由は,どうやら、普天間基地問題らしい。

 つまり、小沢では対米関係が危なっかしいので、「地味」でいいから菅支持だというのだ。

 おいおい。

 桜田先生くらい、小沢の提案が、「集団自衛権容認」を前提にしていることくらい、わかってあげなくちゃだ。

 ただ、それをあからさまに言っちゃうと、肝心の沖縄が改憲反対の左翼だから、問題がこじれる。

 それで、アメリカに行った時にでも、極秘で「集団自衛権容認」と「普天間基地海外移転」をバーター取引する、そんなプランだったんじゃないのか。

 わからないけど、しかし、日米合意はしたものの,実行はできないことが,奇しくも、ほぼ同日におこなわれた名護市選挙で改めて判明した。

 アメリカ政府の第1条件が、「地元の合意」なんだから、小沢の言う通り、「改めて相談」するしかないことは、朝日新聞だって気がついたんじゃいかな。

 テレビで朝日の論説委員の「ほぞを噛んだ」ような顔を見て、そう思った。

 しかし,菅はこれからどうするのか。

 再選後の最初の記者会見を見たが,「まだ3ヶ月、これから本格的にやります」とだけ言って、逃げるように帰っていった。

 こいつ、選挙カーの上で演説している小沢の横で、両手でVサインをつくって、「カニさん、カニさん」とばかりにふりまわしていた。

 なんて恥ずかしいことをするやつだろう。

 これでも「小沢よりまし」か。桜田先生。

 しかし,こんな風にこじれてしまったのも,小沢が、基本政策はいいのに、その実現のために策を弄し過ぎたことが原因ということはあるだろう。

 本当に残念である。

ノーヘル、無免許でオートバイを運転、警官に…

2010-09-09 22:01:54 | Weblog
 久しぶりにオートバイの夢を見た。

 免許は失効させてしまっているので,無免許であることを承知でオートバイを走らせていると,ふと気がつくと,ヘルメットをかぶっていない。

 ここまで警官に出くわさなかったので助かったのだが、至急、どこかでヘルメットを買おうと思い、バイクをある家の塀の横に止めると,その家のなかから私服制服とりまぜ、警官がわらわらと出てきた。

 どうやらこの家に強盗が入ったらしいのだ。

 まずいところにバイクを止めてしまったと後悔するが,今更バイクに乗って逃げるわけにいかない。

 なぜなら,ヘルメットがないから。

 それで知らんぷりをして警察官たちの横をすり抜けようとすると,「ちょっとちょっと」と呼び止められた。

 「このバイクあんたの?」

 「いえ、ちがいますよ」

 「これに乗っていなかった?」

 「いえ、ヘルメットもないのに、乗れるわけないでしょ」

 と、言い訳しつつ,ずりずりと警官から離れようとすると,向こうも、ずりずりと近づいてくる。

 や、やばい。

 だんだん早足に、そして駆け足に。

 当然,警官の方も早足から駆け足になっておいかけてくる。



 深津絵里が国際映画祭で主演女優賞をとったけれど、それだけで大騒ぎというのはいかにも後進国風でみっともない。

 私は深津絵里という女優を嫌いじゃないけれど、ちょっとは作品の中身に、それもストーリー紹介だけではなくて、ちゃんと批評しながら紹介してほしいものだが,ただ「快挙」を連呼するだけ。

 映画のことで突然思い出したが、たけしの『あの夏一番静かな海』というのがあった。

 聾者の恋人同士の話で、たけし映画の中でも評価が高いわけだが,私はあんまり面白いと思わなかった。

 それで,少し前、聾者の若者(男女)二人が電車の中で手話で話し合っているのだが,聾者だからゼスチャーが大きい。

 身振り手振りが「外人」ぽくて、脇で見ていても,話している中身がだいたいわかりそうなくらい。(わからなかったけど)

 そのうち、男の方が窓の外に何かを見つけたらしくて、そちらをぼーっと見ている。

 女の子はそれでも話しかけているわけだが、男の視線は外にいっているので、話しかけられていることがわからない。

 すると、女の子は男のジャケットの裾を、ツンツンと引っ張った。

 なかなか可愛い仕草なのだが,ああいう聾者ならではの特徴的なものが、『あの夏一番静かな海』には一切なかったんじゃないかと、突然思い出したのだ。

 だいたい,「静かな海」というタイトルも、聾者の世界は「静か」な世界だろうといった思い込みがあったんじゃないかと思うのだが、それはちがうだろうと思う。

 それはさておき、老人というのは,70を越えると、病院で四日間も寝たきりでいると,体の関節が固まり,そのまま「寝たきり」になってしまうんだそうだ。

 やばっ、である。

 私は,寝ていて思いっきり「伸び」をするのが、気持ちよくて気持ちよくて,大好きなのだ。

 あー、生きているという感じがして。

 あれができなくて、「固まったまま」なんて、生きている価値がないとすら思うのだが、「寝たきり老人」というのは、何を生き甲斐にしているのだろう。

 はっきり言って,いろいろわがままを言うことが「生き甲斐」になってるんじゃないだろうかと思ったりするのだが。

小沢の戦略を予想する

2010-09-09 01:18:25 | Weblog
 小沢が,内閣法制局の廃止を明言したらしい。

 なるほどね。

 いや、ちょっと前、小沢が普天間基地問題で、改めて沖縄県民,アメリカ政府と話し合うといって、「どういうつもりだ」「また話を元に戻すつもりか」と非難が集中し、それに、「なに言っているの。今のままでは絶対に辺野古に滑走路なんかできませんよ」と再反論していた。

 これは、というか、これも小沢が正しい。

 マスコミのバカは、全然気づかないようだが、小沢の頭には「集団的自衛権」問題があるに違いない。

 つまり、これを容認すれば、アメリカ政府に普天間基地の海外移転を飲ませることができると考えているんじゃないかと思うのだ。

 要するに,昔小沢が言っていた「普通の国」になるという政策に沿った案だ。

 アメリカ政府の最大の不満は日本政府が集団自衛権の容認に一向踏み切らないところにあるはず。

 集団自衛権を認めなければ,そもそも「同盟」なんか結べないのだが、内閣法制局がネックになってきた。

 それで、まず内閣法制局の廃止を言いだした。

 それだけで、アメリカ政府には自分の意志は伝わるだろう。

 と、小沢は考えているのではないかと、想像しているのだが、マスコミはどう考えているのか、多分何も考えていないだろうなあ…。

 いずれにせよ、明日以降の反応が楽しみである。

 菅夫人、伸子さんが、テレビで山本晋也監督のインタビューに答えて、「菅は、小沢さんとの戦いに勝てば、自信を持って重職を担えるようになるかもしれない」と言っていた。

 てことは、伸子夫人の目から見ても,首相職にふさわしい力量はないと見ているわけだが、それはそうだろうなあ。

 還暦をとっくに越えた夫が「初」の字を間違えるなんて、妻として、猛烈に恥ずかしかったにちがいない。

 でも、山本監督の解釈はちょっとちがい、「それだけ巨大な壁ということですね、小沢さんは」と言っていた。

 伸子夫人、「じゃあ、これまでの菅首相は奥さんから見て落第ですか」とか突っ込まれなかったことに、ちょっとほっとしたんじゃないかと思ったのは,ちょっと気のまわし過ぎかも。

 ちなみに、内閣法制局の件だが、廃止しても,最高裁に違憲審査権があるから、暴走する懸念はない。

 と思う。

おぬし,名を名乗られい パート2

2010-09-04 00:02:38 | Weblog
 おぬし、名を名乗られい、と書いたのは,別に小沢を告発しているのが日本ナチ党の幹部であるとか、在日特権を許さぬ会であるとか、それを暴きたいために主張しているわけじゃない。

 今NHKで、消費者庁の長官が出てきて、消費者からのクレーム問題についてしゃべっていたが、その一例として自転車に乗っていて指を挟んでけがをした男の子の話が出てきた。

 で、その男の子が自転車に乗っている写真が写されているのだが、それが顔にぼかしが入っている。

 もし、何か言いたいのだったら、子供だって、ちゃんと顔を出して、自分の名前を名乗った上で話すべきなのだ。

 これが基本の基本の基本の基本の基本の…なんだが、それに全然気がつかないのが今の日本の一番の問題なのだ。

 ということを言いたいのだ。

みんな仲間だ

2010-09-01 18:11:28 | Weblog
 今年中に、深夜テレビは通販とアニメだけになると言われていたが,本当にそうなってしまった。

 そのアニメも,少し前、「三国志」をやっていたのだが、かなりの荒唐無稽で、それなりに面白かったのだが、いつの間にか見かけなくなってしまった。

 私が最後に見たのは、孔明が登場するよりずっと前の話だったから,低視聴率かなにかで打ち切りとなったのか。

 で,今やっている深夜アニメは、「青春もの」ばかりで、はっきり言って声優さんのロリータ声を聞くために見る(?)ものなんじゃないかと思うが、ああいうので視聴率がとれるのか。

 しょうがないから、教育放送を見るのだが、これも全然面白くない。

 昨日は、植物の太陽と水ででんぷんをつくる作用、なんていったか、忘れたが,あれをやっていたが、昔,この仕組みを解明できればノーベル賞ものと言われていたが,実際,誰かが解明してノーベル賞をもらった。

 それが、どんな理屈かというと、量子力学を駆使したもので、猛烈に難しい。

 でも、面白い。

 で、昨日テレビでやっていたのは、量子力学には全然触れず,昔ながらの教科書そのままの説明。

 だったら、教科書読んでればいいでしょ、という感じ。

 と、これは前置きで,今深夜テレビで面白いものといったら、「可愛い甲子園」の後番組らしい、「マスカットなんとか」と、アメリカの「プリズンブレーク」シーズン4。

 「マスカット」はとりあえず措くとして、「プリズンブレーク」は最初、シーズン1とか2を少し見たのだが、面白そうだがいまいちのれずに見なかった。

 ところが、シーズン4になって、俄然面白い。

 劇場映画のように時間の制約がないから、シナリオライターのやりたい放題。

 今回は結局脱獄に失敗し、炎天下に放置されつという拷問を受け、刑務所当局に脱獄計画を洗いざらい自白するという、意外な展開だが,実はこれも,一緒に脱獄するはずだった男の振る舞いが怪しいため、その理由を刑務所当局の力を使って黒幕を吐かせるという目的があった。

 しかも、普通、脱獄モノだったら、みんなが信頼し合ってという前提があるのだが,シーズン4は、脱獄に関わるもの全員がお互いを信頼していないという設定。

 今や、地獄の刑務所の極悪牢名主が「脱獄仲間」に。

 綱渡りのようなプロットが求められるストーリーだが、よくもまあ,考えつくものだと感心する。