パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

想定未来の話ですが

2008-10-30 22:26:47 | Weblog
 麻生首相は、「政局(選挙)より政策」と言っているようだが、これは、一見正論のように見えて、必ずしも、そうでもない。

 「正論」のヤバいところは、自分で「正論」だと思ってしまうところにある。そうなると、にっちもさっちもイエイということになりかねない。

 しかし、まあ、高速道路、「一回」、1000円というのはなんじゃらほいだ。

 なんだい、「一回」とは。どこに行くにしろ、行って降りて、また乗って帰ってくるわけだから、実際は「二回」だろう。

 まあ、これは揚げ足取りとしても、3年間の期限付き割り引きということだが、3年後には元に戻すのか? だとすると、路線によっては10倍以上の値上げということになる。

 元通りにするというのではなく、ぐんと圧縮したとしても、おそらく3、4倍の値上げということになるだろう。

 到底、まともに考えたとは思えない案だが、「結果的には値下げとなります」。

 これが役人の発想なのだ。

 というのは、もう十数年以上前のことになるが、最初に消費税3%が導入された時のことだが、月光を郵便局に持ち込み、書籍小包の代金を料金別納で払おうと思い、3%を上乗せした金額を窓口に差し出すと、局員が「足りない」という。局員が言うには、5%上がったと言うのだ。

 「え? 消費税は3%でしょ」と言うと、200gまでは5%だが、200g以上500g以下の書籍の場合は4%、500g以上1kg以下の書籍の場合は3%、1kg以上2kg以下は2%として、トータルで3%とした、というのだ。

 具体的な数字はよく覚えていないが、要するに、役人どもは、もっとも利用者の多い範囲を狙って5%の違法消費税率をかけたのだ。なんという姑息なやり方なのだろう。

 いや、それとも、「トータルで3%だから問題なし」という理屈を当然と思っているのかもしれない。実際、その可能性が高い。

 1万円の通行料を1000円に値下げした後、その期限が切れたら、たとえば5000円に値上げして、「1万円を半額に致しました」と言うのも、同じ発想だ。

 これを、本気で、「値下げ」だと思っているのだ。

 とまあ、これは、あるとしたら3年後の話なんだけれど。

明日はどっちだ?

2008-10-29 21:18:03 | Weblog
 「金髪豚野郎」とか、落語家としてはおいしいネタを元嫁からもらったなー、小朝!……とか思っていたが、どうも元嫁は、とても洒落ではすまない深刻な状態らしい。

 「切腹しろ! 介錯してやる!」とかなんとか。

 でも、寄席に上がって黙って溜め息つけば大受け間違いなし。やっぱり美味しい小朝。

 それはさておき、金融株式市場も、この泰葉に負けず劣らず、支離滅裂状態。

 なにがどうしてどうなって、これからどうなるのか、これほどわけのわからない状態になったことは、半世紀以上生きてきて、今回がはじめてではないか。

 総選挙問題も混迷を極めているが、サプライズ感があり、仮に負けてもキャリアに傷がつくわけでもない小池百合子を選んでおけば、すんなり事態は進んだろうに、肩書きに傷のつくことを恐れる「名門出身実力者」を選んでしまったから、にっちもさっちも、イエイ。

 決して「後知恵」で言うのではなく、夏の総裁選挙の時、党内の実力者を前面に押し立てれば選挙に勝てるという理由で麻生を総裁に選んだという解説を聞いた時、まったく理解できなかった。

 と、全然、誰も興味をもたないであろう書き込みをしてしまったが、ほんと、「明日はどっちだ!」ですなー。

疑惑の「竜口春雨」

2008-10-27 18:34:21 | Weblog
 メラニンが発見された「竜口春雨」は、大好きで、しばしば食べていた。それだけではない。この「竜口春雨」に、中国製の冷凍野菜を入れて食べていた。

 その後、中国問題続出で、冷凍野菜を入れるのはやめようかなとか思ったが……そもそも会社自体が中国の会社だったとは! 事態は私の想像のその上を行っていたのだ。

 ネットで調べたら、2chの「竜口春雨」スレにぶちあたり、そこでは、なんと、1年以上前から、「口が痺れた」などの書き込みが頻繁になされていた。

 多分、最初はファンたちの集まりだったのだろうが(実際、うまいのだ。量もあるし)、去年の夏以降、味がおかしいという書き込みが増えたようだ。

 そして、それと同時に、商品自体も店頭から少しずつ姿を消して行き、今回の報道に至る、ということのようだ。

 私は、秋葉原のファミリーマートで買っていたのだが、たしかにおいてある数が段々減り、新宿に越してからはさらに減り、数日前買った時には、二種類しかなく、しかも、店の棚の一番下に2、3個ひっそりと置かれていた。

 はっきり言って、2年ほど前までは、かなり人気商品で、目立つところに山積みされていたのだが……そういうわけだったのか!……というか、だとしたら、関係者たちは皆、今回の事態を、前からわかっていたことになってしまうが……どうなんだろう、そのへん。

 ちなみに、別に食べておかしいことはなかったです。私は。
 


おっちょこちょい

2008-10-26 23:17:12 | Weblog
 「煙のないところに炎は立たない」、と書いて、おかしいなと思い、「煙のないところに火は立たない」と訂正してみたが、正確には「火のないところに煙は立たない」でした。歳か。

 昨日、いや一昨日の「朝生」で田原が本音を言っていた。

 その「朝生」のテーマはアメリカ発の「グローバル経済危機」だったが、田原曰く、今回の危機で日本は、「世界のジャイアン、アメリカの子分から逃れる絶好のチャンスを得た」というのだ。

 私に言わせれば、世界のジャイアン、アメリカの危機に子分の日本は最大限の支援を行えってことになるのだが、その前に、アメリカの危機、すなわちパックス・アメリカーナが、本当に田原の言う通り、崩壊寸前に至ったかというと、そうじゃない。

 次期大統領が誰になったとしても、新しい大統領は、危機克服に全力をあげるだろうし、アメリカにその気力がある限りは、「子分」としては、軽々に、親分とたもとをわかつべきではないだろう。

 いずれにせよ、驚いたのは、田原が、「自立の絶好のチャンス」と言ったことだ。

 こんなことは、誰も思ってもいないのではないか。社民も共産も、「自立」といっても、ずっと以前からのお題目をずっと続けているというだけのことで、「今がチャンス!」なんて言われたら「目が点」になる思いだろう。

 なんたるおっちょこちょい。

 この「おっちょこちょい」は、前にも書いたが、世代的特徴だろう。

 筑紫なんかも、「多事争論」を看板にしているが、これも要するに、「タブーなしに、活発に討論を行えば必ずよい結論が得られる」という、実はあんまり根拠のない、おっちょこちょいな思い込みに基づくのだ。

 そもそもこの「多事争論」というのは、福沢諭吉が言い出した言葉で、彼のライバルだった日本国帝国憲法の作者、井上馨(だったっけかな?)は、衆愚がいくら議論したって益はないという立場で「多事争論」を攻撃したはずだ。

 私はどうかというと、「多事争論」は悪いことではないし、デモクラシーの基本でもあるのだろうが、その論議に加わるにはやはり最低限の知識、知性というものがなければならないわけで、井上の警句を常に念頭に置かなければならないだろう。


 田原の口癖、「私は素人だから」は、ただ話を混乱させるだけだ。

 そもそも、「私は何も知らないことを知っている」は、ソクラテスでしょう。田原はソクラテスか? 

 番組の最後に、今総選挙をすべきかどうかという一般視聴者アンケートの結果が発表されたが、ほぼ6.5対3.5で、今すぐ総選挙を行うべしだった。

 理由は「自民党政権では抜本対策を打てるとは思えないから」というもので、これには私は感心した。まったくその通りじゃないか。

 番組中、「こんな世界的危機に、総選挙なんてできるわけないじゃないか!」と大声で怒鳴っていた田原は、結果を見て、一瞬、シュンとしていたが、馬なみにバカだから、翌朝はケロっとしてるのだろうな。

 本当に、「バカにつける薬はない」のだが、そういえば、養老猛司先生は、田原と同世代ではないだろうか。

 だとしたら、世代的に言うと、すべてわかってしまうが故に、ただ、「苦笑」あるのみ、ということになるのだろうか。

激似の二人

2008-10-25 22:16:59 | Weblog


 びっくりさせてすいません。2chに出ていた市橋(左)と、いわゆる「振り込め詐欺」の出し子と言われる、ATMに振り込ませた金を引き出したと思われる人物の手配写真(右)です。

 2chには、明らかに同一人物ではないかと書かれていたけれど…確かに似ている。

 「出し子」の写真は、おそらくATMの備え付けのカメラで写されたと思われるから、市橋…かもしれない男は、ある時点である場所にいたということがわかっているはずだ。

 もちろん、人間,常に動いているから、今現在どこにいるかはわからないが、それでも、人間というのは,突拍子もないところに現れることはない。

 私に知り合いの小説家の小説に、トラブルに巻き込まれて追われている男が新宿から浅草に住まいを変える場面がある。男の恋人は、「なんで、浅草なの?」と聞く。男は答える。

 「新宿の住人にとって、浅草はもっとも縁遠い場所だからさ」

 この男も,最後は新宿に舞い戻ってくるのだが、結局はそうなる。

 もちろん、浅草に骨を埋めてしまうということもあり得るが、それは、ほとんど「いったん、死ぬこと」に等しく、そうなるとなかなか発見しづらいのだが、でも市橋の場合は、多分そうじゃない。

 彼の場合は、たとえば新宿だ,中野だといった地理的現場に結びつけられた人間ではなく、「犯罪の現場」から離れては生きられない人間にちがいない。

 …といったようなことを、「出し子」の写真を見ながら想像したのだが、しかし、警察は、この「市橋に似た出し子」と「市橋」を結びつけて捜査している様子はない。

 それどころか、自殺を示唆していると報道された。

 警察は否定したが、でも煙のないところに火は立たない。

 マスコミは,出し子の写真が市橋に極めて良く似ていることを警察に問いただしたらどうか。

 でも、きっと市橋を担当している刑事は、「似ているけど、ちがいます」って答えるのだろうな。

 まあ、たしかに厳密に言うと、「似ているということは、ちがうということ」なのだが…。(これは、高校自体の国語の教師の口癖だった)

 というわけで、そのつもりでもう一度写真を見比べてみたら…「ちがう要素」が、見つかんない。ンー。

ビーフン大好き

2008-10-23 19:24:18 | Weblog
 プロ野球がクライマックスシリーズで盛り上がっているのは、御同慶の至りだが、しかし、セパ両リーグの本当の「覇者」はどこなのだ? 

 パの場合は、西武が両方とも勝ったから、一応、西武ということで問題はないが、でも日ハムが勝ったらどうなるのか?

 これまで、何回か書いたことがあるのだが、セパ両リーグともそれぞれ東地区西地区にわけたらどうか。

 たとえば、今シーズンだったら、セリーグ東地区の優勝は巨人、西地区は阪神、パ・リーグの場合は、東地区優勝が日ハム、西地区がオリックスということになり、その二組が、それぞれリーグの覇権を争ってポストシーズンを戦い、その勝者がリーグ優勝チームで、当然、そのまま日本シリーズに出ればいいじゃないか……と思うのだが……。

 もちろん、東地区西地区の他にも、いろいろな案が考えられたのだろうとは思う。そして、その過程で、何らの理由で、現行制度以外は没になったのだろうが……しかし、いろいろ知恵を絞った末、一番つまらない案にまとまったという印象だ。

 ……なんともナンセンスな話だが、それを決めている連中が、親会社の「宣伝担当部長」にすぎないとしたら……ありがちな話だ。

 「誰にとっても一番つまらない案」が、一番実行されやすいというわけだ。

 昨日の巨人中日戦だって、3対3のまま、テレビ中継はうちきり、その後で劇的勝利!

 ほとんど半世紀近く、民放放送における野球中継問題は解決されぬまま今日に至っているわけだが、これも、同じような話だと思う。

 深夜の再放送だが、NHKの「食料グローバリズム」問題を見たが、ずいぶん反米的姿勢を強調したつくりだった。

 アメリカの戦略でアメリカの飼料を買わされ……ったって、それで、たしかに鶏肉も豚肉も牛乳も、私が子供の頃にくらべると随分安くなったと思うのだが。

 まあ、それはそれとして、じゃあ、日本はいかに対処するかという問題だが、番組では、日本にたっぷりある「米」の加工製品、いわゆる「米粉」を活用せよという。

 私はビーフンが大好きなんで、米粉の活用は大歓迎なんだけど、世界のあちこちにスタッフを派遣し、いろいろ情報を集めた結果が、「日本にはお米が沢山あるんだから、これを使えば、問題解決!」では、実際にそれで問題が解決するかどうかは別として、「試してガッテン」のセンスだ。

 要するに、野球の話題にも通じるのだが、「お話」のスケールが小さいのだ。

皮肉ですよ

2008-10-22 20:43:00 | Weblog
 テレビでやっていたが、御殿場近辺に、安売りアウトレット店が200軒も軒を並べているそうで、東京から専門のバスが出ているんだそうだ。

 でも、多分、行く人のほとんどは自家用車をもっているだろう。だとしたら、バスではなく自分の車で行けばいいのにと思ったが、東京から御殿場まで東名高速で行くと、往復5000円かかるみたいだ。これにガソリン代を入れると……優に6000円以上かかる。

 バスは往復で2400円だったか、2800円だった。

 もし、高速道路が無料だったら……民主党がんばれ!だ。

 これまでは、2chなんかでは高速道路無料化をテーマにしたスレはほとんどなくて、あっても、「無料化すると混雑する」とか、「高速を利用しない人が損をする」とか、頓珍漢な書き込みばかりだったのだが、ここに来て、自民党が終日半額などを言い出したこともあって、「無料化なんてできるわけがない」という、頭ごなしの反対論は影を潜めた。

 自民党は、また、低所得者に給付金を与える構想も持ち出した。

 これは、本格的に実施すれば、フリードマンの「負の所得税」政策になる。

 そこまではいたらないにしても、去年の春だったか、経済産業省(だったと思う)で「負の所得税」政策の研究をはじめたというニュースがあったので、その「勉強」のなんらかの反映と思いたいが……。

 しかし、低所得者層のことを思うなら、電気、ガス、水道等の公共料金の「基本料金」をゼロにしろ、と言いたい。

 これまでも散々書いているのだが、基本料金をゼロにする代りに沢山使うところは、高くなるようにすればよい。

 要するに料金計算グラフの線の傾きを急にすればよいのだ。

 もう二、三ヶ月前の事だが、帰宅途中に警官に呼び止められた。大きなバッグを肩から下げていたので、中を見せろというのだ。

 「なんで? いやだよ」と言ってそのまま歩いていると、ずっと自転車でついてくる。

 「怪しくないなら、見せてくださいよ」としつこい。

 盗難自転車か否かを調べるというのなら、大義名分が少しはあるが、ただ大きいバッグをもっているというだけで調べようとは不届き千万。しかし、あまりにもしつこいので、途中でバッグの口を大きく開けて見せてやった。

 そして、「いったいこんなことしてなんになるの? 市橋を早く捕まえたら?」と言うと、

 「そうですね、知りませんか? 市橋のこと」

とか言っていた。

 先日もコンビニに入ったら、ATMの脇に制服警官が立っていた。振り込め詐欺防止のためらしい。まったくアホ過ぎる。

 その後、呼び止められることはないけれど、自転車に乗っている、特に若い男がしばしば止められているのをよく見る。しかも、以前は深夜だったのだが、最近は真っ昼間から止めている。

 先週だったか、お昼過ぎに、新宿の伊勢丹脇の交差点でママチャリに乗っていた外人(白人)が呼び止められていた。

 やれやれと思っていると、一昨日は、50歳くらいのおばちゃんが、昨日は70過ぎの老人が捕まっていた。いずれもママチャリに乗っていた。

 以前は、まず職務質問を受けることはない人種(?)、年齢層だが……いったい、警察は何を考えているのか。

 幸満ちゃん事件も、早くも「迷宮入り」を囁かれている今日この頃(囁いているのは私だが、警察発表では、「手がかりなし」だもの。)、「一所懸命やってます」というポーズを上層部から指示されているのかも。

 多分、日本の警察は、犯罪者を捕まえるよりも、「犯罪を起こさない」ことに重点をおいているのですよ、とか言ったりして。

 そうですねー、犯人が捕まったって、殺された人は生き返らないですものねー、あえて捕まえる必要はないですよねぇ……って、皮肉ですよ、皮肉。

高視聴率番組ナンバーワンは?

2008-10-16 22:16:53 | Weblog
 ファイルの復元は諦め、フリーズしたファイルに書き込んだ内容をできるだけ思い出しながら、一週間前に打ち出した最新の校正原稿を元に、2週間ほど前につくったファイルに手を入れているのだが、なんかややこしい上に、2週間の間に結構直しているのでしんどい。フー。

 「やりすぎ」までゴールデンに移ってしまった。「われわれは変わりません!」と千原ジュニアが叫んでいたが、そうはいかないだろうなあ。

 それにしても、千原ジュニアは出過ぎである。別に出過ぎでおもしろくなくなったとか、そういうことはあるのかどうかわからないが、とりあえず、出過ぎだ。

 あと、面白くなくなったのは、劇団一人かな。もともと、そんなに面白いタレントではないけれど、なまじ文才があるものだから、なんか中途半端になってしまった。

 短編書かせたら、そんじょそこらの小説家より全然面白いのだから、いっそのこと、小説家になってしまえばいいのにと思う。これは、彼の小説を読んだ時にすぐ思ったことだ。

 ところが、それを無理に、「いや俺はお笑い芸人なんだ」と頑張り始めてしまった。

 今、テレビで一番視聴率をとることのできる番組は何かというと、実は、「スズメ蜂退治」番組なんだそうだ。

 そうだろうなあ。私も、見つけたら必ず見る。最後まで一生懸命見る。

 スズメ蜂と戦う蜜蜂頑張れ!とか思いながら、でも善玉の蜜蜂は全滅しちゃうのだ。なんという悲劇!

 後、つい見てしまうのが、アルツハイマードキュメント。

 特に、若年性アルツハイマーなんかだと、つい、安易な精神生活を送ってきたツケではないのかとか、根拠のないことを考えてしまうが、いや、これは本当に根拠はない。

 でも、何が原因でああなってしまうのだろう。脳がやられていることは確かで、別に「安易な精神生活」とは何も関係ないのだが、なぜ、脳がやられてしまうのか?

 先日も日本テレビで若年性アルツハイマーの男性のドキュメントを放映していたが、発病が四十代半ばで、それから10数年。すっかりよぼよぼのおじいさんになっている。同年代なんだが……。

 しかし、精神病というのは、肉体までやられるのだ。これも何故だろう。障害者スポーツなどにはげめば少しはよいのだろうか。

 それはそうと、今回の放映で驚いたのは、この男性がものすごく絵がうまいことだ。

 特に、花なんかをよく描いているみたいだが、番組の途中、自分と、奥さんを描いたものと2枚紹介されていたのだが、ものすごくうまかった。

 並みの上手さではない。プロだって、あそこまでは描けないだろうと思ったのだが、見ていて考えた。

 彼は、アルツハイマーになったから上手いわけじゃない。元来絵が上手いのだ。それがじっくり集中する時間を与えられて、ますます上達した。

 ところが番組では、別にはっきりそうとは言っていないけれど、アルツハイマーであるが故に素晴らしいといいたげだった。

 ……まあ、確かに深みはないけど……彼を、たとえばゴッホの展覧会なんかに連れていったらどういう反応を示すだろう。ムンクとか…やりすぎ? 

ちょっとかっこいい

2008-10-14 21:53:31 | Weblog
 ファイルが突如、開けなくなってしまった。初めての経験だ。

 開けなくなったというか、作業途中でフリーズし、強制終了させたのだが、その「終了」の途中でまたもフリーズしてしまったのだ。

 アプリケーションはクォークなのだが、他のクォークはちゃんと動く。でも、必要なのは、開けなくなったファイルなのだよ。

 ファイル修復業者に電話をしたが、他のファイルが開く以上、ソフトの書き込みか何かで異常が起きたと考えられるが、うちは、パソコン自体に問題が起きた時に対処するので、特定のファイルの異常には対応できない。それでもエクセルとかワードなんかだったら、なんとかできるが、クオークのようなマイナーソフトはできない、とのこと。

 マイナーかあ……。編集業界ではメジャーなんだけどなあ、クォーク。

 やむをえない。一週間ほど前に最終的にプリントアウトした原稿を元に、やり直しだ!

 二ヶ月くらい前につくったファイルは無事なので、まったくゼロからやり直しというわけではないのだが、あ~あ。

 三浦元社長、自殺なんてあり得ない、そんな雰囲気じゃなかった、って言うけど、直前まで全然わからなかったという場合が多いじゃないか。

 多分、物心ついてから、「自殺」で生涯を終えるという予感があったんじゃないか。三浦元社長には。それを切り札にずっと生きてきた……。

 ちょっとかっこいい、と思ってしまう。

 黒鉄が、「三浦ロス事件って、気持ち悪くて全然考えるのも嫌なんですよ」と言っていた。私もずっと同感だったのだが、この「自殺」でちょっと見方が変わった。

 といっても、材料不足でなんとも言えないが、あの帽子、ピース紺のジャケット、柄物のポロシャツ、ジーパン、スニーカー、いやはや、奥さんが(誰なんだろう?)が着せたということだが、見事だ。

三浦和義=スメルジャコフ説

2008-10-12 22:13:20 | Weblog
 久しぶりに電車の網棚で朝日新聞を拾い、読む。

 以前にくらべると、少し「まし」になった感があるが、社会面は相変わらずだ。三浦事件について、浅野健一という同志社大学の教授に以下のように代弁させている。

 「捜査に先行してメディアが過熱報道をして社会現象になったために、無罪が確定した後も疑惑を払拭できなかった。今回の逮捕で『やっぱりあの人は怪しいんだ』と報道が再燃した。『犯罪報道の再犯だ』」

 じゃあ、浅野教授(及び代弁させた朝日新聞社会部)に聞くが、三浦が無罪だと本心から思っているのか? そうじゃないだろう。

 自分の本心を隠して、お説教を垂れる。こういうのを無責任っていうんだ。

 今回の三浦の行動は、ドストエフスキーの『カラマゾフの兄弟』のスメルジャコフに似ている。

 スメルジャコフは、カラマゾフ家の家長でカラマゾフの三兄弟の父親であるフョードルの私生児であると噂される青年で、同家の下男として働いていた。

 ある日、フョードルが殺される。フョードルと金と女をめぐって確執のあった長男ドミトリーが捕まる。ドミトリーは、父が殺された前の日、酔っぱらって「あいつを殺す」と皆の前で叫んだりしていたのだ。

 そのドミトリーの裁判の前日、スメルジャコフがフョードルの二男、イワンに、フョードルを殺したのは私だ、と告白する。

 ドミトリーは、皆の前で「親父を殺す」と宣言して、実際に殺すつもりで父の家にやってきたが、いざとなると決心がつかず、物音を聞きつけ、窓を開けて外を見たフョードルを見て、怖じ気付き、その場から逃げ出すが、その息子である不審者が逃げて行く様子を見ていたフョードルの背後から、スメルジャコフが殴り殺したのだった。

 イワンは、スメルジャコフに、明日の法廷で、今自分に言ったことをすべて話すように頼むが、スメルジャコフはそれを断る。そして、「無理に法廷に引っぱりだしても無駄ですよ。私は、そんなことは一言も言わなかった、と言いますから。」と言う。

 そして、スメルジャコフはフョードルから奪った金をイワンに返す。イワンが、この金が証拠になる、というと、スメルジャコフは、「あなたはお金持ちだ。そのあなたが法廷に、お金を持ち出したって、自分の金庫から出したとみな思いますよ」と言う。

 いらついたイワンが、「ともかく、明日また法廷で!」と言って、別れようとすると、スメルジャコフが、「旦那!」と呼び止める。

 「なんだ?」とイワン。

 「おさらばです」とスメルジャコフ。(三浦の帽子の文句そのままだ)

 その数時間後、イワンは、スメルジャコフが自殺したことを知らされる。

 イワンは、法廷でスメルジャコフが真犯人だと主張するが、スメルジャコフが読んだ通り、陪審員を説得することはできず、ドミトリーは父親殺しで有罪となる。

 という話だが、どうだろう、裁判の前日に、それを聞いたらもっとも打撃を受けるであろうイワンにすべてを告白し、告白した上で自殺したスメルジャコフは三浦和義に似ていないだろうか?

 スメルジャコフの目的はイワンを侮辱することだった。三浦は?

 マスコミは三浦の自殺で真相は永遠に葬られたというが、そうじゃない。三浦が犯人であることはみんな知っている。そして、みんながそう思っていることを三浦も知っている。

 この二つの条件で行われたゲームが「三浦事件」だったのだ。(もうひとつ、三浦が犯人であることは、このゲームを支える無意識の基盤だ。三浦が無罪であり得ないというのは、無罪だったらゲームが成り立たたないからだ)

 で、ゲームの勝者はというと……残念ながら、三浦和義であったと言わざるを得ない。(ちなみに、浅野なんとかという教授は、このゲームのどこにも自分の位置を見出せない、まさに「アホ」な役回りでしかない。)