活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

製造業、他力本願経営に円高直撃

2010-08-24 23:04:06 | Weblog
東証1部上場企業の今年4~6月決算は経常利益合計が約7兆2千億円だった。昨年同期の約3倍にあたる。製造業を代表する自動車・電機は昨年の赤字から、両業種合わせた経常利益は1兆8千億円と目覚ましい回復を示した。

このように利益を計上で来たのも給料等の人件費を抑え、雇用の「調整弁」としての非正規雇用や正規雇用から非正規雇用へのリストラ効果によるものだというから、とても誉められたものとはいえない。

労働の規制緩和で経営者たちは、簡単にリストラするようになった。僅か数年前までは不況になっても、余剰人員をどの部署に配置転換するか、雇用の維持に神経を使っていた。いまの経営者はそんな心配もしなくなった。コストとしか見ていないからである。

また、いまの経営者は自社で何名の従業員が就労しているのかも知らないという。いかに給料を上げずに済ますか、それしか考えていないのが本当のところである。なんとも情けない劣化ぶりである。

さて、そんな状況の中、15年ぶりに円高が日本経済を襲っている。自動車・電機からは悲鳴が上がっている。世界経済の減速で円買い圧力は収まりそうにない。80円突破も現実味を帯びてきた。

困ると政府・日銀に頼る他力本願経営者はどう乗り越えるのか、右往左往しているだけである。正直なところ市場介入の効果は見込めない。この難局、みみっちい経営者に乗り切れるのか心配される事態である。