活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

仰天!牛丼チェーン店の現場

2008-04-10 22:06:46 | Weblog
東証一部上場の「ゼンショー」が経営する「すき家」のアルバイト3人が残業代が支払われないことで、「ゼンショー」を仙台労働基準監督署に刑事告訴したこと、朝日新聞に掲載されていました。

世の中には、悪知恵に長けている会社は多くありますが、こんかいの事例はその代表例かもしれません。

3人は仙台泉店に時給制アルバイトとして、採用されたが、残業代が支払われないことから労働組合「すき家ユニオン」がゼンショーと団体交渉に臨んだが、会社側がこれを拒否したため、東京都労働委員会に不当労働行為の救済申し立てをしたところ、会社側は①3人はアルバイトではなく、業務を請負う個人事業主だから割り増し残業代は支払う必要はない。②社内のテストでアルバイトから契約社員に昇格した、女性店長については管理監督者だから、時間外手当そのものは最初から発生しないと、都労委に書面で回答を寄せたとあります。ちなみに女性店長は時給950円の管理職でしたから、まさに「名ばかり管理職」の典型です。

会社側はいつの間にか、アルバイトを個人事業主にすり替えてしまいました。さらに、格上げした店長の女性契約社員(時給制)には他の店舗をかけもちさせたうえ、残業代は一切支払っていません。会社側の不法行為と労働基準法違反を問えそうです。いかにも劣悪な労働現場の実態が垣間見えます。

想像するに全国1000近くある店舗で働いている人達の実態は、店長は契約社員で店長の下で働いている人達は業務請負で、正社員は一人もいないのかも知れません。店長も含め全員が時給制と考えられ、有給休暇や労災保険が適用されるのか、極めて怪しいといえます。

これは余計なお世話かもしれませんが、お勤めの方は最初の条件と相違していないか、会社に確認する必要があります。職場や通勤経路でケガなどしても、保障されないことも考えたほうが良さそうです。それは、この会社は都合の悪いことは働く人達の自己責任として、すべて転嫁するようにみえるからです。

特に、残業代の支払いを労働基準監督署がゼンショーに対し、是正勧告してもこれを拒否したり、前述の労組との団体交渉を拒否したりと企業としての社会的責任を放棄していることは、働く人たちを大切にしている企業にはとても見えません。

労働法制の規制緩和で、経営者の「やりたい放題」が目立つようになりました。働く人たちを、もてあそぶような不法行為を許さないために、一層きびしい監視を続けることしかありません。