世界有数の人質救出を専門とする会社Tyrの社長Cesar Calderonがメキシコで誘拐される。
数日後、Tyrは 幽閉場所を特定する情報を得て、社長救出のためにMark Rileyを隊長とする人質救出メンバーを送るが、なぜか襲撃の情報は漏れており、彼らは待ちうけていた誘拐犯たちの反撃に会い、 Markたちは捕虜となってしまう。
小規模な人質救出会社を経営するJake Rileyは 兄のMarkが 救出に失敗し捕虜となっていることを知り、自ら救出チームを結成し救出に向かう。
FBIエージェントでJakeの婚約者Kelly Jones は、7ヶ月前、犯人を追跡中、手榴弾の攻撃に会い、右足を失う。今は職務復帰に向け義足をつけてリハビリを行っている。彼女は 義足でも現場復帰できることを証明するために Jakeと救出チームのリーダーSydが 足手まといになると反対するのを説得して同行することにする。
誘拐犯は元メキシコ軍の兵士達で構成されるLos Zetasと名乗る組織 で、 メキシコ市郊外のジャングルの中に人質を収容する大規模な施設をもっていた。
彼らが メキシコ市に着きZetasのアジトに関する情報を集めてる中、捕虜となっていたMarkは隙を見て脱出に成功する。
Jakeたちに合流した彼は 捕虜となっている仲間の救出に向かうと宣言し、Jakeたちも救出に協力することになり、Cesar Calderonも収容されていると思われるアジトに向かう。
しかし、Kellyは義足でジャングルの中を歩くのは無理だとして 救出チームのリーダーSydから同行を拒否される。
Kellyは恋人のJakeの身を心配したが 彼からも無理だと説得され、またみずからの体調を考えて、救出チームを離脱することを決意する。
Kellyは 救出チームに入ってメキシコ市に来たのには もうひとつの目的があった。
Kellyは 負傷する前に手がけていた殺人事件の犯人Stefan Gundarssonが メキシコに潜んでいるという情報を得て、その男の捜査を メキシコで行うつもりでいた。
Stefanは 逃亡中に銃弾をうけて川に落ちたことから死亡したとして、容疑者死亡でFBIは捜査を終了していた。
しかし、Stefanの死体が見つからないことから、彼が生きている可能性を考え、被害者の家族は探偵を雇い 彼の生死を調べさせていた。
やがて 調査していた探偵は 彼が死んでおらずメキシコにいる可能性が高いと報告する。被害者の家族はFBIにその件を報告するが、 Kellyの上司は 証拠が薄いとして捜査の再開を認めていなかった。
Kellyは、 Stefannを見つけ逮捕することで、片足が失ったKellyに引退勧告をしそうな上司に 自分が義足でも仕事ができることを証明し、現場復帰が可能になると信じていた。
彼女は 片言の言葉しかしゃべれないメキシコ市のスラム街を、義足から来る痛みに耐えながらStefanの行方を求めて聞き込みを行っていく。
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誘拐事件のことは ともかく 義足の女捜査官が活躍するストーリとしての興味から この本を読み始めた。
Markたちが 囚われていると思われる倉庫に救出チームが突入しようとするとき チームリーダーのSydから 足手まといになるから車で待機してるように言われ 人知れず涙を流したり、長時間のドライブで義足の足が痛むのを我慢して 大丈夫だと気丈に答えたり・・読んでいくにつれ、 義足の自分が職場復帰できるのか、Jakeが自分を愛しているのか それとも同情からのやさしさか、彼女の不安感がひしひしと伝わってくる。
彼女の執念、この仕事を続けられない限り 自分の人生はない!、が伝わってきて応援したくなる。
最初に人質救出を専門とする会社としてもっとも有名な会社の社長が誘拐されるという出だしがあるが これは実際にあった事件をモデルにしているよう。著者の後書きによると、毎年 中南米を中心に10万人が誘拐されているようだ。誘拐された家族と誘拐犯のあいだにはいって身代金や解放について交渉する会社が存在することにびっくり。
誘拐されたにも関わらず、ZetasはTyrに身代金の要求などの接触をしてこないのはなぜか?という謎はなかなかおもしろかった。
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