ニューヨークの公園つきの超高級マンションに居住する老婦人たちが 続けざまに殺される事件が発生する。警察が捜査する中、第三の殺人が発生する。そして、その現場には 事件を捜査している特捜部の捜査主任Louis Makowitzの死体もあった。同じ特捜部で情報収集を担当していたMalloryは捜査経験がないにもかかわらず、単独で事件の捜査に乗り出す。
Malloryはストリートチルドレンとして生活していた10歳のとき 車上荒らしをしていたところを Makowitzによって保護され そのままMakowitz夫婦の子供として大切に育てられた。
溺愛してくれたMakowitzは刑事としても優秀だった。Malloryは Makowitzが犯人を特定していたと考え、どのようにして突き止めたのか事件に関して彼が残した膨大なメモから犯人の手がかりを検討する。
Makowitzは 犯罪の動機は金銭によるものという信念をもって犯罪に当たっていた。Malloryもその信念を信じ、被害者の財産を相続する男達の張り込みを始める。彼らには 完璧なアリバイがあったにもかかわらず、そんなものは何とかなると考えて。
そんな中、Malloryが容疑者と確信している男を張り込んでいる最中に、第4の殺人事件が発生する。皮肉にも、Malloryが彼のアリバイを立証する形となって。
Malloryは 養父が残したメモと自らが新たに付け加えたメモを 再度検討し、養父が発見して自分が見落としているものが何か熟考する。
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犯罪のトリックも独創的だが、ヒロインMalloryのキャラクターがそれ以上にユニークで魅力的。英語ができない僕には 至るところに現れる誇張表現が理解できず かなり読むのに苦労したが そのキャラクターのユニークなことに惹きつけれて読んでいった。
盗むことに罪悪感がない。
Malloryは 子供のとき 養母Helenの誕生日にいつもプレゼントを渡していた・・店から万引きした物を。Malloryは 喜んでくれると思ったHelenが 泣き出す理由が分からなかった。やがて 彼女は 万引きをやめた、Helenを悲しませるということから。
しかし、自分が勤める警察署からは 自分が欲しいと思われるものを こっそり持ち出していた。養父母が亡くなった今、唯一無二の友人であるCharlesの誕生日にもプレゼントは警察署に証拠品として保存されていた水晶玉。
違法な(?)情報収集。
天才的なハッキング能力で怪しいと思われる人物のコンピュータや、あらゆる機関のデータベースにアクセスして犯罪に関係する情報を引き出す。
あまりにも美しすぎて、張り込みはできない。
Her tragic flaw is beauty ,or,rather,the fact that she's unaware of it. She actually believes she can blend into her surroundings.(p290より)
彼女が張り込んでいることを気づかれていることに彼女だけは気づいていない。
遮二無二犯人に迫ろうとする彼女の行動を危惧しながらも 彼女の養父に対する愛情を理解して暖かく見守るCharlesや 警察署の署長を始めとする仲間達のキャラクタも魅力的にできている。
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