源泉徴収や累進課税に異を唱える政治家がいないのに驚く。源泉徴収や累進課税は、いわば強制福祉である。その程度が高くなればなるほど日本は共産主義国家になる。私はそんなに収入は多くないから、不服はないが、収入の多い人にとっては、税金ガッポリ取られることに不服を感じている人も多いだろう。そもそも源泉徴収を考え出したのはヒットラーであり、税金かけられるものには何でもかけりゃいい、という雑な発想から作られたものである。確かに、この不況の時代には職が無い人も多く、サラリーマンに対する源泉徴収や累進課税は止むを得ない面はある。しかし私がおかしいと思うのは、収入に対する税率が仕事の内容に関係なく一律である点である。世の中には、青春を犠牲にして努力して一流企業に入って、必死に働いている人もいる。歌手にせよ、芸能人にせよ、売れている人は、睡眠時間三時間で頑張っている人もいる。そういう人は才能がある上に努力して自分の地位を勝ち取った人である。しかし世の中には、アクドい方法で楽して儲けている人もいる。そういうふうに仕事の内容が違うのに、収入に対する税率が同じである、という点が、おかしいと思うのである。だがまあ、カントも言っているように、税金の取り方にかける金は少なくすべきである、という主張は正しいと思うから、仕方がない面も感じる。しかし、やはり税金はアクドい方法で楽して儲けている人からガッポリとるべきだと思うのである。
プロスポーツ選手、特にプロボクサーの世界チャンピオンなどは鼻が潰れ、瞼が切れて、さらにパンチドランカーにもなる可能性がある。ピストン堀口やたこ八郎は、パンチドランカーになった。勿論ボクサーは自分の強さの誇りのために戦っているのだろうが、プロスポーツ選手の中には、全力でやっても、税金ごっそり取られるんならバカバカしい、という気持ちも起こる人もいるのではないだろうか。そうなってはタイトルマッチもエキジビションのような手抜き試合になりかねない。しかし、現実にはそういう事は無い。税金ゴッソリ取られても、まだ収入が十分あるから不服はないのだろう。
精神科の患者では自己破産、生活保護の人が多い。社会保障がしっかりしているといえば聞こえはいいが、下手をすると、日本は社会保障がしっかりしているんだから、いざとなりゃ自己破産、生活保護があるんだから死にはしない、というやる気の無さを起こす危険もあると思う。もっとも生活保護は最低限の生活だし、私はとても生活保護なんかになりたくないし、それは生活が不自由だから、ということもあるが国家の世話なんかになりたくないという気持ちも強い。ただ単に生きているだけの生活なんて、まっぴらである。
私は経済には疎いが、国家の歳入には直接税を増やすより間接税を増やした方がいいと思う。極めて荒削りな考えであるが。間接税の方が、アクドい仕事で楽して儲けてる人にも、真面目に働いているにも平等にかかるからである。間接税が上がれば物価が上がって、国民の不満が実感を持って高まり、政治に関心を持つ人が増えるとも思う。
かく言う私も市民税、県民税、国民健康保険の金額は前年の収入によって決められるから、働いても、それらが上がってバカバカしいから、あまり収入が多くならない程度に働いている。