摂食障害の人には、考え方の持ち方を変える事が治療になることがある。摂食障害の女の人は、どう考えているか、というと。過食する時は気持ちがやけになってしまっている。そしてこう考える。「今日だけは食べてしまおう。その代わり明日からは過食は止めよう」と。そして、その日、過食してしまう。そして、次の日になると、また、昨日と同じように、「今日だけは食べてしまおう。その代わり明日からは過食は止めよう」と考えて過食してしまう。それで、ずーと毎日、食べて吐いて、食べて吐いて、の生活になってしまっているケースが多い。では、それを直すには、どうすればいいか。一つの方法に考え方を逆転させるのである。つまり、
「明日からは、うんと好きなだけ食べてやろう。その代わり今日だけは過食は我慢しよう」と考えるのである。そして、明日になったら、また、そのように考えるのである。そうすると、結果として、明日から過食しようと毎日、思いながら、実際には、ずーと過食しないで生活することになる。この精神的戦術は、うつ病、アルコール中毒、その他、あらゆる中毒性のある病気で使える精神的戦術なのである。しかし、言うは易く行なうは難し、で、こういう戦術を使える人は、宗教的心境になれるほどでなければ、出来にくいのである。ただ、それも、そういう戦術で、過食をやめようと考えると、結局は、毎日、食べない事だから、精神的に参ってしまう。そこで、もうちょっと楽な考え方があるのである。それは、「明日からは、うんと好きなだけ食べてやろう。その代わり今日だけは過食は我慢しよう」という事を一回だけやってみるのである。一回だけなら、誰でも出来るだろう。しかし、一回やった、そして一度、食べ吐き、を我慢したという事が大きな自信となるのである。人生の全ての事はそうである。一度やってみよう、と決断する事が全ての物事の行動のはじまりなのである。