小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

イエス・キリスト物語・第4話(小説)

2020-09-23 03:51:31 | 小説
「イエス・キリスト物語・第4話」

という小説を書きました。

ホームページ、「浅野浩二のHPの目次その2」

http://www5f.biglobe.ne.jp/~asanokouji/mokuji2.html

に、アップしましたので、よろしかったらご覧ください。

(原稿用紙換算48枚)

170作目

「イエス・キリスト物語・第4話」

イエスは、パレスチナのヨルダン川西岸地区南部のベツレヘムという所の馬小屋で生まれました。
そして、ガリラヤ湖の西にある、ナザレという土地で、幼少期を過ごしました。
父親は、ヨセフという大工で、母親は、マリア、という女性です。
人間は、男と女の、セックスによって、生まれてくるはずですが、イエスは、なぜか、セックスによらずに、生まれました。
イエス・キリスト、は、子供の頃から、非常に賢い子でした。
IQは、300以上、あったと推測さています。
そして、大人になると、荒野で、40日間、断食して、その時、悪魔の質問を、全部、論破しました。
イエス・キリストは、ユダヤ教の排他的できびしい教えを批判しました。
そして、「汝の敵を愛し、汝を迫害する者のために祈れ」、という、博愛の教えを、説きました。
こうした宣教によって、イエスのまわりにはしだいに弟子が増えていきました。
ガリラヤ湖で漁師をしていたペテロやヤコブ・ヨハネ兄弟、徴税人だったマタイ、そしてユダなどです。
かれらはイエスとともにガリラヤ湖周辺をまわり、ときにエルサレムまで足をのばしました。
そしてイエスが社会的弱者によりそったり、教えを説いたりするのを間近で見ていきました。
そして、目が見えない、人の目を見えるようにしたり、ラザロ、という死人を蘇らせたり、湖の上を歩いたり、と、様々な、奇跡を起こしました。
しかし、ユダヤ教のサドカイ派とパリサイ派の人々は、イエス、を、嫌いました。
なぜなら、どちらの宗派もローマ支配下で指導的立場にあったので、もし、イエスの教えを認めると、ローマから責任をとらされて、指導的立場を追放されるかもしれない、からです。
つまりかれらは、既得権益を失うのがこわかったのです。
彼らは、イエスを捕まえて、殺そうという、計画を立てました。
イエスは、自分が、殺される、ことを、知っていました。
なぜなら、イエスは、預言者で、将来、起こる事を知っていたからです。
なので、ユダが裏切ることも、知っていましたし、ペテロに対しても、「あなたは鶏が三度、鳴く前に、私を知らない、と言うだろう」、と、予言しました。
そして、その通り、イエスの弟子の一人である、ユダの、裏切りによって、イエスは、捕まえられてしまいました。
キリストは、大祭司カヤパの所に連れて行かれました。
カヤパは、ローマ皇帝から、派遣された、ポンテオ・ピラト総督、の元に、イエス、を送りました。
ピラト総督は、イエス、が、ガリラヤ人であることから、ガリラヤの国主ヘロデ王の元に、送りました。
ヘロデ王は、イエス、が、何も答えないので、ピラト総督の元に、送り返しました。
ピラト総督は、キリスト、を、
「この男は、それほどの罪を犯したとは思えない。鞭打ち、の罰くらいで、釈放してやるのが、適当であると思う」
と言って、イエスを、ムチ打ちました。
そして、イエス、を、釈放しようとしました。
しかし、群衆は、キリスト、を、「十字架につけろ」、と、叫びました。
群衆の、怒りは、激しいものでした。
ピラト総督は、群衆が、暴動を、起こすのを、おそれました。
ピラト総督は、どうしたらいいのか、わからず、とりあえず、キリスト、を、牢獄に、閉じ込めました。
イエス・キリスト、の12弟子は、キリスト、の身を案じました。
12弟子の一人、マタイ、が、牢獄の、キリスト、を見舞いました。
「私は、群衆によって、十字架に磔にされて、殺されるだろう」
と、キリスト、は、言いました。
キリスト、は、預言者なので、将来、起こることが、わかるのです。
マタイは、敬愛する、キリスト、が、このままでは、殺される、ことを、知って、おそれました。
そこで、マタイ、は、キリスト、を、国外脱出させようと、しました。
マタイは、密かに、イエス・キリストの、パスポートを取得して、イエス・キリスト、を、夜中、イスラエル発、日本行きの飛行機、JAL365便で、日本に、脱出させました。
マタイも、キリスト、に同行しました。
・・・・・・・・・・・
キリスト、は、日本で、大歓迎を受けました。
カトリック、プロテスタントの区別なく、インマヌエル教会、はじめ、エホバの証人、モルモン教、など、日本の、キリスト教信者に、絶大に、歓迎されました。
キリストは、日本全国の、教会を回って、博愛の教え、を、説きました。
それまで、キリスト教を信じていなかった、無神論者も、キリストの、教えに感銘を受け出しました。
・・・・・・・・・・
その頃、日本では、自民党、公明党、の連立与党が、政官財、癒着の、腐敗した政治を、1955年から、続けていました。
「先生。どうか、今度の衆議院選挙では、立候補して、日本の政治を良くして下さい」
日本中の、牧師が、イエス・キリスト、に、頼みました。
「わかりました。そうしましょう」
キリストは、彼らの熱烈な要望を引き受けました。
日本で、立候補するには、日本国籍を取得していることが、必要ですが、キリストは、日本国籍を取得するための条件。
住宅条件・国籍法第5条、
「引き続き5年以上日本に住所を有すること」
能力条件、
国籍法第5条、
「二十歳以上で本国法によって行為能力を有すること」
能力条件、
国籍法第5条、
「二十歳以上で本国法によって行為能力を有すること」
素行条件、
国籍法第5条、
「素行が善良であること」
生計条件、
国籍法第5条、
「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること」
などを、満たしていましたから、法務省も、イエス・キリストの日本国籍、取得を許可しようと、していました。
・・・・・・・・・・
しかし、これを、聞いた、自民党、公明党、は、あせりにあせりました。
なぜなら、イエス・キリストの支持者は、日本国民の半分以上に、ふくらんでいましたから、解散総選挙を、したら、自民党、の、議席数が、極度に減ってしまい、野党が、議席を大幅に、増やし、政権交代して、与党になり、イエス・キリスト、が、総理大臣になってしまう可能性が高いと判断したからです。
そこで、自民党、そして、安倍政権は、急いで、法務省に、命令して、キリストの、日本国籍取得を禁じました。
さらに、安倍政権は、検察に命じて、キリストを、共謀罪で、逮捕しようとしました。
日本の、キリスト教信者たちによって、イエス・キリスト、を、イスラエル大使館に、逃げ込ませようと、しましまた。
その時には、キリスト、は、まだ、日本国籍を取得していませんでしたから。
キリストが、イスラエル大使館、に、入ろうとした、まさにその時です。
東京地検特捜部が、キリスト、を、共謀罪、で、捕まえました。
強引な、でっちあげ、の国策逮捕です。
キリスト、は、東京拘置所に入れられました。
・・・・・・・
数日後。
政権与党の自民党、は、イエス・キリスト、の証人喚問を、求めました。
野党も、これには、反対せず、全会一致で、イエス・キリスト、の証人喚問が行われることが、決まりました。
・・・・・・・・・
証人喚問は、令和元年9月20日に行われました。
キリスト、の補佐人には、冤罪弁護士の今村核、が、つきました。
・・・・・・・・・・
委員長「ただいまから予算委員会を開会いたします。予算の執行において、イエス・キリスト君に関しまして、様々な疑義がありますので、証人喚問を行います。証言を求めるのに、先立ち、申し上げます。証人には、宣誓を求めることとなっております。証言を拒むことの出来る場合は、議院証言法第4条、に基づきまして、次の場合に、限られております。これから述べる者が刑事訴追を受け、又は有罪判決を受けるおそれのある場合は、議院証言法第4条第1項、により、証言を拒むことが出来ます。これは、日本国憲法第38条の、自己負罪拒否特権・証言拒絶権、の観点から認められます。
1.証人自身。
2.証人の配偶者、三親等内の血族若しくは二親等内の姻族又は証人とこれらの親族関係があった者。
3.証人の後見人、後見監督人又は保佐人。
4.証人を後見人、後見監督人又は保佐人とする者。
証人が以下の職にある場合、又はこれらの職にあった場合は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものである時。ただし、本人が承諾した場合は拒否できません。これは刑法ほか、各種法令上の守秘義務の観点から認められています。
1.医師。
2.歯科医師。
3.薬剤師。
4.助産師。
5.看護師。
6.弁護士(外国法事務弁護士を含みます)。
7.弁理士。
8.公証人。
なお、証人は以上の事由により宣誓や証言を拒むときは、その事由を示さなければなりません。ただ、本人が承諾した場合は、この限りではありません。正当の理由なく証人が出頭・宣誓・証言を拒否したものと認められるときは、証人喚問を行った委員会等は議院証言法第8条の規定により告発を行うことが出来ます。正当の理由なく証人が出頭・宣誓・証言を拒否した時には、議院証言法第7条第1項、に基づきまして、1年以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処せられます。また、宣誓した証人が虚偽の、証人が虚偽の陳述をした時には、議院証言法第6条第1項、に基づきまして、3月以上10年以下の懲役に処せられることになっております。なお、今回の証人喚問にあたり理事会の決定事項については、すでに証人には、文書をもって、お知らせした通りでありますが、この際、その主要な点について、申し上げておきます。
第一点は。
証人は補佐人に助言を求めることができますが。
証人が補佐人の助言を求めたい場合には、その都度、委員長の許可を得て助言を求めなくてはなりません。
なお、補佐人自身が発言することや補佐人の側から証人に助言することは認められていません。
第二点。
資料の利用について、でありますが。
本日は、証人は、資料の申し入れがありません。
よって、証人は、資料を利用しては、いけません。
第三点。
メモの筆記について、であります。
証人は尋問の項目程度であればメモをとることが、出来ます。
なお、補佐人は自由にメモを取ることが出来ます。
以上の点を、十分、ご理解ください。
証人の、宣誓、証言における、撮影、録音につきましては、第五条7の規定につきまして、委員長が証人の意見を聞いた上で、委員会にはかり、これを、決定することとなっております。本日の委員会における証人の、撮影、録音につきましては、証人の、受託がなされました。これを受け、理事会で、協議いたしました結果、本日の、証人の、宣誓、証言、の撮影、録音は、許可することに意見が一致いたしました。
まず、委員長から、確認をさせて頂きます」
委員長「あなたは、イエス・キリスト、君、御本人ですか?」
イエス・キリスト「はい。そうであります」
委員長「本日の証人の宣誓、および、証言、を、撮影、録音、することに、御異議ございませんか?」
議員全員「異議なし」
委員長「御異議ないと認めます」
委員長「それでは、法律の定める所により、証人に、宣誓を求めます。全員、御起立を願います」
全員、起立した。
委員長「イエスキリスト君。宣誓書を、朗読して下さい」
イエス・キリスト「宣誓書。令和元年9月20日。良心に従って真実を述べ何事も隠さず、また、何事も付け加えないことを誓います。証人、イエス・キリスト」
委員長「着席ください」
全員、着席した。
委員長「証人は、宣誓書に、署名、捺印して下さい」
イエスキリスト、が、宣誓書に、署名、捺印した。
委員長「それでは、これから、証言を求めることと、致し、証人は、御発言を求められた事項の範囲を、超えてはなりません。そして、御発言の際は、その都度、委員長の許可を求めてから、御発言ください。おな、質問を受けている時は、御着席のままで、結構ですが、御発言の時は、起立して御発言を、お願いいたします。この際、各委員に申し上げます。本日は、申し上げの時間内で、質疑、応答、致しますので不規則発言や、議事進行を妨げる、言動の無いよう、特に、御協力をお願い申し上げます。それでは、イエス・キリスト君に対して、質疑のある方は、順次、御発言、願います」
自民党の西田昌司が質問席に着きました。
西田昌司「自由民主党の西田昌司です。まず、お聞きしたい。あなたの、お父さんは、ヨセフ、という大工で、お母さんは、マリア、という女性なのですね?」
キリスト「その通りでございます」
西田昌司「あなたは、処女懐胎、つまり、マリア、と、ヨセフ、は、性行為なしに、あなた、を、産んだ、と、あなたは、は、言っている。マリア、は、処女、のまま、あなた、を産んだ、と言っている。それで、間違いないのですね?」
キリスト「その通りでございます」
人間が性行為なしで産まれてくるわけ、ないだろー、と、自民党から野次が飛んだ。
委員長「御静粛に願います」
西田昌司「私は、人間が、性行為なしに、産まれてくる、ということは、あり得ない、と思っています。これは、医学的にも、証明されています。私は、あなたが、ウソを言っている、としか、思えない。それについて、あなたの、意見を、お聞きしたい」
キリスト、は、後ろに控えている、補佐人の今村核に相談した。
キリスト「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、答弁は、控えさせて頂きたいと思います」
西田昌司「あなたは、湖の上を歩いた、と、聖書には、書かれている。マタイ伝14章22節、マルコ伝6章45節、ヨハネ6伝15節、に、書かれてある。私は、人間が、水の上を歩くのは、物理的に不可能だと思います。これは、ウソなんじゃないでしょうか?」
キリスト、は、後ろを振り返って補佐人の、今村核に相談しました。
キリスト「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、答弁は、控えさせて頂きたいと思います」
西田昌司「あなたは、ガリラヤのカナでの婚礼で、六つの水がめに入った水をぶどう酒に変えた、と言っている。ヨハネ伝2章1節に、書かれている。一体、水をぶどう酒に変える、なんてことが、出来るものでしょうか?これは、ウソなんじゃないでしょうか?」
キリスト「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、答弁は、控えさせて頂きたいと思います」
西田昌司「あなたは、五つのパンと二匹の魚を、増やし五千人の人々に食べさせた、と、書いてある。マタイ 伝1章13節、マルコ伝 6章30節、ルカ伝9章10節、ヨハネ伝6章1節、に、書かれている。私は、そんな事は、不可能だと確信している。これは、ウソなんじゃないでしょうか?それとも、あらかじめ、たくさんの、パンと魚を用意していたんじゃないでしょうか?私には、そうとしか、思えない。証人の意見を聞きたい」
キリスト「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、答弁は、控えさせて頂きたいと思います」
西田昌司「あなたは、ガリラヤでおびただしい民衆の病気、苦しみ、悪霊に取りつかれた者、てんかんの者、あらゆる病人が癒やした、と書いてある。マタイ伝24章23節、ルカ伝6章17節に、書かれてある。病気は、気から、と言いますからね。精神的な暗示によって、病気が治る、ということも、あり得ない、とは、言い切れない、と私は思っています。しかし、あなたは、死んで、4日、経ち、土葬されている、ラザロ、という死人を、生き返らせた、と、書いてある。ヨハネ伝11章43節、に、書かれてある。私は、いくらなんでも、死人を、生き返らせる、などということは、あり得ない、と確信しています。これは、ウソなんじゃないでしょうか?」
キリスト「その点に関しましては、刑事訴追のおそれがありますので、答弁は、控えさせて頂きたいと思います」
西田昌司「あなたは、私の質問に、対して、全て、刑事訴追のおそれがあるので、答えない、と言っているが、それが、すでに答えになっているじゃないですか。つまり、たとえば、(死人を生き返らせました)、と言ったら、偽証罪になるから、答えられないんじゃないですか。まあいいですよ。それでは、次の質問にうつりたい、と思います。あなたは、(平和ではなく剣を。私がこの地上に来たのは平和をもたらすためではない。私が来たのは平和をもたらすために来たのではなく、剣をもたらすために来たのである。私は人々をなかたがいさせるために来たのである。私は人々を敵対させるためにきたのである。こうして、自分の家族の者が敵となる。親と子は敵対し、兄弟は離反する)、と、マタイ伝10章34節、に書いてある。ルカ伝10章34節にも、全く同じことが書いてある。これは、間違いなく、あなたの発言なのですね?」
キリスト「間違いございません」
西田昌司「我々、自民党は、安保法制による積極的平和主義で、平和を保とうとしている。あなたは、それでも宗教者なのですか?宗教者とは、平和を求める者なのではないですか?」
キリスト「その通りです。私は、救い主です」
西田昌司「では、あなたの、この発言の意味をうかがいたい」
キリスト「私は、(彼らは、見ても見ようとせず、聞いても聞こうとせず、理解できないからである)、と言っています。また、失礼だが、私は、(豚に真珠を与えるな)、とも言っている。これが、私が、あなたに、答弁しない理由です。旧約聖書にも、まず、最初に、(言葉は神なりき)、とあります。つまり、私は、喩え、で、弟子たちに、私の思想を伝えてきましたが、その意図は、私の言葉を、(よほど、聡明な人間でないかぎり)、自分の都合のいいように、解釈して、利用する危険があるからなのです」
西田昌司「豚とは、私のことですか?」
キリスト「失礼ですが、そうです。あなた、および、自民党議員、全員がそうです」
西田昌司「ともかく、こういう、危険な思想を持った人間は、破壊活動防止法の適応になると、思います。では、続けて質問します。あなたは、(わたしが暗やみであなたがたに話すことを、明るみで言え。耳にささやかれたことを、屋根の上で言いひろめよ)、と弟子たちに言っている。マタイ伝10章27節、に書かれている。このことに、間違いありませんね?」
キリスト「間違いございません」
西田昌司「私は、これは、非常に、卑怯な事だと思います。自分は、語らずに、弟子たちに、自分の思想を語らせる、というのは。この意味をお伺いしたい」
キリスト「私は、マタイ伝10章16節、で、弟子たちに、(迫害を予告する)、と言っています。だから、弟子たちに、(蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい)、と言っています。そして、(一つの町で迫害された時は、他の町へ逃げなさい)、と言っている」
西田昌司「私には、どうしても、あなたは、自分の身は、安全にして、弟子たちを、危険にさらそうとしている、ように、思います。この点に関し、あなたの意見をうかがいたい」
キリスト「私は、マタイ伝5章10節で、(義のために迫害される人々は、幸いである。天国はその人たちのものである)、と言っている。あなたは、この世での、生命、や、財産、が、保障されることだけが、幸福だと思っているようだが、私の思想は、そうではありません。人間の精神的な幸福のことを、私は言っているのです。西田委員は、誤解しているようだが、私は、自分の思想を、自分の口で、多くの人に語ってきました。私は、預言者であり、私は、私自身も、迫害される運命にあることを、知っています。私は、決して、自分の身の安全だけ、守ろうと思ったことは、ありません」
西田昌司「あなたは、奇跡を起こせるんですね?」
キリスト「その通りです」
西田昌司「では、実際に、13階建ての、ビルの屋上から、飛び降りて下さい。あなたが、アスファルトの道路に叩きつけられる前に、天使たちが、あなたを、手で支えてくれるはずです?そうしたら、私も、あなたの奇跡を信じますよ」
キリスト「聖書には、『主なる神を試みてはならない』、と、書いてある」
西田昌司「全く納得いかないが、一応、これで、私の質問を終わりにします」
委員長「これをもちまして、イエス・キリスト君に対する証人喚問の午前の部を終了と致します。引き続き、1時から、イエス・キリスト君に対する証人喚問の午前の部を開始、致します。みなさん。御退席ください」
国会議員たちは、ゾロゾロと、国会を出ていきました。
・・・・・・・・・・
昼食では、安倍総理が、与党の、自民党、公明党、の議員、全員を、高級料亭に連れていきました。
しかし、野党議員は、ある弁当の仕出し屋、に、弁当を、注文していました。
しかし、注文先の弁当の仕出し屋、から、出している、弁当に、食中毒が発生しました。
そのため、野党議員たちは、昼食を食べることが、出来なくなりました。
共産党委員長の志位和夫が、
「イエス・キリストさん。証人喚問は疲れたでしょう。午後も証人喚問があります。腹が減っては戦が出来ません。私は、パン、と、魚、の粗末な昼食を持っています。どうぞ、食べて下さい」
と言って、自分の弁当を、イエス・キリスト、に差し出しました。
「志位さん。ありがとう」
キリスト、は、それを受け取ると、天を仰いで、一心に祈りました。
すると、一つの、パン、と、魚、が、見る見るうちに、大量に増え、野党議員、全員分の昼食になるほどになりました。
「この方は本当に奇跡を起こせる方だ」
と、野党議員たちは、あらためて、イエス・キリスト、に感銘をうけました。
午後の証人喚問が始まりました。
質疑者は、共産党の小池晃氏でした。
委員長「では、午前に引き続きまして、イエス・キリスト君の、証人喚問の午後の部を行います。では、小池晃君」
小池晃「日本共産党の小池晃です。自民党は、あなたの行った奇跡について、さかんに、医学的、物理的、に不可能、だと、あなたに、詰め寄っていますが、我々、共産党は違います。イエス・キリストさん。我々は、あなたの、行った、と言っている奇跡について、ムキになって、問い質すつもりは、ありません。なぜなら、我々、共産党は、あなたを、立派な人だと思っているからです。我々、共産党は、イエス・キリストさん、と、すでに、何度も話し合って、あなたの、考えは、知っています。我々、日本共産党は、科学的社会主義の立場で、世界平和、平等、福祉、人権尊重、など、を主張し、イエス・キリストさんと、目指す、思想の方向性は、同じであると思っています。しかし、自民党が、圧倒的多数の数の力で、あなたを、証人喚問の場に、引きずり出したのですから、この際、あなたの思想を、日本国民に、話すいい機会でも、あると、思います。どうか、あなたの思想の、趣旨を、述べて下さい」
キリスト「今、小池委員が、述べられたように、私の、思想は、世界平和、平等、福祉、人権尊重、など、の実現であり、共産党の目指す思想と、ほとんど、違いがない、と思っております」
小池晃「あなたは、(平和ではなく剣を)、と、述べられておられるが、これは、戦争を肯定する、ということでしょうか?」
キリスト「いえ。そのような意図では全くありません」
小池晃「あなたは、集団的自衛権を認める、安保法制に賛成ですか、反対ですか?」
キリスト「反対です」
小池晃「その根拠を示して頂きたい」
キリスト「私は、(汝の敵を愛し、汝を憎む者のために祈れ)、と、言っており、また、(右の頬を打たれたら左の頬をも差し出せ)、と言っております。これが、私の思想信条であります」
小池晃「わかりました。では、もう一つ、うかがいたい。あなたは、(持てる者はますます持って豊かになり、持たぬ者は、その持てる者をも盗られるべし)と、言っている。これは、新自由主義の肯定ですか?あなたは、格差拡大を肯定する考えですか?」
キリスト「違います。これは、心の聡明さ、のことです。聡明な、人間は、何事においても、主の御心を、どんどん、理解して賢くなっていきますが、心が邪悪な人間は、自分の都合のいいように、物事を解釈するので、何事にも、どんどん、主の御心から離れて愚か者になっていく、ということです。また、私は、マタイ伝19章24節で、(金持ちが天国に入るのは駱駝が針の穴を通るより難しい)、と説いています」
小池晃「わかりました。では次に、あなたは、(あなた達はただはっきり『はい』とか、『いいえ』とだけ言え。これ以上は悪魔が言わせるのである)、と言っている。マタイ伝5章37節に書かれている。日本では、言論の自由が認められている。あなたは、個人が自分の意見を言う事に反対なのですか?」
キリスト「これは、人との対話に対する時の、答え、のことです。人が、質問してきたら、自分の考えは、(はい)、か、(いいえ)、のどちらかを、しっかり、明瞭に言いなさい、ということです」
小池晃「わかりました。これは、まさに、国会での、安倍政権の答弁、でいえることですね。安倍内閣は、野党の質問に対し、はぐらかして質問と関係ないことを長々と言って時間を浪費するか、同じことを繰り返すか、抽象論で誤魔化すか、答弁を控える、と言って答えないか、の、どれかで、まともに、(はい)、か、(いいえ)、のどちらか、で、答えたことが、一度もない。では、次に、あなたは、マタイ伝5章27節、で、(だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである)、と、述べられている。これが、あなたの思想であることに間違いありませんね?」
キリスト「間違いございません」
小池晃「これは、情欲のことでだけ、述べられていますが、あなたは、全ての、ことにおいても、心の中で悪いことを、思っただけで、それが罪になる、という思想なのですか?」
キリスト「はい。そうです」
小池晃「私は、これは、ちょっと、行き過ぎなのではないかと思います。これは、自民党が強行採決した、共謀罪、と同じだと思います。我々は、自民党が強行採決した、共謀罪、に反対の立場です。この点に関して、あなたの、意見をうかがいたい」
キリスト「私は、確かに、(だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである)、と、言っています。そして、それは、すべての事柄についても、同様です。しかし、私の本意は、(情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたようなものである)、という戒めの意味です。私は、その者を、罰するべきだ、とか、ゲヘナに落ちる、とまでは、言っていません。聖書のどこを、見ても、そんなことは、書かれていません。そして、私は、共謀罪、に関しては、反対の立場です」
小池晃「わかりました。今まで、わからなかった事がわかりました」
委員長「時間となりましたので、これをもちまして、イエス・キリスト君に対する、証人喚問は終了と致します。どうぞ、御退席ください」
・・・・・・・・・・
議員たちは、ゾロゾロと国会を退席していった。
「全く、詭弁だらけだよな」
「奇跡なんて、ウソに決まっているのに」
「あいつは、大ウソつきだ」
などと、自民党員たちは、ブツブツと、不満げに、言いながら、国会を出ていきました。
・・・・・・・・
イエス・キリスト、は、令和新撰組の山本太郎代表のように、各地を回って、主の教え、を説いていきました。
そして、各地で、多くの、不治の病人が、
「主よ。どうか、私をお助け下さい」
と、イエス・キリスト、に、すがりつきました。
イエス・キリスト、は、
「さあ。立って歩きなさい。あなたの信仰が、あなたを救ったのです」
と言いました。
すると、足が不自由な患者は、立って歩けるようになり、目が見えなかった盲人は、目が見えるようになりました。
実際に、イエス・キリスト、が、奇跡を起こしたので、多くの人が、キリストを信奉するように、なりました。
政党支持率も、各紙の世論調査で、
イエス・キリスト党80%、共産党8%、立憲民主党2%、令和新撰組5%、公明党5%、自由民主党0.1%、と、圧倒的に、イエス・キリスト党が、支持率を伸ばしていました。
自民党は、あせり出しました。
このままでは、次期、衆議院の解散総選挙では、イエス・キリスト党、および、共産党、立憲民主党、などの、連立政権が、誕生して、政権交代が、起こるのは、明らかだからです。
そこで、安倍晋三は、内閣人事局に、命令して、安倍晋三のイエスマンである、黒川弘務検事長を、定年延長する法案を、強行採決して、黒川弘務検事長を、検事総長に任命しました。
黒川拡務が検事総長に就任した翌日です。
イエス・キリストの所に、黒いスーツの男たちが、数人、やって来ました。
そして、イエス・キリスト、の前に、仁王のように立って、背広の内ポケットから、紙切れ、を取り出して、イエス・キリスト、に見せつけました。
「イエス・キリスト。お前を、民衆扇動罪、破防法違反、偽証罪、容疑で逮捕する」
と言いました。
彼らは、東京地検特捜部の検事たちでした。
「わかりました」
そう言って、イエス・キリスト、は、東京地検特捜部へ連行され、東京拘置所に入れられました。
日本国民は、
「これは、明らかに、自民党に都合の悪い、イエス・キリスト、を捕まえるための、冤罪、国策捜査だ」
と、言いました。
安倍晋三は、東京地検特捜部に、加計学園卒の、検察官を、多数、送り込んでいました。
イエス・キリスト、の第一審の裁判が行われました。
検察は、イエス・キリスト、を、民衆扇動罪、破防法違反、偽証罪、で、死刑を求刑しました。
キリストの弁護人である、今村核は、キリストに、控訴するよう、勧めました。
しかし、イエス・キリスト、は、控訴しませんでした。
なぜなら、裁判長も、内閣人事局によって、安倍晋三のイエスマンである、裁判長が任命されていたからです。
あまりの、自民党の卑劣さに、自民党を離党する議員が出始めました。
安倍晋三はあせりました。
それで、まだ、自民党、公明党、の連立与党で、衆議院で、2/3の議席、参議院で、過半数の議席がある時に、「悪質性の高い犯罪の死刑は公開とする」、という法律を、いつものように、強行採決しました。
森まさ子法務大臣の死刑執行命令によって、イエス・キリスト、の死刑が行われました。
イエス・キリスト、は、南千住にある刑場で、十字架にかけられました。
警察官が死刑執行の役を勤めました。
警察官は、十字架の上に、イエス・キリスト、を乗せ、イエス・キリスト、の手足を、釘で、十字架にうちつけました。
イエス・キリスト、は、十字架に、手足をうちつけられる痛みに、「うっ」、と苦し気な声をあげました。
「父よ。彼らを許してやってください。彼らは自分たちが何をしているのか、わからないのです」
と、イエス・キリスト、は言いました。
「何を、わけのわからないことを、ゴチャゴチャ言っていやがるんだ」
と、警察官たちは、イエス・キリスト、に唾を吐きかけました。
そして、イエス・キリスト、の十字架が立てられました。
イエス・キリスト、の左右にも、罪人が、イエス・キリスト、と同じように、十字架にかけられました。
左は、石破茂で、右は、佐川宣寿、です。
石破茂は、安倍晋三に逆らったため、安倍晋三殺人未遂の罪を、検察に強引にデッチあげられ、死刑判決を下されていたのです。
佐川宣寿は、国会での証人喚問での偽証罪、および、近畿財務局職員だった赤木俊夫に公文書の書き換えを命じ、そのため、赤木俊夫さんは、自殺したため、死刑判決を受けていました。
イエス・キリスト、の処刑を見ようと、多くの野次馬が集まっていました。
十字架にかけられた佐川宣寿は、イエス・キリスト、に向かって言いました。
「おい。イエス・キリスト。お前は、神の子なんだろう。お前は、人は救えても自分は救えないのか?」
それを聞いた、石破茂は、佐川宣寿に、向かって言いました。
「お前は、神を畏れないのか。私たちは、罪を犯したから、その報いを受けているのだ。しかし、この人は、何も悪いことは、していないのだ」
と、石破茂は、言いました。
そして、石破茂は、イエス・キリスト、に顔を向けました。
「イエス様。私は、安倍晋三首相の行いを悪いと思いながら、自分の自民党議員としての、地位、保身のため、安倍政権を面と向かって、批判する勇気がありませんでした。私は罪深い人間です。あなたが、天の御座につかれる時、どうか、私を思い出して下さい」
そう、石破茂は、言いました。
イエス・キリスト、は、石破茂の方を見ました。
「あなたに、真実を言う。今日、あなたは、私と共に、パラダイスにいる」
十字架は、苦しみを長引かせるための凌遅刑なので、なかなか、死ねません。
午後3時になりました。
突然、黒雲が、空を覆い、鋭い雷が、ゴゴゴッ、と鳴り響き、雷は、安倍晋三の家に、落ちました。
イエス・キリスト、は、天を見上げ、
「エリ。エリ。ラマ。サバクタニ(我が神、我が神。どうして私を見捨てるのですか)」
と、言いました。
そして、イエス・キリスト、は、息絶え、死にました。
人間が、神の子、イエス・キリスト、を殺した報いでしょう。
その翌年、西暦2020年、に新型コロナウイルス、COVID-19、が、全世界に広まり、世界は、リーマン・ショック以上の、大不況になりました。



令和2年9月23日(水)擱筆

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吾輩は猫である(小説)

2020-09-14 15:20:49 | 小説
「吾輩は猫である」

という小説を書きました。

ホームページ、「浅野浩二のHPの目次その2」

http://www5f.biglobe.ne.jp/~asanokouji/mokuji2.html

に、アップしましたので、よろしかったらご覧ください。

(原稿用紙換算65枚)

「我輩は猫である」

元々は野良猫だった。
しかし、ある時、人間という動物に、捕まえられてしまった。捕まえられた時は、これは困ったことになったと焦った。なんせ人間という動物は、どういう動物なのか、わからないからだ。動物界の常識として、食われてしまうのかと、冷や汗ものだった。しかし、不思議なことに、わしを捕まえた一家は、わしに食べ物を与えてくれた。これには驚いた。わしは、この意味がわからなかった。動物界は弱肉強食が常識である。それで、多分、食事の中に毒が入っているのだろうと思った。しかし、わしが毒を食ったら、わしの体にも毒が入ってしまい、それを食っては危険ではないか、という疑問が、次に起こった。それで、わしは考えた。それで、その毒は、わしを殺しはするが、わしの体の中で分解されて、無毒になるような毒なのだろうと思った。フグ毒の、テトロドトキシン、などは、そういう毒である。これでは、食うわけにはいかない。しかし、どうして、わしを殺すのに毒を食わさねばならないのか。その理由が、わからなかった。わしを無理矢理、押さえつけるなり、あるいは、わしが寝ている間に、わしの首をはねて、それでわしの肉を食えばいいではないか。そもそも、人間は、牛、や、豚、や、鶏、など、動物の肉を食うヤカラである。人間は、動物を食ったり、医学の実験に使ったりしたかと思うと、やたら、可愛がったりする、予測不能の動物である。油断は禁物である。わしは、このことが分らなくて、二日間、与えられた食事を食べなかった。人間は、
「おかしいなー。この猫、エサ食べないよー」
と首を傾げていた。かれらは一体、何を考えているのやら、全く分らない。
しかし、なにはともあれ、二日もすると、腹が減ってきた。毒が入った食事を食べなくても、わしは、どうせ殺されるのである。それならば、死ぬ前に、美味そうな食事を食ってから死のうと覚悟を決めた。それで、わしは、毒が入っているかもしれない食事を食ってみた。すると、これが美味いのである。二日間、何も食わなかっただけあって、わしは死を覚悟で、無我夢中で、ムシャムシャ食った。すると人間は、
「わー。猫がエサを食べたよー」
と喜んだ。何で、彼らが喜ぶのか、わしには、その理由がわからなかった。そこでわしは、その理由を考えてみた。それで、わしは、一つの結論にたどりついた。つまり、彼らは、わしに、飼料を食わせて太ってから、食うつもりなのだ。と。なかなか、手の込んだことをやるものである。ならば、と、わしは考えた。食っても殺されるし、食わなくても殺される。どのみち、殺されることにはかわりないのだ。ならば、腹一杯、食ってから殺された方が得ではないか。と。それで、わしは、それから、彼らが、わしに与えるエサを食うようになった。一体、いつまで、食わせてから、彼らは、わしを食う気なのか。それは、知りようもない。ともかく美味い。うんと食って、あとは、死ぬのを待つだけである。
しかし人間の、わしに対する態度が変である。やたらと、わしの頭を撫でる。尻尾の付け根を、コチョコチョ、とくすぐる。わしら、猫にとって、ここをくすぐられると、たまらなく気持ちがいいのである。いわば性感帯である。つい、わしは、
「ニャー」
と、喘ぎ声を出してしまった。すると、人間は、益々、嬉しそうな顔つきになって、わしの性感帯である、尻尾の付け根、をくすぐった。わしが、
「ニャー」
と喘ぎ声を出すと、彼らは、ニコッと笑った。
「ねえねえ。姉さん。来て。来て」
わしを拉致した健太という小僧が、姉を呼んだ。
「なになに。どうしたの」
健太の姉の京子という中学一年生の女の子が、小走りにやって来た。
「猫をくすぐったら、気持ちよさそうに、ニャーと鳴いたんだよ」
健太が姉に言った。
「どれどれ。私にも、やらせて」
姉の京子が、好奇心に満ちた目で、わしを見ながら、健太に言った。
「ここさ。ここの尻尾の付け根耳の所さ」
健太は、そう言って、わしの尻尾の付け根をくすぐった。
わしは、気持ちよさに、素直に、
「ニャー」
と喘ぎ声を出した。すると、姉の京子は嬉しそうな顔で、
「本当だ。私にも、やらせて」
と言った。そして、わしの性感帯である尻尾の付け根をくすぐった。わしは、素直に、
「ニャー」
と喘ぎ声を出した。
「本当だ。かわいい。やっと、なついたんだ」
姉の京子は嬉しそうな顔で言った。わしに飼料を食わせて、太らせてから食う気なら、わしの性感帯をくすぐって、わしを気持ちよくさせる必要はない。わしは彼らの顔をじっと見た。彼らは、わしを嬉しそうな顔で眺めている。どう見ても、彼らに殺意があるようには、感じられない。無邪気な子供達である。わしの心にあった猜疑心が、少し減った。もしかすると、彼らは、わしを殺す気はないのかもしれない。では、一体、何のために、わしにエサを与え、わしの性感帯をくすぐるのか。それが、わしの次の疑問になった。健太は、わしを、そっと、持ち上げて、胸の中に抱きかかえた。宙に浮かされたのは、初めてである。野良猫の時は、自分で、高い塀に登ることは、あったが、他人に持ち上げられたのは、初めてである。しかし、この程度の高さなら、落とされても、怖くはない。わしら、猫は平衡感覚が優れているため、どんな姿勢で落とされても、身を翻して両手、両足で地面に着地できる絶対の自信を持っている。しかし、次に、新たな疑問と恐怖が起こった。もしかすると、この子は、わしを床に叩きつけるつもりかもしれない、という恐怖である。なるほど、そういう殺し方なのかと、わしは、ぞっとした。わしは、抵抗の用意として、爪を立てる準備をした。しかし、この程度の高さからなら、床に叩きつけられても、少しは痛いだろうが、死にはしない。それに、健太は、小学五年生で、たいして力もない。わしは少し、彼らの様子を見ることにした。健太は、
「ニャーゴ。ニャーゴ」
と赤ん坊をあやすように、わしを揺らした。わしは、その揺れに身を任せた。
「私にもやらせて」
健太の姉の京子が言った。健太は、ウンと肯いて、わしを姉の京子に渡した。京子は、わしを、胸の中に抱きかかえて、健太と同じように、
「ニャーゴ。ニャーゴ」
と揺すった。わしは、その揺れに身を任せた。結構、気持ちがいいものである。姉の京子は中学一年生なので、まだ胸は膨らんでいない。しかし、人間の女の子の胸に抱かれるというは、気持ちがいいものである。与謝野晶子の「黒髪」に、「柔肌の熱き血潮に触れもみで、寂しからずや、道を説く君」という歌がある。わしは、他人に道を説くほど偉い者ではないが、我輩は女の柔肌に餓えているのである。
京子は、しばらく、わしを揺すった後、わしをそっと床に降ろした。どうやら、彼らに、わしを殺す気はないようだ。
「かわいいわね。この猫」
姉の京子が言った。
「うん。かわいい」
弟の健太が言った。どうやら、わしは、彼らに可愛がられているようだ。
『わしが可愛い?』
わしには、このことがどうしても実感できなかった。一体、わしの何が、可愛いのか。わしには、どうしても分らなかった。
「ねえ。お父さん。このネコ、飼ってもいい?」
健太が、父親に聞いた。
「まあ、いいだろう。しかし、ちゃんと、しつけて、面倒をみるんだぞ」
と、父親が言った。
「わーい。やったー」
健太、と、姉の、京子、は、小躍りして、喜んだ。
「ねえ。姉さん。このネコ、何て名前にしようか?」
健太が姉に聞いた。
「ソーニャ、にして」
姉の京子が言った。
「どうして?」
健太が聞いた。
「ドフトエフスキーの、(罪と罰)、に出てくる登場人物の名前で、私が気に入っているから」
こうしたわけで、わしに、「ソーニャ」、という名前がついて、わしは、「ソーニャ」、と、呼ばれるようになった。
・・・・・・・・・
一週間が過ぎた。
父親も母親も、わしを嫌ってはいない。
一週間もするうちに、ここの家庭がどういう家庭なのか、わかってきた。
父親と母親が、姉弟が、わしの面倒をみる、という条件で、わしを飼うことを許したのだ。
ここの家庭は、父親と母親と姉と弟の四人家族だった。
ここの父親は、ある病院に勤める医者だった。父親は、医者という仕事を嫌っていて、小説家になりたい、と愚痴をこぼしている。父親は、土日は休みなので、土日は、いつも、書斎で、パソコンに向かって小説を書いている。しかし、なかなか筆が進まない。机に向かってウンウン唸っているだけである。
トントンとドアがノックされた。ガチャリと戸が開いて、妻がお茶と和菓子を盆に載せて入ってきた。
「あなた。お茶を持ってきました」
妻は、机に茶を置いた。
「ああ。有難う」
夫は、妻に振り向きもせずに言った。
「あまり根を詰めすぎて、お疲れにならないで下さいね」
夫は淡白だった。
夫は、一休み、と言って、妻の持ってきた茶を飲み出した。
妻は、夫の手をとって、薄いブラウスのホックを外し、夫の手を入れようとした。
「あなた。せめて手で愛して」
妻は言った。だが、夫は手をひいた。
「どうして愛してくれないの?」
妻は訴えるように言った。
「机の前に立ちなさい」
そう言って、夫は茶を啜って、淡白な口調で言った。
「ま、また。あれをやらせるのね」
妻は、夫に言われて、夫の前に立った。
「さあ。服を色っぽく脱いでいきなさい」
夫が言った。
妻は、薄いブラウスを脱いだ。豊満な乳房をブラジャーが覆っている。ちょうど丸い果実の入ったビニールのようである。ついで、妻は、スカートを脱いだ。パンティーが、ムッチリした尻を覆っている。妻は、フロントホックを外してブラジャーを外した。見事な、大きくて形のいい乳房である。ついで、妻はパンティーをソロソロと降ろして抜きとった。妻は、一糸纏わぬ丸裸になった。妻は、一糸纏わぬ丸裸の胸と秘所を手で覆った。夫は、妻の裸をニヤニヤ見ていたが、だんだん、ハアハアと息を荒くしながら、自分の股間を揉み出した。
・・・・・・・・・・
実を言うと、わしが、この家に来て、一週間、ほどした、ある日の朝のこと。妻は、子供二人と、夫を、「いってらっしゃい」、と送り出して、一人きりになった時、わしを、じっと、見つめたのである。そして、ハアハア、と、喘ぎ声を、出して、胸を揉み出したのである。
「あの人は、性的不能なのか、変態なのか、結婚してから、一度も、私を抱いてくれないわ」
そう言って、妻は、ブラウスも、スカートも、ブラジャーも、パンティーも、つまり、服を全部、脱いで、全裸になって、
「ソーニャ。私の、アソコ、を、うんと見て」
と言って、大きく股を開いた。
妻は、性欲旺盛なのに、夫は、妻を抱いてやらず、妻は、欲求不満らしい。
わしは、妻を、可哀想に思って、アソコ、を、ペロペロと舐めてやった。
すると、妻は、「ああっ。いいわっ。感じちゃう」、と、叫んだ。
それを、朝、夫、や、子供を送り出して、一人になった時、妻は、毎日、するようになった。
ある日、夫が、早く帰ってきて、妻が、わし、と、戯れているのを、見てしまったのだ。
夫は、ニヤリと笑った。
「ふふふ。君に、そんな、趣味があったとはな」
と、夫は、ふてぶてしく笑った。
・・・・・・・
それ以来、夫は、妻に、裸になって、股を広げるよう命じ、妻の、アソコ、を、わしに舐めさせて、楽しむようになった。
夫は、妻の、アソコ、に、マタタビの汁をつけるようになった。
わしは、妻の、アソコの、愛液、と、マタタビの汁、の混ざった、汁を、無我夢中で、舐めた。
「ああっ。いいわっ。感じちゃう」
そう言って、妻は、喘ぎ声を出した。
それから、夫は、休みの日に、妻に、裸になって、股を広げるよう命じ、わしに、妻の、アソコ、を舐めさせて、楽しむようになった。
妻は、始めの頃は、興奮していたが、だんだん、恥ずかしくなり出して、嫌がるようになった。
「あ、あなた。もう、こんなこと、やめて」
と、妻は言い出すようになった。
・・・・・・・
今日も、その日である。
「さあ。服を色っぽく脱いでいきなさい」
夫が言った。
「ま、また、やるの?あなた」
妻は、仕方なさそうな顔で、薄いブラウスを脱いだ。豊満な乳房をブラジャーが覆っている。ちょうど丸い果実の入ったビニールのようである。ついで、妻は、スカートを脱いだ。パンティーが、ムッチリした尻を覆っている。妻は、フロントホックを外してブラジャーを外した。見事な、大きくて形のいい乳房である。ついで、妻はパンティーをソロソロと降ろして抜きとった。妻は、一糸纏わぬ丸裸になった。妻は、一糸纏わぬ丸裸の胸と秘所を手で覆った。
「さあ。座りなさい」
この夫は、性的不能なのか、変態なのか、裸になった妻に座るよう命じた。妻は、夫に言われて座った。夫は縄で、妻の手を後ろ手に縛った。そして、片足をの足首を縛って、天井に吊り上げた。片足が、天上に向かって、ピンと伸ばされて、妻のアソコ、が、丸見えになった。そして夫は、妻のアソコに、マタタビの汁を塗りつけた。
「ああっ。あなた。何をなさるの?」
妻は聞いたが夫は答えない。夫は、ふふふ、と笑って、わしを持ち上げて、妻の前に座らせた。妻のアソコが、いい匂いがする。わしは、その匂いにひかれて、そっと妻のアソコに鼻先を近づけた。マタタビの匂いがする。わしは、無我夢中でペロペロと舐めた。
「ああー。嫌―」
妻は、始めは嫌がっていたが、だんだん、「ああっ。ああっ」、と、喘ぎ声を出すようになった。
「あなた。結婚してから、一度も私を抱いてくれないで、どうして、こんなことばかりするの?」
妻が夫に聞いた。
わしは、妻を気の毒に思った。それで、ペロペロと優しく妻のアソコを舐めてやった。
・・・・・・・・・・
ある日、吾輩が寝ている時、妻が、吾輩の所にやって来た。
「ソーニャ。すまないね。お前は、この家には、置いておけないのよ」
そう言って、妻は、吾輩を車に乗せて、エンジンを掛け、高速道路を飛ばした。
どこかへ、吾輩を捨てるつもり、らしい。
一時間ほど、高速道路を走ってから、一般道に、出た。
そして、少し、走った。
そして、止まった。
母親は、わしを、車から、降ろした。
場所は、どこだか、わからない。
「ソーニャ。お前は、可愛いから、きっと、誰かが、拾ってくれるでしょう。だから、もう、戻って来ないでね」
そう言うと、母親は、車のドアを閉め、フルスピードで、走り去って行った。
人間とは、薄情なものだ。
わしは、また、一匹、無頼漢の、宿無し猫、になってしまった。
だが、まあ、いい。
ニャーニャー、猫なで声を出して、可愛いらしそうな仕草をしていれば、人間は、吾輩を、可愛い、と言って、飼ってくれる、のだから。
わしは、ある、大きな家の前に、着いた。
渋谷区富ヶ谷一丁目とある。
富ヶ谷ハイムと書いてある、豪勢な、マンションの前で、わしは、座っていた。
しばしすると、一人の中年の女が、マンションの中から、出てきた。
丸顔で、童顔である。
「まあ。可愛いわ」
そう言って、女は、吾輩を、抱きあげた。
吾輩は、この女を知っている。
安倍晋三首相夫人の安倍昭恵、という人である。
健太の家で、テレビを観ていたら、彼女が、映っていたからである。
安倍晋三首相と、彼女が、アメリカに、首脳会談で、行くので、二人が、総理専用機に乗り込むのを、テレビで、見たから、知っているのである。
彼女は、わしを、しばらく、胸の前に抱えて、赤ん坊をあやすように、揺らしていたが、吾輩を抱いたまま、富ヶ谷ハイムの中に、入った。
部屋は、豪勢だった。
昭恵夫人は、吾輩を、そっと、床に降ろした。
そして、尻尾の付け根の所を、コチョコチョと、くすぐった。
ここを、くすぐられると、たまらなく、気持ちがいいのだ。
吾輩は、ニャー、と、小声で鳴いた。
「まあ。可愛いわ」
そう言って、彼女は、ニコッと笑って、キャトフードを、吾輩の前に置いた。
わしは、腹が減っていたので、ムシャムシャ食べた。
彼女は、嬉しそうに、わしを見ている。
その時、夫の安倍晋三が、帰ってきた。
ヘトヘトに疲れた様子である。
彼は、ドッカとソファーに座った。
「昭恵。おい。ウイスキーをくれ」
安倍晋三が、そう言ったので、昭恵夫人は、キッチンに行って、ウイスキーを持って、戻ってきた。
安倍晋三は、ウイスキーを、ガブガブ飲んだ。
「あなた。どうしたの。何があったの?」
昭恵夫人が聞いた。
「いや。無いも、あるも。今日の、国会で、また、共産党の、辰巳孝太郎が、とんでもないことを、言ったもんだから、さすがに、焦ったよ。あいつは、いつも、事前通告なしで、言うもんだからな。困ったヤツだ」
そう言って、安倍晋三は、ウイスキーを、ガブガブ飲んだ。
「何と言ったの?」
昭恵夫人が聞いた。
「近畿財務局と財務省理財局との、やりとり、の、メモ、を、今日、あいつが、暴露したんだ。国交省として都合の悪い文書は公表しない、だの、文書は、最高裁まで争うまで非公表とする、だの、官邸も、法務省に何度も巻きを入れている、だの、いきなり、本当の事を言い出すもんだから、さすがに、あせったよ。どの省庁にも、厳しく、ニラミを利かして、圧力をかけているのに、官僚の中にも、まだ、子供じみた青くさい、正義感ぶったヤツが、いるらしく、森友学園関係のメモを、ファックスで、共産党に、送ったんだろう。困ったヤツもいるもんだ。もし、送ったヤツが、わかったら、左遷、いや、辞職させてやる。チクショウ」
そう言って、安倍晋三は、ウイスキーを、ガブガブ飲んだ。
「それで、あなた。森友問題は、大丈夫なの?」
昭恵夫人が聞いた。
「ああ。大丈夫だ。大阪地検特捜部には、オレと親しい、加計問題出の、鬼検事を、何人も送り込んでいるからな。拘置所では、看守に、籠池の飯には、毎食、少量の毒を入れるよう、指示しているからな。どうせ、ヤツは、いずれ、死ぬさ」
そう言って、安倍晋三は、ウイスキーを、ガブガフ飲んだ。
「私は大丈夫なの?野党の人達は、さかんに、私を証人喚問するよう、言っているけれど、私、こわいわ」
昭恵夫人が言った。
「ああ。大丈夫だ。お前が、籠池に、100万円、渡した、物的証拠は、無さそうだからな。しかし、あれは、やはり、まずかったな。お前は、頭が悪いんだから、何かする時は、これからは、必ず、オレに前もって、言ってからやれ」
と、安倍晋三は、言った。
「でも、私、こわいわ。野党の人達は、私の証人喚問を求めているでしょ。証人喚問をして、私が、(籠池さんに、100万円は、渡していない)、と、ウソを言ったら、偽証罪になるんでしょ?執行猶予は、つくの?」
昭恵夫人が言った。
「大丈夫だ。大阪地検特捜部の、検察官、や、裁判長は、全員、加計問題卒の人間で、オレに忠誠を誓っている連中ばかりだからな。どんなに、確実な、証拠が、いくら、出てきても、起訴しないよう、釘を刺してあるからな。伊藤詩織を犯した、TBSの山口敬之だって、オレが、(絶対、起訴するな)、と、圧力をかけて、脅しておいたから、起訴されていないだろ」
と、安倍晋三は、妻を安心させるように、言った。
「ありがとう。あなた。頼もしいわ。でも、財務省の、記録には、私が、(いい土地だから、早く前に進めて下さい)、と書かれてあるでしょ。あれを、野党に追求されたら、どうするの?」
昭恵夫人が、不安そうに聞いた。
「財務省に、公文書で、お前の名前が、出でいる箇所は、書き替えるよう、強く命令するさ」
安倍晋三が言った。
「でも、公文書の改ざん、なんて、したら、大変なことに、なるんじゃないの?私には、よく、わからないけれど・・・」
昭恵夫人が言った。
「それは、バレたらの話さ。バレなければ、大丈夫だ。犯罪は、バレなければ、犯罪じゃないんだ。そのくらいの事は、バカな、お前の頭でも、わかるだろ」
そう、安倍晋三は言った。
「そうね。絶対、バレないように、してね。でも、国民は、怪しい、と、思っているわ。私、こわいわ。それに、立教大学特任教授の金子勝さんは、毎日、あなたの、悪口を、ツイッターで、書いているし、日刊ゲンダイで、あなたの、悪口の記事を、毎日、書いているわ。大丈夫かしら・・・・?」
昭恵夫人は、不安そうに、考え込んだ。
「金子勝か。あいつは、目障りなヤツだな。前々から、あいつを、何とかしなきゃ、ならないと、思っていたんだ。今度、検察と警視庁に、命令して、警察官に、あいつを、尾行させて、あいつが、電車に乗ったら、植草一秀と同じように、痴漢で、逮捕させてやるさ。そうすりゃ、あいつも、一巻の終わり、さ」
と、安倍晋三は、自信満々の口調で言った。
「お願い。あなた。きっと、やってね。必ずよ。あの人の、私たち夫婦に対する、口汚い、罵り、の言葉を聞くと、私、耐えられないの・・・。ところで、植草一秀さんも、あなたが、痴漢冤罪に、デッチあげたの・・・?それは、初耳だわ」
昭恵夫人は、キョトンとした目を、夫に向けた。
「ああ。小泉純一郎さんは、僕を、内閣官房副長官に任命してくれただろう。そして、2003年には、いきなり、なんと、幹事長にまで、任命してくれた。小泉さんの、おかげで、僕は、2006年に、戦後最年少で、総理大臣に昇りつめることが出来たんだ。この恩は、絶対、返さなくちゃならないと思って、竹中平蔵に任せきりの、小泉さんの経済政策を、激しく批判していた、植草一秀を、痴漢冤罪におとしめるため、検察、警察、に、圧力をかけたんだ。それで、警察が動いてくれて、見事、植草一秀は、2004年に、痴漢の犯罪者に仕立て上げることが出来たんだ。彼は、全ての職を失ったよ。あの時の、小泉純一郎さんの、喜んでいた顔が、忘れられない。受けた恩は、ちゃんと、返すのが、政治家、としての礼儀、というものさ」
と、安倍晋三は、自信ありげに言った。
「素敵。頼もしいわ。あなたの、そういう行動力があるところが、私は好きだわ」
そう言って、昭恵夫人は、ヒシっ、と夫にしがみついた。
夫の安倍晋三も、言いたいことを言って、ほっとした様子だった。
吾輩は、二人の会話を、黙って聞いていたが、ノソノソ、歩いて、安倍晋三の前で座った。
安倍晋三の視線が、吾輩に向かった。
「あっ。何だ。この猫は?」
安倍晋三が、吾輩の存在に気づいて、妻の昭恵夫人に聞いた。
「ああ。言い忘れてたわ。今日、この猫が、家の前にいたの。人間になつくから、飼いネコで、きっと誰かが、捨てていったのだと思うわ。前、飼っていた、リリーも、死んじゃったし、この猫、飼ってもいい?」
昭恵夫人が聞いた。
「ああ。別に構わないよ」
人間も、飼いネコと同じように、飼い主、に従順になってくれると、いいのだがな、と、安倍晋三は、不満そうに言った。
吾輩は、あきれかえった。
今日、テレビの国会中継を、昭恵夫人、が、見ていたので、吾輩も、横で、見ていた。
昭恵夫人は、自民党、公明党、の質疑は、見ていたが、野党の質疑になると、
「ああ。また、ストレスがたまるわ」
と言って、自分の部屋に入ってしまったのである。
残された、わしは、国会中継の野党の質疑を見ていた。
共産党の、辰巳孝太郎議員は、入手した、メモ、の真偽を、冷静な口調で、安倍晋三に、質問していた。
安倍晋三は、「事前通告されていないので、知らない」、「あたかも真実のように、言っているが、真偽のほどは、調べてみないと、わからない」、と、堂々と、反駁していた。
しかし、実際には、安倍晋三は、何もかも、知っていたのだ。
というより、全ては、安倍晋三自身が、圧力をかけた張本人なのだ。
こいつは、とんでもない、ウソつき、だ。
こいつは、息を吐くように、ウソを、つくヤツだ、動物の風上にも、おけないヤツだ、と、吾輩は思った。
「ねえ。あなた。でも、野党は、森友問題、加計学園問題、で、あなたを、追求しているわ。本当に、大丈夫なの?私は、ファーストレディーとして、世間の注目を浴びていたいの」
昭恵夫人が聞いた。
「ああ。大丈夫だ。メディアには、圧力を、しっかりと、かけているからな」
安倍晋三は言った
「お願い。絶対、バレないように、してね」
こいつらは、とんでもない、ヤツら、だと、吾輩は思った。
吾輩は、もう少し、この家に居て、こやつらの、実態を観察することにした。
それに、ここの家の二階のベランダは、日差しが良くて、気持ちがいい。
ある日の夕方のことである。
主人が、ホクホクして、帰ってきた。
「おい。昭恵。今日、いいことがあったぞ。こっちへ来い」
安倍晋三が言った。
「どうしたの。あなた?」
昭恵は、首をかしげながら、夫と一緒に、ソファーに座った。
安倍晋三は、テレビのスイッチを入れた。
ちょうど、NHKの、ニュースウォッチ9が、始まった所だった。
いつものように、有馬郁夫と、和久田麻由子、が、写し出された。
「今日、とんでもない事が起こりました。慶応義塾大学の名誉教授で、立教大学特任教授の、エセ経済学者の、人間のクズの金子勝、が、教授室に、女子学生を呼び出して、睡眠薬を飲ませ、寝ている間に、レイプしました。被害者の、佐藤詩織さん、は、泣きながら、そのことを、警察に訴えました。東京地検特捜部は、即日起訴して、クズの金子勝を逮捕しました。クズの金子勝は、(これは、安倍政権の、企んだ、国策捜査だ。私は冤罪だ)、と、レイプしておきながら、ほざいています。クズの金子勝は、毎日、日本の政治を責任をもって行っている立派な、安倍内閣を、口汚くののしり批判する、ツイッターを、偉そうに、書き続けながら、自分は、こんな、恥知らずなことを、陰で、していたんですねー。全く、学者、教育者、の風上にも置けない、クズの卑劣官ですねー」
と、有馬郁夫が言った。
「そうですね。私も前から、金子勝さんは、経済のことは、語らずに、やたら、正しく、美しい日本を、目指して頑張っている、安倍首相を批難する、口汚い、アジテートばかり、する、嫌な人だとは、思っていました。日銀が、金利0で、お金をたくさん刷れば、物価が上がって、デフレ不況から脱却できる、という経済学の基本的なことすら、あの人は、わからないんですから。ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン氏も絶賛している、素晴らしいアベノミクスによって、日本経済は、確実に、長引くデフレから、脱却しているというのに・・・。しかし、売国極左主義者は、売国極左主義者なりに、一貫した、主張を持っているのだろう、と、一応は、敬意を払っていました。しかし、偉そうなことを、言っている陰で、こんな卑劣なことをしていたんですね。もう、私は、クズの金子勝を一切、信用しません」
と、和久田麻由子が相槌を打った。
「ともかく、もう、これによって、人間のクズの金子勝の学者生命、と、社会的地位は、完全に終わったと、言えるでしょう。立教大学も、即座に、クズの金子勝の、懲戒免職処分を発表しました。東京地検特捜部では、クズの金子勝には、余罪があるものと見て、捜査を続ける方針です」
と、有馬郁夫が言った。
テレビ画面では、両脇を警察官に捕まれた、金子勝が、「これは、冤罪だー。政権批判に対する口封じだ。国家の罠だ。共謀罪だー」、と、叫びながら、パトカーに、入れられる場面が、写し出されていた。
そして、佐藤詩織、という、女子学生が、泣きながら、記者たちの、質問に答えている場面が、写し出された。
「うははははー」
と、安倍晋三は、高らかに笑った。
「あなた。これは、どういうことなの?」
安倍昭恵が聞いた。
「ふふふ。警察にも、検察にも、裁判官にも、加計学園卒業の、警察官、検察官、裁判官、を、送り込んでいる。僕が、司法に圧力をかけたんだ。そして、佐藤詩織、という、立教大学の大学院の学生に頼んで、100万円、渡して、買収して、金子勝を、罪人に仕立て上げてあげて、やったのさ。これで、もう、金子勝は、社会的に抹殺されたようなものだ」
と、安倍晋三は、自慢げに言った。
「素敵。あなた。頼もしいわ。これで、私たちは、批難されなくなったのね。今日から、安らかに、眠れるわ。ありがとう。あなた」
と、昭恵夫人は、ヒッシと、夫の安倍晋三にしがみついた。
「あなた。お風呂が、沸いているわよ」
昭恵夫人が言った。
「そうか。じゃあ、オレは風呂に入るよ」
そう言って、安倍晋三は、上着を脱ぎ、ネクタイを外して、浴室に入った。
ザブーン。
と、安倍晋三が、風呂に入った音がした。
その時である。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
「はーい」
と、昭恵夫人が、玄関に出た。
「こんばんわー」
と、佐藤詩織、が、元気よく、挨拶した。
「やあ。よく、いらっしゃいました。どうぞ。どうぞ。お上がり下さい」
と、昭恵夫人が言った。
「では、失礼しまーす」
と、佐藤詩織、は、家に入った。
「さ。どうぞ。お座り下さい」
そう言われて、佐藤詩織、は、応接間のソファーに座った。
「あ。あの。これ。少ないですけれど、主人からです。どうぞ、受け取って下さい」
そう言って、昭恵夫人は、佐藤詩織、に、封筒を渡した。
かなり厚い封筒だった。
佐藤詩織、は、そっと、封筒の中身を見た。
3cmほどの、札束が、あった。
「うわー。いいんですか。こんなに、頂いて?一体、いくら、あるんですか?」
佐藤詩織、は、驚いて言った。
「あ、あの。少ないですけれど、300万円、です。ほんのお礼です。ただし、主人には、言わないで下さいね」
と、昭恵夫人は、言った。
「どうもありがとうございます」
佐藤詩織、は、礼を言って、封筒を受け取った。
「でも、こういうのって、あまり、よくない事なんじゃないでしょうか?このお金は、国民の税金なんじゃないでしょうか?」
佐藤詩織、が聞いた。
「いえ。いいんですよ。国民の税金は、私たちの物なのですから」
昭恵夫人、は、微笑んだ。
わしは、聞いていて、驚いた。
総理、や、総理夫人、が、こんな、狂った感覚とは。
この国は、滅びてしまうぞ。
・・・・・・・・
わしは、金子勝、が、心配になって、金子勝、が、いる小菅拘置所に行ってみた。
わしら、ネコは、人間と違って、走るのが速い。
その上、スタミナ、があるので、いくら、長距離、走っても、疲れるということがない。
人間は、わしらと、違って、二足歩行で、しかも、自動車が出来てから、車に頼る生活になってしまったため、足腰が弱くなって、少し走っただけで、息切れしてしまう。
しかし、わしらは、四つ足で、走るのが、行動の基本だから、いくら、長距離、走っても、疲れるということがないのである。
獲物を捕るため、そして、犬から身を守るため、と、命がかかっているのである。
わしは、すぐに、小菅拘置所に着いた。
小菅拘置所は、監視塔、を中心として、6方向に、放射状に、12階建ての建物が伸びている、一風、変わった、建物だった。
警備が厳重なので、人間が、こういう大きな建物に入ることは、不可能だろう。
しかし、わしら、ネコにとっては、用意なことである。
わしは、職員用の出入り口の近くに身を潜めていて、職員が、入るのと、同時に、サー、と、拘置所の中に入った。
職員は、わしが、入ったことに、気づいていなかった。
わしは、拘置所の屋根裏に入って、屋根裏を歩いた。
人間で言うと、忍者、ということに、なるのだろうが、わしら、ネコにとっては、これが当たり前、日常茶飯事で行っている事なのだ。
なので、何の苦労もない。
わしは、拘置所の、屋根裏を歩き回った。
そして、金子勝、が、取り調べ、されている部屋を、見つけた。
わしは、てっきり、机をはさんで、検察官、が、金子勝、の、取り調べ、を行っているものだと思っていた。
しかし、現実は違った。
わしは、驚いた。
なぜなら、金子勝、が、大きな机の上に、手足を縛られて、拷問されていたからである。
「おい。このブタ野郎。今まで、さんざん、安倍総理にさからった事を、心を込めてわびろ」
と、検察官が、金子勝、の、顔を、靴で、グリグリ、踏みつけながら、言った。
「い、いいのか?民主警察がこんなことをして?」
金子勝、は、息も絶え絶えに言った。
「お前は、安倍総理に逆らう、という、大罪を犯したんだぞ。それが、悪いことだと、わからないのか?」
「日本では、言論の自由が認められているはずだぞ」
金子勝が言った。
「おい。金子。日本に言論の自由なんざ、ありゃしねーんだよ。日本は、行政、立法、司法、すべてにおいて、安倍総理さま、の御意向が決める独裁国家なんだよ」
検察官が言った。
「そ、そんなのは、無茶苦茶だ」
金子勝が言った。
「ともかく、お前は、立教大学大学院の、佐藤詩織、さん、を、犯したんだ。それを認めろ」
検察官が言った。
「え、冤罪だ。国家権力の、でっちあげ、の冤罪だ」
金子勝、は、叫んだ。
「ふふふ。国家に邪魔な、人間を、冤罪にデッチあげるのが、オレ達、検察の仕事なんだよ」
と、検察官は、笑いながら言った。
「こ、これは、安倍総理の指示なのか?」
金子勝、が聞いた。
「そうだ」
と、検察官は、堂々と言った。
「日本は、とんでもない国だ」
金子勝が言った。
「ともかく、痴漢した事を認めろ。そうすれば、命だけは、奪わないでやる」
検察官が言った。
「いやだ。そんなこと、絶対、嫌だ」
金子勝が言った。
「仕方のねー、ヤツだ。認めて、心から謝罪すれば、死刑は、勘弁して、無期懲役に、してやるよ」
そう言って、検察官は、ペンチで、金子勝、の、生爪を、剥がした。
「うぎゃー」
金子勝、が悲鳴をあげた。
何という事をしているんだ。
このままでは、金子勝、は、死んでしまうぞ。
わしは、あせって、小菅拘置所から出た。
そして、その足で、理化学研究所に、向かって、一目散に走った。
・・・・・・・・・・
数ヶ月に、理化学研究所では、長い期間をかけた、研究が、成功した、と、発表していた。
その研究とは。
人間、や、動物、の、頭に、装着する機器で、人間に、何か、過去の記憶を、思い出させる。
すると、その映像、と、音声、が、再生される、機器、の開発である。
やっと、長い年月の研究期間の後、理化学研究所では、その機器の開発に、成功したのである。
それは、「記憶回復再現装置」、と、名づけられた。
それは。
政治家の、「記憶にない」、答弁で、一向に、国会審議が、進まないこと。検察、や、警察、の取り調べ、で、取り調べの過程を、録画、録音、できないことによって、冤罪が、あとをたたない、ことに、対する、解決策として、開発されたのである。
わしは、それを、テレビのニュースで、知っていた。
・・・・・・・
わしは、理化学研究所に着いた。
わしは、人間と違い、小さな隙間があれば、どこへでも、サッ、と入れる。
高い木にも、登れるし、身のこなしも、素早い。
そもそも、体が小さい上、すばしっこい、ので、人間は、わしらを、捕まえることは、出来ない。
それに、人間ではなく、ノラ猫なので、どんな、施設に入っても、人間と違って、あやしまれる、ということも無い。
人間が、どこかの施設に、無断で入ることは、出来ないが、ノラ猫は、どんな施設に無断で入っても、怪しまれる、ということがない。
ノラ猫が、機密文書を、盗みだす、と人間には、思われていないし、危険な存在、とは、思われていないからだ。
まあ、せいぜい、エサ、を、盗まれて、食われる、から、迷惑だ、としか、思われていないのである。
しかし、実際は、ネコも、言語が話せない、というだけで、人間の、言葉は、わかるのである。
理化学研究所の、研究者たち、は、「やった。長年の研究に成功した」、と、喜んでいた。
彼らは、もうすでに、「記憶回復再現装置」、を、完成させていた。
もう、何人もの、人間で、「記憶回復再現装置」、を、装着して、過去の記憶を再現するテストにも、成功していた。
もう、すでに、NATURE、にも、発表して、認められていた。
次期、ノーベル生理学・医学賞、の受賞は明らかだった。
「記憶回復再現装置」、とは、人間の頭に、理化学研究所、が、開発した、ヘッドギアのような、装置を装着させる。
そして、それを、パソコンにつなげる。
そして、人間に、過去の記憶、を思い出させる。
そして、大きな、スクリーンを置き、パソコンのパワーポイントのスイッチを入れると、その、スクリーンに、過去の、記憶の映像、と、音声が、再現される、というもの、だった。
「やった。成功した。これで、世界が、変わる」
と、研究所たちは、喜んでいた。
わしは、彼らの、前に、出て、「ニャーゴ。ニャーゴ」、と、ことさら、大きな声で叫んだ。
「おっ。どうしたことだ?ノラ猫が、迷い込んだぞ」
「どこから、入り込んだんだ?」
「どうして、さかんに、ニャーゴ、ニャーゴ、と、叫んでいるんだろう?」
研究者たち、は、さかんに、言い合った。
「おい。もしかすると、このネコは、人間に、何か、訴えたいことが、あって、この研究室に、入って来たのかも、しれないぞ」
「ああ。そうかも、しれないな」
「・・・とすると、動物にも、高度な意志、というものがあるのかも、しれないな」
「もし、それが、わかったとしたら大発見だ」
「ともかく、このネコに、(記憶回復再現装置)、を、着けてみよう」
そう言って、研究者たち、は、わしの頭に、(記憶回復再現装置)、を、着けた。
そして、それを、パソコンにつなげた。
そして、大きな、スクリーンを置き、パソコンのパワーポイントのスイッチを入れた。
・・・・・・・・・
わしは、安倍総理の家での、安倍総理、と、昭恵夫人、の会話、佐藤詩織、と昭恵夫人、の会話、東京拘置所、での、金子勝の拷問、などを、思い出した。
すると、スクリーン、に、安倍晋三、安倍昭恵、佐藤詩織、が、会話ている様子が、音声と共に、まざまざと、あらわれた。
「おおっ。安倍総理の家だ」
「森友問題の問題は、すべて、安倍総理の命令だったのか」
「金子勝は、安倍晋三が、故意にでっちあげた、冤罪だったのか」
「検察が、公然と、拷問しているとは」
「こんな、とんでもない事を、安倍首相は命じていたのか」
研究者たち、は、唖然として言い合った。
「しかし、これも、デタラメだと、安倍晋三は、言ってくる可能性があるぞ」
「しかし、安倍総理の家には、このネコの毛、が、たくさん、見つかるはずだ」
「日にちつきの、置き時計が、写っているから、総理夫妻も、その時間に、他の所にいた、というアリバイを示すことは、出来ないだろう」
「ともかく、東京拘置所で、拷問を受けている、金子勝教授、を助けないと。このままでは、金子勝教授、が死んでしまうぞ」
そう言って、研究者たち、は、急いで、日本の全新聞社、全テレビ局、週刊文春、を、はじめとする、全てのメディアに、この、映像と音声を、送信した。
・・・・・・・
安倍晋三は、その頃、友人の、加計孝太郎、と、川奈ゴルフ場で、ゴルフをしていた。
一ホール、終えて、二人は、休憩室で、ワインを飲んでくつろいでいた。
「安倍君。加計学園の獣医学部は大丈夫だろうね?」
加計孝太郎が聞いた。
「大丈夫だ。検察には、私の、言いなりになる、黒川検事総長を任命したからな。野党のヤツラが、何と言おうと、君は、立件されないよ」
「頼もしい友達を持って、助かるよ。ところで、立教大学教授の、金子勝、は、ツイッター、やら、日刊ゲンダイ、やら、で、しつこく、君、や、安倍政権、を、批判しているが、アイツは、目障りだな」
「それも、大丈夫だ。検察の取り調べ、では、金子勝、を拷問するように、命じておいたからな。ヤツは、うんと、苦しめてから、殺すよ。マスコミには、金子勝、が、取り調べ中に、脳卒中を起こして死んだ、と、報道するよう、伝えておいたからな」
「ああ。そうか。それを聞いて、安心したよ。君の、行動力、と、決断力、は、凄いな」
あっははは、と、二人は、笑って、「カンパーイ」、と、言って、ワイングラスを、カチンと、触れ合わせた。
安倍晋三は、アランドロンの名作映画、「太陽がいっぱい」、の、ニーナ・ロータ作曲、の、バックミュージックを聞きながら、完全犯罪に成功して、幸福感に浸っている、アランドロンの気分になりきっていた。
その時である。
黒い背広を着た、複数の、目つきの鋭い男たちが、安倍晋三を、にらめつけながら、やって来た。
そして、安倍晋三の前に、仁王立ちした。
一人が、内ポケット、から、紙を取り出して、安倍晋三に見せつけた。
それは、逮捕令状だった。
検察官たちは、安倍晋三をにらみつけながら、言った。
「安倍晋三。お前を、殺人罪、誣告罪、公金横領罪、犯罪捏造罪、政治資金規正法違反、容疑で逮捕する」
えっ、どういうことだ?
安倍晋三は、わけがわからず、思わず、ワイングラスを落とした。
ガッシャーン。
ワイングラスの割れる音と同時に、安倍晋三の野望も砕け散った。


令和2年9月14日(月)擱筆

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不幸な妻の物語(小説)(上)

2020-09-08 18:43:32 | 小説
「不幸な妻の物語」

という小説を書きました。

ホームページ、「浅野浩二のHPの目次その2」

http://www5f.biglobe.ne.jp/~asanokouji/mokuji2.html

に、アップしましたので、よろしかったらご覧ください。

(原稿用紙換算234枚)

「不幸な妻の物語」

私は、これから、あまり、世の中に例のない、夫との、関係を、書こうと思います。
私が、夫と、結婚して、ありふれた、そして、月並みな、幸せな、結婚生活を送っているのであれば、私は、この手記を書く必要はありません。
私は、これから、夫との、実に、奇妙な、夫婦生活、を、書くために、この手記を書いたのです。
私は、正直に、夫との、おそらく、この世の中に例の無いであろう、奇妙な、夫婦生活、を正直に、書こうと思います。
それは、読者の方に、人間の異常心理に関して、詳しい方がいて、夫がとる、奇妙な行動の、心理を、理解できる人を、求めて、私に教えて欲しい、という、やむにやまれぬ、思いからなのです。
どうか、私を助けて下さい。
それでは、私、と、夫の、夫婦生活、を、書きます。
・・・・・・・・・・・
夫は、一流大学を出て、一流企業に就職しました。
数年は、会社の戦力として、バリバリ、働いていました。
しかし、夫は、ある事業を、やりたい、と思っていて、事業計画を、念入りに立て、会社を、数年で、退職して、事業に専念しました。
夫、は、世の中を、見る目があって、商才も、ありました。
それで、金融機関でも、夫の事業計画、を、認めてくれて、会社設立に、必要な、お金、を、融資してくれました。
夫の会社は、経営が、順調に進んで、社員も増え、年商も、どんどん増え、東証一部上場の企業となりました。
拡大再生産で、事業規模は、どんどん、大きくなっていきました。
私は、夫、が、社長秘書を、募集していたので、応募しました。
その時は、もちろん、結婚していません。
幸い、若社長は、私を秘書に採用してくれました。
私は、淡々と、秘書の仕事を、こなしました。
社長も、私に、淡々と、事務的に接するだけでした。
私は、社長、を男として、好きになりました。
しかし、社長が、私に言う事は、事務的なことだけで、個人的なこと、は、全く話しかけてきません。
私は、社長が何を考えているのか、全く、わかりませんでした。
基本的には、仕事の出来る有能な秘書を、仕事のために採用するのですから、社長と秘書の関係は、雇用者と被雇用者との関係ですから、秘書が、秘書の仕事をして、その対価として、給料を、受けとる、という関係で、あるのは、わかります。
しかし、社長は、仕事のことを、秘書に、話しますが、少しは、個人的な、会話もする、と思います。
その方が、人間関係も良好に行くと思います。
というか、それが、普通だと思います。
私は、社長が何を考えているのか、全く、わかりませんでした。
わからない、と、妄想が、色々と、ふくらみます。
もしかすると、社長は、「女に興味が無い男」、「関心は、仕事だけ、の男」、なのかも、しれない、とも、考えました。
世の中には、そういう人もいますから。
しかし、もしかすると、初心で、極度に、恥ずかしがり屋で、私に、話しかけてこないのかも、しれない、とも、考えました。
女に、食事、や、デートに誘って、女に断られたら、繊細な感性の人なら、大きな、ショックを受けてしまう、ことも、あるでしょう。
それを、おそれて、私に、話しかけてこないのかも、しれない、とも、考えました。
また、わざと、私に対して、淡泊に接することによって、私をじらそうとしているのかもしれない、とも、考えました。
実際、私は、じらされて、悶々としているのですから。
しかし、社長が、電話で、他の人と、話している態度を見ると、そんな事を、考える人のようにも思えません。
また、女を見ると、すぐに、デレデレと、話しかけてくるような、ナンパな男は、あまり魅力を感じません。
そういう点でも、社長は魅力的なのです。
しかし、もしかすると、そういう事、を、先回りして、考えて、意図的に、わざと、私に、話しかけてこないのかも、しれない、とも、私は考えました。
しかし、社長の態度を見ていると、どうしても、そうとも思えません。
ともかく、何を考えているのか、わからない人、に対しては、興味が、嫌でも、起こってしまいます。
そのため、私は、日に日に、社長に、興味が募っていくようになりました。
そして、また、社長に対して、好意を持つようになっていきました。
私は、もし、結婚を申し込まれたら、快諾しようと思うほどになりました。
しかし、社長、は、私に対しては、事務的に接するだけです。
私は、社長が、私の事を、どう思っているのか、わかりませんでした。
(社長は私のことを、どう思っているのかしら?)
日に日に、それを、知りたい欲求が、募っていきました。
・・・・・・・・・
しかし、私が、働きはじめて、3カ月、くらい経った、ある日のことです。
社長は、私に、「どうだね。今日、仕事が終わってから、一緒に食事しないかね」、と、誘ってくれました。
私は、淡泊な、態度の社長が、いきなり、食事に、誘って、くれたので、びっくりしました。
しかし、断る理由もないですし、私は、社長が、何を考えているのか、知りたくて、「はい」、と、二つ返事、で、答えました。
そして社長と、食事をしました。
銀座の、高級フランス料理店です。
私は、自分で言うのは、恐縮ですが、学生時代から、「きれい」、とか、「美人」、とか、言われ続けてきました。
大学時代は、友達に、無理矢理に、勧められて、ミスコンに出場して、優勝したことも、あります。
なので、社長は、「女に興味が無いのかしら」、とか、「関心は、事業だけ、の男」、なのかなあ、と、疑問の目で、見ていました。
それが、ある日、いきなり、食事に、誘われたので、私は、驚くと同時に、ワクワクしました。
私は、社長に、おそるおそる、ですが、色々なことを、聞いてみましたが、社長は、ブスッ、と、黙って、私の質問に、答えてくれません。
では、一体、何のために、私を食事に誘ったのでしょうか?
そんなことを、思いながら、私は、社長と、食事していました。
しかし、社長は、私の問いかけには、答えず、黙々と、食事していたのに、食事の途中で、社長は、いきなり、「京子さん。私は、仕事で、来週、一週間、ハワイに、行くんだが、よかったら、君も来ないかね?」、と、言い出しました。
私は、吃驚しました。
これが、何を意味するのか、私には、わかりませんでした。
私が、困惑していると、
「実はね。親しい、友達と、ハワイへ、行く、予定を、とっていたんだがね。友達が、急に、用事が出来て、行けなくなって、しまったんだ。JTBの、一週間のパック旅行だ。それで、二人分の、旅行が、一人、いなくなってしまって、どうしようか、キャンセルしようかと、迷っていたんだ。君が、良ければ、その穴埋め、として、君と、行きたいと、思っているんだけれど、どうかね?」
と、社長は、言いました。
私は、こんな大胆なことを、落ち着いた、様子で、話す、社長に、驚きました。
しかし、私は、社長、という、つかみどころの無い、よくわからない、人間に、興味があったので、「はい。行きます」、と、答えました。
社長は、「ありがとう。助かるよ」、と言いました。
「ホテル、は、ツイン、だけれど、それでもいいかね?」
と、社長が聞きました。
「え、ええ。かまいません」
私は、答えました。
ツイン、となると、同じ部屋に泊まることになります。
男と女が、同じ部屋に泊まるのです。
一体、どうなることやら。
しかし、こんな、大胆な事を、社長は、淡々と、あたかも、事務的な事のように、話します。
「え、ええ。かまいません」
私は、答えました。
私は、社長、という、男が、一体、どういう性格なのかを、知りたくて、その興味から、平然と、答えてしまいました。
もし、ホテルで、社長が、態度を、変えて、私に、抱きついてきても、かまわない、と、私は思っていました。
私は、生娘でも、ありませんし、それまでにも、私は、男と付き合ったことが、ありますから。
ただ、私には、社長が、私に、抱きついてくるようには、どうしても思えませんでした。
・・・・・・・・・
旅行の日が来ました。
飛行機では、私は、社長の隣に、座りました。
社長は、パソコンを開いて、何やら、仕事しています。
夜6時の出発で、ハワイ、までには、7時間、かかりました。
午前1時に、ホノルル空港、に、着きました。
ホテルは、ワイキキビーチ、沿いに、並んでいる、割と高級なホテルで、部屋からは、ワイキキビーチ、が、見えました。
部屋に入ると、私は、社長、と、二人きりになりました。
「京子さん。僕は、部屋を出て、ホテルの、ロビーにいるから、お風呂に入って下さい」
と、社長は、言いました。
律儀で、かたい性格の人なんだな、と、私は思いました。
私は、風呂に入りました。
そして、体を洗って、湯船に浸かりました。
そして、私は、風呂から出ました。
私は、ガウンを着て、携帯電話で、ロビーにいる、社長に電話をかけました。
「もしもし。私は、今、風呂から出ました」
私は、言いました。
「ああ。連絡ありがとう」
そう言って、社長は、部屋に入って来ました。
そして、社長が、風呂に入りました。
やがて、社長も、風呂から出てきました。
ツインの部屋なので、ベッドが、二つ、別れて、います。
「今日は、もう、遅いから、寝よう」
社長は、一方のベッドに、乗り、私は、もう一方の、ベッドに乗りました。
「おやすみ」
「おやすみなさい」
そして、社長は、明かりを、消しました。
私は、布団の中で、ドキドキしていました。
社長は、私の、ベッドの中に、入ってくるだろうか、それとも、入ってこないだろうか、という緊張感で。
時間は、ゆっくりと、しかし、どんどん、進んでいきます。
しかし、社長は、待っていても、私のベッドに、やって来る様子がありません。
社長の、スースー、という、寝息が聞こえてきました。
これを、聞いて、私は、「ああ。社長さん、は、私のベッドには、やって来ないな」、と思いました。
しかし、私にも、眠気が襲ってきました。
・・・・・・・
翌日になりました。
私が目を覚ますと、社長は、すでに、起きていました。
「やあ。おはよう」
「おはようございます」
「ABCストアー、で、朝食、を、買ってきたよ。食べよう」
「あっ。社長さん。ありがとうございます」
私は、礼を言って、社長、と、一緒に、朝食を食べました。
「京子さん。あなたの、ために、ビキニ、を、買ってきました。サイズが、合うかどうか。試着してみて下さい」
社長、が言いました。
「はい」
私は、脱衣場、で、社長、が、買ってきてくれた、ビキニ、を、着ました。
ピンクの、露出度も、ほとほどの程度の、フルバックの、普通の、ビキニ、でした。
私が、ビキニ、を、着て、脱衣場、から、ルームにもどると。
社長が、
「ああ。京子さん。似合っていますよ。美しい」
と、言ってくれました。
社長が、私を、女として、見てくれるのは、これが、初めてのことで、私は、とても、嬉しくなりました。
「せっかく、ハワイに、来たんだから、ワイキキビーチ、に、行きませんか?」
社長が、言いました。
「はい」
こうして、私、と、社長、は、ワイキキビーチ、に、出ました。
「Oh. Beautiful girl」
ワイキキビーチ、に、たむろして居た、男たちが、私を見るなり、言いました。
ワイキキビーチ、を、歩いていると、社長、が、そっと、私の手を握りました。
「京子さん」
「はい」
「友人が用が出来て、行けなくなった、というのは、実は、ウソです。私は、ビキニ姿の、あなたと、ワイキキビーチ、を、歩きたい、ために、あなたを、ハワイ旅行に誘ったんです」
社長、が言いました。
「あ、ありがとうございます」
社長、が、本心を言ってくれたので、私は、とても、嬉しくなりました。
「あなたほどの、美しい人の、ビキニ姿を、ぜひ、写真に撮りたかったのです」
そう言って、社長、は、デジカメ、で、パシャパシャ、と、ビキニ姿の私の写真を撮りました。
「京子さん」
社長、は、真顔になりました。
「はい」
「あ、あの。私と、結婚して頂けないでしょうか?」
突然の告白でした。
「は、はい。喜んで」
私は、顔が真っ赤にしながら答えました。
「実を言うと、あなた、を、最初に見た時から、私の心は、ときめいていました」
社長が言いました。
一旦、告白した、後では、社長、は、もう、ためらい、を、なくしたような、態度になりました。
「社長。私、最高に幸せです。社長が、いつ、それを言ってくれるか、私も、毎日、心待ちにしていました」
私は言いました。
ワイキキビーチ、を、端から端まで、歩いて、私たちは、ホテルに帰りました。
それから、一週間、私は、社長、と、ダイヤモンドヘッド、に、登ったり、ロングボード、で、サーフィン、をしたり、車で、色々な所に行ったりと、私を楽しませてくれました。
それでも、ホテルに帰ると、夜、寝る時は、社長、は、私の、ベッドに、入って来る、ということは、ありませんでした。
「きっと、婚前交渉、は、すべきでない」、という今時、古風で、律儀な信念を持っている人なのだわ。
と、私は思いました。
一週間の、ハワイ旅行が、終わって、私たちは、日本に帰ってきました。
結婚式、は、やらず、籍を入れるだけで、一週間の、ハワイ旅行、が、ハネムーン、という形になりました。
私は、「社長」、ではなく、「あなた」、と、呼ぶようになりました。
社長は、自分のパソコン、を、開いて、私に見せてくれました。
そこには、秘書の私の写真が、たくさん、乗ってありました。
「実は、隠しカメラで、君の写真を、撮っていたんだ。君が、あまりにも、美しくて、魅力的だからね」
私は、社長も、やっぱり男で、無理していたんだな、と、わかって、微笑ましく、思いました。
私は、夫の勧めで、秘書を辞めました。
そして、夫の専業主婦、となりました。
夫は、会社では、新しい秘書を採用しました。
夫は、湘南台に、大きな邸宅を、買いました。
私は、夫の勧めで、それまで住んでいた、アパートを、引き払って、湘南台に移り住みました。
そして、夫と暮らすようになりました。
夢にまで見た新婚生活が始まりました。
・・・・・・・・
しかし。
ああ。
しかし。
その、新婚生活は、私の予想していたものとは、まるで違うものでした。
私は、これから、夫との、奇妙な新婚生活を書きます。
私が、夫と、結婚して、ありふれた、そして、月並みな、幸せな、結婚生活を送っているのであれば、私は、この手記を書く必要はありません。
私は、これから、夫との、実に、奇妙な、夫婦生活、を、書くために、この手記を書いたのです。
私は、正直に、夫との、おそらく、この世の中に例の無いであろう、奇妙な、夫婦生活、を正直に、書こうと思います。
それは、読者の方に、人間の異常心理に関して、詳しい方がいて、夫がとる、奇妙な行動の、心理を、理解できる人を、求めていて、それを私に教えて欲しい、という、やむにやまれぬ、思いからなのです。
どうか、私を助けて下さい。
それでは、私、と、夫の、夫婦生活、を、書きます。
・・・・・・・・
まず、最初に驚いたことは。
夫は、結婚して、二人で、暮らすようになっても、寝室を、私と、夫とで、わけて、寝るのです。
私は、これに驚きました。
これは、一体、何のためでしょうか?
ハワイ旅行の時、夫は、私を愛してくれている、ことを、告白してくれました。
私も、夫を愛していることを、告白しました。
そして、結婚して、お互いの、気持ち、の、本音を、言い合って、結ばれた仲です。
なぜ、寝室をわける必要があるのでしょうか?
私には、その理由が、さっぱり、わかりません。
私は、夫の家に越してきた、初夜、夫が、私を抱いてくれるのを、心待ちに、していました。
ドキドキしていました。
私は、夫を、喜ばせようと、セクシーな、ランジェリー、を、買って、透け透けの、ベビードール、を、着て、寝室で、夫を待っていました。
「ああ。私たちは、いよいよ、結ばれるんだわ」
私は、ドキドキしながら、夫が、寝室に来るのを待っていました。
しかし、夫は、寝室にやって来ません。
夜、9時を過ぎ、10時を過ぎ、11時を過ぎても、夫は、やって来ません。
「どうしたのからしら?」
私の、ドキドキ感は、冷めていき、代わりに、寝室にやって来ない夫に対する疑問が、募ってきました。
私は、夫の寝室に、抜き足差し足で、そっと、行ってみました。
すると、吃驚したことに、夫は、布団をかぶって、スースー、寝息をたてて、寝ていたのです。
私は、驚きました。
ハワイ旅行の時は、結婚していませんでしたから、夫は、婚前交渉は、しない方針の、律儀な人格なのだろう、と思って、私は、むしろ、夫を、尊敬していました。
しかし、結婚した初夜には、夫は、妻を抱くはずです。
それは、新婚の、夫婦の、100%、が、していることの、はずです。
私は、もしかすると、私が、眠りに就いて、寝ている間に、そっと、やって来て、私を抱くことによって、私を、驚かそうと、思っているのかも、しれない、と思いました。
それ以外に、考えられません。
なので、私は、寝室に、戻りました。
そして、夫がやって来るのを、待ちました。
しかし、いくら待っても、夫は、やって来ません。
午前3時を過ぎました。
私は、もう、夫は、初夜で、私を抱いてくれない、と、確信し、あきらめました。
張りつめていた緊張感が、解けて、私は、いつの間にか、眠りに就きました。
翌朝。
新婚2日目の朝です。
といっても、私が目覚めたのは、午前11時、くらいです。
夫の呼びかけによって、私は、目を覚ましました。
「おーい。京子。いつまで、寝ているんだ。起きなさい」
と、夫が、私に呼びかけたのです。
「朝食を食べよう」
夫が言いました。
私は、服を着て、食卓に行きました。
食卓には、夫が、作った、トースト、と、ハムエッグ、の朝食が用意されていました。
私は、食卓につきました。
そして、「いただきます」、と言って、夫と、朝食を食べました。
私は、昨夜、夫が、私を抱いてくれなかった理由について、聞きたかったのですが、夫の明るい顔を見ていると、問い質す気には、なれませんでした。
きっと、何か、複雑な、理由があるんだろう、と思いました。
夫に、面と向かって、「どうして、昨夜、私を抱いてくれなかったの?」、と、結婚当初から、問い詰めて、夫婦間の感情を、険悪なものに、したくなかったからです。
食事が終わると、夫は、スーツを着て、玄関に行き、
「じゃあ。出かけてくるよ」
と言いました。
「いってらっしゃい」
と、私は、ニコッ、と、笑って、手を振りました。
このように、夫を、送り出す時は、普通の新婚夫婦と同じなのです。
私は、家を掃除して、買い物をして、と、普通の新妻としての、生活を始めました。
夕方になると、夫が帰ってきました。
「ただいま」
「おかえりなさい。あなた」
そうして、二人で、食事をします。
今日は、私を抱いてくれるだろうか、と、期待して、いましたが、夫は、私を抱いてくれませんでした。
私は、ガッカリしましまた。
3日目の夜も、4日目の夜も、夫は、私を抱いてくれませんでした。
5日目の、朝、私は、夫に、おそるおそる、聞いてみました。
「あ、あなた。どうして、一緒に寝てくれないの?どうして、私を抱いてくれないの?普通、男と女が結婚したら、一緒に寝るでしょ?」
私は、涙ぐみながら、聞きました。
「ああ。すまない。君には、悪い、と思っている。ちょっと、理由があるんだ。すまないが、寝室は、別々にしてもらえないか?」
夫が言いました。
「理由、って、何なの?」
私は、涙ぐみながら、聞きました。
「ちょっと、それは、言えない。君には、すまない、と思っている。ただ、君を愛していることは、神にかけて、誓うよ」
夫が言いました。
「・・・・わかったわ。問い詰めちゃって、ごめんなさい。寝室は、別々で、構いません」
と、私は、言いました。
夫には、何か、特別な理由があるんだろうと、私は、わからないまま、納得することにしました。
しかし、私には、夫が、何を考えているのか、さっぱり、わかりません。
さらに、驚いたことは、食事です。
私は、料理は、得意でした。
子供の頃から、台所で料理する母親を見るのが、私は好きでした。
そして、だんだん、私も、料理を作ってみたくなって、母親に教えてもらいながら、料理を作るようになりました。
なので、私は、たいていの料理は、作れます。
夫が、仕事が終わって、帰ってくるのが、私の楽しみでした。
私は、腕に寄りをかけて、夕食を作りました。
夫は、黙っていますが、食べてくれました。
出来ることなら、「美味しいよ」、と言って欲しかったのですが、なぜか、夫は、黙って食事します。
それでも、私の作った料理を、二人で、一緒に、食べられるだけで、私は、幸せでした。
しかし。
ああ。
しかし、です。
結婚して、1週間、ほど、過ぎた、ある日の夕食の時です。
その日は、土曜日でした。
私が、食事を作って、食卓に、食事を並べました。
「あなた。ご飯よ」
と、私は、夫を呼びました。
夫は、食卓に、やって来ました。
すると、夫は、私の両手をつかんで、背中に回し、手首を重ね合わせて、縄で後ろ手に縛ったのです。
「あ、あなた。一体、何をするの?」
私が聞いても、夫は、答えてくれません。
夫は、後ろ手に縛った、縄尻を、和室の、柱に縛りつけました。
そして、食事の、私の分を、皿に入れて、盆に載せ、私の前に、持ってきて、並べました。
「さあ。京子。アーン、と、口を開けて」
夫が言うので、私は、わけのわからないまま、アーン、と口を開けました。
夫は、私の口の中に、食事を、少量、入れました。
「さあ。しっかり、噛んで。そして、飲み込んで」
夫が言いました。
なので、私は、噛んで、飲み込みました。
私は、私が食べるのを、実に嬉しそうな顔で、見ています。
飲み込むのを、見ると、夫は、続けて、私の口に、食事を、持ってきました。
「はい。京子。アーン、と、口を開けて」
夫が言うので、私は、口を開けました。
夫は、私の口の中に、また、食事を、少量、入れました。
そして、私は、噛んで、飲み込みました。
夫は、実に、嬉しそうな顔です。
こうして、私は、後ろ手に縛られて、身動きの出来ないまま、夫に、食事を食べさせられました。
夫は、私が、作った、デザートの、杏仁豆腐、まで、全部、私に、食べさせました。
私が、食べ終わると、夫は、食卓にもどって、夕食の自分の分を、食べました。
夫が食事を、食べ終わると、私の後ろ手の縄を解いてくれました。
「あ、あなた。何でこんなことをするの?」
私は、聞きました。
すると、夫は、「すまない。すまない」、と言って、誤魔化し笑いをするのです。
一体、これは、何なんでしょう?
私は、私の作った、食事を、夫と一緒にするのが、数少ない、私の、楽しみなのです。
私は夫が、何を考えているのか、さっぱり、わかりません。
その日から、夫は、毎日では、ありませんが、時々、私を、後ろ手に縛って、私に食べさせる、という、ことをするようになったのです。
まるで、押し入り強盗が人質に、食事させる時のようです。
あるいは、私を、人形のように、夫は、あつかうのです。
私は、夫と、楽しく、会話、しながら、食事を楽しみたい、と、思っていたのに、その楽しみも、危うくなりました。
一体、何のために、こんな事をするのでしょう?
私には、まるで、わかりません。
ともかく、その日、以来、土曜日の夕食は、夫が私を、後ろ手に縛って、食べさせる事になってしまいました。
私は、夫に、もう、何で、こんな事をするのか、問い詰める気には、なれませんでした。
夫婦なのに、寝室も、別々ですし、その理由は、全く、わかりません。
なので、この異常な、食事、も、夫に、聞いても、まず、その理由を答えてくれない、だろうと、私は、確信していましたから。
私は、土曜日が、こわくなりました。
・・・・・・・・
私は夕食を作ります。
その間に主人は、風呂に入ります。
夫は長風呂で、私は出来たての食事を食卓に並べて、ホカホカのご飯、鍋から湯気が出ている、みそ汁、の、前に正座して、うつむいています。
これから、の、食事の事を思うと、耐えられないほど、さみしくなるのです。
というのは、主人は、風呂から、出てくると、正座している、私の手を、背中に回して、手首を縛るからです。
そして、私の分の、ご飯、と、みそ汁、を、よそい、箸で、食事を私の口に、少しづつ、入れるのです。
私が、モグモグ、噛んで、飲み込むのを、確認すると、すぐに、また、箸で、私の口の中に入れるのです。
まるで、人質に、食事を食べさせるようです。
私は、主人に、食事をよそってあげて、楽しく会話しながら、一緒に、食べたいのに。
せめて、主人と、楽しく話しながら、食べられるのなら、まだ、いいのですが、それは、出来ません。
主人は、私が話しかけたり、笑顔を作ったり、すると怒るのです。
私が、さびしそうな、顔をすると、主人は、喜ぶのです。
食事の間、は、全くの無言です。
私は、何も話せませんし、主人も、何も話しません。
そして、食事が終わると、主人は、冷めかけた、料理を、ダイニングテーブル、に、持って行き、一人で食べるのです。
この時、私は、じっと座って、いなくてはなりません。振り返って、主人を、見たり、主人の所に行ったり、すると、主人は、怒るのです。
そして、主人が、食べ終わると、やっと、私の縛めを、解いてくれるのです。
私が、食器洗いに、かかるのと、主人は、書斎に入ってしまうのです。
・・・・・・・・
ある日の夜、寝室を覗いた時のことです。
そっと、覗きました。主人がいる時です。
一体、何をしているのかと、思って。
あれを、初めて見た時の、驚きは、忘れません。
主人は、私のパンティーを、鼻に当てて、一心に、貪り嗅ぎながら、
「ああ。愛してるよ。京子」
と、叫んでいたのです。
「ああー。いくー」
と言って、主人は、おちんちん、を、しごきながら、オナニーしていたのです。
私は、びっくりしました。
そんなに、私を愛してくれているのなら、どうして、私を抱きしめてくれないのか、私は、主人の精神構造が、全くわかりません。
・・・・・・・
私と主人は、別の部屋に寝ます。
一緒に寝ることを、主人が、許してくれないからです。
結婚当初、私が、一人で、寝入っていた時のことです。
足の辺り、に、何かが、うごめいている感触で、私は起こされました。
吃驚して、私の体が、ビクッ、と、震えました。
私が、起きたことを、気づいたためでしょう。
私が、寝ている間に、主人が私の体をまさぐっていたのです。
私が起きたことを、主人は気づいたのでしょう。
主人は、逃げるように、去って行きました。
・・・・・・・・・・・・
休日。
それは、私にとって、耐えられないほど、つらい日です。
休日が近づいてくると、私はこわくなってきます。
なぜなら、主人が、色々な方法で、私を困らせるからです。
・・・・・・・・・・
休日の昼、主人は、私を、大きな和室に、連れて行きます。
そして、私を、後ろ手に縛り、その縄尻を、天井の梁に引っ掛けて、私を吊るすのです。
服は、ブラウス、と、スカート、を着たままです。
「あなた。お願い。許して」
私が、そう、頼んでも、夫は、決して、許してくれません。
これから、何が、起こるか、と思うと、死にたいほど、こわくなります。
主人が、それ、を、始めるようになったのは、私達夫婦が、この土地に、越してきてから、三ヵ月、ほど、経ってからです。
私は、この土地に越してきて、買い物は、近くの、商店街で、していました。
八百屋。魚屋。肉屋。果実店。米屋。豆腐屋、が、近くにあるのです。
私は、車を運転できませんから、買い物は、そこの、商店街で、していました。
初めの頃は、店の主人たちは、
「いやー。奥さん。きれいだなー」
「奥さんのような、絶世の美人が、買い物に、来てくれるので、生活にハリがでますよ」
「奥さんのような、美人を、見れるなんて、幸せです」
「奥さんは、私の女神さまです」
などと、言ってくれました。
私も、少し、恥ずかしく、照れくさくは、ありましたが、私も、嬉しかったのは、言うまでもありません。
「きれい」、と言われたり、「女神さま」、などと、言われて、嬉しくならない女は、いないでしょう。
だから、商店街での、買い物も、私にとっても、楽しみ、でした。
私は、ちょっと、というより、かなり、得意になっていました。
時には、
「奥さんの、ビキニ姿、見てみたいなー」
とか、
「奥さんは、悩まし過ぎる。私は、毎晩、奥さん、の色気に悩まされています」
などと、ふざけて、言う時もありました。
そんな時、私は、「ふふふ。ごめんなさい」、と、優越感を持って、返事しました。
美人に生まれついた女の優越感、とでも、申しましょうか。
その快感に浸っていました。
半年、くらいは、私は、買い物に行く度に、その、幸せな、心地よさ、を、感じていました。
私も、商店街の主人たちと、仲良くなりました。
しかしです。
半年くらい経ったある日、のことです。
主人は、私を、六畳の和室へ、連れて行きました。
そして、私を、後ろ手に縛り、その縄尻を、天井の梁に引っ掛けて、私を吊るしたのです。
服は、ブラウス、と、スカート、を着たままです。
私は、立ったまま、モジモジしていました。
「あなた。一体、何をするの?」
と、聞いても、答えてくれません。
主人は、携帯電話を、取り出して、誰かと、話しだしました。
複数の人のようです。
一体、誰と、何を話しているのか、私は、不安に、駆られました。
私は、縄尻を、梁にかけられているので、座ることが出来ず、たったままです。
しばしの時間が経ちました。
ドヤドヤ、と、家に、人が、やって来ました。
その人達、を、見て、私は、吃驚しました。
なぜなら、彼らは、いつも、買い物をしている、八百屋。魚屋。肉屋。果実店。米屋。豆腐屋、など、私を、崇拝している、商店の、主人たち、だったからです。
夫は、
「さあ。さっきも、電話で、言ったが、私の妻を、あなた達に、貸すから、オモチャにして、何でも、好きなことを、してくれ」
と、言いました。
私は、吃驚しました。
「そうですか。御主人。それは、どうも、有難うございます」
と、言って、店主たちは、私を、取り囲むように、座りました。
いつもは、私が、彼らの、崇拝の対象なのに、それが、今では、自由の利かない身を、彼らに、晒しているのです。
私は、彼らの、刺すような、目が、こわくなって、脚を、ピッチリ、閉じ合わせました。
「いやあ。奥さん。実に、きれいですなー」
一人が、言いました。
「奥さんの、清楚な姿を、こうして、まじまじ、と、見ることが、出来るとは、思ってもいませんでした」
別の一人が、言いました。
服を着ているとは、いえ、自由の利かない、身を、取り囲まれて、まじまじ、と、見られるのは、この上なく、こわいものです。
まるで、私は、彼らに、捕まえられた、ような、感覚になりました。
彼らは、しばし、私の、体の隅々、まで、見ているようでした。
しばしして。
「では。御主人が、何をしても、いいと、言ったので、お言葉に甘えて・・・」
そう言って、彼らは、私に、近づいてきました。
そして、彼らは、私の、太腿、を、触ったり、尻を撫でたり、髪を撫でたり、胸を
触ったりと、私の、体を、弄びだしました。
「あっ。嫌っ。やめて」
と、私は、思わず、叫びました。
しかし、彼らは、聞く耳を持ちません。
「いや。奥さん。御主人が、何をしても、いいと、言ったのですから・・・触らせてもらいますよ」
「いやー。私は、奥さんの、美しい体を、一度、触ってみたいと、思っていたんです。夢にまで、憧れていました。夢、かなったりですな」
「私もだ」
「私もだ」
そう言って、彼らは、私の体を、思うさま、触りまくりました。
「ああー。きれいな脚だー」
と、言って、私の太腿を、抱きしめて、頬ずりしたり、私の、尻を、スカートの上から、撫でたり、私の、胸を、ブラウスの上から、触ったりしました。
私は、後ろ手に縛られた、縄尻を、天井の梁に、吊るされているので、どうすることも、出来ません。
私は、服を着た状態で、彼らに、弄ばれました。
「では、そろそろ、服を、脱がしましょう」
一人が言い出しました。
「そうですな」
「賛成」
そう言って、彼らは、ブラウスのボタンを外していきました。
「や、やめてー」
私は、叫びましたが、彼らは、聞いてくれません。
そして、ブラウス、を、脱がせました。
彼らは、私から、ブラウスを抜きとりました。
ブラウスの下は、白い、ブラジャーです。
白いブラジャー、が、露わになりました。
そして、彼らは、私の履いている、スカート、も、降ろしていき、足から、抜きとりました。
私は、ブラジャー、と、パンティー、だけ、という、みじめな姿です。
私は、恥ずかしくて、消え入りたい気持ちでした。
「み、見ないで」
私は、思わず、言いました。
「いやー。奥さんの、下着姿、とっても美しいですな」
「ビキニ姿と同じだ」
「抜群のプロポーションだ」
「奥さんが、買い物に来る時、私は、いつも、今日は、奥さんは、どんな、パンティーを履いているのだろうか、と、気になって仕方がなかったんです。まさに、夢、かなったりですな」
「大きな、二つの、おっぱい、が、ブラジャーに、はちきれんばかりに、収まっていて、悩ましいですなー」
「大きな、お尻、も、ピッチリと、パンティー、に、収まっていますなー」
「パンティー、の前は、モッコリ、膨らんでいて、とても、セクシーですな」
店主たちは、口々に、下着姿の私を、品評しました。
私は、恥ずかしくて、太腿を、ピッチリ、閉じました。
しばし、店主たちは、私の、下着姿を、心ゆくまで、鑑賞していました。
「も、もう、我慢できん」
「わしもじゃ」
「わしもじゃ」
そう言って、店主たちは、ブラジャー、と、パンティー、だけの、下着姿の私に、近づいて、私の体を、触り始めました。
さっきは、服の上から、でしたが、今は、下着だけの体です。
太腿も、腹も、すべて、露出されています。

胸と腰に、ブラジャー、と、パンティー、という、極めて小さく、薄い、布が、女の性器を隠す目的のためだけに、貼りついているだけであって、それは、もう、裸と同じです。
店主たちは、裸同然の、私の体を、触り出しました。
店主たちは、私の、太腿に、しがみついて、頬ずりしたり、私の乳房を覆っている、薄い、ブラジャー、の上から、私の胸を、触ったりしました。
「ああ。温かい。柔らかい。おなごの肌は、何て、心地いい感触じゃ」
そう言いながら、店主たちは、私の柔肌を、心地ゆくまで、触りまくりました。
そして、パンティー、の上から、女の恥肉の、盛り上がり、を、つまんだり、パンティー、の縁から、中に、手を入れたり、胸に、ピッタリ、貼りついている、ブラジャー、の上から、私の、乳房を、揉んだり、ブラジャー、の上から、乳首を、コリコリ、させたりしました。
店主たちの、執拗な、愛撫に、私は、
「ああー。やめてー」
と、叫びました。
しかし、店主たちの、愛撫の心地よさに、私は、感じていました。
私の乳首は、興奮のため、尖り出し、私の、パンティー、は、快感のため、分泌された愛液、が、染み出していました。
「おお。京子さんは、感じているぞ。乳首も尖っているし、愛液も、染み出してきたぞ」
店主が言いました。
店主は、愛液が、染み出している、私の、パンティー、の、恥肉の、盛り上がり、の部分に、鼻先を、つけて、クンクンと、そこの、部分の、匂い、を、嗅ぎました。
「ああ。素晴らしい、いい匂いじゃ。若い女子の匂いじゃ」
そう、店主は、感嘆しました。
「ほう。どれどれ。わしにも、ぜひ、嗅がせてくれ」
店主たちは、そう言って、一人ずつ、順番に、私の、パンティー、の、染み、の部分に鼻先を当てて、匂いを嗅いぎました。
「ああ。女子の匂いじゃ。癒されるわ」
全員、嗅いだ後、店主たちは、心地よげに言いました。
私は、恥ずかしくて、消えて無くなりたい思いでした。
「じゃあ、下着姿も、たっぷり、見たことだし、今度は、いよいよ、京子さんの、全裸姿を、見せてもらおうか」
「おう。そうじゃ。そうじゃ」
「賛成」
と、言い出しました。
私は、真っ青になりました。
「やめてー」
私は叫びました。
しかし、私は、後ろ手に、縛られて、吊るされているので、抵抗することが、出来ません。
一人が、私に、近づいてきて、私の、ブラジャー、の、ホックを、外しました。
ブラジャー、が外れて、私の、二つの乳房が、プルンと、弾け出ました。
「おおっ。すごい」
皆、私の、視線が、私の、乳房に集まりました。
男は、次は、腰を屈めて、私の、パンティー、の、縁をつかみました。
そして、ゆっくりと、パンティー、を、下げていき、ついに、私の足から、パンティー、を、抜きとりました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
私は、パンティー、も、ブラジャー、も、剥ぎとられて、覆う物、何一つない、全裸になりました。
「おおっ。すごい。ムッチリとした、大きな尻じゃ」
「ムッチリ、閉じ合わさって、すごく、セクシーじゃな」
女は、乳房、と、マンコ、尻、の、三カ所は、どうしても、隠さなくてはなりません。
しかし、私は、後ろ手に、縛られているので、三カ所とも、隠すことが、出来ません。
その中でも、一番、恥ずかしい所は、言うまでもなく、まんこ、です。
私は、太腿を、ピッチリ、閉じ合わせました。
しかし、ああ、悲しいことに、私の、まんこ、の、割れ目は、見えてしまうのです。
というのは、夫が、私に、風呂に入った時には、恥毛、を、全部、剃るように、命じているからです。
なので、私の、まんこ、は、子供のように、無毛です。
なので、太腿を、ピッチリ、閉じ合わせても、まんこ、の割れ目が、見えてしまうのです。
「おおっ。京子さんの、まんこ、の、割れ目が、クッキリと見えるぞ」
「アソコの毛を剃っているからな」
「しかし、どうして、アソコの毛を剃っているんじゃろ?」
「それは、わしらに、アソコの割れ目を見せるため、じゃろ」
などと、言います。
「み、見ないで。お願いです。見ないで下さい」
私は、腰を、モジつかせながら、訴えました。
しかし、彼らは、私の、哀願など、聞いてくれません。
彼らの視線が、私の体の隅々まで、なめるように、這っている、かと思うと、私は、消え入りたい、と思うほど、でした。
私から、ブラジャー、と、パンティー、を、抜きとった男は、パンティー、のクロッチ部分に、鼻を当てて、匂いを嗅いでいました。
恥ずかしいことに、私は、さっき、さんざん、彼らに、弄ばれた時、私は、興奮してしまい、パンティー、には、私の、愛液、が、ベットリ、と、くっついて、いました。
彼は、私の、愛液、が、ベットリ、と、くっついている、パンティー、を、鼻に当て、
「ああ。いい匂いじゃ」
と、酩酊しています。
それを、見ていた、他の男たちは、
「わしにも嗅がせてくれ」
「わしにも嗅がせてくれ」
と、要求しました。
それで、私を、取り囲んでいる、男たちは、順番に、私のパンティー、を回していきました。
私の、パンティー、を、受け取った、男は、すぐに、私の、愛液、が、ベットリ、と、くっついている、パンティー、を、鼻に当て、
「ああ。いい匂いじゃ」
と、酩酊して言います。
彼らは、私の、裸の立ち姿を、涎を流しながら、食い入るように、見ていましたが、とうとう、一人が、
「ああー。もう、見るだけでは、我慢できん」
と言って、私の所に、駆け寄ってきて、私を、背後から、抱きしめました。
すると、
「わしもじゃ」
「わしもじゃ」
と言って、店主たちは、一斉に、私の所に、詰め寄ってきました。
そして、ある者が、私の背後から、私の、乳房を、揉んだり、乳首を、コリコリさせ出しました。
二人の男が、私の、右脚、と、左脚、を、つかんで、太腿に、さかんに、頬ずりし出しました。
ある者は、私の、まんこ、に、顔をつけんばかりに、私の正面に、ドッカと、座りました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
ある者は、私の尻に、頬ずり、しました。
彼は、何とか、私の、尻の割れ目を、広げようと、し出しました。
「やめてー」
私は叫びましたが、彼らは、聞いてくれません。
私は、お尻の肉に力を入れて、何とか、お尻の割れ目を、開かれないよう、お尻の割れ目を閉じていました。
まんこ、も、見られないよう、私は、太腿を、ピッチリ、閉じていました。
「まんこ、を、もっと見たいな」
私の前に、座っている男が言いました。
「尻の穴も、見てみたいな」
私の尻を、愛撫していた男が言いました。
私の、右脚を愛撫していた男、と、私の、左脚を愛撫していた男、が、顔を見合わせて、ニヤリ、と、笑いました。
二人は、私の、足首を、それぞれ、つかみました。
そして、「そーれ」、と、掛け声をかけて、左右に、思い切り、引っ張りだしました。
私は、「やめてー」、と、叫んで、必死で、足を広げられないよう、抵抗しました。
しかし、か弱い女の力では、力のある男二人に、足首をつかんで、引っ張られては、とても、太刀打ちできるものでは、ありません。
ピッチリ、閉じていた私の足は、大きく、左右に、引っ張られてしまいました。
もう、尻の穴、も、まんこ、も、股間の全てが、丸見えです。
「ああー。やめてー」
私は叫びましたが、どうする術もありません。
「おおっ。まんこ、の割れ目が、ハッキリと、見えたぞ」
そう言って、私の前に胡坐をかいていた男は、言いました。
「尻の穴も、ポッカリ、丸見えだ。キュッ、と窄まっているが・・・それが、かえって、可愛いが・・・」
私の尻を愛撫していた男、が、言いました。
そして、彼は、指先で、私の、開かれた、尻の割れ目、を、スー、と、なぞりました。
尻の割れ目、など、人に触られたことがないので、その刺激に、私は、発狂しそうでした。
「ああー。やめてー」
私は、叫びました。
しかし、男は、やめません。
それどころか、男は、何度も、私の、開かれた、尻の割れ目、を、スー、と、なぞり、そして、窄まった、尻の穴、を、広げようとしました。
「ひいー」
私は、悲鳴をあげました。
私の、背後から、私の、乳房を、揉んでいた男は、私の、乳房、や、乳首、の愛撫を執拗に続けています。
彼は、私の乳首を、コリコリさせています。
私の、乳首が尖りだしました。
「おお。京子さんは、感じているぞ」
男は、ことさら、大げさに、勝ち誇ったように、言いました。
口惜しいことですが、こうまで、何人もの、男に、よってたかって、性感帯を刺激されれば、口では、嫌、と言いながらも、女は、感じてしまいます。
女のかなしい性です。
私の前で、胡坐をかいて、私の性器を見ていた男も、
「おおっ。京子さんの、まんこ、の、割れ目、が、ハッキリと、丸見えになったぞ。閉じられているが、愛液が、ドロドロ出ているぞ」
と、言いました。
彼は、私の、まんこ、を、思うさま触り、そして、まんこ、の割れ目に、指を入れてきました。
「や、やめて。お願い」
私は、そう言いながらも、彼の愛撫に、感じてしまい、私の、アソコ、からは、粘っこい、愛液が、ドロドロと、出てきました。
「おお。京子さんの、まんこ、から、愛液が、どんどん、出てきたぞ」
そう言って、彼は、私の、まんこ、に、顔を近づけて、舌を出して、私の、まんこ、を、ベロベロと、舐めました。
彼は、私の、分泌した愛液を、全部、舐め、ゴクリと、飲み込みました。
「ああ。京子さんの、まんこ、を舐めてしまった。その上、愛液まで、飲んでしまった」
と、感慨深そうに言いました。
彼は、私が、感じていることを、知って、さかんに、私の、まんこ、に指を入れて、私の、膣を刺激しました。
彼は、私の、Gスポット、をさかんに、刺激しました。
「わしにも、京子さんの、まんこ、を、舐めさせてくれ」
そう言って、彼らは、代わる代わる、私の前に座り、私の、まんこ、を、舐めて、私の、愛液を、飲み込みました。
私は、乳首を、コリコリされ、尻の割れ目を、指でなぞられ、Gスポット、を、刺激され、私は、もう、どうとでもして、という、捨て鉢な気持ちになっていました。
そして、全裸を、見られ、弄ばれていることも、それに、抵抗するどころか、むしろ、その快感を、もっと、貪りたい、気持ちに、変わっていました。
「も、もう。どうとでも、好きなようにして」
私は、捨て鉢になって、そう言ってしまいました。
「おう。とうとう、京子さんが、わしらの、愛撫を、受け入れる気になったぞ」
「じゃあ、もっと、愛撫を激しくしろ」
と、彼らは、言いました。
私は、感じてしまい、だんだん、ハアハア、と、息が荒くなっていきました。
それは、彼らも同じでした。
彼らも、だんだんと、ハアハア、と、息が荒くなり出しました。
「も、もう。我慢できん」
そう言って、彼らは、ズボンのベルトを、緩め、ズボンを脱ぎ、そして、パンツも、脱ぎました。
彼らの、おちんちん、は、全員、ビンビンに、勃起していました。
彼らは、片手で、自分の、勃起した、おちんちん、を、しごきながら、片手で、私の、乳首、や、尻の穴、や、まんこ、を、刺激しだしました。
今までより、いっそう激しく。
私は、オルガズムの予兆を感じました。
「ああー。いっちゃいそう」
私は、見えも外聞も忘れて、言いました。
「わしらも、出そうじゃ」
「京子さん。一緒にいこう」
彼らは、ハアハア、と、息を荒くしながら、おちんちん、を、しごく、度合いを速めると、同時に、私に対する、責め、の度合いも、速めました。
「ああー。いくー」
私は、叫びました。
「ああー。出るー」
彼らも、叫びました。
彼らは、一斉に、射精しました。
溜まっていた精液が、放物線を描いて、大量に、放出されました。
それと、同時に、私も、オルガズム、のエクスタシーに、達しました。
「ああー。いくー」
私は叫びました。
私は、全身を、ガクガクさせていましたが、だんだんと、オルガズムの興奮が、おさまってまきした。
私は、ガックリと、脱力して、項垂れました。
男たちも、精液を出し切ると、
「はあ。気持ちよかった」
と、言って、私の体から、手を放しました。
「京子さん。今まで、立ちっぱなし、で、つらかったじゃろ」
そう言って、一人が、私を天井の梁に吊っていた、後ろ手の、縄の縄尻を、解いてくれました。
私は、後ろ手の縄の縄尻が解けて、ガックリと、畳の上に、倒れ伏しました。
オルガズムの後の、虚無感から、私は、何をする気力も出ませんでした。
ただただ、丸裸で、後ろ手に縛られたまま、畳の上に、突っ伏していました。
店主たちも、精液を出し切って、もう、これ以上、私に触ろうとは、しませんでした。
彼らは、ティッシュペーパー、で、射精した精液を拭き取りました。
そして、パンツ、を履いて、ズボンも、履きました。
「京子さん。今日は、どうも有難う」
「今日は、最高に、いい一日じゃった」
そう言って、彼らは、去って行きました。
・・・・・・・・
日が暮れてきました。
しかし、私は、今日の疲れから、何をする気力も出ず、また、後ろ手に縛られているので、服をきることも出来ず、グッタリと、畳の上に、寝ていました。
しばしして。
夫がやって来ました。
「京子。つらかっただろう。ゴメンな」
そう言って、夫は、蒸しタオル、で、私の、汗だくの体をふいてくれました。
そして、私の足に、パンティー、を、くぐらせて、引き上げ、パンティー、を履かせ、そして、ブラジャー、も、つけてくれました。
そして、後ろ手の縄、を、解いてくれました。
しかし、手が自由になっても、私は、何もする気がしませんでした。
夫は、私に、スカート、を、履かせ、ブラウス、を、着せてくれました。
これで、私は、元の姿に戻りました。
「京子。つらかっただろう。ゴメンな」
そう言って、夫は、私を抱きしめてくれました。
私は、「うわーん」、と、泣き出しました。
あんな、ひどい事をしておいて、その後に、夫は、優しく私を、抱きしめてくれるのです。
「あなた。どうして、あんな、ひどい事をするの?」
と、私が聞くと、夫は、
「それは、お前を愛しているからさ」
と言うのです。
夫の口調には、ウソは感じられません。
私は、夫の精神構造が、全く理解できませんでした。
しかし、夫が、私を、愛してくれている、ことは、夫の優しい口調、や、態度、から、ウソを言っているとは、全く思えません。
私は、わけがわからなくなりました。
「あなた。もう、私。恥ずかしくて、商店街に、買い物には行けないわ」
と、私が言うと、夫は、
「ごめんな。本当にごめんな」
と、謝ります。
謝るくらいなら、どうして、あんな事を、夫は、するのでしょう?
私には、まったく、わかりません。
私は、今後、二度と、あの商店街には行くまいと、心の中で誓いました。
そして、その夜は、寝ました。
夫と別の部屋で。
以前にも、言いましたが、結婚してから、私は、夫と一緒に寝ることを、夫が許してくれないのです。
その日の夜中のことです。
私は、なかなか、寝つけなかったので、夫の寝室に、そっと、行ってみました。
私は、そー、と、夫の寝室の戸を開けてみました。
私は、驚きました。
なぜなら、夫が、今日、私が、商店街の店主たちに、弄ばれた、ビデオを観ながら、オナニーしていたからです。
夫は、「ああ。京子。愛している」、と言いながら、おちんちん、を、しごいていました。
そして、ビデオを観ながら、だんだん、ハアハア、と、興奮していき、とうとう、
「ああー。出るー」
と、言って射精しました。
私は、夫に気づかれないよう、急いで、その場を離れました。
私は、自分の部屋に戻って、ベッドに潜り込みました。
そして、考えました。
一体、これは、どういう事でしょう?
私には、さっぱり、理解できません。
私を、愛してくれているのなら、なぜ、私を抱いてくれないのでしょうか?
翌日になりました。
「じゃあ、京子。行ってくる」
と、言って、主人は、家を出て、会社に向かいました。
「いってらっしゃい。あなた」
と、私は、月並みな、挨拶で、主人を見送りました。
私は、昨日の、恥ずかしい事から、とても、一番近くの、商店街には、行く気には、なれませんでした。
なので、私は、バスに乗って、少し、離れた所にある、スーパーで、買い物をしました。
・・・・・・・・
そんなことで、2週間ほどが、経ちました。
ある日の夕方のことです。
主人が、夕食を食べながら、言いました。
「京子。お前、この頃、バスで、遠くのスーパーに、行って、買い物、をしているんだな」
と、主人が、言いました。
「え、ええ」
私は、答えました。
「どうして、知っているのですか?」
私が、主人に聞きました。
「そりゃー。仕事の帰りがけに、商店街に、立ち寄ったら、この頃、奥さんが、買い物に、来ないのですが、何か、体の具合でも、悪いのですか?と、聞かれたからだ」
と夫は、言いました。
「商店街の店主たちは、お前のことを、気にしていたぞ。あそこの商店街は、産地直送だから、美味いんだ。これから、買い物、をする時は、あの商店街でしろ」
と、主人は、言いました。
「え、ええ」
私は、仕方なく、頷きました。
翌日。
「じゃあ、京子。行ってくる。今日は、ちゃんと、商店街で買い物するんだぞ」
と、念を押して、主人は、家を出て、会社に向かいました。
「は、はい。いってらっしゃい。あなた」
と、私は、月並みな、挨拶で、主人を見送りました。
私は、家の掃除をして、昼ご飯を食べました。
私は、商店街には、どうしても、行きたくありませんでした。
しかし、夫の命令には、さからえません。
私は、大きな、買い物籠を持って、家を出ました。
商店街が、見えてきました。
私は、足が、ガクガク、震え出しました。
商店街の店主たちが、集まって、何か話しているのが、見えました。
私は、やっぱり、どうしても、あの人たちに、会うのが、こわくて、足が竦んでしまいました。
すると、ボソボソ、と、何か、集まって、話していた、商店街の店主たちが、私に気づきました。
一人が、気づくと、皆が、私の方を見ました。
ニヤニヤ、笑っています。
「ここに住んでいる以上、あの商店街を避けて、生きていくことは出来ない」
ということ、は、事実なのです。
私は、おそるおそる、彼らの所に行きました。
「やあ。奥さん。お久しぶり」
と、一人が、ニヤニヤ笑いながら、挨拶してきました。
彼らは、わっ、と、私を取り囲みました。
「ふふふ。あいかわらず、綺麗ですなー」
「ブラウスの下に、ブラジャー、の肩紐が、透けて見えますよ」
などと、言います。
私は、薄い、ブラウス、は、着たくなかったのですが、今は、夏、真っ盛りです。
厚手の服など、着れません。
私は、薄いブラウス、と、短いスカート、という、薄着です。
夫が、私に、膝上の、タイトスカート、を、履くように、命じるので、私は、恥ずかしいのですが、仕方なく、履いているのです。
「ふふふ。奥さん。タイトスカート、が、お尻に、ピッチリ、貼りついて、パンティーラインが、見えますよ。とても、セクシーですよ」
「今日は、どんな、パンティー、を履いているんだろうな?」
などと、言います。
「あ、あの。私。買い物に来たんです」
と、私が言うと、店主たちは、
「まあ。いいじゃないですか。奥さん。もう、奥さん、とは、他人じゃないんですから」
「奥さんの、パンティー、の中まで、見て、奥さんの、まんこ、を舐めた仲じゃないですか」
などと、ニヤニヤ笑って言います。
「どうです。よかったら、家に上がって、お茶でも、飲んでいきませんか?」
と、店主たちは、言います。
「い、いえ。私は、買い物に来たのです。どうか、品物を売って下さい」
と、半泣きになって、訴えました。
「そうですか。それは、残念ですな。では、お売りしましょう。何を買いに来られたんですか?」
などと、言います。
客が、買い物に、来たのに、それを、(残念だな)、などと言う、店主が、この世にいるでしょうか?
ともかく、私は、店に入って、必要な、食材を、とって、
「これを、下さい」
と、言いました。すると、店主たちは、
「毎度、毎度。ありがとうございます」
と、丁寧に言いました。
私が、商品の代金を、払おうと、財布から、お札を出すと、店主たちは、
「いやあ。奥さん。お金なんて、いりませんよ」
と、言います。
私は、仕方なく、お金を払わずに、必要な、食材を、買って、家にもどってきました。
そして、夕食の支度をしました。
やがて、主人が、帰ってきました。
「ただいま」
「おかえりなさい。あなた」
主人は、風呂に入った後、私と、夕食の食卓につきました。
「あなた。今日、商店街に行きました。店主たちは、私に、なれなれしい態度で、私を、いやらしい目つきで、見て、いやらしい言葉をかけてきました。私は、恥ずかしくて、仕方がありませんでした」
と、私は、言いました。
「そうか。それは、気の毒だったな」
夫が、言いました。
「私、もう、あの商店街には、行きません」
私は、キッパリと、言いました。
「じゃあ、それでも、いいよ」
と、夫は言いました。
私は、それからは、もう、あの商店街に、買い物に行くことを、やめました。
バスに乗って、少し、遠い、スーパーで、買い物をするように、なりました。
・・・・・・・
2週間、ほど、経った、ある日の事です。
「今週の土曜日、たくさんの、お客が来て、宴会をするから、豪華な料理を作ってくれ」
と、主人が言いました。
「はい。わかりました」
と、私は、言いました。
・・・・・・・・
土曜日になりました。
私は、手に寄りをかけて、豪華な料理をつくりました。
昼頃になりました。
ドヤドヤ、と、人がやって来ました。
今日の宴会の人達、だろうと、思いました。
私は、「いらっしやいませ」、と言って、料理を持って、客間に、行きました。
私は、びっくりしました。
あやうく、持っていた料理を、落としてしまいそうになるところでした。
なぜなら、客人たちは、商店街の店主たち、だったからです。
私は、頭が混乱しました。
私は、客とは、夫の会社の、関係者だろうと、思っていたからです。
商店街の店主たちは、ニヤニヤ、笑って、
「やあ。奥さん。お久しぶり」
「あいかわらず、お綺麗ですな」
などと、いやらしい目つき、で、私を見ます。
私は、彼らには、もう会いたくない、と思っていたのですが、宴会の客人として、来た以上、仕方ありません。
誰であろうと、客は、もてなさなければなりません。
私は、彼らに、手に寄りをかけて、つくった料理を、配りました。
「いやー。奥さんの料理は、素晴らしいな」
と、彼らは、言います。
私は、当然、彼らに、酒も出しました。
彼らは、「旨い。旨い」、と言いながら、料理を食べました。
「奥さん。お酌をしてくれませんか?」
彼らが、言いました。
客人を、もてなすためには、断るわけには、いきません。
私は、商店街の主人たちの持っている、盃に、酌をして、彼らの持っている、盃に、酒を注いで回りました。
「いやあ。奥さん。どうも、ありがとう」
そう言って、彼らは、美味そうに、酒を飲みました。
「奥さん。もう一杯、お願いします」
商店街の主人たちが、言う度に、私は、彼らに、「どうぞ」、と言って、酌をして回りました。
私は、客人を、もてなす接待ですから、そっけない態度はとれません。
笑顔で、彼らに、「どうぞ」、と、もてなしました。
彼らは、料理を食べ終わって、酒を飲んで、心地よい顔つきで、私を見ています。
「いやあ。奥さんの、料理は天下一品だ」
「奥さんのような、奇麗な人に、もてなされながら、食べると、なおさら、美味い」
などと、言います。
「奥さん。もう一杯、注いで下さい」
一人が言いました。
私は、彼の盃に、酒を注ごうとしました。
すると、彼は、私の、手を、ガッシリと、つかみました。
「な、何をするんですか?」
私は、焦りました。
しかし、彼は、手を放しません。
「いいじゃないですか。奥さん。私たちは、奥さん、とは、他人の関係ではないんですから」
「奥さん。恋しい奥さん、が、店に来てくれないものだから、奥さんの柔肌が恋しくて、もう、我慢が出来ないんです」
「わしもじゃ」
そう言って、店主たちは、わっ、と、私に、襲いかかりました。
彼らは、私の手足を、ガッシリ、つかんで、私の服を脱がしに、かかりました。
「や、やめて下さい」
そう言っても、彼らは、聞く耳を持ちません。
「奥さんに、何をしてもいいと、御主人も許可してくれているんですよ」
一人が言いました。
「や、やめて下さい」
私は、必死に抵抗しました。
しかし、4人の男に、手足を、押さえつけられているので、か弱い女の力では、かなうわけがありません。
商店街の店主たちは、ハアハア、と、息を荒くしながら、手足を、つかまれている私に襲いかかりました。
私は、薄いブラウスに、スカート、を履いています。
男たちは、私のスカート、を、ペロリ、と、めくりました。
私の、履いていた、白いパンティー、が、顕わになりました。
「おお。京子さんの、パンティー、じゃ」
「何日ぶりに、見ることだろう」
「わしは、京子さんの、このセクシーな、パンティー、が、前回、見た時から、目に焼きついてしまって、毎日、オナニーしていたんじゃ」
「わしもじゃ」
「わしは、前回の一回だけで、もう、永遠に、見れんのではないかと、心配で、夜も眠れなかったんじゃ。それを、また、拝めるなんて。夢、かなったり、じゃ。もう、わしは、死んでもいいくらいじゃ。」
そう言って、彼らは、私の、白いパンティー、を、ゴクリと生唾を飲み込みながら、まじまじ、と、見つめました。
そして、パンティー、の上から、私の、恥肉を、触ったり、つまんだりして、
「おお。柔らかくて、最高の感触じゃ」
と、満足そうに言いました。
そして、私の、恥肉を、おさめている、パンティー、の、盛り上がり、の、部分に、鼻先をつけて、クンクンと、鼻をヒクつかせ、
「ああ。いい匂いじゃ」
と、陶酔したように、言います。
「よし。じゃあ、ブラウスも、脱がそう」
そう言って、店主たちは、私のブラウスのボタンを外していきました。
そして、私から、ブラウス、を、抜き取ってしまいました。
そして、スカートも、私から、外してしまいました。
私は、白い、ブラジャー、と、白い、パンティー、だけ、という姿にされてしまいました。
そして、彼らは、私の両腕を背中に、回し、手首を重ね合わせて、後ろ手に縛りました。
こうされると、もう、手の自由がなくなって、抵抗できなくなります。
「ああ。この前と同じ、素晴らしい、下着姿じゃ」
「たわわに実った、二つの大きな果実が、ピッチリと、袋におさまっているようじゃの」
男たちの視線が、私の、胸に集まっていると、思うと、私は、恥ずかしくなりました。
普段は、飢えた野良犬たちに、見せつけるようにしている、自慢の胸ですが、こうして、見世物に、されてしまうと、屈辱感しか、起こりません。
彼らは、しばし、私の、下着姿を、心ゆくまで、鑑賞していました。
「それじゃあ、そろそろ、奥さんの、乳房を見せてもらおう」
そう言って、一人が、私の、ブラジャー、の、フロントホック、を、外しました。
そして、ブラジャー、を、私の胸から、外して、抜きとってしまいました。
「ふふふ。丸い、ふっくらした、お椀のような、小高い山の上に、円筒形の、乳首が、恥ずかしそうに、立っているな」
「平均的な女より、かなり大きいじゃろ」
「乳首が大きな女は、淫乱なんじゃよ」
「コリコリさせれば、もっと、大きくなるじゃろ」
商店街の店主たちは、勝手なことを言いあっています。
「じゃあ、実際に、コリコリさせて、もっと、大きくしよう」
一人の男が、私の背後に回って、私の胸に触れました。
そして、私の胸を、念入りに、揉んで、時々、乳首をつかんで、コリコリさせました。
「あっ。いやっ。やめて」
私は、髪を振り乱して、抵抗しましたが、手を、背中で、後ろ手に縛られているので、抵抗しようがありません。
男の愛撫は、巧み、で、執拗でした。
私は、男に、乳首を、弄ばれて、意に反して、だんだん、興奮していきました。
ハアハア、と、私は、息が荒くなりました。
「おお。京子さんの、乳首が大きくなったぞ」
「感じているんじゃろ」
商店街の店主たち、は、勝ち誇ったように、言いました。
「じゃあ、パンティー、も、抜きとって、丸裸にしよう」
そう言って、男たちは、「い、いやっ。やめて」、と、叫ぶ私から、パンティー、を、抜きとってしまいました。
後ろ手に縛られているので、抵抗しようがありません。
これで、私は、覆う物、何一つない、丸裸にされてしまいました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
私は、腿をピッチリ閉じ合わせて、この屈辱に、必死に耐えました。
それでも、悪魔どもは、私の、股を開こうとします。
私は、何とか、性器だけは、商店街の店主たちに、触られないようにと、腿をピッチリと、閉じていました。
彼らは、私の、両足首を、つかんで、股を開こうとしました。
私は、何としてでも、最後の牙城は、守ろうと、腿に力を入れて、腿をピッチリ、閉じていました。
必死の抵抗は、強く、彼らは、なかなか、私の股間を開くことが出来ませんでした。
「困ったな」
「おい。いい方法があるぞ」
一人が言いました。
「どんな方法だ?」
聞かれて、男は、私に聞こえないように、聞いた男に、耳打ちしました。
「なるほどな。それは、いい手だ」
男は、納得して、ニヤリと、笑いました。
私は、どんなことがあろうと、股間の開帳だけは、させまい、と、思っていました。
すると、男は、縄を持ってきて、私の、右足の足首をつかんで、私の、足首を縄で縛りました。
そして、その縄を、天井の梁に、ひっかけました。
二人の男が、その縄を、つかんで、「そーれ」、と、掛け声をかけて、縄を、グイグイと、引っ張りました。
このように、足首を縄で縛られて、しかも、男二人がかりで、引っ張られてしまっては、とても、その力には、かないません。
「ああー。何てことをするの。やめてー」
私は、叫びました。
しかし、彼らは、聞く耳をもちません。
私の、哀願など、せせら笑って、縄をグイグイ、と、引っ張って、いきました。
足が、引っ張られるのに、つれて、私は、コロンと、畳の上に、倒れました。
私の足首に縛られた縄は、どんどん、天井へ向かって、引っ張られていきました。
そして、ついに、足が、一直線に、ピンと伸びてしまいました。
彼らは、してやったり、と、いった様子で、縄尻を、部屋の中にある、取っ手、に、カッチリ、と結びつけました
私の、股間は、大きく開かれて、もう、隠しようがありません。
性器が、さらけ出され、尻の割れ目、も、パックリと、開かれて、尻の穴、も、丸見えになってしまいました。
「うわー。奥さんの、まんこ、だ。なつかしい」
「わしゃー、奥さんの、まんこ、を、見れるのは、前回の時、だけだと思っていたんじゃ。あまりにも、刺激的すぎて、わしは、毎日、奥さんの、まんこ、を、思い出して、オナニーしていたんじゃ。こうして、また、奥さんの、まんこ、を、見れるなんて、夢のようじゃ」
「奥さん、の、まんこ、は、美しいのー。どんなに、股間を広げても、大陰唇が、ピッタリ、と、閉じ合わさって、中身は、見えんからの。大陰唇が、広がってしまって、小陰唇、や、膣前庭、が、見えてしまう、まんこ、は、醜いが、奥さんの、まんこ、は、ほんに、閉まりがいいわ」
「尻の穴、も、窄まって、可愛いわ」
「いや。そう、局所だけを見てはいかん。(美)、は、全体として、鑑賞すべきものなんじゃよ。奥さんの、美しい顔、長い、きれいな黒髪、華奢な肩、や、腕、くびれた、ウェスト、そこから、急に、大きくなっている尻の肉、それに続く、しなやかな太腿、それらの、全体が、(美)、なんじゃよ」
「いや、局所の美、というものは、確かにある。乳房、や、尻、や、まんこ、じゃ。そこへ目が行くのは、仕方がない。しかし、局所の美、は、あくまで、肉体、全体との関係でこそ、美しいんじゃよ」
「この、この世離れした、美しさ、を、とくと見て、脳裏に焼きつけておこう」
などと、悪魔たちは、勝手なことを、言います。
商店街の店主たちは、丸裸で、後ろ手に縛られて、片足を吊られて、畳の上に、寝ている私の裸を、まざまざと、見つめます。
彼らの視線が、私の乳首に、集まっていると思うと、私の乳首は、勃起してしまいました。
彼らの、視線が、私の、尻の穴、に集まっていると思うと、私の、尻の穴、は、恥ずかしさのため、キュッ、と、窄みます。
彼らの視線が、私の、アソコ、に、集まっていると思うと、アソコ、が、熱くなってきます。
その度に、彼らは、
「おお。京子さんの、乳首が、勃起し出したぞ」
とか、
「おお。京子さんの、尻の穴、が、ヒクヒク、窄まっているぞ」
とか、
「おお。京子さんの、アソコ、から、愛液が、出始めたぞ」
とか、
「わしらに見られて興奮しとるんじゃろ」
などと、感動したように言います。
裸の体を見られることも、恥ずかしいことですが、心を見られることも、恥ずかしいものです。

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不幸な妻の物語(小説)(下)

2020-09-08 18:39:07 | 小説
「よし。見ているだけではなく、もっと、気持ち良くさせてやろう」
と言って、彼らは、私に近づいて、私の、体を触り出しました。
私の、吊るされていない、左足を、一人が、つかんで、
「おお。見事に、形のいい、足じゃ」
と言って、私の、足指、を、一本、一本、ペロペロと舐めます。
一人は、私の、乳房に触れてきました。
「おお。ふくよかな、形のいい、乳房じゃ」
と、言って、私の、乳房を揉んだり、乳首を、コリコリさせたりします。
私は、寄ってたかって、多くの男に、弄ばれていると思うと、そして、性感帯を刺激されると、これは女のかなしい性なのですが、感じてきてしまうのです。
私は、ハアハア、と、喘ぎ出しました。
私の乳首は勃起し始めました。
アソコ、からは、粘稠な愛液が、出始めました。
すると、彼らは、感動したように、
「おお。京子さんの、アソコ、から、愛液が、出始めたぞ」
「京子さんは、今、興奮しているんじゃよ」
「京子さんを、もっと気持ちよくさせてやろう」
そう言って、悪魔どもは、私の体に対する玩弄を、一層、激しくしていきました。
ある者が、私の、お尻の割れ目を、スー、と、なぞりました。
「ひいー」
私は、やりきれない、感触に、悲鳴をあげました。
「ふふ。京子さんは、尻の割れ目、が、性感帯なんじゃな」
と、言います。
そんなことは、誰だって、当然のことです。
触られたことのない、尻の割れ目、を、触れられれば、誰にだって、激しい刺激が起こります。
私を愛撫していた、彼らも、だんだん、興奮してきました。
「京子さんを、愛撫しているうちに、興奮してきてしまったぞな」
「わしもじゃ。わしの、チンポ、は、ビンビンに勃起している」
「もう、我慢できん」
そう言って、彼らは、ズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎました。
彼らの、おちんちん、は、天狗の鼻のように、激しく勃起して、そそり立っていました。
彼らは、片手で、自分の、おちんちん、を、しごきながら、私の、まんこ、に、顔を近づけて、
「ああ。京子さんの、まんこ、を、舐められるなんて、何て幸せなことじゃ」
と言いながら、私の、まんこ、を、ベロベロ、舐めました。
そして、舌で、愛液を舐めて掬いとりました。
そして、私の、尻の割れ目、や、尻の穴、も、舐めました。
彼らは、私の大陰唇に、舌を入れて、なめました。
それを、一人ずつ、順番にやっていきました。
いくら、愛液を、舐められても、愛液は、あとからあとから、分泌されてきます。
順番を待っている人は、私の、乳首を、コリコリさせたり、私の、尻の穴、を舐めたり、私の、足の指を、ハアハアと、興奮しながら、舐めたりしています。
ついに、私は、オルガズムの予兆を感じ取りました。
「ああー。いくー」
私は、叫びました。
彼らも、
「ああー。出るー」
と、言って、溜まりに溜まっていた、精液を射精しました。
彼らの、亀頭から出た、精液は、勢いよく、放物線を描きました。
男たちは、精液を出し切ると、
「はあ。気持ちよかった」
と、言って、私の体から、手を放しました。
「京子さん。今まで、片足を吊られっぱなし、で、つらかったじゃろ」
そう言って、一人が、私を天井の梁に吊っていた、縄を、解いてくれました。
私の、右足の吊り、が、解けました。
しかし、私は、後ろ手に縛られています。
私は、オルガズムの後の、虚無感から、何をする気力も出ませんでした。
ただただ、丸裸で、後ろ手に縛られたまま、畳の上に、突っ伏していました。
店主たちも、精液を出し切って、もう、これ以上、私に触ろうとは、しませんでした。
彼らは、ティッシュペーパー、で、射精した精液を拭き取りました。
そして、パンツ、を履いて、ズボンも、履きました。
「京子さん。今日は、どうも有難う」
「今日は、最高に、いい一日じゃった」
そう言って、彼らは、去って行きました。
・・・・・・・・・・・
日が暮れてきました。
しかし、私は、今日の疲れから、何をする気力も出ず、また、後ろ手に縛られているので、服をきることも出来ず、グッタリと、畳の上に、寝ていました。
しばしして。
夫がやって来ました。
「京子。つらかっただろう。ゴメンな」
そう言って、夫は、蒸しタオル、で、私の、汗だくの体をふいてくれました。
そして、私の足に、パンティー、を、くぐらせて、引き上げ、パンティー、を履かせ、ブラジャー、も、つけてくれました。
そして、後ろ手の縄、を、解いてくれました。
しかし、手が自由になっても、私は、何もする気がしませんでした。
夫は、私に、スカート、を、履かせ、ブラウス、を、着せてくれました。
これで、私は、元の姿に戻りました。
「京子。つらかっただろう。ゴメンな」
そう言って、私を優しく抱きしめてくれました。
私は、「うわーん」、と、泣き出しました。
あんな、ひどい事をしておいて、夫は、優しく私を、抱きしめてくれるのです。
「あなた。どうして、あんな、ひどい事をするの?」
と、私が聞くと、夫は、
「それは、お前を愛しているからさ」
と言うのです。
夫の口調には、ウソは感じられません。
私は、夫の精神構造が、全く理解できません。
しかし、夫が、私を、愛してくれている、ことは、夫の優しい口調、や、態度、から、ウソとは、全く思えません。
私は、わけがわからなくなりました。
「あなた。もう、こんなことは、やめて」
私は、訴えるように、言いました。
すると、夫は、以外にも、
「わかった。わかった。もう、こんなこと、は、しないよ」
と言いました。
「本当ね。本当ね?」
と、私は、食いつくように、聞きました。
「ああ。しないよ」
と、夫は、言いました。
その日の夜中のことです。
私は、なかなか、寝つけなかったので、夫の寝室に、そっと、行ってみました。
私は、そー、と、夫の寝室の戸を開けてみました。
すると、夫は、前回の時と同じように、今日、私が、商店街の店主たちに、嬲られた、ビデオ、を、見ながら、
「ああ。京子。愛している」、と言いながら、おちんちん、を、しごいていました。
私は、夫の精神構造が、全く理解できませんでした。
愛してくれているのなら、どうして、私を抱いてくれないのでしょうか?
どうして、同じベッドで、寝ないで、別々の部屋で寝るのでしょうか?
私には、全く理解できません。
・・・・・・・・
その日から、私は、商店街で、買い物をするのを、やめました。
商店街に買い物に行けば、店主たちに、セクハラめいたことを、言われるのは、明らかです。
私には、それが耐えられませんでした。
「あなた。私。もう、あの商店街には、行きません」
と、私が言うと、夫は、
「うん。いいよ」
と、言ってくれました。
それで、少し、遠くでも、バスに乗って、隣町に行って、買い物をするように、なりました。
商店街に買い物に行けば、店主たちに、セクハラめいたことを、言われるのは、明らかです。
私には、それが耐えられませんでした。
私は、もう、あの商店街の、悪魔の店主たちの顔を見るのも、嫌でした。
・・・・・・・
2週間ほど、経った、ある日曜日のことです。
その日は、夫と、二人で、昼近くに、トースト、と、ゆで卵、と、紅茶、の、軽い朝食をしました。
庭で、小鳥のさえずり、が、聞こえます。
夫も、くつろいでいます。
「ああ。これが、幸せな夫婦生活なんだわ」
と、私は、ささやかな、幸福を感じていました。
しかし、食事をした後、なぜか、眠気が襲ってきました。
昨日は、十分に、寝ているのに、変だな、と思いました。
「眠いなら、寝た方がいい」
と夫は、言いました。
夫は、私を、和室に、連れて行きました。
私は、和室で、横になりました。
眠気が、だんだん、強くなってきて、私の意識は、だんだん、薄れていきました。
・・・・・・
何時間、経ったことでしょう。
ガヤガヤ、と、人の話し声で、私は、覚醒しました。
私は、発狂しそうなほど、驚きました。
なぜなら、私は、丸裸で、仰向けに、寝かされていたからです。
商店街の店主たち、が、私を取り囲むように、座っています。
「ほら。見てごらん。奥さんの体だよ」
一人が、そう言って、が、私の首を持ち上げ、手鏡で、私の体を見せました。
私は、吃驚しました。
なぜなら、私の裸の体の上には、マグロの刺身、が、いっぱい、並べられていたからです。
特に、二つの乳房の上には、乳首を、中心として、乳房を飾りつけるように、放射状に、隙なく並べられています。
マグロの刺身によるビキニの様にも見えます。
それは、いやらしい、と同時に、敷きつめられたマグロが、私の、乳房を隠す役割り、も、一見すると、しているように、見えます。
あそこ、も、▽状に、びっしりと、マグロ、が、隙なく、並べられています。
そのため、恥ずかしい、秘部の割れ目は、見えません。
あたかも、並べられた、マグロが、ブラジャー、と、パンティー、の役割、をしているようにも見えます。
これは、噂に聞く、女体盛り、です。
「いやー。やめてー」
私は、叫びました。
私は、縛られてはいなく、手は、体に、ピッタリと、くっついています。
マグロは、私の、太腿、や、腕の、上にも、並べられています。
「奥さん。動いちゃいけないよ。こんな、きれいで、見事な、女体盛り、は、芸術なんだから」
と、一人が、言いました。
確かに、私は、縛られていないので、動こうと思えば、動くことが出来ました。
しかし、私は、動くことが、出来ませんでした。
逃げようとしても、多勢に無勢です。
すぐに、商店街の店主たち、に、取り押さえられてしまうのは、わかりきっています。
その上、私は、何事でも、丁寧に作られた物を、壊すのが、嫌いです。
私は、もう、彼らに、玩弄されることを、覚悟しました。
横を、見ると、部屋の隅に、私の、着ていた、ブラウス、や、スカート、や、ブラジャー、や、パンティー、が、無造作に、散らかっています。
私が寝ている間に、商店街の店主たち、が、脱がせたのでしょう。
寝ている私を、商店街の店主たち、が、ニヤニヤ、笑いながら、脱がせていく、様子を想像すると、たまらなく、恥ずかしくなります。
「では、京子さんの、女体盛り、を、初めましょう」
一人が、言いました。
彼らは、私の、窪んだ、へそ、に、醤油を、注ぎました。
そして、私の体に乗っている、マグロを、箸で、つまんでは、へそ、に、溜まっている、醤油をつけては、食べ出しました。
「いやー。旨い。旨い」
「京子さんの、体液が、しみ込んでいて、この上なく、美味い」
などと、悪魔たちは、勝手なことを、言います。
私の、体の横には、大量の、マグロ、が、乗った、大皿が、置かれています。
彼らは、私の、乳房の上に乗っている、マグロを、一枚、とると、一人が、サッ、と、その隙を、埋めるように、大皿に乗っているマグロ、を、そこに、補充するように、乗せます。
なので、彼らが、マグロ、をとって食べても、女体盛り、は、崩れることなく、完成した状態のままです。
彼らは、時々、私の、乳首を、
「おお。可愛い。これも食べてしまいたいわ」
と言って、箸で、クイクイッ、っと、つまみます。
そして、彼らは、私の、股間に、▽状に、並んでいる、マグロ、も、箸で、つまんで食べました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、アソコ、は、ツルツルです。
しかし、股間の、マグロ、は、へそ、の醤油は、つけません。
彼らは、股間の、マグロ、を、とると、私の、閉じられた、アソコ、に、なすりつけて、食べます。
「ああ。京子さんの、女の味の、ついた、マグロ、は、最高の美味じゃ」
と、彼らは、言います。
私は、黙って、女体盛り、に、されるのを、耐えるしかありませんでした。
しかし、彼らに、弄ばれているうちに、だんだん、私も、興奮してきました。
乳首を、悪戯っぽく、箸で、つままれるうちに、私の乳首は、勃起してきました。
アソコ、からは、愛液が出始めました。
彼らは、ことさら、大発見したかのように、
「おお。京子さんの、乳首が、尖ってきたぞ」
とか、
「おお。京子さんの、アソコ、から、愛液が出始めたぞ」
とか、
「京子さんは、女体盛り、を、されて、興奮しているんじゃ」
などと、言います。
彼らは、マグロ、を、とっては、愛液の出ている、私の、アソコ、に、マグロ、を、さかんに、なすりつけて、は、食べます
「おお。京子さんの、愛液の、味つけの、マグロ、は、最高の美味じゃ」
と、彼らは、いいます。
口惜しいことですが、私は、興奮してしまい、愛液は、尽きることなく、どんどん、出続けてしまいました。
私の、横に、置いてあった、補充用の、マグロ、の大皿の、刺身、を、彼らは、全部、私の体の上に載せて、食べました。
その後は、私の体の上に乗っている、マグロ、を、食べていきました。
もう、補充用の、マグロ、は無いので、私の乳房、や、アソコ、が、露出していきました。
そして、とうとう、彼らは、私の、体の上に乗っている、マグロ、を、全部、食べてしまいました。
そのため、私は、全裸になりました。
女体盛り、に、されたのは、屈辱ですが、マグロ、は、私の、恥ずかしい所を隠す役割も、はたしていました。
しかし、マグロ、を、全部、食べられて、私は、丸裸です。
私は、もう、乳房、や、アソコ、の割れ目、を、隠そうとする、意欲もありませんでした。
もう、すべて、見られてしまったのですから。
私は、仰向けに寝たまま、黙っていました。
商店街の店主たち、は、
「あー。美味かった」
「京子さんの、女体盛り、は、最高じゃった」
などと、言って、立ち上がって、ゾロゾロと、帰って行きました。
・・・・・・・・・
私が、虚無感で、黙っていると、夫が、やってきました。
夫は、暖かい、濡れタオルで、私の体を、ふいてくれました。
私は、わっ、と、泣き出して、夫に、しがみつきました。
「あなた。ひどいわ」
私は、夫に、訴えるように、言いました。
「ごめん。ごめん」
夫は、謝りましたが、軽い悪戯をした子供が、謝るような、感じです。
夫が、私に出した、紅茶には、睡眠薬が入っていたのでしょう。
もう、私は、夫に出された、飲み物は、これからは、安易に、飲まないように、しようと思いました。
・・・・・・・・・・
私は、この町に越してきてから、近くにある××高校、と、関わるようになりました。
××高校の野球部は、甲子園出場の常連校で、私は、街に出る時、グラウンドで、元気に、練習している、野球部の部員たちを、見るのが、好きでした。
「ああ。彼らは、純粋で、青春、真っただ中、なんだわ」
と、私は、思いました。
私は、よく、練習している、彼らに、「がんばってね」、と、応援することもありました。
すると、彼らは、私に目を向けて、手を振ったり、ニコッ、と、笑うことが、よく、ありました。
なかには、「応援。ありがとうございます。がんばります」、と、返事してくれることも、ありました。
私は、何としてでも、彼らに、甲子園に出て、優勝して欲しいと思いました。
それで、時々、おにぎり、を、たくさん、作っておいて、朝、練習前の、彼らに、届けるように、なりました。
初めは、ちょっと、恥ずかしくて、躊躇していましたが、ある時、勇気を出して、
「あ、あの。いつも、応援しています。頑張ってね。おにぎり、を、作ってきましたので、よろしかったら、食べて下さい」
と、私は、野球部の、キャプテンに、おずおずと、ためらい勝ちに、言いました。
すると、キャプテン、は、
「ああ。山本さんの奥さんですね。そんなに気を使って下さって、本当に、どうも有難うございます。喜んで、頂かせてもらいます。感謝感激です」
と、言いました。
そして、練習している、野球部員たちに向かって、
「おーい。山本さんの、奥さん、が、僕たちのために、おにぎり、を、作ってくれたぞー。集まれー」
と、大きな声で、呼びました。
練習していた野球部員たちは、練習を一時、やめて、わらわらと、駆け寄って来ました。
彼らは、
「美味い。美味い」
と、言いながら、私の、作った、おにぎり、を、食べました。
街を歩いていて、××高校の野球部員に、会うと、
「やあ。京子さん。こんにちは」
と、彼らは、笑顔で挨拶します。
もちろん、私も、
「こんにちは」
と、挨拶を返します。
実に、高校生は、純粋で、清々しい、と思いました。
・・・・・・・・・・
そうこうしているうちに、夏の、甲子園大会の、地区予選が、始まりました。
私は、必ず、試合を見に行って、応援しました。
××高校は、甲子園の、常連校なので、順調に、勝ち進んでいきました。
特に、エースの、菅野くんは、最速、160km/h、のストレート、を、投げることが、出来て、コントロールも、抜群で、相手校は、菅野くんに、手も足も、出ませんでした。
もっとも、サッカーではなく、野球ですから、足は出しませんが。
××高校は、攻撃でも、向かう所、敵なしの、強力打線で、全員が、打率は、5割、を越していました。
地区予選を、××高校は、楽勝で、勝ち進みました。
そして、いよいよ、地区予選の、決勝戦にまで、勝ち進みました。
明日は、地区予選の決勝戦です。
相手校は、これも、県内で、屈強の、強豪校で、相手校の、エースの、松井君も、160km/hの、ストレートを、投げられ、プロ野球の全ての球団が、注目しているほどで、打線も、全員、打率5割を越していました。
毎年、××高校、と、○○高校は、決勝で、甲子園の、出場を、争っていました。
竜虎相譲らず、で、××高校が、勝つことも、あれば、決勝戦で、惜しくも、敗退して、○○高校が、甲子園に、出場することも、ありました。
決勝戦の前の日のことです。
「××高校の、野球部員たちは、緊張している。決勝戦の前日には、お前が、彼ら、を、家に招いて、焼き肉を、御馳走して、彼らに、スタミナをつけてやれ」
と、私は、夫に、言われていました。
私は、一も二も無く、
「わかったわ」
と、引き受けました。
なので、決勝戦の前日、私は、上等の、ステーキを、焼いて、野球部員たちが、来るのを待っていました。
昼過ぎ頃、ドヤドヤ、と、××高校の、野球部員たちが、家にやって来ました。
「こんにちはー。京子さん」
「いつも、応援、ありがとうございます」
と、礼儀正しく、挨拶して、家に上がってきました。
「ようこそ。いらっしゃい。今日は、上等の、焼き肉を、うんと、買っておきましたから、うんと、食べて、スタミナをつけて下さい」
私は、笑顔で、そう言いました。
「それは、それは、どうも、ありがとうございます」
そう言って、××高校の、野球部員たちは、家に、入ってきました。
私は、買っておいた、ステーキ、を、焼きました。
そして、ご飯、と、サラダ、と、コーンスープ、を一緒に、彼らに、出しました。
「うわー。美味しそー」
野球部員たちは、ステーキ、を、見ると、ゴクリと、唾を飲み込んで、言いました。
全員に、ステーキご飯、を、配り終えると、私は、
「さあ。どうぞ。召し上がれ」
と、言いました。
「いただきまーす」
野球部員たちは、元気はつらつ、とした、口調で、言って、
「美味い。美味い」
と、言いながら、ステーキを食べました。
「おかわり、は、いくらでも、あるわ。うんと食べて、スタミナをつけて。そして、明日の決勝戦では、絶対、勝ってね」
と、私は、微笑みました。
「ありがとうございます。京子さん」
と言って、彼らは、ステーキご飯を、食べました。
全員、食べ終わると、
「はー。食った。食った」
「京子さん。どうもありがとう」
と、言って、腹を、ポンポン、と、たたきました。
私は、彼らの、純粋さ、が、何より、好きでした。
私が、彼らの前に、正座して、
「いえ。どういたしまして」
と、ニコッと、微笑んだ時です。
野球部員たちが、わっ、と、私に、襲いかかったのです。
私は、吃驚しました。
「な、何をするの?」
「京子さん。いつも、応援、ありがとうございます。京子さんの、応援に、僕たちは、すごく力づけられていました。しかし、同時に、京子さんが、あまりにも、美しくて、セクシーな、プロポーションで、悩ましいので、僕たちは、毎日、京子さんのことを、想って、オナニーしていました。京子さんのことを、想うと、興奮してしまって、その興奮が止まらないのです。部員、全員、そうです。明日は、強豪校との、決勝戦です。なので、僕たちは、今、全員、すごく、緊張して、興奮しています。幸い、ご主人が、京子さんに、何をしてもいい、と、許可してくれました。なので、高まってしまった、僕たちの、性欲を発散させて下さい。もう、我慢の限界なのです」
そう言って、野球部員たちは、私に、襲いかかりました。
「や、やめてー」
私は、抵抗しました。
しかし、毎日、ハードな、練習をしている、体力のある、高校生たちです。
私の力では、かなうわけがありません。
私は、あれよあれよ、という間に、服を脱がされてしまいました。
ブラウスを脱がされ、スカート、を脱がされ、ブラジャー、と、パンティー、も、脱がされて、あっという間に、丸裸にされてしまいました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
彼らは、ハアハア、と、息を荒くしながら、ズボンを降ろし、パンツを、脱ぎました。
彼ら、高校生は、性欲、真っ盛りな、時期です。
いくら、射精しても、萎える、ということが、ありません。
精子は、放出した、直後から、また、すぐに、作られるのです。
みな、おちんちん、は、天狗の鼻のように、そそり立っていました。
彼らは、私の、胸を揉んだり、アソコ、に、顔を、くっつけたりして、片手で、自分の、そそり立った、おちんちん、を、しごき出しました。
そして、
「ああー。出るー」
と、叫んで、彼らは、私の体を、弄りながら、射精しました。
一度、射精した後でも、彼らは、休みをとる、ということがなく、すぐに、私に、襲いかかり、私の体を、思うさま、弄んで、
「ああー。出るー」
と、叫んで、何度も、射精しました。
一人が、三回、くらい、射精したでしょうか。
彼らの、性欲は、ようやく、おさまったようで、
「ああ。京子さん。どうもありがとうございました。これで、溜まりに溜まっていた、性欲が、発散されて、欲求不満が解消されました。明日は、落ち着いて、試合に、望めます」
と言って、みな、パンツを、履いて、ズボンを履きました。
そして、
「京子さん。どうもありがとうございました」
と、言って、野球部員たちは、帰っていきました。
私は、うわーん、と、泣きました。
結局、彼らが、家に来た目的は、ステーキ、ではなく、私に対する、性欲の発散だったのです。
そんなことを、させるために、彼らを家に呼んだ、夫も、夫なら、そんなことを、平然とした、野球部員たちも、野球部員たち、です。
私は、高野連に、彼らの不品行を、報告して、甲子園出場、中止にさせてやろうかとも、思いました。
しかし、そこまでしては、甲子園めざして、毎日、きびしい練習をしてきた、彼らが、可哀想な気もして、そこまでは、しないことにしました。
しかし、もう、私は、彼らを、応援する気には、なれませんでした。
「あなた。ひどいわ。こういうことだったのね」
私は、怒りに満ちた、憤怒の目を夫に向けました。
夫は、
「ごめん。ごめん」
と、笑いながら言いました。
まるで、悪戯した子供が、謝る程度の反省しか、感じられません。
私は、もう、××高校を、応援する気には、全くなれませんでした。
翌日。
××高校、と、○○高校、の、地区予選の決勝戦が行われました。
私は、テレビを見ながら、
「××高校。負けろ。負けろ」
と、呪いの言葉を、言い続けました。
その、呪い、が、効いたのか、××高校、は、満塁逆転サヨナラ、ホームランを打たれて、負けました。
・・・・・・・
しかし、彼らが、地区予選の決勝戦で、負けて、泣いている、のを、テレビで観ると、何だか、彼らが、可哀想になってきました。
・・・・・・・・
夫の悪戯は、悪ノリする一方です。
私たちが、越してきた家は、周りに、民家が、無く、家の裏は、雑木林でした。
家の外には、一本の、大きな、桜の木がありました。
私の家の前の道を通る人には、その桜の木が見えるのです。
・・・・・・・・
ある日、夫は、私を、其処へ連れて行きました。
そして、夫は、
「さあ。着ている物を脱ぎなさい」
と、言いました。
「な、何をするの?」
私は、不安に駆られて、聞きました。
「いいから、脱ぐんだ」
夫は、厳しい口調で言いました。
私は、仕方なく、着ている物を脱いでいきました。
夫の命令には、逆らえませんし、私が、脱がなかったら、夫が、力づくで、私を裸にするでしょう。
私は、半袖のブラウス、を、脱ぎ、スカート、を、脱ぎ、そして、ブラジャー、を、はずし、パンティー、も、脱いで、全裸になりました。
夫は、私の両手を、グイ、と、つかみ、背中に回して、手首を、重ね合わせ、後ろ手にしばりました。
そして、その、縄尻を、木、に縛りつけました。
「あっ。あなた。何をするの?」
私が聞いても、夫は、答えてくれません。
夫、は、「ふふふ」、と、笑って、家の中に、もどってしまいました。
私は、後ろ手に縛られて、木に、繋ぎ止められているので、其処から、離れることが、できません。
私は、恥ずかしくて、消え入りたい、気持ちでした。
なぜなら、家の前を、通る道からは、見えてしまうからです。
私は、夏の炎天の元、太腿、を、ピッチリ、閉じ、早く、夫が、もどってきて、縄を解いてくれることを、祈るように、期待しました。
しかし、夫は、やって来ません。
しばしして、数人の男たちが、やってきました。
私の住んでいる、町には、いすゞ、の大きな自動車工場が、私の家の右手にあり、家の左手には、いすゞ、の、社宅があります。
なので、家の前の道は、彼らの、通勤路なのです。
私は、彼らと、会うと、いつも、「こんにちは」、と、挨拶していました。
名前までは、知りませんが。
仕事が終わったのでしょう。
社員、4人が、ガヤガヤ、と、話しながら、やって来ました。
仕事が終わって、社宅に帰るのでしょう。
彼らは、私を、見つけると、わらわら、と、私の所に、やって来ました。
「やあ。奥さん。どうしたんですか。裸で、縛られて・・・」
「何か、御主人を、怒らせるような、こと、をしたんですか?」
などと、言って、裸の私を、しげしげと、いやらしい目つきで見ました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
私は、太腿を、ピッチリ、閉じ合わせて、何とか、アソコ、は、見られないように努力しました。
しかし、アソコ、の、割れ目は、太腿を、ピッチリ、閉じ合わせても、少し、見えてしまいます。
彼らは、裸の私を、しげしげと、いやらしい目つきで見ています。
「み、見ないで。お願い」
「お願い。縄を解いて」
私は、彼らに、哀願しましたが、彼らは、聞いてくれません。
裸の私を、しげしげと、いやらしい目つきで見ています。
「どうして、こんな信じられない事が現実に起こっているんだろう?」
「オレ。知ってるよ。京子さんの御主人、は、商店街の店主たち、や、高校生などの他人を、家に呼んで、奥さん、を、犯させる趣味があるんだ。商店街の店主たち、が、話してくれて、町中で、うわさ、に、なっているんだ」
と、一人が言いました。
「へー。そうだったのか。知らなかった」
「じゃあ。これも、他人に、奥さんを、嬲らせるために、裸にして、縛ったんだろう」
「そうだな。きっと、そうだ」
「いや。もしかすると、奥さんは、マゾで、こうして欲しい、と、御主人に頼んでいるのかも、しれないぞ」
「そうだな。その可能性はあるな」
「では、御主人の願望を、満足させるために、触らせて頂きます」
そう言って、いすゞ、の、社員たちは、私の体を、触り出しました。
「や、やめて。お願い。私は、マゾではありません」
私は、泣きたい思いで、彼らに、頼みました。
しかし、彼らは、聞いてくれません。
「では、何なんですか?」
彼らが、聞きました。
「そ、それは・・・・」
私は答えられませんでした。
夫が、こういう悪戯をするのが好き、などと、ハッキリと、答えることなど、出来ません。
彼らは、私の太腿を、触り出しました。
「ああ。瑞々しい。私は、前から、奥さんに会う度に、奥さんに憧れていたんです。なんて、美しい人なんだと。何て素敵な太腿なんだと。一度、この、太腿に触ってみたいと思っていたんです」
そう言って、いすゞ、の社員は、私の太腿を触りだしました。
「ああ。柔らかくて、弾力があって、素晴らしい太腿だ。癒される」
そう言って、彼らは、私の太腿に頬ずりし出しました。
男は、勝手な動物だ、と、私は、つくづく感じました。
彼らは、癒される、かもしれませんが、私は、癒される、どころか、最悪の屈辱です。
「ああ。奥さん。奥さん、の、ブラウスを、隆起させている、胸の膨らみに、私は、いつも、悩まされていたんです」
そう言って、いすゞ自動車、の、社員の一人が、私の、露出した、乳房を触りました。
「ああ。憧れの、京子さんの、胸だ。大きくて、柔らかい」
そう言って、彼は、私の、乳房を、思う存分、揉みました。
そして、時々、乳首を、つまんで、コリコリさせました。
「ああ。京子さんの、憧れの、お尻だ。大きくて、柔らかい」
そう言って、いすゞ自動車、の社員の一人が、私の尻を触り出しました。
彼らは、だんだん、調子に乗って、私の、首筋にキスしたり、太腿を舐めたり、乳首を口に含んだり、お尻を舐めたり、するように、なりました。
そして、閉じている、私の、股間に、手を入れてきました。
そして、指を、私の、アソコ、の中に入れてきました。
「ああ。奥さんの、奥さんの、アソコ、を触れるなんて、夢のようだ」
と、彼は、酩酊した様子で言いました。
彼らは、だんだんと、興奮してきて、ハアハア、と、息が荒くなってきました。
私も、4人の男に、寄ってたかって、弄ばれているうちに、感じてはいけない、と、思いつつも、感じてしまい、アソコ、から、愛液が出始めました。
私も、ハアハア、と、息が荒くなっていきました。
「おお。京子さんは、感じているぞ。もっと、愛撫を激しくしろ」
そう言って、彼らは、私に対する、ペッティングを、激しくしていきました。
「も、もう、我慢できない」
そう言って、いすゞ自動車、の社員たちは、ズボンを脱ぎ、パンツを脱ぎました。
彼らの、おちんちん、は、全員、ビンビンに、勃起していました。
彼らは、片手で、自分の、おちんちん、を、しごきながら、片手で、私の、乳首、や、尻の穴、や、まんこ、を、刺激しだしました。
今までより、いっそう激しく。
私は、オルガズムの予兆を感じました。
「ああー。いっちゃいそう」
私は、見えも外聞も忘れて、言いました。
「オレ達も、出そうだ」
「京子さん。一緒にいこう」
彼らは、ハアハア、と、息を荒くしながら、おちんちん、を、しごく、度合いを速めると、同時に、私に対する、責め、の度合いも、速めました。
「ああー。いくー」
私は、叫びました。
「ああー。出るー」
彼らも、叫びました。
彼らは、一斉に、射精しました。
溜まっていた精液が、放物線を描いて、大量に、放出されました。
それと、同時に、私も、オルガズム、のエクスタシーに、達しました。
「ああー。いくー」
私は叫びました。
私は、全身を、ガクガクさせていました。
しかし、だんだんと、オルガズムの興奮が、収まってまきした。
私は、ガックリと、脱力して、項垂れました。
男たちも、精液を出し切ると、
「はあ。気持ちよかった」
と、言って、私の体から、手を放しました。
オルガズムの後の、虚無感から、私は、何をする気力も出ませんでした。
ただただ、丸裸で、後ろ手、で、木に縛られたまま、項垂れていました。
いすゞの社員たちも、精液を出し切って、もう、これ以上、私に触ろうとは、しませんでした。
彼らは、パンツ、を履いて、ズボンも、履きました。
「京子さん。今日は、どうも有難う」
「今日は、最高に、いい一日だった」
そう言って、彼らは、去って行きました。
・・・・・・・・・
日が暮れてきました。
しかし、私は、何をする気力も出ず、また、後ろ手に縛られて、木に縛りつけられているので、無気力に項垂れていました。
しばしして。
夫がやって来ました。
「京子。つらかっただろう。ゴメンな」
そう言って、後ろ手の縄、を、解いてくれました。
私は、裸のまま、夫と共に、家に入りました。
「あなた。ひどいわ」
私は、夫に、語気を荒くして言いました。
しかし、夫は、
「ごめん。ごめん」
と、いつものように、笑って、誤魔化すだけです。
「京子。風呂に入りな。風呂を、沸かしといたから」
夫に言われれて、私は、風呂に入りました。
湯船に浸かっているうちに、疲れ、が、とれてきました。
脱衣場には、浴衣が用意されていました。
夫は、私に、とんでもない意地悪をしますが、私に対して、とても、優しくしてくれて、私を大事にしてくれるのです。
夫が、私を愛してくれていることは、間違いありません。
私は、それを確信しています。
ただ、愛してくれているのに、どうして、こんな変な事をするのでしょうか?
きっと、夫は、変態な性癖があるのでしょう。
私には、理解できませんが。
「京子。今日の夕食は、店屋物をとろう」
そう言って、夫は、寿司屋に、電話しました。
やがて、寿司屋が、上等の、江戸前寿司を持ってきました。
私は、夫と、江戸前寿司、を食べました。
私たち二人には、夫婦の会話、というものが、ありません。
食事の時は、黙って、食べます。
初めの頃は、私は、夫に、色々と、話しかけていたのですが、私が何を話しかけても、夫は、答えてくれません。
なので、私も、もう、夫に話しかけるのを、やめました。
新婚の夫婦の食事なのに、何も話さず、黙って食べる、というは、味気ないものです。
その日も、私は、私の寝室で、夫は、夫の寝室で、と、別れて寝ました。
・・・・・・・・・
数日が経ちました。
ある日のことです。
私が、買い物に出かけようとすると、夫が、
「オレも、町に用があるから、車で送っていってやるよ」
と、言いました。
私は、商店街の店主たち、や、××高校の野球部員たち、や、いすゞ自動車、の社員たち、に、裸を見られて、弄ばれて、その噂は、ほとんど町中に、知れ渡っていますので、町を歩くのが、恥ずかしく、助かります。
夫の車は、平成22年式のラパンです。
「ありがとう。あなた」
と、言って、私は、車の助手席に乗りました。
夫は、運転席に乗って、エンジンを駆けました。
そして、発進しました。
夫と、こうして、一緒に、ドライブ出来るのは、私にとって、とても、嬉しいことでした。
これが、結婚した、夫婦の、当たり前の、幸せです。
こういう、当たり前の、幸せに、私の心は、ドキドキと、ときめいていました。
私は、この頃、駅前の、スーパー、で、買い物していました。
湘南台駅前には、相鉄ローゼン、と、ダイエー、と、オーケー、という、三つの、ディスカウントスーパー、があります。
夫は、相鉄ローゼン、の前で、車を止めました。
「じゃあ。オレは、ここで待っているよ。はやく、買い物してきな」
夫が言いました。
「はい」
私は、車を降りて、相鉄ローゼン、で、買い物をしました。
そして、夫の車にもどってきました。
夫は、助手席のドアを開けて、私を車に乗せました。
そして、夫は、エンジンを駆け、駅前の、駐車場に、行き、車を止めました。
「さあ。降りて」
夫に言われて、私は、車から出ました。
夫は、私の手を引いて、湘南台駅に向かいました。
湘南台駅は、小田急江ノ島線、と、横浜市営地下鉄ブルーライン、と、相鉄線、が、通っています。
横浜市営地下鉄ブルーライン、と、相鉄線、は、湘南台駅が、ターミナル駅です。
三つの路線が、通っているため、その改札口は、地下にあります。
夫は、地下の駅の構内にある、トイレに向かいました。
私の手をとって。
尿意が起こったのだろうと、私は、思いました。
しかし、夫は、とんでもない事をしました。
人がいないのを見て、夫は、私を男子トイレに、強引に連れ込んだのです。
幸い、男子トイレに、人は、いませんでした。
夫は、洋式のトイレの、個室に、私を、連れ込みました。
湘南台駅の地下のトイレは、きれいで、割と、スペースがあるのです。
「な、何をするの?」
不安がっている私を無視して、夫は、私の着ている服を全部、脱がせました。
ブラウス、も、スカート、も、ブラジャー、も、パンティー、も、全部です。
私は、一糸まとわぬ丸裸にされてしまいました。
「あ、あなた。一体、何をするの?」
聞いても、夫は、答えてくれません。
夫は、バッグの中から、縄を取り出しました。
そして、私の両手を、背中に回して、後ろ手に縛りました。
そして、その縄尻を、トイレの中にある、カバンをかけるフックに、縛りつけました。
「あ、あなた。一体、何をするの?」
聞いても、夫は、答えてくれません。
夫は、私の口を開けて、布切れ、を、私の口の中に、詰め込みました。
そして、豆絞りの手拭い、で、私の口を塞ぎました。
口を塞がれているので、私は、言葉を出せません。
喋ろうとすると、ヴーヴー、と、微かな、唸り声になるだけです。
夫は、ニヤリと笑って、そのまま、トイレから、出て、去ってしまいました。
私は、夫の、おそろしい、悪戯の意味を理解しました。
(どうか、誰も来ないで)
と、私は、祈りました。
しかし、私の、祈り、は、そう、安々と、神には、通じませんでした。
見知らぬ男が、トイレに入って来ました。
男は、裸の私を見ると、最初は、吃驚した顔になりました。
しかし、すぐに、ニヤリ、と笑って、裸の私を見ながら、ズボンを降ろし、パンツも、下げました。
そして、男は、ニヤニヤ、笑いながら、目の前の裸の私の、アソコ、を、触りながら、大便をし、小便をしました。
私は、夫に命じられて、風呂に入った時は、アソコ、の毛を剃っています。
なので、裸にされると、子供のように、アソコの割れ目が、丸見えになってしまいます。
そして、男は、トイレットペーパー、で、尻をふいて、水洗で流しました。
男は、パンツを、履こうとしません。
男は、目の前に居る、私の、アソコ、を、触ったり、乳房を揉んだり、と、思うさま、私を、触りまくりました。
私は口を塞がれているので、言葉を出せません。
喋ろうとすると、ヴーヴー、と、微かな、唸り声になるだけです。
男は、だんだん、ハアハア、と、息が荒くなっていきました。
マラは、天狗の鼻のように、そそり立っています。
男は、片手で、私の、アソコ、を、触りながら、片手で、そそり立った、自分の、マラ、を、しごき出しました。
「あっ。ああー。出るー」
男の亀頭からは、白濁した精液が、勢いよく、放出されました。
そして、男は、パンツ、を履き、ズボンを、履きました。
そして、「あー。気持ち良かった」、と言って、トイレを出ていきました。
私は、男は、つくづく、勝手な、生き物、だと思いました。
男にとっては、気持ちいい、かもしれませんが、女にとっては、気味悪い、だけです。
その後も、2人の男が、トイレに入って来ました。
しかし、やることは、最初の男と同じです。
私の体を触りながら、大便と小便を排泄し、勃起した、おちんちん、を、しごきながら、射精し、「あー。気持ち良かった」、と言って、トイレを出ていくのです。
もう、私は、こんなことには、耐えられませんでした。
3人の男に、弄ばれた後、夫が、トイレに入って来ました。
そして、私の後ろ手の縛めを解いてくれました。
そして、バッグから、パンティー、と、ブラジャー、と、スカート、と、ブラウス、を取り出して、私に履かせてくれました。
私が、豆絞りの手拭いを、とろとろすると、夫は、
「だめ」
と、言って、許してくれません。
私は、豆絞りの手拭い、をしたまま、トイレから、出ました。
そして、夫に手を曳かれて、駐車場に止めてある、ラパンに、乗り込みました。
夫は、車のエンジンを駆け、車を出しました。
そして、家に着きました。
家に入ると、夫は、豆絞りの手拭い、を、解いてくれました。
私は、「わーん」、と泣きました。
「あなた。ひどいわ。あんまりだわ。どうして、あんな、酷いことをするの?」
そう言って、私は、夫に、抱きつきました。
「ごめん。ごめん。本当に、ごめん」
と、夫は、謝りました。
この謝罪には、本心が含まれているように、私は感じました。
夫は、私の体を、そっと、抱いてくれて、優しく、髪を撫でてくれました。
謝るくらいなら、何で、あんな、惨いこと、をするのでしょう?
「ごめん。京子。本当にゴメン。おわび、として、オレを、気の済むまで、殴ってくれ」
と、夫は、言いました。
「そ、そんな事できないわ」
私は、泣きながら言いました。
「じゃあ、愛する京子を、虐めた罰として・・・」
と言って、夫は、シャープペン、を、自分の腕に当て、グイグイ、と押しつけました。
「や、やめて。あなた」
私は、夫の、シャープペン、を、とりあげました。
「じゃあ、君を虐めた、おわび、として、これを飲むよ」
そう言って、夫は、タバスコ、を、一瓶、全部、飲んでしまいました。
「うぎゃー。辛いー」
と、叫んで、夫は、床を、ゴロゴロ、のたうち回りました。
私は、急いで、水を持ってきました。
「あ、あなた。これを飲んで」
夫は、水を、ゴクゴク飲みました。
私は、泣きながら、苦しんでいる夫を、介抱しました。
「あなた。もう、さっきの事は、許します。ですから、自分を、痛めつけるような、ことは、やめて下さい」
私は、泣きながら、夫に訴えました。
夫には、何か、精神の異常があるとしか、思えません。
・・・・・・・
ある日、夫の高校時代の友人、が、家にやって来ました。
客は、応接間のソファー、に座りました。
「いらっしゃいませ」
と言って、私は、アイスティー、を、客人、と、夫に出しました。
客は、どうもありがとう、と、礼を言いました。
そして、私を見ました。
「いやあ。京子さん。お綺麗ですなー。御主人がうらやましい」
と、客は、嬉しそうに言いました。
私は、恥ずかしくなって、顔が真っ赤になりました。
「A君。ここでは何だから、私の書斎で話そう」
と、夫は、言いました。
そして、私の方を見て、
「京子。ちょっと、席を外してくれ。大事な話なんだ」
と、夫は、言いました。
「わかったわ。私。買い物に行ってくるわ」
そう言って、私は、買い物籠を、持って、家を出ました。
しかし、私は、何か、夫、と、Aさん、は、私、と主人の関係について、話すような気がしてなりませんでした。
女の勘ですが。
大事な話、というのですから、もしかすると、重要なこと、を、話すのでは、ないか、と思いました。
それで、私は、踵を返して、家にもどりました。
足音をしのばせて、こっそり、夫の書斎の、入り口の前で、聞き耳を立てました。
部屋の中から、夫とAさんの、会話が、聞こえてきました。
・・・・・・・
「お前。京子さん、を抱かないで、他人に、京子さん、を、弄ばしているそうじゃないか。どうして、そんな事をするんだ?お前は、寝室も別にして、寝ているそうじゃないか。どうしてそんなことするんだ?お前は、京子さん、が、嫌いなのか?」
「いや。嫌いなもんか。愛してやまないよ」
「じゃあ、どうして、そんな事するんだ?」
「ははは。まあ、いつか、聞かれるだろうと思っていたから、話すよ」
「ああ。ぜひ、聞きたいな」
「普通、男と女が、結婚したら、どうなる?」
「そりゃー、わかりきったこと、だろ」
「そうだよな。男と女が、結婚する。すると、女は夫だけの物となる。妻は、他の男とは、付き合えない。恋愛、も、性愛、も、出来なくなる。もし、すれば、それは、不倫、ということになる。そうだろ?」
「まあ。そうだな」
「オレは、京子を愛しているが、同時に、京子の美しさ、女としての魅力、を、うんと、世間の男たちに、知らしめたいんだ。オレ、という、たった一人の、男の籠の中に、閉じ込めたくないんだ」
「ふーん。なるほどな。じゃあ、他の男たち、に、京子さんの裸を、見せたり、触らせたするのは、わかったよ。では、聞くが、どうして、お前は、京子さんを、抱いてやらないんだ?」
「日本の離婚率は、何%だか、知っているか?」
「よく知らないが、かなり、高いようだな」
「日本の離婚率は、40%だ」
「高いな」
「離婚しなくても、夫婦が、いわゆる、普通に、暮らしていたら、どうなると思う?」
「どうなるって?」
「夫とだけ、毎日、セックス、していたら、どうなると思う?」
「どうって?」
「わかりきったことさ。結婚当初、いや、結婚、以前の、熱烈に、相手を、愛していた、燃えるような、やるせない愛情は、マンネリ化、してきて、惰性の、付き合い、に、堕落してしまうだけさ。結婚は人生の墓場、と言うだろ。ボードレールの格言だ。オレは、京子を墓場に埋めたくなんか、ないんだ」
「ま、まあな。確かに、そういう傾向はあるな」
「そうだろ。オレは、それが、嫌なんだ。妻を、毎日、抱くことによって、妻に対する、恋愛の新鮮さ、が、なくなってしまうことが」
「それが、お前が、京子さん、を、抱かない理由か?」
「まあ。そうさ」
「そうか。そういう考え、とは、知らなかったよ。しかし、お前は、特殊な考え方をする人間だが。京子さん、の気持ちを、考えてみろ。京子さん、は、お前のような、特殊な考え方の持ち主じゃない。京子さん、は、お前に、抱いて欲しいと思っているんだ」
「それは、わかっているさ。まあ、京子の、女の魅力も、多くの男たちに、知らしめることが、出来たし、そろそろ、もう、こんな事は、やめようと思う」
「ああ。そうしろ。京子さんは、お前が、何を考えているのか、わからなくて、困っているんだぞ」
「ああ。京子には、申し訳ない、と思っている。しかし、京子は、離婚したい、とは、一度も、言っていないぞ。なぜだか、わかるか?」
「いや。わからないな」
「京子も、オレが、京子を、愛している、ということを、感じているからさ。もし、嫌い、という理由で、京子を、いじめていると、京子が思っているのなら、京子は、オレと離婚したい、と、言い出すはずさ」
「じゃあ。どうして、お前の、そういう理由を、最初に京子さんに、言わないんだ?」
「言ったら、京子は、安心してしまうだろ。京子は、物分かりのいい女だから」
「そうか。それを聞いて安心したよ」
「それと・・・・」
「それと、何だ?」
「それと、京子には、すまないが、京子が、おびえている顔は、ホントに、可愛いんだ。オレは、京子の、あの顔が好きなんだ」
「お前は、サディストだな」
「ああ。京子には、すまないと思っているよ」
「じゃあ、お前は、嫉妬心を、楽しんでいたんじゃないのか?」
「いや。それは、ないな。嫉妬心を楽しむ、なんて、月並みな、行為など、オレは、超越しているよ。オレは、一人の女を、独占したい、とか、自分だけの物にしたい、なんていう、ケチくさい人間の心理が嫌いなんだ。嫉妬心を楽しみたい、なんていうのは、女を独占したい、という、心理があるからだろ。オレは、京子を、友達のように、一定の距離を保ちつつ、プラトニックに、京子に、恋していたい、という、関係を保ちたいんだ」
「そうか。それを聞いて安心したよ。もしかすると、お前のような、気持ちを持って、結婚したら、離婚することもなく、結婚した女に飽きる、ということも、ないかもしれない、良い方法かもしれないな」
「ところで、君は、高校時代、僕が、芝生に座っていた時、僕が、芝生をむしって食べたことを、覚えているかい?」
夫が言いました。
「ああ。覚えているよ。あの時、何で、君は、あんな事をしたんだ?」
「僕は、人間、というものを、嫌っているんだ。昔から、多くの哲学者は、人間は、因果律によって行動している、と言っているよな。つまり、人間の行動は、その行動を、したい、という、人間の感情の欲求から、起こっている、と」
「ああ。そうだな」
「僕は、それが、嫌いなんだ。僕は、自分の感情の欲求によって、行動している、人間どもは、感情の奴隷だと、思っているんだ。それで、僕は、自分だけは、そんな、自分の感情の欲求によって、行動する、ような、人間では、決してない、という自信を持っていたんだ。自分は、世の中の、他の人間とは、違う特別な人間だと思っていたんだ。人間が、芝生を何の意味も、目的も無く、食べるなんて、ことを、するはずがないだろう?」
「ああ。そうだな」
「あの時は、僕も、得意だった。しかし、あとで、考えてみると、やはり、そうじゃなく、僕も、因果律の網にかかっている、人間だということに気づいたんだ」
「それは、どういうことだ?」
「つまり、何の意味も、目的も無く、芝生を食べるなんて行為は、一見すると、因果律の法則を超越している人間のように、見えるだろう?」
「ああ。そうだな」
「しかし、そうじゃないんだ。僕が、何の意味も、目的も無く、芝生を食べた行為は、僕が、因果律を脱却した人間でありたい、という欲求から、起こっている、ということに、気がついたんだ。つまり、一見すると、因果律に従っていない、ように見える行為でも、結局は、人間は、因果律の網から、抜け出ることは、出来ない、と、後で、わかったんだ」
「そうだったのか」
「しかし、僕は、因果律からは、抜けられなくても、自分の感情の奴隷には、絶対、なりたくないんだ。僕に何か、感情が起こるとする。すると、僕は、その感情の奴隷に、なりたくない、という感情が、すぐに、というか、ほとんど同時に、起こるから、僕は、普通の人間が、とる行動と正反対の行動をとろうとするんだ」
「そうか。君は、変わったヤツだな。しかし、君の思いを聞いて、安心したよ」
その後は、夫とAさんの二人は、細々した、雑談をしました。
・・・・・・・・・・・
その翌日の夕方です。
私は夕食を作りました。
夕方に、食べるのですから、夕食です。
夕方に、朝食を作る人は、いません。
その日は、カレーライスにしました。
そして、食事を食卓に乗せました。
いつものように、夫は、私を後ろ手に、縛りました。
しかし、私は、抵抗しませんでした。
私は、自分から、両手を後ろに回しました。
夫は、私を、後ろ手に縛って、その縄尻を柱に縛りつけましたが、私は、心の中で、喜んでいました。
なぜなら、夫が、私に、こういう行為をする理由が、全て、わかったからです。
夫は、サディズム、という、愛で、私を愛してくれていたのです。
「さあ。ご飯だよ」
そう言って、夫は、カレーライス、を、スプーンで、すくっては、私の口に、入れました。
私は、わざと、さびしそうな顔をして、カレーライス、を、モグモグ、噛んで、飲み込みました。
なぜなら、夫は、サディズムの愛で、私を愛しているのですから、私を人形に、していれば、嬉しいのですから。
ゴクン、と、飲み込むと、夫は、嬉しそうな顔をします。
夫は、次の、カレーライスを、私の口に、運びます。
私は、わざと、さびしそうな顔をして、それを、食べます。
なぜなら、夫は、私のさびしい顔を見るのが、嬉しいのですから。
夫は、私が、モグモグ、悲しそうな顔で、夫の、人形になっていると、夫は、実に嬉しそうです。
私は、夫が喜んでくれるのなら、どんな事にも、耐えます。
そのため、私は、つい、
「あなた。福神漬け、も、添えてくれない?」
と、ニッコリ、笑って言ってしまいました。
夫は、「えっ」、と、言って、顔をしかめました。
夫は、カレーライス、を、運ぶのを、やめました。
私が、想定外のことを、言ってしまったので、とまどって、しまったのでしょう。
私は、言って、後悔しました。
「京子。どういう、気の変わりようだ?」
夫が聞きました。
私は、もう、正直に、今日、聞いたことを、言おうと思いました。
「あ、あなた。ごめんなさい。私。さっき、あなたが、友達と、話すのを、聞いてしまいました。あなたは、私を、サディズムの愛で、愛してくれていたんですね。そして、私、と、いつまでも、新鮮な、恋愛感情の、緊張感、を、保ちたいんですね。あなたが、そんな事を考えていた、なんて、知りませんでした」
夫は、渋い顔になりました。
「そうか。さっきの、会話、を、聞いてしまったのか」
夫は、さびしそうに言いました。
「ごめんなさい」
「種明かし、が、バレてしまうと、もう、興ざめになってしまうんだ。もう、いいよ。これからは、普通に食事しよう」
そう言って、夫は、私の縄を解いてくれました。
私は、夫と、一緒に、カレーライスを食べました。
「京子。今まで、ごめんな。オレが、変な性格で」
「ううん。いいわ」
私は、嬉しくなって、目から、涙が出ました。
「聞かれて、しまったからには、仕方がない。いつかは、バレる日が来ると、思っていたんだ。オレは、君とは、いつまでも、初々しい、恋人でいたいんだ」
夫は言いました。
「ええ。構わないわ」
私は、嬉しくて、涙が止まりませんでした。
「寝室は、今まで通り、別々でも、いい?」
夫が聞きました。
「ええ。いいわよ」
私は、答えました。
「明日。海水浴場に行こう。君の、美しさ、を、多くの男たち、に、見せつけたいんだ」
「はい」
私は、素直に答えました。
・・・・・・・・
翌日になりました。
夫は、オートバイ、が、好きで、大型二輪、の、免許を、持っていて、昔の、本田の、CB750、の大型バイクを持っていました。
家から、海水浴場には、近いのですが、「夏空、の元で走る、オートバイ、こそが、最高の青春だ」、と、言うのです。
オートバイ、は、夏でも、皮の、つなぎ、を着ていた方が、安全なのですが、
「オートバイ、は、皮の、つなぎ、を、着て乗るのは、格好が良くない」
と言って、夫も、私も、薄い、半袖シャツ、を着て、オートバイ、に乗りました。
つなぎ、を着ていなくても、夫は、オートバイ、の運転には、自信を持っていますので、私は、夫の運転を信頼しています。
私は、後部座席に乗り、運転する、夫、に、ヒッシ、と、抱きつきました。
もし、夫が、転倒したり、事故を起こしたりすれば、危険ですが、私は、逞しい夫に、命を預けているようで、それが、スリルでもありました。
もちろん、750ccの、大型バイクですから、セルスターター、は、ありますが、夫は、キックペダル、で、エンジンを駆けます。
「大型バイク、を、キックペダル、で、エンジンを駆けること、が、男のダンディズムだ」
と、夫は、言います。
夫は、キックペダルを踏み込んで、オートバイ、を始動させました。
私は、体を夫の背中にピッタリくっつけ、両手を、前に回して、夫の体を抱きしめました。「じやあ、由比ヶ浜、の海水浴場に行こう」
夫が言いました。
「はい」
私は、夫に、抱きついたまま、返事しました。
夫に抱きついて、走る、オートバイ、は、最高でした。
私、と、夫、は、由比ヶ浜の海水浴場に、行きました。
海の家に、荷物を預けて、私は、更衣室で、水着に着替えました。
水着は、夫が買ってくれた、ビキニです。
今時の若い子が、着ている、露出の派手な、Tバックではなく、フルバックで、ブラジャー、も、乳首だけ、隠すような、エロティク、な物ではなく、ちゃんと、乳房が、スッポリ、収まってくれる、ビキニです。
夫に言わせると、「Tバックのような、露出過多のビキニは、恥じらい、が、なくて、幻滅だ。女が、セックスアピールするように、なっては、エロティシズム、は、死んでしまう。ビキニは、普通の方が、男の性欲をかきたてる。日本の女には、西洋の女と違って、恥じらい、が、まだ、ある」
らしいのです。
私は、夫が、買ってくれた、ビキニを着ました。
そして、夫、と、海の家、で、椅子にもたれて、海水浴客たち、を、眺めていました。
夫は、ワイン、を、注文しました。
私は、お酒が飲めないので、オレンジジュース、を注文しました。
私たちは、
「カンパーイ」
と、言って、グラスを、カチン、と、触れ合わせました。
猛暑で、咽喉が、渇いていたので、私は、ゴクゴクと、オレンジジュース、を飲みました。
「京子。ちょっと、砂浜を歩かないか?」
夫が言いました。
「ええ」
私は、夫、と、手をつないで、砂浜を、歩きました。
私は、こうするのが、夢でした。
これこそ、正常な、新婚です。
私は、幸せ、を、噛みしめて、夫の手を、ギュッ、と、力強く、握りしめました。
夫も、私の手を、ギュッ、と、握りました。
海水浴場に、いる、男の客たちが、私に視線を向けました。
「おおー。すごい、ハクイ女」
「きっと、グラビアアイドルだろう」
「お前、彼女、知ってるか?」
「いや。知らない」
「でも、男がいるんじゃな」
「でも、どうしても、写真に撮りたいな。美し過ぎるもんな」
そう言って、一人の男が、私たちに、近づいてきました。
彼らの、一人が、夫に、向かって、
「あのー。お連れ、の、女性を、ぜひ、写真に撮らせて頂けないでしょうか?」
と、聞きました。
「ええ。かまわないよ」
夫は、言いました。
「あのー。大変、申しあげにくいのですが・・・」
と、一人が言いました。
「ははは。君の言いたいことは、わかっているよ。女だけを、撮りたいから、私に、どいていてくれ、ということだろう」
と、夫は、機先を制して、言いました。
「いや。どうも、すみません」
男は、ペコペコ、頭を下げました。
「いや。構わないよ。男と一緒じゃ、野暮な写真になってしまうからね」
と、夫は、言いました。
「いや。どうも、すみません」
男は、ペコペコ、頭を下げました。
「では、私は、ちょっと、離れていよう」
夫は、そう言って、私から、少し、離れました。
夫は、彼らが、私一人の、写真を、撮りたいと思っている、のだろうと、気を利かせたのです。
彼らは、私に、スマートフォン、を、向けました。
「お姉さん。髪を搔き上げて、セクシーなポーズをとって下さい」
とか、
「四つん這いになって、お尻を上げてくれませんか?」
などと、彼らは、私に、要求しました。
私は、彼らの、要求に応じて、彼らの、求める、ポーズをとりました。
彼らは、パシャパシャ、と、カメラマンのように、何枚も、色々なアングルから、私の写真を撮りました。
そして、彼らの、一人一人、と、手をつないでいる、写真も撮りました。
もう、十分、なだけ、撮り終わると、
「どうもありがとうございました」
と言って、彼らは、去っていきました。
「あっ。京子さんじゃ」
海水浴客の一人が言いました。
商店街の店主たち、の一人でした。
「あっ。ホントじゃ」
「ホントじゃ」
商店街の店主たち、は、私の所にやって来ました。
「京子さん。久しぶりじゃの」
「最近、京子さんと、遊べないので、わしら、さびしゅうて。さびしゅうて」
「今日は、わしら、みんなで、海水浴に来たんじゃ」
「しかし、京子さんは、素晴らしい、プロポーションじゃな」
「ビキニ姿が、最高に、セクシーじゃ」
などと言います。
私は、彼らに、裸にされて、さんざん、裸、を、見られ、触られ、と、弄はれましたが、不思議なもので、彼らに、対して、恥ずかしい、という気持ち、は、ありませんでした。
セックスなんて、それを、されている時は、恥ずかしくて、屈辱的ですが、それが、終わってしまえば、女が、男に、体を許すか、どうかを、決める、絶対的な権限は、女にあるのです。
(もっとも、彼らが、した行為は、嫌がる私を、裸にして、触りまくったり、女体盛り、したりしたものなので、あれは、セックスではなく、凌辱、というべきですが)
ともかく、女の許可がなければ、男は、女に、指一本、触れることが出来ません。
そう思うと、私は、何だか、男に対して、優越性が起こってきました。
所詮、男は女の奴隷なのです。
「京子さん。ビキニ姿、を、写真に撮らせてくれんかの?」
と、商店街の店主たち、が、聞きました。
「ええ。いいわよ」
と、私は、答えました。
私は、さっき、と同じように、髪を搔き上げたり、四つん這いになって、お尻を上げたり、と、グラビアアイドルがとる、セクシーなポーズを、とりました。
彼らは、パシャパシャ、と、私の写真を撮りました。
そして、彼ら、一人一人、と、手をつないだ、写真も、撮りました。
「ああ。京子さん。有難う」
「京子さん。御主人の許可はあったけれど、あなたの許可なく、あなたを、弄んでしまって、すまなかった。ごめん」
「最近、京子さんに、エッチなことを、したくて、御主人に頼んでも、許可してくれないもんで、さびしゅうて。さびしゅうて」
「京子さんも、罪つくりな人じゃ。一度、うんと、極楽を味あわせておいて、その後は、わしらを、無視するなんて・・・・。わしは、毎日、京子さんを、弄んだ時の、ことを、思い出しては、オナニーしていたんじゃ」
と、彼らは、言いました。
彼らの、海水パンツ、は、テントを、はっていました。
海水パンツの中で、おちんちん、が、勃起しているのでしょう。
「京子さん。太腿、を、触ってもいいかの?」
商店街の店主たち、が、聞きました。
「ええ。いいわよ」
私は、心地いい、優越感に浸って、言いました。
商店街の店主たち、は、私の、太腿、を、触りました。
「ああ。温かい。柔らかい。女子の最高の、ぬくもり、じゃ」
商店街の店主たち、は、私を女神のように、崇めます。
私は、「ふふふ」、と、笑って、彼らの頭を撫でました。
私は、何だか、男たちに、君臨する女王になったような、気分になりました。
彼らは、だんだんと、ハアハア、と、息が荒くなっていきました。
彼らは、海水パンツの中に、手を入れて、マラ、をしごき出しました。
「あ、ああー。出るー」
そう言って、商店街の店主たち、は、海水パンツの中で、射精しました。
それを見ていた、海水浴客たちは、何事かと、ゾロゾロ、と、集まってきました。
私は、夫の方を見ました。
夫は、私を、手招きしています。
「ごめんなさい。またね」
そう言って、私は、商店街の店主たち、を、残して、夫の所に、行きました。
「京子。ちょっと、騒々しくなってきたから、ここの海水浴場は、去ろう」
夫が言いました。
「はい」
夫と、私は、オートバイ、を止めてあった所に行きました。
夫、は、海水パンツ、で、半袖シャツ、で、オートバイ、にまたがり、私は、ビキニ、で、後部座席に乗り、夫に、しがみつきました。
「じゃあ、片瀬西浜に行こう」
夫が言いました。
「はい」
私は、夫の背中に、ピッタリと、体をくっつけて、言いました。
夫は、CB750、を、男のダンディズム、とやらで、キックペダル、を踏み込んで、エンジンを駆けました。
ドウン、ドウン、と、CB750の、力強い、エンジンが、始動しました。
エンジンの駆かった、オートバイ、は、あたかも、動物のようです。
鼻息を荒くしている、馬のようです。
オートバイ、が、走り出しました。
片瀬西浜は、江ノ島の、西側の海水浴場です。
由比ヶ浜、から、片瀬西浜、へは、海沿いに、走っている、国道134号線で、一直線です。
途中には、七里ガ浜、が、ありますが、ここは、遊泳禁止区域なので、海水浴場は、ありません。
オートバイ、の進行方向から見て、左が海で、右には、江ノ電、が、走っています。
私は、心地いい気分で、夫の背中に、ピッタリと、体をくっつけていました。
国道134号線は、渋滞で、片瀬西浜に、少し、時間が、かかりましたが、着きました。
オートバイ、なので、車の横を、スルスル抜けて、走ることも、出来ますが、夫に言わせると、750cc、の大型バイク、は、道路の真ん中を、威風堂々と、運転するのが、男のダンディズム、らしいのです。
片瀬西浜に着きました。
夫、と、私、は、海の家、に、入りました。
夫は、ワイン、を、注文しました。
私は、お酒が飲めないので、オレンジジュース、を注文しました。
私たちは、
「カンパーイ」
と、言って、グラスを、カチン、と、触れ合わせました。
猛暑で、咽喉が、渇いていたので、私は、ゴクゴクと、オレンジジュース、を飲み干しました。
「京子。ちょっと、砂浜を歩いてきなさい?」
夫は、微笑んで言いました。
「はい」
私は、ニコリ、と、笑顔を夫に見せて、海水浴場に出ました。
砂浜を歩いていると、由比ヶ浜、の海水浴場の時と同じように、男たちの視線が、私に、集まりました。
「おおー。すごい、ハクイ女」
「きっと、グラビアアイドルだろう」
「お前、彼女、知ってるか?」
「写真に撮りたいな。美しすぎるもんな」
そう言って、一人の男が、私たちに、近づいてきました。
由比ヶ浜、の時と同じです。
「あ、あのー。お姉さん。写真を撮らせて頂けないでしょうか?」
と、聞いてきました。
「いいわよ」
と、私は、ニッコリ、笑って、言いました。
私を、多くの男たちに、見せびらかせたい。
それが、夫の願望なのですから。
私は、もう、ためらう、気持ちがありませんでした。
彼らは、私に、スマートフォン、を、向けました。
「お姉さん。髪を搔き上げて、セクシーなポーズをとって下さい」
とか、
「四つん這いになって、お尻を上げてくれませんか?」
などと、彼らは、言いました。
私は、彼らの、要求に応じて、彼らの、求める、ポーズをとりました。
彼らは、パシャパシャ、と、カメラマンのように、何枚も、色々なアングルから、私の写真を撮りました。
そして、彼らの、一人一人、と、手をつないでいる、写真も撮りました。
もう、十分、なだけ、撮り終わると、
「どうもありがとうございました」
と言って、彼らは、去っていきました。
片瀬西浜、では、海の女王コンテスト、が、行われようと、していました。
「京子。あれに、出場してみないか」
夫が言いました。
「えっ。でも、私、申し込み、なんて、していないし・・・」
「いや。オレが、申し込んでおいたよ。お前の写真を添付して。そうしたら、一次選考は、通過したよ」
「まあ。そうだったの。知らなかったわ」
私は、驚きました。
「あっ。山本京子さん、ですね。よくいらしてくださいました。有難うございます」
大会関係者が、私に、声をかけました。
最終選考に残った、5人の中に、私は、入れられました。
結果は、審査員、5人の、全会一致で、私が、今年の、海の女王コンテストに優勝しました。
その直後に、私は、ある芸能プロダクション、に、声をかけられました。
「あ、あの。どうか、我が社に、所属していただけないでしょうか。あなたを、グラビアアイドル、として、全面的に、売り出したく思っています。写真集も、出したく思っています。あなたの写真集なら、きっと、売れること、間違いない、と、確信しております」
と、プロダクションの人間は、平身低頭で、私に頼みました。
私は、チラッ、と、夫の方を見ました。
夫は、笑顔で頷きました。
「わかりました」
私は、答えました。
こうして、私は、××芸能プロダクションに、所属することになりました。
そして、週刊ジャンプ、週刊サンデー、週刊マガジン、など、全ての、週刊まんが、のグラビアアイドル、と、なりました。
私は、一躍、人気アイドル、となりました。
私の写真集、の撮影のための、グアム旅行が、行われ、私の写真集が、出版されました。
写真集は、店頭平積み、で、飛ぶように、売れました。
1000万部の、ミリオンセラーです。
私は、グラビアアイドル、歌手、女優、として、忙しい日々を送っています。
しかし、夫婦間の、新鮮な、恋心を、保つために、夫婦の寝室は、別にしていますし、夫と、セックス、も、しません。



令和2年9月8日(火)擱筆

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ある冬の夜 (心境小説)

2020-09-07 02:42:07 | 小説
ある冬の夜

少年は本屋に入った。
宜保愛子氏の本が三冊あった。
手にとって思わず、笑ってしまった。
大槻教授が、ムキになって、批判していたが、これはこれで、面白いのではないか。
宜保愛子氏が意外と人がいいことが、わかった。
本屋を出た。暴走族がブンブンいわせながら、走っていた。
眠そうな目の、すかいらーく、へ入った。
海老と蟹のドリア、と、ミルクティー、を注文し、ハフハフいいながら、食べた。
そして、二日かけて、書いた、ミサちゃん、への、ラブレターを清書した。
でも、寒さのためか、上手く手が動かなかったので、それは、明日、やることにした。
時計を見ると、11時だった。
少年は片手をポケットに、突っ込んで、自転車を走らせた。
レジャープールが見える。
冬の夜、見る、プールのスライダーは、虚しい。
少年は、ふと思った。
来年の夏、あの子(ミサちゃん)、と一緒に、このプールに来よう。
少年は、想像した。
雲一つない、夏の日に、二人で、手をつないで、笑いながら、ブールサイドを歩いている二人を。
あの子には、黄色地に、水玉模様の、かわいい、ビキニを着せて、少し恥ずかしがらせて。
少年は、畝傍山を見て思った。
この形、どこかで見たことがあるぞ。
そうだ。小学校を過ごした埼玉県に似ているんだ。
少年は、常日頃から、小説を書きたいと思っていた。人の心を和らげるような小説を。寡作ではあったが、いくつか、小説を書いていた。少年は、いつも、とりとめのないことを、考えてしまうタイプだった。
でも、小説を書くためには、もっと心を外に向けなくては。
山の麓に、ポツンと、一軒、電灯がついている。
あそこに住んでいる人は、さびしいだろうな。と思った。
いや、違う。季節がさびしいんだ。もう、10月の下旬。もうすぐ冬だ。
今、見るものは、何でも、さびしく見えてしまう。
道路の脇は、畑かな、と思ったら、それは、刈り入れが終わった後の、田んぼ、だった。
少年は、ふと、一見、変わった家があるのに気がついた。一階は無く、二階が、20畳くらいの、建築中の家だった。少年は、ふと、ブレーキをかけて、その家に入ってみた。
何だか、いつもと、違って、感心が外に向かっている。
少年は、悪戯っぽい性格で、前にも、キーのついた、125ccのバイクを見つけて、夜、こっそりと乗って、元の所にもどしておいたりしたこともあった。
3回目に、たぶん、バイクの持ち主の、奥さん、に、見つかって、注意されたこともあった。
少年は、建築中の家に入ってみた。一階は、車の車庫にするつもりかしらん。
鍵はかかっていなかった。まだ、建てたばかりで、内装、は、されていなかった。
新しい木の匂い、がする。部屋の四方とも、大きなガラス窓で、景色がいい。
何の建物かは、わからない。ここに住んでみたいな、と思った。
道路が近いので、住んだら、ちょっと、うるさいだろう。
少年は、家を出た。カンカン、と、階段の乾いた音がする。これは、ちょっと、以前、読んだ、芥川賞受賞作家の、小川洋子さんの、「チョコレート工場」、の場面みたいだ。あの子(ミサちゃん)、と、住んでみたい気がした。
自転車を走らせた。24号線が見えてきた。文喜堂は、まだ、やっていて、ネオンがついている。少年は、ローソン、へ、今、冷蔵庫が、カラッポだから、何か、飲み物を買っておこうと思って入った。少年は、キャロット&フルーツジュースを、三つ、買った。
ローソンの中にある、鏡を見たら、羊の皮の、皮ジャンが、結構、似合っていて、嬉しくなった。
少年は、前から、松田優作の皮ジャン姿に憧れていて、二週間ほど前に、店じまいの、洋服屋で、1万9千円、の結構、気に入った、皮ジャン、があったので、買ったのだ。でも考えてみると、あの店は、一年前から、いっつも、「店じまい、売り尽くしセール」、をやっているぞ。レジに向かう途中、いつもは、あんまり見ない、コンビニの、書棚を見たら、一冊の本が目にとまった。「高校教師」、とある。少年は、本をとって、目次を見た。そしたら、それは、二週間前に、ビデオで観た、TBSの、「高校教師」、の小説版だとわかった。
少年は、それを買うことにした。実を言うと、少年は、四カ月前に、「高校教師」、というタイトルの原稿用紙82枚の小説を、初めて、小学館の、「パレット」、に投稿したのだった。
内容は、女子校に転勤してきた、男の新米教師と、一人の女生徒、のラブコメディー、だった。少年は、ローソンを出た。少年は、自分の書いた、小説、と、ビデオの「高校教師」、について考えた。というより、思考が、少年の頭の中に流れた。少年は、その小説を書いた時、そのビデオを故意に見なかった。というのは、そのビデオも、女子校へ転勤してきた新米教師と一人の女生徒、という同じ設定だったからだ。そのビデオを観たら、きっと、何か影響を受けてしまいそうな気がして、こわかったからだ。少年は、自分の感性をあらわしたかったからだ。投稿してから、かなりして、ビデオを観た。ビデオは、ビデオで、結構、良く出来ていて、かわいい、と思う所が多かった。思ったより純粋で、かわいいものだった。
だが、一部は、ちょっと、ストーリーに無理があった。少年は、レンタルビデオ屋の前を通った。夢野久作の、小説の、ビデオ、「ドグマ・マグラ」、を借りてダビングしようかと思ったが、やっぱりやめにした。右手にモーテルの四階建ての、看板のための、柱だけの塔が見える。いつも見ているものだった。だが少年は、今の、悪戯な気分なら、あの塔に登れる、と思った。今しかない。と思って、塔へ向かった。それは、何か、ブルース・リーの、「死亡遊戯」、を連想させた。少年は、塔の前に自転車を止めて、忍び足で、階段を登った。
いつも、いつか登ってみたい、と思っていた。それは、四階まで、階段があったが、外から見るのと、違って、もう三階は、手すり、の階段だった。少年は、屋上からなら、眺めがいいだろうと思っていたのだ。塔を降りて、橿原神宮へ向かう24号線へ出た。
以前、この道を、友達に借りた、ナナハン、で、夜とばしたことを思い出して、少年は、おかしくなった。少年は、中型二輪の免許しか、持っていなかった。少年は、秋のさびしい夜に、こんな、とりとめのないことを、考えている自分が妙におかしくなった。孤独であるということが、一人で生きているということが、自分で、おかしく思えてきた。また、それは、客観的に、見た場合、おもしろく見えるような気がしてきた。少年は、自動販売機で、温かい、缶コーヒー、を買った。110円、チャリン、チャリン、と入れた。
ブー、ガタン、という音がして、缶コーヒー、が出てきた。
その刹那、少年に、ふと面白いこと、が、思いついた。
梶井基次郎の小説、「檸檬」、が頭に浮かんだ。
あの透き通った軽やかな感覚が今の自分にはある。
彼が丸善のデパートに檸檬を置いてきたように、今の感覚を、そのまま、書いたら、ちょっとした私小説が書けるぞ。少年は、今の感覚が消えて無くなってしまわないよう、急いで、自分のアパートへと自転車を走らせた。
電気のついている自分の部屋が見えた。
いつもと違って、あの、ごっちゃ、の部屋が、「男おいどん」、の四畳半のように、生き物であるかのように、少年の帰りを待っていてくれるような気がした。


大学5年の二学期に書いた作品。

心境小説なので、登場人物もいないし、ストーリーもありません。

なので、他の人が読んでも面白くないと思います。

しかし、私は、ワード変換していて、大学時代の時の、ある冬の日の感覚を思い出して、なつかしくなりました。

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