大学の臨床実習の時、「面白い」という言葉を使う先生が多い。単純に考えれば、病人は死ぬほど苦しんでいる。その人を、面白い、という見方でみるのは、不謹慎である。先生も意地の悪い先生は、ことさら、学生を試すように、面白い、という言葉を使う人もいた。しかし、それは、言って差し支えのない言葉であり、また、むしろ、面白くならなければいけないのである、と私は思う。臨床に通っても、なぜか基礎医学がわかっておらず、先生の話をポカンと聞いている生徒がいるのである。しかし私は面白かった。なぜなら基礎医学をしっかり勉強しておいたおかげで、病気の理屈がわかるからである。何事でも、そうだか物事は理屈が分かると面白いものである。そして理屈が分かるという段階では、まだ傍観者の立場だが、そこから次に、その病気をどうやったら治せるか、という治療を考えるようになった時、それは患者にとっての救いとなるのである。だから、病気は、まず、面白く、ならなくてはならないのである。
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