▼今朝も雨がしとしと降っている。パソコンの机の前の、窓の外に張り巡らしていた蜘蛛の巣が完成したようだ。
▼生まれたての雨の赤ちゃんが、無数に糸にまとわりついているので、その重みで楕円形をしている。まるで「蜘蛛の糸」の芸術作品を、鑑賞している気分にもなる。
▼私の地域の前浜の定置網は巨大だ。昭和30年代、私が小学校の頃この網には、鰤・鮭・烏賊・鰯など、網が破れるのではないかと心配するぐらい獲れた。
▼子供ながら「一網打尽」という言葉を理解した。それから僅か半世紀、神隠しにあったかのように、魚はどこかに行ってしまった。
▼昨年は丸々に太った鯖が大漁したが、今年はやって来ないのではないかという不安が、常に付きまとう。太平洋沿岸を北上する魚が、福島県で沖に出てしまうか、Uターンしてしまうかとも考えたりもする。
▼すでに私の「一網打尽」という意味の理解は、海から陸に変わった。巨大な蜘蛛の巣が、その意味を実感させてくれるからだ。
▼雨降りの蜘蛛の糸に魅了され、ついテーマからそれてしまった。北海道新聞の朝刊を開き、私の心の網に一番先に引っかかったのは【武器買うお金を医療に回して】という記事だ。
▼私は福祉に関する会議に出席するたびに、心から離れないのはそのことだからだ。「戦闘機など1機買うのを止めたら、この問題は解決する」などということは、何度も発言したことがある。
▼ただ、この発言は単発に終わる。その会議の場でそれ以上突っ込むことは、委員として失格の烙印を押されそうだからだ。
▼大事な視点だと思うが、会議が停滞?するので、つい冗談めかしく小さな発言になってしまう。「本質論を避けて行なう会議などをしているから、前進がないのだ」などと、心の中でぶつぶつつぶやいている。
▼福祉関係者が出している便りに、コメントを掲載してほしいと頼まれ「福祉費と軍事費」について触れたら、読者からこんな内容は記載すべきではない、というような苦情が出たという
。「そんたく」は、日本の隅々まで浸透しているようだ。
▼また脱線したが、この問題を取り上げたのは、ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」の『ICAN』だ。
▼20年度の防衛省の武器購入等に係る費用は「1,1兆円」だという。護衛艦の空母化への改修費・F35B戦闘機6機購入・地上配備型迎撃システム(これは購入中止)だ。
▼【武器を買い、米国の核兵器の抑止力で国を守るという怪しい話。本当に人を守るため、何にお金を使うべきかを考えなければならない】と主張する。
▼書いていて腹が立ってきた。今すぐスパイーダーマンを首相官邸に派遣し、シンゾウを蜘蛛の糸でぐるぐる巻にし、福島沖に投下してほしい。
▼原発の汚染水が、コントロールされているかを確かめさせるためにだ。という単純な怒りで、今日のブログを終了したい。
▼パソコンから顔を上げたら、目の前の蜘蛛の糸の水滴が、さらに美しさを増していた。