函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

ちょっぴり芥川に対抗して

2020年07月23日 18時03分13秒 | えいこう語る
▼私のパソコンは、庭に面した窓際にある。毎朝、庭を眺めながらブログを書いている。ツツジやヒャクナゲなどの花物は終わり、初夏を迎えて緑が少し鬱蒼としている。

▼あの枝を切ろうか、オンコの丸い木は少し小さめにしようかと、庭師!の顔も見せる私だ。今日は雨上がりの静かな庭のたたずまいだ。まもなく紫陽花が咲けば、庭もやたらに華やかさを増す。

▼雨上がりの紫陽花は、湯上りに浴衣姿の、ちょっぴり年増のお姉さんの風情を見せてくれる。もみじの葉も、昨夜の食卓の素麺に鮮やかだった。

▼数日前から、私と窓ガラス越しの1メートル程のところに、少し大きめの蜘蛛が動いているのが見えていた。

▼獲物の獲得場所に適したと判断したのか、巣を張り巡らした。蜘蛛の糸に水滴がつき、まるで星座のようにきれいだ。テーブルに掛けるレースの編み物のようでもある。

▼まだ未完成なので、中心が大きく開いている。東京を中心とした、交通網のようにも見える。このアートの製作者は、雨上がりなので獲物が飛んでこないと考え、まだ寝床の中らしい。

▼たぶん直径1メートルほどの、定置網のような立派な蜘蛛の巣を張り巡らすのだろう。今後の作業工程が楽しみだ。 

▼そこに、シンゾウ、スガ、ニカイ、ハギュウダ、などの害虫が引っかかり、それを見事に絹糸で囲い込むアートを、眼前で鑑賞できることを期待している。

▼一月ほど前、コロナが一旦終息後に久しぶりで近くの温泉に出かけた。風呂上がりにべコニヤとマリーゴールドの苗をプレゼントされた。

▼「温泉と花」に、身も心もさらにあったまった。その花が今庭にきれいに咲いている。この美しい花に、虫たちが飛んでくるのだろう。

▼それを見越しての蜘蛛の巣づくりとは、多彩な才能の芸術家なのだろう。それにしても、雨の小さなしずくが、ビーズのように無数に組み込まれた蜘蛛の巣は、星座のように美しい。

▼花と蜘蛛の巣の美しさに魅せられたのか、小さな虫が飛び始めている。間もなく午前7時になるが、夜遅くまで作成に取り組んだ芸術家と、私の妻もまだ寝床の中だ。

▼昨日店が終了後、店の近くにある、国境の長いトンネルを抜け(車で5分程)隣町の港に出かけ、エゾメバルを釣ってきた。

▼夕食後にそれを捌いていたので、釣りは楽しかったが、その後の処理で疲れたと妻は話していた。下ごしらえもしっかりしたようなので、明日は当店お薦めの「縄文ランチ」の一品として、登場することになる。

▼小説「蜘蛛の糸」は、なんとなく説教気味なので、芥川大先生にちょっぴり対抗し「蜘蛛の巣」という、田舎の生活の様子を書いてみた次第です。

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2 コメント

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Unknown (花てぼ)
2020-07-24 11:35:03
「蜘蛛の糸」のテ-プなりCDなりをえいこうさんにもお送りしていたならば、恥かしい!
自分では「よく読めた!」と悦に入っていたのですから。ただ録音の制限時間があったので、読み方が非常に速いのはすぐにわかっていたのですが。
最近、あのマンネリの読み方を変えたくて、ある先生にテレ・レッスンしてもらいました。
今迄の自分の読み方(これに限らず)とやはり違う観点からの指摘を受けてためになりました。
「蜘蛛の巣」の受賞、おめでとうございます。
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Unknown (かわぐちえいこう)
2020-07-24 22:13:05
茶川賞を受賞させていただきありがとうございました。私の場合は「3丁目の夕日」の、昭和40年代の受賞だと思います。ふと気が大切なことに付くことができる世代に生まれて、良かったと思います。「蜘蛛の巣」の造形は、子供の頃から芸術性を感じていました。朗読は小学校の頃、学校で先生が行っていました。確か小学4年の時だと思いますが、先生の朗読が素晴らしく、その内容の恐ろしさに、女の子がオシッコを漏らしたのを記憶しています。
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