カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

恋するパリ(1)

2013-12-06 23:19:46 |  └・フランス

逃亡の果てにたどり着いたのはパリ。
なぜって、そこは私が恋してやまない街、
そして、自分の原点を見いだした場所。
迷った時にはここに戻るんだ。

美しい夜明けをエッフェル塔と一緒に迎えながら、
心をじっと澄ます。
曇る心の中で見つけた小さなひとかけらの思い、
この美しい夜明けを届けたい人。。

お菓子のようにかわいいパリの街を歩き、
まずは大好きなオランジュリー美術館で
モネの睡蓮を堪能。
半分眠ったようにぼんやりと絵の世界に入る。
睡蓮の花を揺らす風が私の心の中にも吹く気がする。


チュイルリー庭園の端っこで朝ごはん。
ここに来る途中で買ったもの。
バケットのおいしさはいつもながら、
何このアップルパイ、超おいしい~!
甘すぎず、りんごの爽やかな酸味が引き立つ
少しだけ残る果実のシャキッと感
パイ生地のバターの香り。
はぁ~~、なんておいしいの。。
ああ、パリ。だから好き!

美しい冬の日。


クリスマスの飾り付けがされた街をお散歩。
冷たい空気を切るように歩く。
心の中までチンと冷えきって、感覚がなくなり
辛かった事さえ辛くないように感じて来た。
目に飛び込むかわいい景色を映画を見ているように
実感もなくただただ追う。

ようやくお昼ごはん、
老舗のビストロへ。
店は忙しさに殺気立っている。
私がおぼろげなフランス語で一人だけど席はある?と聞くと
ちょっと待ってて!と乱暴にあしらわれ、
それからかなりの時間待つ事になる。
イタリアでも忙しいとかなり雑な扱いを受けるが、
もうちょっと思いやりがある気がする。
とにもかくにも都会は冷たいのね。
待っているのもヒマなので観察していると、
殺気立っているのは給仕長のみで、
他の人は気の毒そうに待っててねと小さく声をかけてくれる。
給仕長、どうやら全部自分で仕切らなければ気が済まないらしい、
殺気立つ忙しさの原因は自分で作っているのではないか、ふむふむ。
みんなで分担して仕事すればいいのにね。
任せるってことが長の仕事なのではと思う。

そんな暇つぶしの人間観察の末、
ようやく席に通された。
もう座れてほっと一息である。
相変わらずビリビリと働く給仕長さん、
パタパタと私の席を用意し、またクルクルとフロアをまわったあと、
ようやく注文を取りに来てくれた。
また下手なフランス語で話すとイラつかれそうなので英語でオーダー。
私がしっかりランチセットとワインまで注文したからか、
ま、よし、みたいに下がっていった。
その後はパンを追加してくれたり、ワインを注いでくれたり
甲斐甲斐しくお世話してくれた。
ん~、きっと悪い人ではないのね。

さて、注文した野菜のココット。
お野菜をココットに入れてオーブンで焼いただけ、
そう思えば思うほど、なんじゃこりゃー!のおいしさ。
野菜のほんのりとした甘み、旨味、香りがふわふわと広がる。
バケットもとってもおいしくってパクパク食べちゃって、
ワインもおかわりしちゃいます。
シンプルだけど、ああ~、なんておいしいのパリ。
そして何よりもこの温かさが
凍り付いた私を内側から暖めていく。

立ちっぱなしで待ってたのは辛かったけど、
おいしかったから、結果よい思い出となってしまった。
おいしいって最強ね。
 
たくさん待って、ゆっくり食べたせいで、
すっかり夕暮れ模様のまちをまた散歩。
今まで歩いた事ない道を選んで歩けば、
なんとそこは中古カメラ屋さんがたくさん。
妙なテンションになりつつショーウインドーを覗き込む。
ああ~、いいなぁ、こんなにたくさん中古レンズが売ってる。
フィレンツェは街が小さすぎて店も少ないし品薄。。
あ、コレ!と思いつつ、そんなお小遣いは持ち合わせてないので通り過ぎる。
いいもん、また買いにくるから。

街に灯がともりはじめた。
黄昏時のパリは最高にロマンティック。

今までは一人旅だし、用心して一人で飲みに行くなんてしなかったけど、
パリをより満喫するために挑戦する事にした。
でも用心深い私は、できるだけ危なくなさそうで、
宿へもほど近いところを下調べして行った。

ホテルに併設されているとーってもおしゃれなバー。
ちょっとお高いのがつらいけど、
だから客層もへんじゃないし、お店の人もちゃんと親切。
でもこんな素敵なバーでひとりなんてさみしいかも。。
独り酒になれない私はぽつねんとしつつ、
ひたすら飲み、おつまみのチーズをほおばる。
あ、チーズ、うま!
ロゼワインにはできれば氷入れないでほしかったけど、
これが正しい飲み方なのかな?
さみしく心の中でひとり会話。
変なお客にならないようできるだけ行儀よく穏やかに過ごしつつ、
誰彼構わずこぞって話しちゃうイタリアを懐かしく思ったりした。

パリの夜はゆっくりと鈍色の帳を引きながら更けてゆくのでした。

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