カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

運命の扉はノックされた

2010-06-23 21:11:47 | ★イタリア留学日記
人生の長い道のりの中で
人は誰しも大きな扉の前に立つ時がくる。

その大きな扉を探す旅を続けるのが人生

そしてようやく出会った時、
人はまず迷う、これが自分の扉なのか
本当にこれが私の「運命の扉」なのかと

迷ったあげくそれを開けようと決心しても
その扉が開くとは限らない
それが「運命の扉」

私は長い旅を経て
今、大きな扉の前に立っている。

古ぼけた山寺の山門みたいな
大きくて重く閉ざされた扉だ。

私はこれが自分の扉だと知っていて
何度も通りかかっては
その度に、これは違うかも
開かないかもしれないと
通り過ぎて来た。

そして随分遠回りして
地球の裏側のイタリアまで旅をしても
やっぱりここにたどり着いた。

でもその旅はあまりにも遠く辛すぎて
もう扉をたたく気力すらなく
私はただ呆然とそれを見上げていた。

そしたらその扉がノックされた。

普通、扉は入る者がノックするものだ。
でも入られる扉がノックされたのだ。
何やってんの、早く入れよって言わんばかりに。

しんと静まり返った胸に響くノックの音は
心臓にAEDの電気ショックみたいに大きく打って
体中の血が駆け巡り始めた。

私の頭がどんなに躊躇しても
電気ショックのせいで体は
もうその扉をくぐってしまった。

扉を抜けると
そこはエルバ島だった。

イタリア トスカーナ州エルバ島
ナポレンの流刑の地であり
あのジャック・マイヨールが愛した島

特筆することもない小さなこの島は
ただとても美しい。
光よりも深く輝く青い海と
豊かに茂る緑の森。
何かに導かれるようにここに立った私は
素直に美しいと感じる心と
それを記すカメラとペンを持っている。
それだけを持っている。
それが私の全て。


「運命の扉」は開かれた

そして扉の向こうにはまた長い旅路が続く