カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

ミラノ!ミラノ!

2010-06-15 23:11:24 | └☆イタリアぶらり旅
ミラノに着いた。

どどーん!
でかい!この駅。
なんかスケール違う。
トスカーナの片田舎で、みの虫みたいにのんびりくらしていた私は
とにかく面食らって、目を白黒。

ホテルのチェックインまで時間があるので
とりあえずドゥオーモへ。
イタリアの町には必ずドゥオーモがあって
それを見るとなんだかその町が分かる気がする。

駅から地下鉄に乗って移動。
日本では地下鉄なんて珍しい物でもないのに
フィレンツェで地下鉄なしの生活を送ってたから
わぁ、地下鉄だぁ、なんて妙な所でテンションが上がったりして。

地下鉄の出口を間違わないように注意深く選んで上がる。
階段の向こうに突然開けた景色におもわず声を上げた。

うわーーーー。

ちょうど階段を上った正面に
白いドゥオーモが青空を背にそびえ立っている。
なんてきれい。
威風堂々と建つ姿はまるで女王のような風格。

尖った塔が何本も天に伸び、細密な装飾が特徴的なゴシック様式のこの建築。
これらはただの飾りに見えるけど、
実はこの大きな教会の広い内部空間を支える為に外側につくられた支柱で、
それに細密な飾りを施してあるのだそう。

それに反して、外側の支柱が全くないフィレンツェのドゥーモは
一体どうやってあんなに大きな屋根を支えているのか?
それは、実は屋根が2枚構造になっていて
内と外の屋根が互いに支えあえうように出来てるんだって。
すっごいなぁ~~。頭いいよ。

もちろん、建築技術は今の方が格段上なはずなのに
こんなに完璧で美しい物がないのはどうしてだろう。。

ドゥーモの中へ入る。
 
あの柱たちに支えられて中は
驚く程高い天井と広い空間になっている。
尖頭アーチ窓の美しいステンドグラスから注ぐ微弱な光は
静かに黙する空気を少しも揺らしたりしない。
この空間の中では、否応無しに自分に向き合うことになる。
それは祈るという行為に似ているのだろうか。

そのまま少し町を歩いて、ホテルに向かった。
 
 
ホテルでツアーと合流。
同じツアーに参加している従妹と叔父とも合流して
4人で夕飯を食べに出かけた。
比較的都心にある1軒のレストラン。
頑張りすぎる事なく、でもちょっとしたお食会雰囲気もあってほどよいかんじ。
実は叔父の誕生日だから、従妹がサプライズでお誕生会をしようというので
手頃なお店を探して予約しておいたのだ。
なんていい娘じゃないか。

ソムリエの友達に教えてもらった手頃でおいしいワインを注文。
ワインでお誕生日おめでとう!
いつも明るくて気さくなおじちゃん、
今回もイタリアまで母を連れて来てくれて本当にありがとう。
いつまでも若く健康でありますように。
 
お通し的な感じでミニピザが出て来た。
お店で焼いてるのかぱりっとしててなかなかおいしい。
  
ワインのおつまみにカプレーゼと
本場のニョッキが食べたいというので
ゴルゴンゾーラのニョッキ。
 
ミラノ名物オーソブッキ(牛肉の煮込み)とミラノ風リゾット。
そしてチーズとズッキーニの花のフリット。
どちらもこってりすぎず、いい感じ。

そして、サプライズのお誕生ケーキ。
電話で席の予約をした時に頼んでおいたのだ。
私のイタリア語がちゃんと通じたかいまいち不安だったけど、
ちゃんとろうそくを立てて、食後に持って来てくれ
いっしょにハッピーバースデーの歌まで歌ってくれた。
イタリアらしいたっぷりの甘さと
いちごのすっぱさがおいしいケーキ。
かなり大きいのだけどぺろりと食べた。

調子良く2本も赤ワインを空け
酔いどれ年寄り二人を連れて
夜のミラノの町をプラプラ歩く。
夜風が心地いい。

ホテルの近くの路面電車の駅で
添乗員さんが待っていてくれた。
それが仕事とはいえ、なんていい人だ。
私はほんの数日、母を案内しただけで
ほとほと疲れ果ててるってのに、
こんなにたくさんの人に気を使ってすごいなぁ。

翌朝、ツアーの出発を無事見送って
私はひとりミラノ観光。
 
まずは、おいしいと教えてもらったパン屋さんで揚げピザを買う。
お店はすごい行列で、それをものすごい勢いで店員さんが捌いていく。
他になにがあるかとかもっとゆっくり見たかったのに
人だかりで何があるかも見えず、自分の順番が来た時には
私を明らかに観光客と判断した店員さんが「いくつ?」と聞いて来た。
つまり、この揚げピザを買いにきたんでしょ、いくついるの?ってことだ。
「1つ。すぐ食べるから」と勢いに押され私も注文。
素早く手渡されたあつあつのピザを受け取って、ドゥオーモの横のベンチでいただく。

むむ?ふわっ!おいしい!
ふわもっちりの生地に、とろーりチーズとトマトソース。
それだけど、これがウマい!
揚げ物だけどしつこくなくて、
うん、やっぱこの生地のふわもっちりだな。
おいしい朝食でちょっぴり元気回復。

 
さ、美術館見学に行こうっと
微妙な地図を頼りに、迷いながら歩く。
なんか、通りも全て大きくってわかりずらい。。
ようやくついた小さな美術館。
これがなんと休館日。
ガイドブックの案内と違っていたのだ。
んんん~、仕方ないよな。。

もともと母との旅行でくたびれ果てていた私は
ここですっかり心が折れてしまった。
もう、フィレンツェ帰ろ。。
駅に行って帰りのチケットを買う。

でも、そんなに本数が走ってるわけでなく
次の電車の時間までまだまだある。
もう、どこか行く場所を探す気力もなく
仕方なくまた当てもなく町を彷徨う。
 
ミラノは大きな街だ。
整備された幅広い車道に高層ビル
薄暗い影がふきだまる路地。
でも一方では古い建物がビルにまぎれつつも凛として建っていたり。
これぞイタリアというようなハイセンスなファッションがあり、
と、同時にただ流行をおいかけただけの寒々しいトレンドあり。
 
都会かと思えば、すぐそこの街角には屋台が並び人々の生活の匂い、
ちんちん電車は我が物顔でがたごと揺れながら街を横切って行く。
なんかこの街、わたし好きかも。

歩いていたら行列のしているピザ屋に出くわした。
お昼これにしようかな、とりあえず列に並んでみる。
店内はお客さんであふれ、その中を店員さんがくるくると働いている。
キッチンでは次から次にピザが焼かれ、すごい熱気。
後から入って来たおじさんが
「おい、すごい列だな。テイクアウトならいけるのかい?」
とお店の人にきいていて、OKそうだったので
そのおじさんに続いて私もキッチン前に移動。
ピザ職人に「私も欲しいの」アピール。
「次は君の番だよ」目線を受けてすかさず
「マルゲリータ1枚、テイクアウトで」と注文。
ものすごい早業でピザを切り分けたかと思ったら
ド派手なピンク色の紙につつんで
明らかに納品物の箱を再利用しているっぽい段ボールの切れ端を台代わりに
バチッバチッとホッチキスで止めて、ほいっと手渡してくれた。
ちょっと惚れてしまいそうなくらいワイルドだ。

さっそく近くの公園のベンチで開いてみる。
25センチ、いや30センチはあろうかというでかさ、
そしてなぜか爪楊枝が6本つきささっている。
その異様な光景に、異物混入??とつい悪い発想をしてしまうのは日本の暗い社会事情。
でもそれは、このとろーりチーズが包み紙にくっつかないようにの心遣いだった。
すてき☆と思いつつ、どうも効率いいやり方ではない気もするが。。

ま、とりあえず味わう。
マルゲリータなのでトマトソースにチーズ、これは一緒。
でも何が違うかって、その規格。
まずその大きさ、そして生地の厚み、チーズのたっぷりとろり加減。
すべてがビックピッツァ。
生地は厚くふわふわ。
今まで食べたピザは小麦粉の味わいをそのまま焼いていただく感じだったけど
それからするとこのふわふわはちょっと進化系?
うん、これはこれでおいしいかも。
しかし、でかい上に厚いこれ、私食べきれるかなぁ。
でも結局ぺろりと食べちゃった。
私の胃も大分イタリア人化してるな。

ふと、横を見ると、隣のベンチに
同じド派手なピンクの包み紙のピザをかじる
スーツ姿のビジネスマンが。
今まで出会ったイタリア人ならここで
声までかけなくても、一緒だねって目配せぐらいはするもんだが
その人は目線を避けるようにうつむいてぼんやりと食べている。
ミラノの人は都会人だからこげんあるのかな?
イタリア人らしく、ピンストライプのスーツをパリッと着こなしているけど
でもちょっと疲れてるように見える。。
どこの国でもお父さんは大変だよね。がんばって。

人を応援してる場合じゃない程ぐったりとした体を
ようやくきた電車に乗せて、一路住み慣れたフィレンツェに向かったのでした。