夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

近水園

2014-11-29 21:12:32 | 日記
先日の「短歌初心者講座」のとき、先生から木下利玄や足守についてお話をうかがったことで興味を惹かれ、足守(あしもり)の町を訪れた。
足守は江戸時代には、足守藩2万5千石として木下氏が治めた(豊臣秀吉室・高台院の兄の木下家定が立藩)ところで、木下利玄は藩主の子孫。足守には、陣屋(城のない大名の居館)遺構や侍屋敷、藩主庭園の近水園(おみずえん)などが残る。


近水園は、岡山三大庭園の一つであるが、後楽園・衆楽園に比べると、規模はずっと小さい。
この日は穏やかな天気で、紅葉がとてもきれいだった。
池に浮かぶ小さな島に、利玄の歌碑があり、

  花びらをひろげ疲れしおとろへに牡丹重たく萼をはなるる

の歌が刻まれていた。


近水園の隣にある利玄生家や、木下家の菩提寺・大光寺にも訪れたが、私の印象に強く残ったのは、侍屋敷の庭で見たこの黄葉。
折からの夕日を浴びて、金、また赤銅色に輝いていた。
今年は十月に入るとすぐに冷え込み始め、そのまま十一月にかけて寒くなっていったためか、例年にも増して紅葉が美しいように思われる。本格的な冬の到来の前に木々が見せる、最後の生命の輝きに、このところずっと魅了されている。

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