夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

春画展

2015-11-26 23:31:42 | 日記
会場の永青文庫が分かりにくい場所にあったので、地下鉄有楽町線・江戸川橋駅を出てから、迷い迷い行った。
ようやくたどり着くと、すでに入場を待つ長蛇の列が。
話には聞いていたが、ものすごい人気で、改めてこの展覧会への関心の高さを感じた。
観に来るのは私のような中高年男性ばかりかと思っていたが、実際には二、三十代の女性もかなり混じっていたので驚いた。

順番を待つ間、来場者が退屈しないよう、館員さんが永青文庫について説明してくれた。
永青文庫は、細川侯爵家の事務所として昭和6年(1930年)につくられた建物が、その後博物館になったもので、肥後熊本の大大名であった細川家に伝来する歴史資料や美術品等の文化財を収めている。
中に入ると、古い建物であることを実感でき、階段や壁の装飾などが素敵であり、細川家が代々使っていた家具や調度なども置いてある。
応接室も、普段は見られないが、今回は館長の意向もあってカーテンを開けている。過去にはモナコ王妃であったグレース・ケリーも歓談した部屋なので、ぜひ見てほしい、云々。


春画を生で見るのは初めてだったが、版画よりは肉筆画の方により魅力を感じた。
繊細で艶めかしく美しい、至上のエロティシズムとはこういうことをいうのかと思う。
美人の乱れた髪、鼈甲の簪(かんざし)、透けた薄い着物を通して白い玉のような肌が見える。
指を絡め、頬から目元、額まで紅潮させた女性が、恍惚とした表情を浮かべている嬌態に、年甲斐もなく胸がドキドキしてしまった。

永青文庫を出てから、近くの蕎麦屋で酒を頼み(秋鹿・純米吟醸があった)、心の火照りを冷ましたが、いかにも眼福を得たという気持ちになった。

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