夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

シェフ!(その1)

2013-04-09 22:00:34 | 映画

ベテランシェフのアレクサンドル(左=ジャン・レノ)と、若手シェフのジャッキー(右=ミカエル・ユーン)との奇妙な邂逅と友情の物語。

さわりだけあらすじ
ジャッキー・ボノは優れた味覚と抜群の料理センスを持ちながら、環境に恵まれず、全くその才能を発揮できないでいた。
映画の冒頭、とあるレストランで、ジャッキーの作った仔牛のブランジェに、ソムリエが合わないワインを勧めている。と、厨房からジャッキーが飛び出し、この料理にはこのワイン、と勝手に指示して、ソムリエも食事中の客も白けさせてしまう。
ジャッキーはこの店ですでに、肉のことで6人とケンカし、魚にカラシをかけた客に殴りかかったこともあり、オーナーに、
「うちは3つ星レストランじゃない。」
と言われ、クビになってしまう。
そのことを身重の恋人・ベアトリスに告げると、

「今月だけで4軒目よ。家族が増えるのに…。預金残高を見た?」
とひどくなじられる。ジャッキーは、ベアトリスを休職させ、子どもを産んでもらうために、やむをえずシェフの道はあきらめ、安定したペンキ職人の道を歩むことにする。

一方のアレクサンドルは、パリの三つ星高級レストラン・ラガルドのベテランシェフだが、若くて伝統料理に理解のないオーナーから「企業の論理」を押しつけられていた。
「もっと原価を抑え、いまどきの評論家に受ける料理を作れ。今度、春のメニューを始める日に、評論家連中が来る。彼らは君のような伝統料理が嫌いだそうだ。ガイド本の星が減ったら、君はクビだ。後釜はシリルに頼むことに決めてある。そうなったら君はオルレアンの支店に行け。」

絶体絶命のピンチに陥ったアレクサンドルは、しかし、ひょんなきっかけからジャッキーと出会い、その才能を知る。しかもジャッキーは、アレクサンドルの料理の大ファンで、彼の料理を誰よりも熟知していた。ジャッキーはアレクサンドルに、
「あなたは、離婚してから料理の味に進化がない。もっとアレンジすべきだ。」
と言い、新作メニューを作るにはチームが必要だとして、あちこちから色々と怪しい素性の料理人(元メーキャップ師とか「分子料理」(!)の専門家とか)を呼び集めて実験を重ねる。さて、評論家たちが来るまで残り2日間、彼らは未知の新作料理を完成させ、評論家をうならせることができるのか…?