夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

京都の夜

2013-04-21 23:09:42 | 日記


せっかく京都に来たのだからと、例会の後は短い時間のなかで、自分なりに京都らしさを満喫できるコースを巡った。
まず四条のジュンク堂書店に行き、繁華街を抜けて四条大橋を通り、八坂神社へ。土曜の夜だからか、今の時期は「都をどり」があるからか、人でごったがえしていて、岡山ではこんな人混みは花火大会のときぐらいしかないので、正直驚く。八坂神社の入口にあたる西楼門は、日が沈むと上の写真のようにライトアップされて、幻想的な雰囲気に。



参拝の後はそのまま円山公園を通り、知恩院へ。もう中に入ることはできなかったが、浄土宗の総本山だけあり、その大きさに圧倒される。祖師の法然上人は岡山(美作国)の出身であり、また一昨年に上野で「法然と親鸞」展を見てきたので、本当はぜひ参詣もしたかったのだが、また次の機会を待とう。
…夕方から風が強く、生ぬるい空気の中に時折小雨がぱらつきながら、なんとか天気は持っていたのに、祇園を歩いている頃からとうとう雨が降り始めてしまった。石畳の道がしっとりと濡れて、古都の街らしい雰囲気を醸し出しているが、実際は今の季節には珍しいほどの寒さ(6℃くらい)で、風情を感じるどころではなかった。



そろそろお腹がすいてきたので、どこかで夕食にしようと先斗町を歩いていたのだが、人出が多く、どの店にするか迷っているうちに街を通り過ぎてしまった。
混んでいる所は苦手なので、落ち着いた感じで庶民的な居酒屋がいいなあと、錦市場を歩いていたら、夜になってひっそりと静まりかえった商店街の中に入口の表示があって、細い通路を少し入っていく店があった。お店の玄関も、ガラス戸しか見えないので、外からはどんな雰囲気の店かまったくわからない。しかし、こういう隠れ家的な店が私はけっこう好きなので、思い切って入ってみることにした。結果、大当たりだった。
町屋を活かした造りの店で、入ってすぐ上は吹き抜けになっており、玄関で靴を脱いで客席に上がる。木のカウンター(四人掛け)とテーブル席二つのみの小さな店で、向こう側に坪庭も見える。
おかみさんいわく、オーガニックな食事を目指しているそうで、ディナーセットを頼んだのだが、ほぼ野菜のみのメニューだった。切り干し大根、おぼろ豆腐、揚げ物(おからコロッケが◎)、有機野菜の蒸籠蒸し、〆に湯葉とキノコのあんかけ丼など、家庭的な味でとてもおいしかった。
お店は晴-hale-という名前。私はビールと日本酒(月の桂 都丸(とまる)/京都・伏見のお酒)を頼んだが、焼酎にこだわりがあって、かなり取り揃えているようだ。
入口がちょっとわかりづらいが、雰囲気のよい店で、ランチもやっているそうなので、近くまで行った人は、ぜひ寄ってみてください。