テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

ナビ派で、ゆうるり。

2017-05-14 22:15:57 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 きょうもォ、おおいちィばんッ!」
「がるる!ぐるるるがるる!」(←訳:虎です!元気玉の出番だ!)
「よォしッ! ていィやあァ~ッ!」

 こんにちは、ネーさです。
 ふぅ、我らがユヴェントスはまたも天王山です。
 勝利もしくは引分けでリーグ戦の優勝が決まる……!
 ここはスパっと決めてくれぃ!と祈りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらのアートブックを、どうぞ~♪

  



           ―― かわいいナビ派 ――



 監修・著者は高橋明也(たかはし・あけや)さんと杉山菜穂子(すぎやま・なおこ)さん、
 2017年2月に発行されました。
 拙ブログでもたびたび御紹介しております
 『かわいい印象派』『かわいい禅画』他が好評の
 《かわいい》シリーズから、
 この春に誕生しましたのは、
 『かわいいナビ派』!

「ええェ~とォ、なびはッてェ~…」
「ぐるがるぐるるっ?」(←訳:どの辺りですかっ?)

 『ナビ派』の『ナビ』とは、
 ヘブライ語で『予言者』の意味を持つ言葉です。

 1888年、夏。
 フランスのブルターニュ地方で休暇を過ごしていたパリの若い画家
 ポール・セリュジエさんが、
 先輩画家ポール・ゴーギャンさんのアドバイスのもと、
 小さな作品を即興的に描きました。

 その作品は、
 セリュジエさん自身をも驚かせます。

 これは、僕が学校で描いているような絵じゃない……?

「じぶんでェ、びッくりィ?」
「がるぅっる!」(←訳:大ショック!)

 パリにもどったセリュジエさんは、
 画塾の仲間の、
 ピエール・ボナールさん、
 モーリス・ドニさん、
 ポール・ランソンさんを巻き込み、
 ひとつのグループを結成します。

 それが、『ナビ派』の始まりでした。

「ふむむんッ! そこがァ、しゅッぱつてんッ!」
「ぐるるるるるぅ!」(←訳:1888年かぁ!)

 著者・高橋さんは
 いくつかのキーワードから
 『ナビ派』の特長を示唆してゆきます。

 プリミティヴ。
 日本の版画からの影響。
 身近な日常生活にあるような、親密さ。
 画面(作品のサイズ)は小さめ。
 グラフィックアートの分野でも、活躍!

「なるほどォ、どこかしらァ~♪」
「がぅるる!」(←訳:ジャポン!)

 この御本に収録されているナビ派の作家さんたちの
 作品を見てみると、
 ええ、たしかに日本美術の影響が感じられますね。

 遠近法なんて無用。

 平面的な構成や彩色、大好き!

 掛け軸風の、縦に長い画面。

 人物画に“彫りの深さ”はなく、
 北斎さんの『北斎漫画』に出てくるような、
 笑顔のチビっ子ちゃんたちが
 楽しそうに遊んでいる――

「かわいいィでス!」
「ぐるがっるる!」(←訳:頬がふっくら!)

 御本の後半では、
 《“美しきイコンのナビ”モーリス・ナビ》という、
 ナビ派最年少の画家モーリス・ドニさんを
 取り上げた章があるのですが……

 ここはもう、本当にかわいい!
 ドニさんが描いた恋人マルトさんの肖像画、
 赤ちゃんの、子どもたちのまぁるい顔、
 そこに刺す光。

 ドニさんの胸に灯る、
 あたたかな、やさしい想いが
 伝わってくる作品たち。

「このォやさしさがァ~」
「がるる!」(←訳:ナビ派!)

 張りつめて切れそうな糸ではなく。
 ふんわり、ゆるやかな、
 森の風のような。

 忙しくてクタクタだわぁ、
 なんだか疲れちゃった……という方々は、
 どうかこの御本を手に取ってみてくださいね。
 かわいくてやさしい色と線の中で、
 はい、深呼吸を、ぜひ♪
 
 
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