テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ もしも?の扉 ~

2021-10-08 23:43:06 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 わほゥ! はんさむゥ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!美男子だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 誰もが振り返る美男子、
 銀幕きってのハンサム、と聞いて、
 皆さまはどなたを思い浮かべるでしょうか。
 本日の読書タイムは、
 日本映画界随一の”美貌にひと”の記録を、
 さあ、どうぞ~♪

  


 
    ―― 歌舞伎役者 市川雷蔵 ――



 著者は大島幸久(おおしま・ゆきひさ)さん、
 2021年8月に発行されました。
 『のらりくらりと生きて』
 と副題が付されています。

「らいぞうゥさァ~んッ!」
「ぐるる~!」(←訳:雷さま~!)

 八代目市川雷蔵(はちだいめ・いちかわ・らいぞう)こと
 市川雷蔵さん(1931~1969)。

 メイク無しの、普段の顔は、
 どちらかというと地味で、目立たず。

 しかし、
 撮影に臨まんと
 ひとたびメイクを施すや、
 不思議千万、
 そこには美しい青年俳優さんが……!

「まッ、まぶしいィ!」
「がるるるるぐーる!」(←訳:これこそがオーラ!)

 日本映画がキラキラと輝く
 黄金時代。

 雷蔵さんが出演した映画は、
 なんと、152本!

 現代劇、文芸大作、
 歴史大作、コメディ、
 エンタな時代劇などなど、
 さまざまなジャンルのフィルムに
 いまもくっきりと焼き付けられている
 ㇲッと通った鼻梁、
 細面の理想的な輪郭、
 眉と目元のバランス……。

 とりわけ、
 活字マニアさんに
 評価が高いのは、やはり、
 柴田錬三郎さん原作の
 《眠狂四郎》シリーズでしょうか。

「えんげつゥ~さッぽうゥ!」
「ぐるがる!」(←訳:一閃必殺!)

 21世紀の現在に到っても
 未だ人気が衰えることはない雷蔵さんの、
 そもそもの出発点は、
 歌舞伎でした。

 生後六ヶ月で
 伯父の養子となり、
 さらに別の家の養子に入って、
 市川雷蔵を襲名するものの――

 名門に生まれついたのでは、ない。

 その一事が、
 雷蔵さんを苦悩させます。

「でんとうゥ?」
「がる?」(←訳:血筋?)

 梨園をとりまく
 伝統と、血脈。

 そこに生まれた者でなければ、
 良い役を貰えない。

 年長者に盾突いては、
 狭いその世界ではやってゆけない。

 そうして、
 歌舞伎に見切りをつけ、
 映画の世界へ
 飛び込んでいった雷蔵さんは、
 みごとトップスターの座を
 つかみましたが……。

「……さみしいィ!」
「ぐるる!」(←訳:心残り!)

 歌舞伎が嫌い、ではないんです。
 憎い、のでもないんです。

 歌舞伎への愛情が、
 雷蔵さんを駆り立てます。

 ふたたび
 身を投じよう。
 10年ぶりの、歌舞伎の舞台へ。

「えんもくゥはァ?」
「がるる~!」(←訳:勧進帳~!)

 著者・大島さんは、
 映画スター・市川雷蔵さんではなく、
 歌舞伎役者・市川雷蔵さんの軌跡を
 丁寧に描いてゆきます。

 どんな役者さんであったのか、
 どんな役者さんになりたかったのか。
 彼の、夢は、野望は。

「もしもォ、いまァ~…」
「ぐるるるるがるぐっるる?」(←訳:雷蔵さんが存命だったら?)

 もしも、雷蔵さんが
 病に倒れていなかったら。
 もしも……?
 私たちのもしもは尽きることがありません。
  
 映画&演劇好きな方々に、
 雷蔵さんのファンの方々に、
 おすすめのノンフィクション作品です。
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪
 
 
 
 
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