テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2011!新春特別企画!《白い宝玉》その1!

2010-12-30 23:25:52 | 2011!新春特別企画!
 カラ~ン、コロ~ン、カララ~ン♪……

 いずことも知れぬ、ここ、パラレルワールドの英国に響くのは、
 セントポ-ル寺院の鐘の音でしょうか、
 ビッグベンの点鐘でしょうか……。
 ええ、そうです、またしても。
 やってまいりました新春特別企画!
 一年ぶりに目覚めたのは、あの名探偵氏!


 


「しんねんだねッ、とらくんッ!」
「ぐるるるーがるる!」(←訳:もう大晦日も暮れるよ!)

 ベーカー街221Bの下宿の居間で、
 名探偵テディちゃムズ氏と
 友人の虎くんは、
 暖炉に近い安楽椅子でゆったりと、
 新しい年の到来を待っております。

「ことしはァ、おだやかなァ、としのせッ、だねェッ!」
「ぐるぐるがるるる!」(←訳:平和がいちばん!)
「うむッ!
 きょねんはァ、たいへんだッたァ……!」

 思い起こせば、ちょうど一年前のこと。
 あの『バスカビル家の虎』事件で、
 テディちゃムズは虎くんと知り合ったのでした。
 ああ、今年こそは!
 怖ろしい犯罪などとは無縁に、穏やかに、
 新年を迎えたいものです!

 ところが、そこに。

 ドタドタドタタ。
 下宿の階段を駆け上がる足音は、はて?


 


「テディちゃムズ!
 事件だ!!」

 テディちゃムズの盟友にして伝記作家、
 白クマのユキノジョン・H・ワトソン博士が、
 ここぞとばかり叫びまする。

「クマリング侯爵夫人のネックレスが盗まれた!
 《白い宝玉》と呼ばれる
 家伝の名品だそうだよ!」

 嗚呼、《白い宝玉》!

 テディちゃムズが素早く紳士淑女録を書棚から取り出し、
 ページを捲れば……ありました!
 クマリング侯爵家に伝わる《宝玉》の記述が!

「むぽゥ!
 とくだいィのォ、おぱーるッ?!?」
「鳩の卵より大きいって!」
「がるがるぐるぐるる!」(←訳:真珠より美しいって!)

 ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 これを、と手紙を差し出します。
 フォートナム&メイスンへ新作ハチミツを買いにゆこうとしたところへ、
 ランガムホテルの少年給仕さんが走ってきて、
 名探偵テディちゃムズさんに!と
 手紙を渡されたのでした。
 侯爵夫人はテディちゃムズさんの出馬を切望しております!
 とも言うのです。

「うゥ~むむゥ……!」

 テディちゃムズ、少しだけ、肩を落とします。
 名探偵の宿命とはいえ、
 どうやら今年も、
 安楽椅子でみかんを食べながら
 紅白クマ歌合戦をラジオで聴きふけるという
 ささやかな願いは叶わぬようでございます……。

 いえ、愚痴は口にしますまい。
 探偵を名乗る者なら、
 受け入れましょう、この運命!
 いざや、出発!
 大晦日だろうと真夜中だろうと、
 犯罪の現場へ、いますぐに!
 コートを羽織って、
 帽子を被り、
 仕込み杖を忘れずに!
 
「さあッ、ゆくぞッ!
 とらくんッ、ゆきのじょんッ!
 あくにんをォ、たおすのだッ!」

 ベーカー街221Bのドアを開け――


 


 名探偵テディちゃムズ、
 霧けぶるロンドンの街に歩き出したのでした……!


   ~ つづく ~ 
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