「こんにちわッ、テディちゃでス!
ぱふゥッ! おおたにィさァ~んッ!」
「がるる!ぐっるがるるるる!」(←訳:虎です!ビックビジネスだ!)
こんにちは、ネーさです。
大谷翔平選手、ドジャースへの移籍が決定!
2024年も西海岸での健闘を期待しながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 日本美術の冒険者 ――
著者は中野明(なかの・あきら)さん、2021年6月に発行されました。
『THE ADVENTURER OF JAPANESE ART CHARLES LANG FREER』と英語題名が、
『チャールズ・ラング・フリーアの生涯』と日本語副題が付されています。
日本から遠く隔たった米国の西……じゃなくて、東海岸。
ワシントンDCのスミソニアン博物館群の中に、
ひとつの美術館があります。
フリーア美術館。
1923年、米国で初の国立美術館として開館した
この美術館が収蔵するのは、
チャールズ・ラング・フリーアさん(1854~1919)が収集した
数千点の美術品です。
「とくにィ、ちゅうもくゥすべきなのはァ~」
「がるぐる!」(←訳:日本美術!)
戦火のタネを抱えつつも、
まだ世界大戦など影も形もなかった時代のこと、
或る富豪さんが客船に乗って日本へやって来ました。
その人物こそ、フリーアさん。
事業に成功し、
大富豪になっていた彼が
明治の日本で“発見“したものは、
数多の美。
「ぐすんッ、かなしいことにィ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:名品がザクザク!)
旧体制が崩れた日本では、
国宝級の美術品が売買されることも
珍しくない状況であったと、
今では知られていますが、
フリーアさんが手に入れた美術品のリストを
この御本の本文であらためて目にすると、
ああもう、ヒステリーを起こしそうになりますよ。
俵屋宗達さん、本阿弥光悦さん、
尾形光琳さんに乾山さん、酒井抱一さん、
北斎さん、広重さん、歌麿さん……
本国アメリカにいた頃から
浮世絵などの日本美術品を買い入れていたフリーアさん、
“本場“の日本に到着して、
いっそう美術愛と収集欲が刺激されちゃったようで。
「あれもッこれもッ!」
「がるるぐるがるるる!」(←訳:値切るのも忘れずに!)
著者・中野さんは、
フェノロサさんやホイッスラーさんたちの助言・提言を胸に、
日本の文化の影響を受けつつ、
美術品を収集してゆくフリーアさんの日本滞在の日々、
そして、
収集品を国家に寄贈する計画を進めてゆく帰国後の行動を
悠々たる筆致で描きます。
「びじゅつかんッ、たてちゃいィまスかッ?」
「ぐるるるがるるるるる~?」(←訳:たくさん集めたんだね~?)
実はフリーアさん、
日本美術の収集家として有名なんですけれども、
収集の対象は日本美術だけじゃなかったんです。
亡くなった時点でフリーアさんが所有していたのは、
友人・ホイッスラーさんの作品だけで千点超、
米国人作家さんの作品や、
中国の美術品、朝鮮半島の美術品、
エジプトの美術品、
中近東とインドの美術品、、
バビロニア・ビザンチンその他の美術品、と
総数15.434点……!
「あわわわゥ!」
「がるるるるぐるるるっる……!」(←訳:アメリカのお金持ちって……!)
フリーア美術館の所蔵品は、門外不出。
寄贈者の遺志に従い、
外部への貸し出しは行っていません。
21世紀となった今も。
明治の日本で、
フリーアさんは何を見、何に情熱を燃やしたのか。
日本の美術の何が彼のこころをとらえたのか。
ひとりの収集家さんの《美》に魅入られた生涯を、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪