「こんにちわッ、テディちゃでス!
ほうそうはァ~のこりィにかいィ~??」
「がるる!ぐるるがる~?」(←訳:虎です!大丈夫かな~?)
こんにちは、ネーさです。
大河ドラマ『どうする家康』も残るはあと2話……
12月3日放送の第46話では茶々さまに泣かされました。
俳優さんたちの熱演にエールを送りつつ、
さあ、週明けの読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 夢見る宝石 ――
著者はシオドア・スタージョンさん、
原著は1950年に、画像の日本語版(新訳版)は2023年10月に発行されました。
英語原題は『THE DREAMING JEWELS』、
長らく入手困難となっていたスタージョンさんの代表作が、
新訳を得て復活しましたよ。
「ふるいィ~けどォ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:古びてないね!)
ええ、70年以上前に刊行された作品ではありますが、
物語の魅力は全く色褪ることなく、
現代でも燦然と、いっそう目映く輝いています。
少年ホーティーの痛みとともに。
「ひどいィのでスゥ!」
「がるぐるるがるるる……!」(←訳:もう逃げるしかない……!)
ホーティこと
ホートン・ブルーイットくんは、孤児。
ある秋の晩、
1枚の湯上りタオルだけに包まれて
公園にいるところを見つかって、孤児院へ。
8歳になった今は里親の家で暮らしているものの、
里親がホーティー少年を孤児院から引き取った理由というのが、
選挙のため。
当時、市議会議員選挙に出馬していた里親は、
“気の毒な身寄りのない子ども”を引き取れば、
有権者へのいいアピールになる、と
策を巡らせたのです。
「ぶゥー!」
「ぐーるるる!」(←訳:ブーイング!)
そういう背景があっての里親・里子ですから、
家の中には団欒(だんらん)も、愛情もありません。
そして、ホーティー少年がちょっとしたトラブルを起こすと、
里親の感情は爆発し、
ついにホーティーくんは部屋を飛び出します。
「きをォつけてッ!」
「がるぐっるがる!」(←訳:外は真っ暗だよ!)
脱出直前、里親によって手にケガを負わされたホーティーくんは
傷口を押さえながら、
或るトラックの荷台に転がり込みます。
そこでホーティーくんを助けてくれたのは、
カーニバルへ向かう一行でした。
カーニバルを見物に行く……のではありません。
芸を披露する出演者として、裏方として、
彼らはカーニバルを目指しているんです。
ホーティーくんの窮状を察したのでしょう、
彼らに誘われ、
ホーティーくんはカーニバルの団員に紛れ込むことに……?
「そこがァ、だいもんだいィでス!」
「ぐるがるぐぅるるるる!」(←訳:ここ普通じゃないんだ!)
団員モネートルの野望が
さらなる危難となってホーティーくんたちに襲い掛かります。
不可思議な力を有する《夢見る宝石》――
モネートルが欲しくてたまらないその宝石の、
手掛かりを持つのは。
「しィッ!」
「がるるるぅる!」(←訳:聞かれちゃう!)
光あふれるカーニバルのテントと、
背後の闇。
ホーティーくんは闇に呑み込まれてしまうのか。
レイ・ブラッドベリさんを虜にしたという、
スタージョンさんの傑作は、
ファンタジーやSF好きな方々に、
ミステリ好きな活字マニアさんにも
おすすめですよ。
本屋さんの文庫コーナーで、
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪