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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 光と闇のカーニバルへ ~

2023-12-04 22:08:40 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ほうそうはァ~のこりィにかいィ~??」

「がるる!ぐるるがる~?」(←訳:虎です!大丈夫かな~?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 大河ドラマ『どうする家康』も残るはあと2話……

 12月3日放送の第46話では茶々さまに泣かされました。

 俳優さんたちの熱演にエールを送りつつ、

 さあ、週明けの読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

            ―― 夢見る宝石 ――

 

 

 著者はシオドア・スタージョンさん、

 原著は1950年に、画像の日本語版(新訳版)は2023年10月に発行されました。

 英語原題は『THE DREAMING JEWELS』、

 長らく入手困難となっていたスタージョンさんの代表作が、

 新訳を得て復活しましたよ。

 

「ふるいィ~けどォ!」

「ぐるるるるる!」(←訳:古びてないね!)

 

 ええ、70年以上前に刊行された作品ではありますが、

 物語の魅力は全く色褪ることなく、

 現代でも燦然と、いっそう目映く輝いています。

 

 少年ホーティーの痛みとともに。

 

「ひどいィのでスゥ!」

「がるぐるるがるるる……!」(←訳:もう逃げるしかない……!)

 

 ホーティこと

 ホートン・ブルーイットくんは、孤児。

 

 ある秋の晩、

 1枚の湯上りタオルだけに包まれて

 公園にいるところを見つかって、孤児院へ。

 8歳になった今は里親の家で暮らしているものの、

 里親がホーティー少年を孤児院から引き取った理由というのが、

 

 選挙のため。

 当時、市議会議員選挙に出馬していた里親は、

 “気の毒な身寄りのない子ども”を引き取れば、

 有権者へのいいアピールになる、と

 策を巡らせたのです。

 

「ぶゥー!」

「ぐーるるる!」(←訳:ブーイング!)

 

 そういう背景があっての里親・里子ですから、

 家の中には団欒(だんらん)も、愛情もありません。

 

 そして、ホーティー少年がちょっとしたトラブルを起こすと、

 里親の感情は爆発し、

 ついにホーティーくんは部屋を飛び出します。

 

「きをォつけてッ!」

「がるぐっるがる!」(←訳:外は真っ暗だよ!)

 

 脱出直前、里親によって手にケガを負わされたホーティーくんは

 傷口を押さえながら、

 或るトラックの荷台に転がり込みます。

 

 そこでホーティーくんを助けてくれたのは、

 カーニバルへ向かう一行でした。

 

 カーニバルを見物に行く……のではありません。

 芸を披露する出演者として、裏方として、

 彼らはカーニバルを目指しているんです。

 

 ホーティーくんの窮状を察したのでしょう、

 彼らに誘われ、

 ホーティーくんはカーニバルの団員に紛れ込むことに……?

 

「そこがァ、だいもんだいィでス!」

「ぐるがるぐぅるるるる!」(←訳:ここ普通じゃないんだ!)

 

 団員モネートルの野望が

 さらなる危難となってホーティーくんたちに襲い掛かります。

 

 不可思議な力を有する《夢見る宝石》――

 モネートルが欲しくてたまらないその宝石の、

 手掛かりを持つのは。

 

「しィッ!」

「がるるるぅる!」(←訳:聞かれちゃう!)

 

 光あふれるカーニバルのテントと、

 背後の闇。

 ホーティーくんは闇に呑み込まれてしまうのか。

 

 レイ・ブラッドベリさんを虜にしたという、

 スタージョンさんの傑作は、

 ファンタジーやSF好きな方々に、

 ミステリ好きな活字マニアさんにも

 おすすめですよ。

 本屋さんの文庫コーナーで、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪