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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ ゆれる、ゆれる、影が揺れる。 ~

2023-05-12 22:09:18 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふァ? かふェでェ、さんばッ??」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!本日開店だよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月12日、渋谷PARCO内にてオープンするのは、

 『ビバ~マツケンサンバⅡワールドカフェ~オレ!』、

 既に予約で満員御礼となっているそうですが、

 ユニークで面白いそうな企画にニヤリ♪とさせられながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

          ―― 踏切の幽霊 ――

 

 

 著者は高野和明(たかの・かずあき)さん、

 2022年12月に発行されました。

 『ジェノサイド』以来11年ぶりになるという著者・高野さんの長編新作は、

 幽霊譚――本格的な《ゴーストストーリー》です。

 

「ごッ、ごォすゥとッ??」

「ぐるるがるぅ~!」(←訳:怖いの来たぁ~!)

 

 御本の表紙がまた、

 《ゴーストストーリー》に相応しいビジュアルですね。

 照明があってもなお暗い、

 夜の踏切……

 ボウッと浮かぶ白い影は、幽霊なのか、

 単なる目の錯覚なのか……?

 

 ええ、その踏切には

 ちょっとばかり、いわく……というか、

 注意点がありました。

 線路への侵入者が多くて、

 電車の運転手さんは警戒していたんです。

 

 1994年の冬――

 その日も、箱根湯本を発車した特急電車の運転手さんは、

 終点が近付くにつれ、

 ピリピリと緊張を高めていました。

 厚木を過ぎて、町田を過ぎて、

 下北沢も過ぎれば、もうすぐ新宿………と!

 

「あぶなァいィ~ッ!」

「がるる!!」(←訳:人影が!!)

 

 下北沢三号踏切の、

 線路中央に人影がある!

 

 非常制動をかけた特急列車は

 汽笛を轟かせ、停止します。

 運転手さんと車掌さんは大急ぎで車外に出、

 車両の前部へ走りましたが……

 

 いない?

 

「あれれッ?」

「ぐるがるるる!」(←訳:誰もいないよ!)

 

 列車の周囲、線路、踏切、

 それらのどこにも異常はありません。

 人が接触した形跡も、もちろん無し。

 では、先程の人影は何だったのか……?

 

「みまちがいィじゃないィでス!」

「がるるぐっるるる!」(←訳:リアルだったもん!)

 

 《踏切の人影》。

 その謎に取り組むのは、

 『月刊女性の友』の記者・松田法夫(まつだ・のりお)さん。

 

 全国紙の社会部記者から

 女性誌の取材記者となって、

 慣れぬ環境に苦労していた松田さんに

 上司はさらなるムチャを振ります。

 

   1月発売の『魅惑の英国特集』号では、

   ロンドンの美しい街並み、ファッション、アンティーク、

   ティータイム、クイーンの音楽などを紹介する。

   そこに、

   心霊ネタも加えよう。

 

「ふァ??」

「ぐるがる??」(←訳:なぜ心霊??)

 

   イギリスと日本には意外な共通点があってな。

   両国ともに、幽霊話が多いんだ。

 

 という、分かったような分からないような理屈で、

 心霊ネタを担当することになった松田さんが調べ始めたのは、

 踏切の人影。

 

 学生さんが撮影した8mmフィルムに、

 通りがかりの人が取ったスナップ写真に、

 写り込んでいる

 この人影は。

 

 本物の心霊現象――幽霊なのか?

 

 幽霊なのだとしたら……誰なんだ?

 

「あわわわわッ、そこまでェ?」

「がるぐるるる?」(←訳:調査しますか?)

 

 記者のスキルと知識、人脈、経験を活かし、

 松田さんは一歩また一歩と迫ってゆきます。

 

 人影は、幽霊は、

 何者なのか。

 

「ずッしりィ、おもいィ~!」

「ぐるるるぅ!」(←訳:パワフルぅ!)

 

 はたして、松田さんが”視た”ものとは。

 

 サスペンス譚であり、

 ハードボイルド小説や

 警察小説の要素も、

 ファンタジックなミステリでもあって、と

 さまざまなスタイルを併せ持つゴーストストーリーは、

 良い意味で

 ”後を引く”味わいです。

 

 怪談好きな方々には

 とにかく手に取ってほしい一冊ですから、

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

  付記:映画化(映像化)熱望です!

     主演は小栗旬さん、もしくは堤真一さんでどうでしょう?

     大泉洋さんもいいなぁ~♪♫