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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 文豪さんの《アリス》、再誕! ~

2023-05-09 22:01:32 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 きょうはァ、ひんやりィ~!」

「がるる!ぐるるがるーるるる!」(←訳:虎です!アイスクリームの日!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月9日は、アイスクリームの日、ですね。

 かつては健康食品であったものをデザートの域に高めたのは、

 ジュリアス・シーザーさん(紀元前100年頃~紀元前44年)。

 そんなに昔からアイスクリームってあったの?と驚きながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

    ―― 芥川龍之介・菊池寛 共訳 完全版 アリス物語 ――

 

 

 著者はルイス・キャロルさん、

 訳補・注解は澤西祐典(さわにし・ゆうてん)さん、

 原著は1865年に、画像の日本語版は2023年2月に発行されました。

 

 『不思議の国のアリス』として知られるキャロルさんの名著を、

 芥川龍之介さんと菊池寛さんが共訳した『アリス物語』と、

 英国の挿絵画家マーガレット・タラントさんの挿絵で構成された

 とってもレアな《アリス》作品です。

 

「あくたがわァさんッ?」

「ぐるるがる??」(←訳:菊池寛さん??)

 

 英国で刊行されるや、

 子どもたち紳士淑女に大人気となり、

 ヴィクトリア女王も魅了された『不思議の国のアリス』。

 

 そして、19世紀英国の人びとと同じく、

 《アリス》の物語に夢中になったのが、

 芥川龍之介さんと、

 菊池寛さんでした。

 

「そこでェ、ぷろじぇくとォ~はッしんッ!」

「ぐるがるる~!」(←訳:翻訳しよう~!)

 

 1927年11月、

 『小學生全集(全88巻)』の第28巻として、

 芥川さんと菊地さんの共訳による

 『アリス物語』は刊行されました。

 

 芥川さんが急逝されたのは1927年7月のことでしたから、

 完成した『アリス物語』を前に、

 菊地さんは何を想ったのか――

 

 巻末の『解説――本書の成り立ち』では、

 『アリス物語』誕生の舞台裏が記されていて、

 私たち読み手は想像をたくましくせざるを得ません。

 芥川さんにとって

 アリスが変幻自在に遊び旅する《不思議な国》とは……?

 

「とおいィ~いこくゥ?」

「がるるる?」(←訳:魔法の国?)

 

 芥川さん&菊地さんが訳出した『アリス物語』は、

 現代の各『不思議の国のアリス』と

 ほとんど(驚くほど!)変わっていません。

 

 『ヤマネ』が『山鼠』だったり、

 『マッドハッター』が『お帽子屋』だったりするものの、

 原作の魅力をそのまま湛えているかのように、

 アリスの冒険が綴られてゆきます。

 

「ちぇしゃねこくんッ、いまスゥ!」

「ぐるるるがるるぐっるるる!」(←訳:白ウサギさんも走ってます!)

 

 ちょっぴり古風、とも言えなくもない文章と、

 マーガレット・タラントさんの美しい挿絵は

 相性が良く、見応えがありますよ。

 本家《アリス》のテニエルさんの画が好きという御方も、

 タラントさんが描いたドードーやグリフォンには、

 ニヤリ♪とすることでしょう。

 

「きょだいなァ~ありすさんもォ!」

「がるぐる!」(←訳:必見です!)

 

 脱落箇所の補完や注釈も加えられた

 『完全版 アリス物語』は、

 まだ《アリス》を読んだことがない方々にも

 ぜひのおすすめですよ。

 本屋さんで見つけたら、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

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