「こんにちわッ、テディちゃでス!
きょうはァ、ひんやりィ~!」
「がるる!ぐるるがるーるるる!」(←訳:虎です!アイスクリームの日!)
こんにちは、ネーさです。
今日5月9日は、アイスクリームの日、ですね。
かつては健康食品であったものをデザートの域に高めたのは、
ジュリアス・シーザーさん(紀元前100年頃~紀元前44年)。
そんなに昔からアイスクリームってあったの?と驚きながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 芥川龍之介・菊池寛 共訳 完全版 アリス物語 ――
著者はルイス・キャロルさん、
訳補・注解は澤西祐典(さわにし・ゆうてん)さん、
原著は1865年に、画像の日本語版は2023年2月に発行されました。
『不思議の国のアリス』として知られるキャロルさんの名著を、
芥川龍之介さんと菊池寛さんが共訳した『アリス物語』と、
英国の挿絵画家マーガレット・タラントさんの挿絵で構成された
とってもレアな《アリス》作品です。
「あくたがわァさんッ?」
「ぐるるがる??」(←訳:菊池寛さん??)
英国で刊行されるや、
子どもたち紳士淑女に大人気となり、
ヴィクトリア女王も魅了された『不思議の国のアリス』。
そして、19世紀英国の人びとと同じく、
《アリス》の物語に夢中になったのが、
芥川龍之介さんと、
菊池寛さんでした。
「そこでェ、ぷろじぇくとォ~はッしんッ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:翻訳しよう~!)
1927年11月、
『小學生全集(全88巻)』の第28巻として、
芥川さんと菊地さんの共訳による
『アリス物語』は刊行されました。
芥川さんが急逝されたのは1927年7月のことでしたから、
完成した『アリス物語』を前に、
菊地さんは何を想ったのか――
巻末の『解説――本書の成り立ち』では、
『アリス物語』誕生の舞台裏が記されていて、
私たち読み手は想像をたくましくせざるを得ません。
芥川さんにとって
アリスが変幻自在に遊び旅する《不思議な国》とは……?
「とおいィ~いこくゥ?」
「がるるる?」(←訳:魔法の国?)
芥川さん&菊地さんが訳出した『アリス物語』は、
現代の各『不思議の国のアリス』と
ほとんど(驚くほど!)変わっていません。
『ヤマネ』が『山鼠』だったり、
『マッドハッター』が『お帽子屋』だったりするものの、
原作の魅力をそのまま湛えているかのように、
アリスの冒険が綴られてゆきます。
「ちぇしゃねこくんッ、いまスゥ!」
「ぐるるるがるるぐっるるる!」(←訳:白ウサギさんも走ってます!)
ちょっぴり古風、とも言えなくもない文章と、
マーガレット・タラントさんの美しい挿絵は
相性が良く、見応えがありますよ。
本家《アリス》のテニエルさんの画が好きという御方も、
タラントさんが描いたドードーやグリフォンには、
ニヤリ♪とすることでしょう。
「きょだいなァ~ありすさんもォ!」
「がるぐる!」(←訳:必見です!)
脱落箇所の補完や注釈も加えられた
『完全版 アリス物語』は、
まだ《アリス》を読んだことがない方々にも
ぜひのおすすめですよ。
本屋さんで見つけたら、手に取ってみてくださいね~♪