「こんにちわッ、テディちゃでス!
あううゥ~! つよいィ~」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!王者の強さ!)
こんにちは、ネーさです。
初防衛を遂げた藤井王将と羽生善治九段、
お疲れさまでした……!
熱戦を終えた御二方に心からの拍手を送った後は、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、将棋と同じように、
頭脳労働が世界を組み立てるこちらの御本を、どうぞ~♪
―― 明智卿死体検分 ――
著者は小森収(こもり・おさむ)さん、
2022年12月に発行されました。
『Find the Onmyouji / Too Many Onmyoujis』
と英語題名が付されています。
「ぱられるゥ!」
「ぐるーるがるる!」(←訳:スチームパンク!)
「みすてりィ~!」
6巻から成るアンソロジー『短編ミステリの二百年』が
日本推理作家協会賞(評論・研究部門)と
本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を
ダブルで受賞!
ミステリファンさんからも大喝采!
という偉業を達成した小森収さん。
その小森さんが、
アンソロジストではなく作家として
送り出したこの御本は、
ええ、そうなんです。
舞台はパラレルワールド、
時代的にはスチームパンク、
登場人物はフィクションとノンフィクションをミックスした
歴史上の偉人さんたち。
という、壮大なエンタ作品になっていて、
私ネーさ、驚かされました……!
だってもう、
探偵役を務めるのが、
明智小壱郎光秀(あけち・こいちろう・みつひで)さん、ですよ?
役職でいうなら、
織田家家臣の、明智越前守(あけちえちぜんのかみ)であり、
官職名は、権刑部卿(ごんのぎょうぶきょう)。
しかも、
明智さんの相棒役は、
陰陽師の、阿部天晴(あべのてんせい)さん。
「うふふふッ!」
「がるぅるるぅぐる~♪」(←訳:めちゃくちゃです~♪)
冗談なのかしら?と目を丸くしてしまう設定ですけれど、
実は、綿密かつ入念な構想のもとに描き出されています。
陰陽師(魔術師)さんたちが躍動する世界――
この世界の“日本“にも
“帝“はおれらますが、
政治の在り様が、私たちの世界とは異なっていて。
織田、羽柴、徳川、の3家が、
将軍職を持ち回りして、国を統治運営している。
というような形で。
「いまはァ、とくがわァさんッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:本拠地は東国!)
現在は将軍職から外れている織田家。
織田の家臣である明智卿は
いささか肩身が狭い……はずなんですけれど。
勅命です。
“帝“直々の御指名によって、
明智小壱郎さんは
或る犯罪事件を解決するよう命じられたのです。
「ふァ? こッ、これはァ~??」
「がる!」(←訳:雪だ!)
由緒ある屋敷の、
四阿(あずまや)で
雪に埋もれて亡くなっていたのは、誰か。
いや、ちょっと待って?
雪、って?
四阿以外のどこにも雪なんてないし?
雪に埋もれて、って
埋もれちゃう前になぜ歩いて出てこなかったの?
「まじゅつゥ、でスかッ?」
「ぐるるる?」(←訳:陰陽の術?)
いったい何が何だか?な不可能犯罪に、
探偵・明智さんは敢然と挑みます。
陰陽師・天晴さんの知識と経験、
明智さん自身の理知の力をもって。
はたして、雪の四阿の、カラクリは。
「わらいィありィ!」
「がるぐる!」(←訳:機智あり!)
物語のあちこちにちりばめられているのは、
古今の名作ミステリ&巨匠さんたちへのオマージュ。
国内外のクラシックミステリや、
中世史&近代史好きな方々には
大いに愉しめること間違いなしの怪なる快作は、
SF好きな方々にもおすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪